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世子が王によって幽閉されたと言う話は、噂話として世間に伝わりました。
王と世子の不仲と言うのは、やはり誰にとっても不安材料です。
まぁ、ほくそ笑むのは、チョ氏一族だけでしょうね。
そんなある日、ミョンジンは町で一人の人物と出会いました。
テガンです。
と言うよりは、テガンと瓜二つの人物でした。
ミョンジンが親しげに話しかけても、ミョンジンのことを知らない様子でした。
テガンのフリをして適当に話を合わせただけのように見えます。
ミョンジンは不審な印象を受けました。
幽閉中のファンは、何とか気持ちを立て直し、ジェイを通じてテガンとソンオンに指示を出しました。
テガンには、10年前の碧川の一件に関わる者で、チョ右議政の部下だった男を探せと指示しました。
チョ王妃は、ファンを気遣い、そろそろ幽閉を解いてあげてはどうかと王に頼みました。
叔父であるチョ右議政に対抗したいのであれば、自分とも一線を引いた方が良いと。
やっぱり、チョ王妃は右議政に対して反感を抱いているようですね。
しかし、王はそんなチョ王妃を心から愛していました。
王宮で王が心穏やかでいられるのは、チョ王妃と一緒の時だけだと言いましたし、自分はそこまで愚かではないと言いました。
これが、チョ右議政にばれてしまうんですよ。
クォン尚宮が報告したのかな。
チョ右議政は激怒しました。
そして、すぐさまチョ王妃の元に現れ、世子ではなく、ミョンアン大君だけが自分の子なんだと責め立てました。
恐怖のあまり、チョ王妃は凍り付きましたが、気持ちが変わることはなく、却って憎しみを強く抱く事になったようです。
直後に、ジェイと会ったチョ右議政は、怒りのままに、ジェイも脅しました。
ジェイは、ファンからの密書をソンオンに届けるところだったのです。
チョ右議政は、ファンが手紙であちこちに指示を出している事を知っていると言いました。
それどころか、ジェイが“コ・スンドル”ではないと言う事も知っていると。
胸倉を掴まれたジェイが、それでもしらを切っているところに、タイミングよくソンオンが現れ、窮地を救ってくれました。
ジェイは、自分が身分を偽っていることをチョ右議政が知っているとファンに報告しました。
ファンは、さほど驚きませんでした。手下があちこち探っているのを知っているからです。
ジェイは、自分のせいでファンが窮地に陥るのではないかと不安でした。
ファンが苦しむのではないかと思うと、死ぬほど辛いと言いました。
「私もそちと同じだ。」
と、ファンが言いました。
だから、自分がジェイを守り、ジェイが自分を守ればよいと。
「では、お互いのために是非とも無事でいましょう。」
ジェイはほっとしたように言い、微笑みました。
ジェイはソンオンと共に成均館の掌議に会いに行きました。
途中で、小間物屋の店先に並べられてある髪飾り・・・テンギが目に留まったジェイ。
つい、手に取ってしまいました。
それを目にしたソンオンが理由を聞いたので、ジェイは妹に似あいそうだと思ったのでと咄嗟に答えてしまいました。
そして、手持ちが無いと言うと、ソンオンは気安く、それを買ってくれたのです。
仕方なく受け取ったジェイですが、複雑な気分だったようです。
ジェイとソンオンが待ち合わせ場所に行くと、偶然そこで成均館の儒学生に成りすましたミョンジンとガラムがいましてね。
2人は、必死に世子は幽閉などされていないと嘘を広めている真っ最中。
ソンオンはそういう嘘偽りを言う事が許せず、ミョンジンとガラムを問い詰めました。
そこにジェイが割って入りました。
お互いの素性を説明したおかげで、その場は丸く収まりました。
複雑な表情を浮かべたのは、ガラム。
ジェイの許嫁だと気付いたからです。ジェイの気持ちを考えると、胸が詰まる思いだったようです。
時の掌議はチョ氏の人物でした。
後でわかるのですが、チョ氏本家の者です。今は、チョ右議政たちの方が地位が上ではありますが、やはり本家と言うのは、格が違うようですね。
そんなチョ氏の掌議に幽閉を解いてもらうよう王に働きかけをせよとファンは伝えて来たのです。
「命令ですか、頼みですか。」
と、掌議はソンオンに聞きました。
聞いた者が判断せよと、ソンオンは言いました。
掌議は全儒学生を伴って王宮前に跪き、王に訴えました。
世子の幽閉を解けという直接的な要求ではなく、成均館の書庫の書物が紛失したり破損したりして在庫数が減ってしまっていると。世子の書庫には、多くの貴重な書物が揃っていると聞いたので、世子の書庫を解放し、写本を許してほしいと言うモノでした。と同時に、一度読んだら全て記憶できると言う世子に、破損した書物の修復を手伝ってもらいたいと言う事でした。
学問を追求する儒学生として真っ当な要求でした。
仕方が無いな・・・と、王は幽閉を解いたのです。
満足気な表情でした。
ソンオンがファンの命を受けて、上手く儒学生を動かしたと察しているようです。
これでは、チョ右議政たちも口を挟むことは出来ません。
なにせ、掌議がチョ氏本家の者ですから。
東宮殿の者たちは、俄然忙しくなりました。
儒学生たちのために、書庫の本の整理をしなくてはいけなかったからです。
しかし、久しぶりにファンが部屋から出て来て、明るい笑顔を見せたことで、彼らの気持ちも晴れ晴れとしていましたから、大変な作業も苦にならない様子でした。
ソンオンが、ふと、テンギの話を持ち出し、妹に渡したのかとジェイに尋ねました。
ファンの前だったので、ジェイはしどろもどろ。
ファンは事情を察しました。
でも、何か、ムッとした様子。嫉妬ですな、あれは
そんなに欲しかったのなら、私に言えば良いだろう・・・とファン。
言えませんよね、そんなこと。相手は世子なんですから。
ファンは心で思いました。
ジェイが望むなら、十でも百でも買っただろう・・・と。
急に機嫌が悪くなったファンの気持ちが、ジェイには分かりませんでした。
成均館で行われた大射礼の式典に、ファンは王と一緒に参加。
重臣たちや儒学生たちに、矢の腕前を披露しました。
ファンは、父王の表情を見て、幽閉は父が自分に敢えて課した試練だったと気付きました。
そして、この解決法に、父王は満足していると察したのです。
次に、ファンは大勢の儒学生の前で、書物の破損した個所に書かれていた文章を、一字一句間違わず、書き記して見せたのです。
その記憶力の凄さに、居合わせた者たちは、皆感心しました。
欠点が一つも無い完璧なお世継ぎです・・・と、ハン・ジュンオンは感嘆の声を上げました。
自らの力で世子の座を守っておられる・・・と。
そうは思わないか?と、チョ右議政に声をかけました。
チョ右議政、何も答えませんでした。
悔しそうな表情が現れていましたね。
掌議が、チョ氏一族の自分を何故信じて頼ったのかと、ファンに聞きました。
ファンは、掌議が科挙で書いた答えの一文を持ち出しました。
「それが印象深かった。それがそちだ。家柄で人物は分からないが、考え方や抱く志、そして行いでその人物はつぶさにわかる。だからこそ信じて我が意を伝えたのだ。そして知らせたかった。私の思いも同じであると。」
掌議は感動しました。
ファンとジェイは、ミョンジンに会いに行きました。
その帰り、ふいにファンは腕飾りを買いました。
ジェイの手に合わせてみたりして、ジェイのために買ったとしか思えません。
でも、渡してはくれませんでした。
ジェイは、家族が殺された日の曖昧な記憶を取り戻そうと、一所懸命考えました。
何かあった筈なのに・・・と。
シム・ヨンは絶対に汁物に毒など入れる時間は無かったし、牡丹の花が燃やされていたのは事実だし・・・。
世子の使いの者が父に祝いの品を届けていて・・・。
使いの者は、死んだあの兵ではなかった。
その時、ふいに鮮明に使いの者の顔が浮かびました。
なんと、テガン
ジェイはファンの元に向かって駆け出しました。
その時、ファンは、テガンから調査結果の報告を受けていました。
信じてはなりません
と、ジェイは言うと、テガンの剣を抜き、テガンの首筋に突きつけました。
「実家に来た使いの者は、この者でした」
しかし、あっという間にテガンに剣を奪い返され、反対に倒され、剣を突きつけられてしまいました。
ジェイは先日、街にチラシをばらまいた黒づくめの人物にも同じように倒された時の事を思いだしました。
覆面から覗く目。
それが、テガンの目だと気付きました。