Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

8人の女たち

2007-12-22 | 外国映画(は行)
★★★★ 2002年/フランス 監督/フランソワ・オゾン

「メロディが頭の中をグルグル」


よくこれだけの大女優を揃えることができたもんです。なので、フランソワ・オゾンのやりたい放題お祭り騒ぎ作品という側面もあり。オゾン作品が好きでもない人がそんな自己満足に付き合う必要があるのか?という観点で見れば、とにもかくにも、フランスを代表する8人の女優陣の「そこまでやるの!」な演技合戦が見どころ。地元フランスで話題になるのも当然かも知れません。日本で言えばそうですね、蒼井優ちゃんと若尾文子が出てきてお尻フリフリダンスをするようなもんですか?

きらびやかな女優陣とキッチュなミュージカルソング&ダンスに目を奪われるんですけど、この作品の隠れテーマは「ほんっと、オンナって信用できないっ!(おすぎさん風)」ってことなんですよね。これはオゾンが一貫して描いている女性に対するきっつ~い皮肉で、それをこんな大物スターがこぞって演じているところにフランス女優の懐の深さを感じます。

冒頭の女優陣紹介にもあるように、美しい花々が咲き乱れます。妖艶な美しさで言えばカトリーヌ・ドヌーブとエマニュエル・ベアールの一騎打ちですが、お年のことを考えるとドヌーブに軍配!1943年生まれですから、64歳。参りました!と頭を床にこすりつけたいくらい美しいです。そして、意外なコメディエンヌぶりを発揮しているのがイザベル・ユペール。新境地開拓といったところでしょうか。

見終わってからもしばらく、劇中歌が頭から離れず、ついハミングしてしまう。ちっともうまくない歌とダンスですけど、インパクトがでかい、でかい。オネエの方たちが集うショーパブで見たショーがしばらく頭から離れないのとちょっと似たような感覚かも。中身の全くない作品なんて言うと、言い過ぎですけど、限りなく監督のお遊びに近い。それでも、この豪華女優陣をそろえてもってきちゃうのは、ほとんど力技と言ったところでしょうか。