夢見るババアの雑談室

たまに読んだ本や観た映画やドラマの感想も入ります
ほぼ身辺雑記です

「紅蓮心中」

2011-05-10 21:25:11 | 自作の小説

生き延びられるとは女は思っていなかった
罠であることも覚悟していた

それでも自分の身代わりに濡れ衣で 人が殺されるのは嫌だった

もとはと言えば敵討ち 復讐

よってたかって でっちあげた罪で 店は取り潰し 父は殺され
どうにかしようと動いた母は 父を陥れた男達に騙され嬲りものにされ首を括った

父の幼なじみの軽業師に育てられ 小屋に出入りする引退したすりが教えてくれた指の使い方 身のこなし

義賊と呼ばれるようになる 始まりはそこだった

父と母とが受けた苦しみを歎きを 多少なりとも味合わせてやりたい

そんな女の願いに育ての親となった軽業師や元・すり
ちょっと世を拗ねた連中が力を貸したのだ

人を陥れるような連中は叩けば出る埃はたんとあり 悪事の陰で泣く人間も多かっ

盗んだ金をばらまけば人気は上がる

瓦版にも書かれる

盗っ人の人気が上がれば役人が動き出す

幾つかの大きな商いを潰し 繰り返し倉を襲えば 自分の悪事は棚に上げ いまや大商人となった男達は 力入れ捕まえてくれと役人に泣きつく

そうして女は知ったのだ

同じ長屋で暮らす浪人が役人と繋がりあることを

女は男に見ちゃあならない夢を見ていた

盗っ人が持てない普通の娘らしい夢

色んな全てを断ち切って役人が待ち構えるだろう場所に来て 案の定いた捕り方と戦いながら廃寺に逃げ込んだ

ーさあて いよいよ潮時か

女は懐から火薬を詰めた玉を取り出す

逃げ込んでから二つ三つ投げたが効いたか あれ以来遠巻きに囲んで様子見ているが いずれ一斉にかかってくるだろう

お役人相手に娘一人 勝ちめなどないのだ
最後の火薬玉 これに火を付ければ終わる

育ててくれた師匠には 自分なりの挨拶をしてきた

「嬢よ嬢よ」呼んで育ててくれた相手に恩返しも出来ずー

「御用だっ」十手持ちが目の前に迫る

その男がぐらりと倒れた

片手に刀で憮然とした顔の男が背後に立っている

長身の浪人は着流しのまま

女は はっと気付く

男が着ているのは 女が縫い上げ 長屋に届けたものだ

告げられない想いをひと針ひと針に込めて

「・・・さま」声が掠れる

ーこの方に斬られて死ぬのならー

「阿呆」
この場において口の悪い男であった

「惚れた女を死なせてたまるか」

「だってー」

「連中にはカタァつけると言ってきた さ寄越しな それを」

男は女が握りしめる火薬玉に手を伸ばす

「この場限り 夜嵐小僧はいなくなる」

男の言葉に女は小さく頷く

「怨みも捨てちまえ 行くぞ」

暫く後 大きな破裂音がして廃寺は燃え上がった

浪人も夜嵐小僧も木っ端みじんに砕け散ったのだろうと思われた

遠く遠く江戸を離れた西国の片隅で暮らし始めた夫婦がいる

小屋を畳んだ軽業師は巡礼に出て西を目指す

浪人が書き残した夜嵐小僧と大店の主人達との因縁を調べたものは 火盗改めへ届けられていた

火盗改めは 盗賊なれどその心根や殊勝にして哀れ 孝心は褒むべしーと

大店の主人達はそれぞれ罪を問われ 厳しい詮議を受けたとか

その後 夜嵐小僧の名が江戸の町を騒がせることはなかった


ニュースから

2011-05-10 17:16:12 | 子供のこと身辺雑記

震災から二ヶ月ぶりに陸前高田市で水道が復旧した
使えるようになったそうだ

水道から水が出るーこの当たり前のことの幸せ

ニュースを見て 今まで「当たり前」が 当たり前でなかった不自由な生活の苦労を思う

半日 断水してさえ 工事の為に予告されていても 大騒ぎしてしまうのに

工事の方々 ご苦労様でした

被災者の方々の不便・不自由が一日も早くなくなり 当たり前に過ごせる 安心して暮らせる時が訪れますように


平岩弓枝著「湯の宿の女」 角川文庫

2011-05-09 23:21:02 | 本と雑誌

平岩弓枝著「湯の宿の女」 角川文庫
平岩弓枝著「湯の宿の女」 角川文庫
平岩弓枝著「湯の宿の女」 角川文庫
平岩弓枝著「湯の宿の女」 角川文庫
幸せは手を伸ばせば そこにある
なのに他を選んでしまう

その結果ー

昔 自分を棄てた男

あれから男は家庭を持ち 画家として名も成した

女は宿の仲居をしながらひっそりと生きてきた

再会は必然か偶然か運命の悪戯か

再び男と女が手を取り合ったのは 生きる為ではなかった

昭和の時代の女達は 平成の世の若い娘より多少 縛られているかもしれない

しっとりした言葉遣い 言い回し

それらは今 わりと使われる「やばい」なんて表現よりも 上品で心地好い


たかが茶碗一つーとは思うけれど

2011-05-09 17:20:13 | 子供のこと身辺雑記

たかが茶碗一つーとは思うけれど
たかが茶碗一つーとは思うけれど
娘が愛用している器がある
中丼あたりの大きさで シチューや煮物などにも使える

自分がお腹空いてご飯よそったり おかずをつぐ時 娘が使うのはこの食器だ

型違いのサラダ皿と一緒に購入したのは まだ娘が幼い日 陶器店の倉さらえ(数年に一度の倉庫整理みたいなの)でだった
まだ歩けた母(数年前に病死)と娘と一緒に買いに行った

小さな娘が何か壊さないかヒヤヒヤしながら ああでもないこうでもないと母と話しながら 結局 車まで二往復するくらいー買った

その時のことは覚えていないだろう娘が 好きで使う器を見ていたら 娘の幼い時のこと まだ少しは元気だった母のことが思い出される

ああ お母さん お母さんと

娘は何処かで死んだ母と繋がっているのかもしれない

母が大事にしていた器と思い 使えずにいる品もあるのだけど 娘は言う

使わないと勿体ない

娘が使うぶんには惜しくないーと思うことにした・笑

たかが一つの器にはすぎないけれど 手に載せてどんな人が作ったのだろうと思う時もある

お茶の茶碗 ご飯茶碗 小鉢一つさえ

普段使いの皿でも欠けると悲しい

好きな器で食事する

娘の夢は 自分で選んだ家具や道具 器 自分の好みに飾り付けた部屋で暮らすことーらしい

いつか就職して一人暮らしを始めたら 好きな食器を持っていっていい?と 娘が言う

娘が家を出て一人暮らしするとなれば心配だけれど

ねぇ茶碗もアクセサリー類も 着物も 趣味に合うなら鞄も 全部 あなたのものだよ

娘よ あなたが簡単な料理を初めて作ったその日から 私は料理初心者でもわかりやすい料理本や 使いやすい道具も買い揃えてきた

だからね全部もってって構わない

なんてことを直接には 中々言えず 娘も読むブログに書いている

さて夕方 おかずを作りましょう


おかずのことなど

2011-05-08 13:32:32 | 子供のこと身辺雑記

おかずのことなど
おかずのことなど
おかずのことなど
おかずのことなど
長男の昼食から
胡瓜と大根おろし甘酢和え
牡蠣の天ぷら
きぬさやを煮て 溶き卵流し入れたの

ついでに夕飯おかずの人参とサツマイモの天ぷらも揚げてしまった

ひと休みしたら 天ぷらの衣の残り利用で ふっくら肉団子も揚げるつもりです

挽き肉加え カレー用のスプーンで ぽとんぽとん揚げ鍋に落としていきます

好みで辛子醤油で食べるか 甘酢あんにからめるか

胡瓜とばか貝の酢味噌和え

父は最近 あっさりした小鉢を喜びます

焼き茄子もひと口ずつくらいのが食べやすいとか

焼き茄子と言えば グリルの魚姿焼きメニューで焼くと便利です
焼き上がったらボールに氷水用意したのに入れ さっさかむいて笊に並べてから 皿に盛り付けています
生姜醤油か 天つゆを少しかけても美味しいです


長男とのメールやり取りから

2011-05-07 17:20:05 | 子供のこと身辺雑記

(´・ω・`) 長男が ↑こういうの送ってきたから

「(´・ω・`) ↑かわいいね」
って返したら

長男から「流行ってるよ(・∀・)」

私「本当に流行っているか 〇〇〇(娘の名前)に尋ねてみる

本当の若者に☆」

と長男「ぼくも本物や(つд`)」

私「オジサンはすぐムキになるって本当ね~」

帰宅途中の長男と馬鹿なメールのやり取りをしております

はたして長男から逆襲メールはあるのか?!

楽しみに待っているところです・笑


田村由美作「猫mix幻奇譚 とらじ」4 小学館

2011-05-06 23:04:22 | 本と雑誌

田村由美作「猫mix幻奇譚 とらじ」4 小学館
田村由美作「猫mix幻奇譚 とらじ」4 小学館
田村由美作「猫mix幻奇譚 とらじ」4 小学館
田村由美作「猫mix幻奇譚 とらじ」4 小学館
田村由美作「猫mix幻奇譚 とらじ」4 小学館
勇者パイ・ヤンの幼い息子リオが 魔法のねずみにさらわれた

動物を言葉を話し人間ふうにできる力持つ魔法のねずみは リオの飼い猫とらじも二本足で歩くようにした

パイ・ヤンはとらじとリオを捜す旅に出た

ねずみを研究するプーチェン

彼に忠実な犬

パイ・ヤンの妻ジョゼ

彼らは博物館で ねずみ達に遭遇する

脇役まで個性豊かな楽しい作品

願わくば彼らの冒険と旅がハッピーエンドでありますように


笹本稜平著「サハラ」徳間文庫

2011-05-06 15:23:44 | 本と雑誌

笹本稜平著「サハラ」徳間文庫
笹本稜平著「サハラ」徳間文庫
物騒な状況で気付いた時 男は記憶を失っていた

五里霧中のまま 謀略と戦いの中へ

更に妻も病院から消えた

誰を信じるべきか

タフで熱い男達の物語

記憶を失った男の名前は 檜垣耀二と言う

伝説の傭兵ーなのだそうだ


新津きよみ著「巻きぞえ」光文社文庫

2011-05-06 12:15:17 | 本と雑誌

新津きよみ著「巻きぞえ」光文社文庫
新津きよみ著「巻きぞえ」光文社文庫
新津きよみ著「巻きぞえ」光文社文庫
表題作「巻きぞえ」
飛び降り自殺した女性の巻きぞえで 死んだ恋人

しかしそれは ただの巻きぞえではなかったー

身近にいたら嫌かもしれない 何かあればちょっと恐ろしい普通の人々の物語

著者の創作ノートの文章も興味深いかも

短編集です

隣人が怖くなるかもー


大根おろしをのっけたら

2011-05-01 00:40:30 | 子供のこと身辺雑記

大根おろしをのっけたら
和風ハンバーグ出来上がりです

つなぎにマリームを使って 下の記事で作った玉葱と卵を挽き肉に加え混ぜて まるめて両面焼いて焦げ目つけたら 砂糖・醤油を混ぜたタレかけ 蓋して蒸し焼きに

ふっくら焼き上がります