Casa Galarina

映画についてのあれこれを書き殴り。映画を見れば見るほど、見ていない映画が多いことに愕然とする。

カンフーハッスル

2008-09-14 | 外国映画(か行)
★★★★☆ 2004年/中国・アメリカ 監督/チャウ・シンチー
「家族全員で大爆笑できる作品ってそうそうない」



映画館で見たのに、テレビで見て、やっぱり爆笑しました。「○○の達人」の○○がどいつもこいつも、思わずぷーっと吹き出してしまうような馬鹿馬鹿しさです。こりゃ、まるでドラゴンボールだね、なんて言ってしまい、なんのこたーない、ドラゴンボールが香港クンフー映画に多大な影響を受けているんでしょうから、なにをか言わんやです。

馬鹿馬鹿しい描写があまりにクオリティ高くて、天晴れと言いたいです。本場クンフー映画の実力と、Mr.Boo以来、綿綿と培われてきたコメディセンス、そして最新のCG技術。何もかもが、馬鹿馬鹿しさに向けて最大限のパワーで集結しています。その圧倒的な「突き抜け感」が本当に見ていて気持ちいい。下品でしょうーもないギャグも多いんですけど、それらが脱線せずにしっかりと作品の中に組み込まれているのは、作り込みがしっかりしているからに他ならないと思います。見どころと呼べる格闘シーンが惜しげもなく次から次へと出てきて、家族全員で「がはは」と大笑い。これぞ、一家団欒の極みです。

主演のチャウ・シンチーは、とっても私の好みなんです。突然「気」の流れが変わったなんて、都合のいい展開もご愛敬。白いチャイナブラウスに黒いズボンとカンフーシューズを履いて、バッタバッタとなぎ倒す姿は素直に「キャー、カッコイイ~」。そもそも、私が20代の時クンフー映画にあまり興味が持てなかったのは、ジャッキー・チェンのルックスが…(以下省略)。と、いうわけで新作が6月下旬に公開されるようです。「少林少女」を楽しみにしていた息子につまらないらしいから止めておけ、と説得したオカンとしては、こちらに期待。インディの新作よりも、シンチーの新作を楽しみにしている親子であります。

少し話は変わりますが、実はこの「カンフーハッスル」をテレビで見た次の日に、日本の空手映画「黒帯」を見たんですね。(数日前にレビューしました)香港のクンフーは技のレベルの高さに加えて、エンタメ精神にあふれ、少々下品だろうか思い切り笑い飛ばすほどの大らかさ。片や、「黒帯」は神棚を奉った道場で鍛錬にいそしみ、横やりを入れるのは帝国陸軍の将校。なんだかね、もの凄い温度差を感じてしまったんです。やっぱりアクション映画はスカッとしている方が私は好きだな。