Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

007/カジノ・ロワイヤル

2008-09-10 | 外国映画(さ行)
★★★★☆ 2006年/アメリカ 監督/マーティン・キャンベル
「ボク、スパイなんかやめます」



冒頭のパルクールの第一人者セバスチャン・フォーカンを追い詰めるシーンがすばらしい。CGやワイヤーを使わずに、限界まで走って、走って、跳びまくって。追いかけっこという極めてシンプルなアクションシーンを最初に持ってきたことで、この映画は生身の体で勝負するんだ、ということがよくわかります。ダニエル・クレイグはよく付いていってますよ。このシーンでもうお腹いっぱい!

もともと007シリーズには、何の思い入れもなく、すぐに女とデキちゃう無敵のスパイなんて、むしろ興味がない方。しかし、ダニエル・クレイグは、しっかり体張ってアクションシーンこなしていて天晴れです。というよりも、陳腐なストーリー展開はもう時代に受け入れられなくなったってことでしょう。人間だから失敗もする。そのリアリティを逆手にとって、新たなボンド像を創り上げた。このボンドには母性本能をくすぐられます。スマートと言うよりもダメ男テイストの方が強い。だって、辞めますってメール1本はないだろうよ。でも、体はスゴイんですって、ことで許す(笑)。007シリーズは、すぐに女を引っかけるもんで男性向けと思ってましたけど、新たな女性ファンをしっかりつかみましたね。

それにしても、旬の映画です。旬を逃して見ると、それだけ味も落ちちゃう感じがする。公開時、話題になっている時に見るべき作品だと思わされました。だって、せっかく見たのに、今頃見てやんの~って指を差されてるような気分。それはつまり、話題性や新鮮味にあふれた作品ってことですから、Newボンド誕生は、大成功ってことだったんでしょう。次作は映画館で見ます。