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夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

M・W・クレイヴン著「ストーンサークルの殺人」 (ハヤカワ文庫)

2021-03-02 19:41:59 | 本と雑誌

 

 

冒頭の犯罪の残虐さに息を呑む

生きながら人間が焼き殺されるのだ・・・・・

その生々しい描写

 

ほぼ同年輩の老人たちを殺す連続殺人

 

あるミスから停職中だったワシントン・ポーはこの事件に関わることになる

ある老人の死体に彼の名前が刻んであったのだ

それを見つけたのが

天才だが世間知らずのティリー・ブラッドショー

ポーのかつての部下で現在は上司のステファニー・フリンはポーを迎えに行く

ポーの友人でもあるキリアン・リードを連絡係として事件を調べていくが

 

殺された老人たちの共通点が見つからない

犯人の動機も分からない

 

消えた4人の少年

真相に近づくポーは薬を盛られた

 

被害者でもあった犯人

金持ちの男達の唾棄すべき遊び

護るべく子供達を金儲けの道具とした女

 

目の前で殺された少年たち

それすらゲーム感覚だった男たち

 

ポーの目の前で犯人は火をつけた

燃えあがり止めようとしたポーもひどい火傷を

 

事件の真相はもみ消され 悲痛な体験をした子供だった犯人は 頭のおかしな男として処理される

 

ポーは大切な友人との約束を果たす

 

ポーが何故ワシントンと名付けられたか そこにも酷い理由があった

母親がレイプされて・・・・そしてポーは生まれた

 

今後 ポーがどうなっていくのか

ポーの大切な友は再び姿を見せるのか

そこにも興味があります

このシリーズが翻訳され続けますように

訳者は東野さやかさん

 

 


貫井徳郎(ぬくい とくろう)著「宿命と真実の炎」(幻冬舎文庫)

2021-03-02 09:55:28 | 本と雑誌

 

 

 

「後悔と真実の色」に続き西條輝司(さいじょう こうじ)も登場します

前回の作品で警察を辞めて 警備員の仕事をしている西條を兄が訪ねてきて その勧める会社に一旦は転職しますが 

本作「宿命と真実の炎」での経験により 彼はおそらく自分の天命 天職に気付かされます

謎を解く 真実を追及するということ・・・

 

 

白バイ警官の杉本が交通事故死と見える死を遂げるが それは二人の人間による殺人

続いて杉本と同じ署にいた小川も殺される

背中から刺されて

 

捜査に当たる所轄の高城理那(たかじょう りな)は自分の容姿について劣等感を抱き また女性ゆえ軽んじて見られることにもかなりの不満を抱えており 些か言動は刺々しい

高城と組んだ警視庁捜査一課の村越幸三郎(むらごし こうざぶろう)は 妙に馴れ馴れしく「理那ちゃん」呼びはしてくるが・・・苛立たしさを覚えつつ 所轄の刑事を軽くは見ていない 女性刑事にきちんと仕事をさせてくれるー懐の大きさ

得た捜査結果を自分だけの手柄にしない・・・彼女を立ててくれる・・・それに気づき刑事としての村越の手腕にも感心させられる

 

犯人たちは警察への復讐を動機としている

冤罪により父親は服役 家族は離れ離れに

警察官が3人殺されたあと浮かんだ人物が逮捕される

 

その後も自殺に見える千葉の死体が

被害者たちの共通点・・・・・

高城は村越に示唆され 西條に助力を仰ごうとする

千葉の自殺と見える現場に出向いた綿引も力を貸してくれた

 

馴染みの古書店店主から相談を受けていた西條は それを片付けてから 高城の話を聞く

 

二人一緒にいるところを見られて 予定外のお粗末な殺人をしてしまう犯人

彼はいま一人は巻き込むまいとしたが

 

残る一人も捜査線上に浮かび そちらから物証があがる

その残る一人は 自分を庇おうとする人間も利用していただけだった

罪悪感の無さ

犯人が思うほど世間は甘いものだろうか

 

登場人物も多く読み応えのある作品でした

香山二三郎氏の解説によれば 同じ登場人物が出る作品を著者は構想中とのこと

解説の最後はこんな言葉で結ばれています「乞う!ご期待!」

はい期待して待ちたいと思います