夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

岸田るり子著「密室の鎮魂歌(レクイエム)」創元推理文庫

2008-05-23 19:57:53 | 本と雑誌

岸田るり子著「密室の鎮魂歌(レクイエム)」創元推理文庫
岸田るり子著「密室の鎮魂歌(レクイエム)」創元推理文庫
夢破れフリーターのような生活を送る麻美は 成功した学生時代の友人麗子の個展に 友人由加と出掛ける

ある絵の前で由加は錯乱した「私の夫を返して」

由加の夫鷹男は行方不明のままだ

鷹男の面影残す麗子の息子 真之介 双子の雪乃

高木が鷹男が消えた家で死ぬ

一条は自分の店で

麗子は自分の家で襲われた

いずれも密室

警察も犯人を見つけられない

麻美は真相を知り 真実を確認しようとするが

身勝手な化物のような女二人

カミングアウトできなかった恋人達

エキセントリックな人間達

死が重く漂う物語です


焼いています

2008-05-23 17:53:59 | 子供のこと身辺雑記

焼いています
焼いています
焼いています
二日のばしにしていたお好み焼き

昨日は夕方バタバタしたので 鰻のかば焼き・ニラの卵とじ・残りのホルモンうどん・味噌汁・サラダでした

横着した生地は 卵・インスタントだしのもと・乾燥桜えび

肉は甘辛く味付けして煮ておきます

キャベツは適当に小さく切って

竹輪とか好きな具をのっけます

ホットプレートに卵割って生地かけてキャベツ・肉・竹輪・パックの鰹節・青のり
少し焼いてから生地薄くかけ 少し焼いてからひっくり返します

もう一度ひっくり返して ソースをかけて出来上がり

日本酒・醤油・甘味を市販のソースに加えています


ヘザー・ローウェル著「ナイトクラブの罠」 ランダムハウス講談社

2008-05-23 13:02:25 | 本と雑誌

ヘザー・ローウェル著「ナイトクラブの罠」 ランダムハウス講談社
ヘザー・ローウェル著「ナイトクラブの罠」 ランダムハウス講談社
ヘザー・ローウェル著「ナイトクラブの罠」 ランダムハウス講談社
元FBI長官ポールを父に持つ地方検事局の検察官テッサは 犬を連れて散歩中に 隠れているひどく怯えた少女ケリーに出会う

彼女は騙されレイプされていた

相手は誰もが憧れる有名なフットボール選手エーケン

正義感に燃えるテッサは事件にしようとするが 何故か警察は及び腰

彼女は信頼する刑事で父親のようにも思うエドと 親友ヴェロニカに捜査を依頼する

ケリ―と一緒のところをエーケンに襲われるも 居合わせたテッサの弟の活躍で事無きを得る

娘テッサが心配になったポールは腕ききの探偵ル―クに事情を説明する

テッサに男心も刺激されたルークは恋に落ちるが テッサは襲いかかる車に轢き殺されそうになり 庇ってエドが死んでしまう

怪我をしたテッサはエドの死を悼みつつも怯まない

ルークの支えもあり 捜査も会計が専門のシャンタルの参加で一気に進む

それはマフィアも関係する大きな事件へと

地方検事カーメンの助言もあり テッサは警察 FBIとも協力しあう方針をうちたてた

ケリ―を守り救う為に

幾度も危ない目に遭いながら 遂にケリ―を見つけて救出する

テッサをサポートしながら共に事件を追ううち深く彼女を愛するようになったルークは求婚する

人気ロマンス作家エリザベス・ローウェルを母に持つ著者の 本書は小説2作目です


「この夜を越えて」-8-

2008-05-23 00:01:52 | 自作の小説

yお館近くまで来ると駿(はやお)と佐津子の乗る馬の速度は落ちた
「この地に踏み入れる事は―」と言い出す

「一刻を争う時だろう 他の事は後だ
茜野を守りたいのであろうが」

そこへ駒弥が通りかかる「兄者(あにじゃ)!」

向き直り「義仁様も?」と声を上げるのへ 抑えた声で義仁が返事した

「黒浜が奇襲をかけようとしている
阿矢女殿に振られた恨みらしい」

「とにかく中へ―」
案外と強引に馬の轡を取ると駒弥は屋敷うちへ引いていく
控えた小者に小さく言うと間も無く菖子が駆け出してきた
「姉上!」侍女数名とでさらうように佐津子と華奈女を奥へ連れて行く

そのすぐ後に姿を見せた藤三(とうざ)も駿(はやお)の様子を見ると家人に何か指示をし 駿はさっさか奥へ運ばれた

それを見送り藤三は義仁を見て笑顔になる

「駿殿は黒浜におられた そこの館の人集めに応じて こちらを襲う話を知ったらしい
あの傷は それをこちらへ知らせようと抜け出す時に手負ったものだ」
義仁が教えると 「まずは中へ」と藤三が先に立ち屋敷なかを進む
部屋に落ち着くと食事を運ばせ 他にも幾つか指示を出していた

やがて義仁に向き直る
「佐津子どのは 我が妻菖子(しょうこ)の姉になる」
駿は弥十の孫で駒弥の長兄

藤三には兄が二人あった
十歳上の長兄は病弱で次兄は自分が後継して茜野の当主になろうとした

野心家であったのだ
代々 佐津子 菖子 姉妹の家は里の実力者  館の当主はそこから妻を決めるしきたりのようになっていた

藤三の次兄は佐津子を妻に望む

ただ駿と佐津子は想い合っていた

夜 二人は茜野を出る

怒った藤三の次兄藤次(とうじ)はまだ少女の菖子を無理矢理妻にしようとし―
流石にそれは 当時まだ茜野の当主であった藤三達兄弟の父が止めた

逆上した藤三の次兄は・・・自分が当主になる邪魔者と 自分の父親を殺した

ここに至って 病身の長兄は弟を討つ決意をする

病がちの身 弟に次期当主の座は譲るつもりであった

だが父親を殺したとなると話が違う

それは それは人の道に外れている

藤三は長兄を助け―というよりも 実質的な戦力
戦いの中心となり―長兄の為に戦い勝利した

次兄は「藤三が 我が弟であったがこの身の不運」

負けて捕らえられ そう言って自刃しようとしたが

藤三は兄を死なせるに忍びず 長兄に助命を嘆願

長兄も「身内の血が流されるのは充分」と 次兄が出家し この地を去る事を条件とした

彼は一族の者が住職を勤める京にある寺に引き取られた

二年ばかし茜野を治めた長兄は 頃よしと見たか  藤三に当主の座を譲り隠居した 

藤三は菖子を妻とし 長兄の名を最初の子に貰った ―藤太―である

その数年後 藤三の茜野の治め方に安心して 長兄は死んだ

今だ藤三が{若お館}と呼ばれるのには そんな理由がある

「菖子は姉佐津子の行方を案じておりました

弥十も口には出さぬが 孫の行方は気掛かりでありましたでしょう
知らせは勿論 駿と佐津子夫婦を無事に連れ帰って下さった事にも礼を言います 」

屋敷外は戦(いくさ)の仕度で慌ただしいが藤三は落ち着いていた

「どうぞ ごゆるりと休まれよ」

少しして藤三は手配や指示の為に座敷を離れた

駿の休む部屋にも顔を見せ 詫び断わりを言おうとする彼を止め  「結果的に持ち帰ってくれた黒浜についての知識は役に立つ
それだけでも有難いが
何より息災で生きていてくれて嬉しいぞ
よう帰ってきてくれた
弥十がな ずうっと案じておった

駿は我が妻の姉の夫
義兄になるのじゃ
茜野に我が屋敷にいるに何の遠慮も気遣いも不要じゃ」

「若様」床から起き上がり 手をついて駿は俯き落涙する

「この茜野で暮らしてくれぬか
力を貸してほしい」

隣室に休む佐津子にも その言葉は聞こえていた

枕元で世話を焼く菖子が嬉しそうに言う

「姉上が家出して下さったおかげで あたくし藤三様の妻になれました」
子供時代に帰ったかのように茶目っ気たっぷりの表情を見せる

 
華奈女は阿矢女がついてあれこれ世話を焼いている

藤太は「お前幾つだ?ちゃんと飯食っているのか」などと偉そうに騒いでいる

駿は黒浜への近道 その地形
屋敷うちの図面

そうした情報を話し 時々 義仁が補足し 隣室で話を聞く佐津子も付け足した

何処で黒浜の軍勢を迎え撃つのが有利か 男達は作戦を練る

許されて隣室から その様子を聞く藤太の表情は誇らしげだった
まるで自分が戦うように心弾ませている

ただ勝つだけなら誰にでもできる

いかに犠牲が少く相手を圧倒するか
そういう作戦が臨機応変にたてられるかが―良い主人なのだ

一人一人に家族がある
それを忘れてはならない

そうした事を藤三は藤太に空気だけでも教えたいのか

今日ある命は 明日必ずあるとは限らないゆえに

策を練り準備を整えている茜野と違い 黒浜側は主人(あるじ)が逆上していた

強い男達を集めている自分が負けるわけがない
まして奇襲をかけるのだ

相手が用心し 備えていようとは考えていない

駿を追いかけて義仁に負かされ縛られていた面々は 「不甲斐ない 何という情けなさじゃ 当家の恥じゃ」と縛られたままさんざんに打ち据えられた

黒浜の一純(かずすみ)は痩せて貧相な小男の上に非常に身勝手で癇性な人間であった