黄な粉餅も欠かせません。
不思議に美味しい納豆餅。
餅を搗く(その4終わり)
「さあ、どうぞいっぱい食べてねー」「いただきまーす」と全員が一斉に箸をとって食べ始めることになる。
先ほどまでの喧騒が嘘のような静けさ。もっとも、美味しくて話しながら食べるなんてできませんから。
餅を食べる段になると、亡父は毎年同じことを言った。
「昔は一升餅を食べる人は結構いた。もち米一升分の餅はそれでも簡単だが、
搗き上がった餅を一升枡にぎっしりと詰めたのは食べきれる人はめったにいなかった」と。
子供たちが家を出て、夫婦二人暮らしになり大臼の出番もほとんどなくなってしまった。
それでもその欅の大臼は今でも我が家の宝物として大切に保存してある。
(終わり)