夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

京極夏彦著「虚談」 (角川文庫)

2021-12-21 15:43:18 | 本と雑誌

 

 

すべて嘘なのか

それとも・・・・・

怪談といえば怪談にも

そこは読み手の判断しだい

虚か実か

怪しい物語の数々

 

「レシピ」

火事のあと 自殺した女性

その女性と交際していて

それから

他の女性と同居しても結婚には至らなかった男がいる

男の部屋の台所で囁く声

それは自殺した女性のものなのか

そもそも幽霊として居るのか

 

「ちくら」

昔の写真にそっくりの女が出る

どう見ても昔の写真の女性にしか見えない

 

その女が現れ一年すると男は死ぬ

 

 

「ベンチ」

ある新興宗教を信心しているから自分は金に困らない

そう言って自分と同じ宗教を信じるようにと姿を現わす男

その男の末路はー

 

 

「クラス」

死んだ妹が年取った姿で「出る」のだと話す男

その男は死んでいると友は言う

 

 

「キイロ」

下校の早道に使われる谷がある

男の子たち数人の秘密

それは面白いことであったはずなのに

奇妙な噂が流れた

 

 

「シノビ」

女優の暮らす家には忍者が出る なんて話が

ところが女優は行方不明になった

調べたところ その家の前の住人は死んでいた

天井からぶら下がる黒い影の正体はー

 

 

「ムエン」

会ってほしいと乞われ 会ったら

相手がしたのは巡り巡ってーあなたはわたしの血縁だと

途方もない話を聞かされてー

 

 

 

「ハウス」

友人の話だとして聞かされたのは その友人の死んだ父親が帰ってきたと

話を聞いていた人間は それは自身の話しではないかと指摘

庭でうごめく影はー

 

 

 

「リアル」

見る夢の話から始まる

その夢の中で その人は何をしたのか

本当に夢だったのか

さかいは何処にある

どちらが現実 どちらが夢か

 

 

「コード」

部屋の配線で

その線が 違うほうへ交差している

戻してもまたー

語り手はそれを不思議に思ってはいないと結ぶ

自身が嘘を言っているのではない限り

 

 

解説は人間椅子の和嶋慎治さん