Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

舞妓 Haaaan!!!

2008-09-06 | 日本映画(ま行)
★★★★ 2007年/日本 監督/水田伸生
「人生ゲーム、実写版」



ゴールは、舞妓さんとの野球拳。ルーレット回して、はい出世したー、はい野球選手になったー、はい職を失ったーとコマを進める。これは、爆裂人生ゲーム、実写版ですね。でもね、バカにするつもりはないです。結構腹を抱えて大笑いしました。物語の結末は、なんだかなあと言う感も否めませんけど、十分楽しませてもらったので、大目に見ます。

こういうおバカムービーの場合、とことん他人事として楽しむ、というのが肝心です。例えば、何とか甲子園のような野球映画なら、「そんな球、普通投げられないだろ!」とか思ってると、もうそこで楽しめないわけです。本作の場合、花街の描写についてツッコミどころがないわけではないのでしょう。しかし、私は全く気になりませんでした。私は大阪出身、京都在住の生粋の関西人ですが、それでも「花街」って一体どんなところやねん?というのはあるわけです。一見さんお断りは、別に何とも思いませんが、あれだけ芸を磨き修業しても、結局パトロンがいないと道が開けないって、それは一体どういうことやねん?とか。わからないことだらけです。ベールに隠された世界「花街」の存在そのものを斜めに見ている私は、それこそ全く無責任に楽しんでしまいました。

周りを固める役者に関西出身者を多く配置しているのがいいです。阿部サダヲがしゃべる強烈なイントネーションの下手くそ京都弁を際だたせるためには、周りの役者がきちんとしたはんなり京都弁をしゃべれなければなりません。一番光っているのは意外にも駒子を演じる小出早織という若手女優。非常にさっぱりとした顔立ちで、舞妓はんの白塗りがとても似合っています。京都出身なんですね。清楚な雰囲気もバッチリです。派手な顔立ちの柴崎コウの白塗りと良いコントラスト。また、阿部サダヲのハイテンションにみんなが付いていってこそ、成り立つ作品。ゆえに堤真一の功績も大きい。えらい口の汚い役ですけど、とことん弾けてます。柴咲コウのやる気のなさが見え隠れするのですが、周りのパワーにかき消されてしまったのは、不幸中の幸いってことでしょうか。