夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

深緑野分(ふかみどり のわき)著「戦場のコックたち」(創元推理文庫)

2020-10-28 20:09:10 | 本と雑誌
1925年あたりに生まれたアメリカ青年ティモシーコール
第二次世界大戦の折り 彼は志願して軍隊へ

管理部付きのコックとなる

戦う相手はドイツ

戦争では人が多く死んでいく
兵士も民間人も

ちょっとした謎の答えを見つけるエドワード・グリーンバーグも



最初 敵兵を見てもどうしていいかわからなかったようなティムも 連戦で変わっていく

敵だから殺してもいい

そのような考えに

けれどこの考えをひっくり返すようなことにも遭遇


戦争で孤児となった子供たち

エピローグで時代は一気に進み

ドイツで戦友でもあった男と再会するティモシー


かつての若者たちも時は流れ人生の晩年を迎えている


戦後 心に残る傷から立ち直れなかった者


戦時中の縁で妻を得て人の親になった者


本書は解説の杉江松恋氏によれば著者の長編第一作とのこと
ただならぬ力量の作家が出てきた

そう思います
これから注目していきたい作家さんです


岡田育著「ハジの多い人生でした」 (文春文庫)

2020-10-28 19:53:38 | 本と雑誌
ハジとは恥のことではなく「端」を意味していると
端をハジっこを生きてきましたーとの意らしい

解説はフリーアナウンサーの宇垣美里さん

著者の生き方を眩しく思い 勝手に弟子入りしているつもりでいるーとある

文庫本のはじまりと終わりと著者の言葉がある

「私が」という思いの強い方らしく 読み始めて数行で疲れた

ニューヨーク在住とある
何かにつけてアメリカではという表現も出て来る


頭でっかちでひとりよがり
周囲の人間は疲れるだろうなあーなどとも思う



そうか そうか そんなふうに生きてこられたのか
それはまた随分と幸運な人生だねえと溜息が出る


でも買った以上は 最後まで読了しよう

たとえ読みながら頭痛がしてこようが

読みながら 何故こうイライラするのか考えていた
書かれている内容か
著者の感性か
それとも断定的な押しつけてるような書き方
文体か

最後の黒塗り箇所の連続も偏執的で薄気味悪く 著者の性格の子供っぽい狭量さとかたよりを示しているようでね

10年 30年して自身の書いたものを読み返した時に この人はどう思うのだろう

わたし偉いだろうか

ニューヨークで暮らしている私は世界人なの
視野が広いのよ
などと思い込んでいるのだろうか

或る種の人間は 自分が他者への加害者なのに
自覚なく 私って虐げられているーなどと思い込み周囲を迫害する


端のハジではなく 恥の多い人生だろうな
そしてその恥を自覚していない幸せな人間なのだろうなー

そうした意味では興味深く読んだ

最後まで読みとおしてね
どっと疲れました