Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

ジャンパー

2008-03-24 | 外国映画(さ行)
★★★☆ 2007年/アメリカ 監督/ダグ・リーマン
<TOHOシネマズ二条にて観賞>
「登場人物たちの立ち位置がバラバラ」




続編があるらしく、今回は紹介編だということをさっぴいても、90分使って登場人物たちの立ち位置が説明できないのでは、どうしようもありません。真っ白アタマのサミュエルのキャラに引っ張られて、何とか最後まで見られたという感じです。

デヴィッドはジャンプできる能力を自分自身どう捉えているのか、その結論が出ずじまいです。その能力に苦悩しているのか、または、陶酔しているのか、そのどっちでもない。そこんところは、物語の一番の軸でしょう。ただ、好きなところにジャンプして、挙げ句の果てには銀行からお金を盗むとは。強盗はいかんやろ、強盗は。一体どうしたいんだ、コイツは。

ジャンパーを狩る軍団の存在が、魔女狩りから綿綿と続いていると語られますが、これまたお粗末な根拠ですなあ。ジャンパーと魔女がどう繋がるんでしょうか。パラディンが一体何ものかは次回作で詳しく語られるんでしょうか。それにしても、実に説明不足です。とりあえず、ジャンプできる奴とそれを追いかける軍団の物語にしてしまえって言うだけで背景がすっからかん。物語の背景がないのを、世界遺産巡りという背景でごまかしているに過ぎません。

デヴィッドが自分の能力についてどう捉えているのかわからないと言いましたが、これは脚本もすっぽり抜け落ちている上に、ヘイデン・クリステンセンの演技力のなさが輪をかけています。また、主演女優がちっとも魅力的ではありません。少女時代のアナソフィア・ロブの方がよっぽどキュートです。

昨今のアクション大作は激しい戦闘シーンが多いですから、カメラも揺れまくります。しかしながら、アクションシーン以外でもカメラが揺れるため、気持ち悪くなりました。実は「バンテージ・ポイント」も見ましたが、こちらは揺れまくっても全然大丈夫でした。何が違うのでしょう。たぶん、揺れなくてもいい場面で揺れているのです。車がぶつかりゃ映像も揺れる。しかし、ただ話しているシーンで揺れる必要はあるのか。肝心のジャンプシーンも思ったほどの面白味がありませんでした。