夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

望月麻衣著「京都寺町三条のホームズ・16」 (双葉文庫)

2021-08-28 21:34:33 | 本と雑誌

 

 

円生の画家としての展覧会について頭を悩ませる真城葵

友人の香織に誘われ 京の町をもっと素敵にしたいプロジェクト 略して「京もっと」の活動に加わることになる

 

葵のバイト先の息子で 葵の恋人でもある寺町のホームズと呼ばれる家頭清貴には 婚約者の浮気を調べてほしいなどという相談事も持ち込まれ

これは次巻17へと続く

香織の恋

 

香織が想う春彦の出生の秘密

 

やがて葵が直面しなくてはならない将来への問題も含み

このシリーズは続いていく

 

 

 

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真山仁(まやま じん)著「トリガー  上・下」(角川文庫)

2021-08-28 15:45:48 | 本と雑誌

 

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トリガー 下 (角川文庫) | 真山 仁 | 日本の小説・文芸 | Kindleストア | Amazon

 

 

別々の場所で発見された 拷問されて殺された死体

アメリカのエリート軍人女性

 

その女性が買っていた男娼

 

東京五輪に出場するために来日した韓国の女性検事は脅迫を受けている

大統領の姪にして美人

伯父の大統領の不正すら暴こうとする正義感

彼女は他にも大きすぎる事件を追っていた

 

ゆえに・・・消された

 

彼女を守るSPの藤田は 犯人捜査に加えてほしいと願う

 

諜報戦争・・・・・

北朝鮮 韓国 日本

そしてアメリカ

 

様々な思惑が錯綜する中 元内閣調査室長の冴木は スジを通す為に動く

そしてできれば人々を救う為に

平和とは どのように保たれるべきなのか

 

 

解説は文芸評論家の関口苑生さん

 

 

 

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「餌付け」

2021-08-28 09:46:33 | 自作の小説

穂積のことはあんまし良く言う人間が居なかった

僕も なんか暗い奴だな ちょっと気味悪いなと思っていたんだ

本屋で声かけられるまではね

猫が好きなんだけど寮暮らしでは飼えない

それで猫漫画や猫雑誌を読んでいる

その日も猫の本を物色していた

「あれ 鈴木君 君も猫好きなんだ」

穂積は猫写真本を数冊抱えていた

 

「君もーって穂積も猫好き?」と言えば

穂積は嬉しそうに笑う 案外なつっこい笑顔だった

「よく野良を拾ってきては叱られてるーいいトシをしてーってね でも猫はすぐに居なくなってしまうんだ」

ああ そうだ 穂積は自宅通学だっけ

 

「いいなあ 僕は寮暮らしだから飼えないんだ 両親は犬派だから 実家も犬しかいない」

 

「遊びに来る? 二匹 居るんだ」

 

そのまま穂積の家へ

つやつやした黒猫 白い猫

「漸くなついてきてさ これまでは餌食べちゃどっかに隠れていたんだ」と穂積

 

なんだ 案外いい奴じゃないかと思ったよ

映画も似た傾向のものが好きだとわかり

穂積の部屋で一緒にDVD観たり

そこそこに楽しい時間を過ごしたんだ

 

「暗いってよく言われるんだ 友達できて嬉しいよ」など言う穂積

 

それで親しくなって 一緒に卒業旅行することになった

「じゃあ計画立てるね わくわくする 」

そう穂積が言うので 「びっくり旅行」の手配は任せることにした

 

宿泊予定のホテルへ向かう途中 穂積が言い出した

「あのさ この近くに今は誰も住んでいないけど おばあちゃんの家があるんだ

おばあちゃんが生きていた頃 よく遊びに行ってね

母からちょっと様子を見て来るように言われたんだ

寄っていいかな」

 

無邪気な笑顔の穂積

断る理由もなく 僕はついていった

 

「飲み物買っとく 鈴木 コーラでいい?」

僕が炭酸飲料が好きなことも穂積は覚えている

 

穂積は懐かしそうに おばあちゃんの家を眺める

「遊びに来た時 僕が使っていた部屋があるんだ 」

それは6畳ばかしの洋間

机にベッドに本棚

 

「あれ 何だろ これーちょっと観ていいかな」

何も書かれていないDVDを穂積は不思議そうに手に取る

 

さっき買ったコーラを穂積はコップに入れてくれた

DVDに入っていたのは

空飛ぶ蝶

捕まえてきたのか室内を飛ぶ蝶

のどかな画像は・・・・・

子供のものらしい指が 蝶の羽をもぐ

もがれて苦しみ だんだん弱る蝶

 

青虫をちぎる子供の指

興梠の足を一本一本ちぎる指

 

ばった かまきり とんぼ

標的はしだいに大きくなる

 

蛙 それから

嬉しそうに見上げる仔猫の目にナイフがささる

尻尾 前足 切り刻まれる・・・・・

 

途中で僕は吐きそうになった

 

「うん そうだね たぶん それが普通の人間なんだね

僕はこれが面白いと思うんだ

そして 猫ではつまらなくなってね」

 

なんだ 穂積は何を言っている 君は猫好きなんじゃなかったのか

え?!声が出ない 

指が動かない

 

「最初は用心している野良猫が 餌をやるごとに 段々この人間は信用できる人間と寄ってくるようになる

遂には餌をもとめて媚びて甘えるようになる

 

その信頼が裏切られた時の え?どうしてーって表情

そう今の鈴木みたいにさ

猫より大きなモノで試してみたくなったんだ

 

本当は痛いーって声も聞きたいけど 

誰かが聞くかもしれないから その危険は避けなきゃね

ちょっとねコーラに薬を入れた

僕は非力だから抵抗されたら怪我するし

 

だから じっとしていてほしい

この僕が君への処置を終えるまで」

 

そう言うと穂積はナイフを振り上げた

 

 

 

 

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