犬に追いかけられ逃げて 妹を助けにいけずー
犬に追われた妹は熱を出し ある処置を受けられず
その為 病気に勝てず死んだ
小四郎は自分の臆病を恥じ この臆病を克服したいと願った
自分の弱さを知る故に精進した少年は文武両道 強い人間になる
長じて藩の為に正義を行わんとし 奸臣と思う人間を退治したつもりであったが
悪い 正しい 黒か白か
そういうふうにばっさりと簡単に処することができるものではなかたっと知る
人ににくまれても藩の藩の人々の為に
ひたすら生きた男の半生
彼は隠居して余楽斎と名乗った
ある人物は彼に言う
「ひとは美しい風景を見ると心が落ち着く 何故だかわかるか」
「山は山であることに迷わぬ 雲は雲であることを疑わぬ
ひとだけが おのれであることを迷い 疑う
それゆえ風景を見ると心が落ち着くのだ」
「間 小四郎 おのれがおのれであることにためらうな
悪人と呼ばれたら 悪人であることを楽しめ
それが お前の役目なのだ」
人からなんと言われようと誠実に生きた男
その物語