夢見るババアの雑談室

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ほぼ身辺雑記です

中山七里著「闘う君の唄を」 (朝日文庫)

2020-10-08 00:11:07 | 本と雑誌



―本書は中島みゆきさんの楽曲「ファイト!」から、作品の構想を得ていますーとの言葉があります

解説は大矢博子さん


神室幼稚園に赴任した新人の喜多嶋 凜
彼女は保護者会のモンスターペアレンツ団体様のような保護者会に驚く
園側が決めた遠足の目的地すら変更させる

唯々諾々と従う園長

凜は少しでも理想に近づけるべく奮闘するが

園にも秘密があり それに絡んで・・・凜にも秘密があった


忌まわしい過去の殺人事件
犯人とされたのが凜の父親だった


この街に暮らしていられず 他の土地へ

だが 街には凜を覚えている人間もいた

人殺しの娘

前を向いて生きようとする凜


この昔の事件を調べにきた刑事がいる

中山七里作品にはお馴染みの渡瀬刑事

かなり人相が悪いらしく
作中これだけの表現がある

ー齢の頃は五十代半ば、中肉中背で声がやけに渋い 聞きようによってはかなりの濁声に感じるだろう
だが何と言っても一番の特徴は顔だった
目 鼻 口 それぞれのパーツは普通なのに それらが収まった顔は凶暴のひと言に尽きた
不用意に近づいたら問答無用で殴られそうな気がする

いったいどこのヤクザかと怪しんでいるとー


ーただ後ろにいるだけなのに 殺気じみた空気が背後から漂ってくる
武闘派のヤクザなのだろうかー

「キョーアクハンが出るんだよ」
「きょ凶悪犯?」


などと さんざんな書かれようである


渡瀬刑事は この昔の連続殺人事件の犯行現場を見つけ出し 真犯人も見つけた



物語としても楽しめますし 自分達は善意の人間 正義側だから相手に何をしてもいい
身勝手な迫害についても書かれています
問題提起の物語と言ってもいいでしょう