Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

輪廻

2008-03-13 | 日本映画(や・ら・わ行)
★★★☆ 2005年/日本 監督/清水崇
「テーマを扱いきれていない」」


流行のJホラーってどんなものかしらってんで、見てみたのだけど、全体的な作り込みが甘くて少々ガッカリ。まず女子高生が会話するシーンで始まるんだけど、それがもの凄くチープな感じで。「学校の怪談」とか「世にも奇妙な物語」見てるような気になったなあ。こういうB級テイストがJホラーのスタンダードなのかな。

私は映画制作に取り憑かれた映画監督は、「記憶」という作品の中で犯人に復讐を企んでいるのではないか、と思ったんだけどそうじゃない。他にも、以前殺された人はホテルに引き寄せられて、また死んでいく。ただ、それだけ。それは、ないよ。じゃあ、教授の実験って何だったわけ?ただ輪廻するのを確認したいのなら、大量殺戮をする意味はないでしょ。殺した人間、殺された人間が双方輪廻したら、どうなるのか、そこが物語を生むんじゃないの?過去の怨念が現世(=映画の撮影)においてどう昇華または転化されるのかってことが見せ場になるはず。この辺り、物語が浅くて非常に引っかかります。ラストにオチがあることでひねりがあるように見せてるけど、私はダマされないぞ(笑)。

あとね、教授のノートが出てくるのだけど、その辺の映画を参考にしていかにもサイコパスが書いたようなありがちな作りで。彼の研究とはいかなるものだったのか、もう少し深く描けなかったものかな。「肉体とは器にすぎない」なーんて、いかにもなセリフをぶちあげるんだったら、もう少し作り込んで欲しいとつくづく思いました。でね、子どもに人を殺したり、殺されたりする演技をさせるのは止めて欲しい。もう、これは絶対譲れない。映画の現場で、徹底させて欲しいと切に願う。