夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

リサ・ジュエル著「そして彼女は消えた」 (二見文庫)

2021-03-05 22:24:50 | 本と雑誌

 

 

「お昼には帰るね。ラザニアって残ってる?」

「ちょうどひとり分あるわよ」

「ハンナにとられないでね!ジェイクにも!絶対よ!」

 

その会話が娘のエリーとした最後

試験勉強を頑張っていたエリーは それから行方不明になったまま・・・・・

 

ローレルとポール夫婦の間にはジェイク ハンナ エリーと子供が三人いた

エリーがいなくなり家族はばらばらに

 

ローレルとポールは離婚し ポールは別の女性と暮らしている

エリーの遺品と遺骨は発見され・・・・・

 

ローレルにフロイドという男性が近付く

彼には母親違いの娘がいた

ジェイクの恋人ブルーは フロイドのオーラは良くないと言う

 

フロイドの娘のポピーにはエリーを思い出させるものがある

 

現在とエリーを誘拐・監禁した人物 さらわれたエリー

過去の描写もさしはさまれる

 

地下室に閉じ込められたエリーの身に起きたこと

 

放置されての 誰からもみとられない ひとりきりの死

 

フロイドもエリーを監禁し利用した人物の被害者といえる

彼は悪い人間ではなかった

 

癒されなかった孤独

 

本の間から見つかったエリーの手紙

ただただ酷い

こんな目にあわされるべき人間ではなかった

少女の未来は奪われてしまった

 

 

 


「ハイ・クライムズ」(2002年 アメリカ映画)

2021-03-05 14:49:22 | 映画

愛し合っている仲の良い夫婦がいる

妻は遣り手弁護士のクレア・キューヴィック(アシュレー・ジャッド) 夫はトム・キュービック(ジム・ガヴィーゼル)

就寝中 何者かが家に押し入り 事なきを得たが 

その後 トムが逮捕される

 

トムの本当の名前はロナルド・チャップマン

脱走と民間人の殺人などで軍の裁判にかけられることになる

 

軍が弁護士として寄越したのは若く頼りなさそうなエンブリー中尉(アダム・スコット)

 

クレアは自身が夫の弁護をすることにするが 経験豊富なチャーリー・グライムズ(モーガン・フリーマン)弁護士にも依頼する

 

民間と軍の裁判は勝手が違う

殺された3人の学生 その責任の所在である村を

そこで9人の村人が殺された

殺した兵士がトム クレアの夫だと

 

 

姉のクレアに借金を申し込んだり 生活設計甘めの妹のジャッキー(アマンダ・ビート)がやって来る

家賃が払えず追い出されたらしいのだが「手を貸すわよ」

クレアのところで暮らすことに

ジャッキー 自称 霊感があるらしい

 

クレアの家でエンブリー中尉 ほぼ下着姿のジャッキーに見とれ 彼女にどう思われたかと気にする

ジャッキーはクレアに「彼 かっこいいじゃない」

 

グライムズはクレアに「現実を見ることだな」とも

 

怖ろしい目にあい脅迫され それでも夫を救うべく頑張るクレア

 

 

仕組まれた事故で 入院も

クレアは自分が妊娠していたことに気付いておらず この事故で流産

グライムズも負傷

 

クレアはずっと赤ちゃんがほしかった

妊娠しないのは 自分に母親になる資格がないからかーとも思っていた

やっと授かった赤ちゃんだったのにー

 

グライムズは不自然に若く死んだトムと同じ作戦に従事した人間の遺族に会いにいく

殺した人間にはあるクセがあったと知る

 

 

エンブリー中尉の言葉から見つけた記録から 裁判は無効

 

トムは自由の身になった

 

束の間の喜び・・・・・

事の真相が明らかになる

 

 

無抵抗の村人たちを殺したのも 同じ作戦に従事した男達を殺したのもトムだった

グライムズからの電話で真実をしるクレア

 

気付かれたことを知り 襲ってくる正体をあらわしたトム

 

あわやという時 現れたある人物がトムを殺す

 

長すぎる悪夢は終わり

 

グライムズは言う

「グライムズ&キュービック事務所」というのは どうだろうーと

 

クレア「グリマルディーよ 旧姓なの」

 

そして弁護士事務所の改装計画を話し出す

 

 

ジャッキーとエンブリー中尉もイイ仲になります

裁判の途中 クレア達の計画が軍側に筒抜けでエンブリー中尉がスパイではないかと疑われるのですが

盗聴器が仕掛けられていたことがわかります

 

兵士たちがいく いささかいかがわしい店にエンブリー中尉が出入りしていたからの疑いでしたが

この時エンブリー中尉はジャッキーと関係結んじゃったあとなので

 

もう男ってしょうがないね~~~(笑)

エンブリー中尉は最後まで味方で いい人でした

 


貫井徳郎著「新月譚」(文春文庫)

2021-03-05 10:36:50 | 本と雑誌

 

 

四十代後半で絶筆宣言した超絶美貌の女流作家咲良伶花(さくら れいか)

学生時代から彼女のファンだった若き編集者の渡部敏明(わたべ としあき)は できることなら作家に戻り新作を書いてほしくて 手紙を送った

咲良の屋敷に招かれた渡部は幾度か会ううちに・・・熱意と真剣さを認められる

どうして作家・咲良伶花は生まれたか

過去の物語を咲良は語る

 

本名・後藤和子 ごくごく平凡な名前 そのうえ和子は美しくはなかった

スタイルは良かったのだと

転職し その就職の面談で社長に気にいられた

社長の木之内と和子は関係を持つようになる

 

木之内は女癖のよくない男だった

和子の友人季子は木之内に近づきー妊娠したとー

季子は木之内の妻の座を得た

 

美しくなりたい

この外見でなければ すぐに新しい仕事も見つけられるのに!

新しい勤務先もなかなか決まらず 和子は両親に金を出させ 整形し自分の外見を作りかえた

誰もが振り向く美貌を手に入れる

耐えられず辞職し別の会社で働くようになる和子

 

和子は小説を書き始めていた

心には木之内への想いが 未練が溢れている

流産もし木之内との生活がうまくいっていない季子は 和子と木之内が会っていることに気付き

全部和子が悪いのだと 和子の家に電話するばかりか 会社まで押しかけ罵る

「泥棒猫!」

 

それは噂となり 和子は会社を辞職するしかなくなる

 

どうにか作家としてデビューできていた和子は 実家を離れ一人暮らしを始めた

作家としての名前 咲良怜花は木之内が考えてくれたもの

 

女としての和子は木之内の妻になりたかった 子供も産みたかった

それが叶わないなら 作家として小説を書き続けるしかない

木之内という男にとって一番の存在でありたかったのだ

 

けれど季子と別れ 木之内が新しく妻に選んだ女性は 若くも美しくもなかった

咲良の作家としての名声はたかまっていったけれど

夫にしたら良い配偶者になりえたかもしれない男性との交流もあったけれど

その男達は 木之内ではないのだ

木之内でなければ 意味がない

 

木之内の娘は心臓に疾患があり治療に1億必要

 

その1億を貸してくれと木之内は咲良に言う

 

とうに自分は木之内の1番ではない

気付いてはいたけれど いたけれど

 

しかも咲良と木之内との長い関係を木之内の妻はずうっと以前から知っていて

咲良に金を貸してくれと頼むように木之内に言ったのは その妻なのだと

 

木之内にとって1番の存在でありたい

心の支え 夢

 

からっぽになった

もう書けるわけがない

 

渡部に語り終えて間もなく 咲良は乗っていたタクシーが交通事故に巻き込まれ 死んだ

葬儀で渡部は木之内と会い 後日あらためて話を聞いた

木之内が見せたのは 整形手術を受ける前の 後藤和子の写真

美しくはないが 木之内の傍で幸福そうな笑顔

 

木之内は渡部の顔が自分の若い頃に似ていると言う

 

それから定年を迎えた渡部は 木之内もその妻も世を去った今

もう誰にも迷惑はかけまい

生前の咲良伶花が語った話を書いてもいいだろうと考えるのだ

評伝・咲良伶花ー

 

 

愛だったのだろうか 妄執か

手に入らないものを追ってかなわず

希(ねが)いからは遠ざかるばかり

見えない心 真実の姿

 

そこにあっても闇夜の月は見ることができない

ただ隠れているばかり

 

 

 

解説は内田俊明さん