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空をかき抱き号泣する老妻の姿は、ヨンソの姿になる可能性がありました。
ダンは、ヨンソを不幸にすることはできないと思いました。任務を果たせなくても、ヨンソの幸せだけは叶えたいと思ったのです。
その時、ダンはヨンソから離れる事しか考えていませんでした。
でも、ヨンソはそんな事予想だにしてなくて。だって、もう一人じゃないと言ってくれたわけですから。
それに、実は、先日、酔っ払って寝てしまったヨンソをおんぶしてベッドまで運んでくれた時、ダンが本音を呟くのを聞いていたのです。寝てはなかったんですよ、ヨンソは。
理由は?とヨンソ。
何が怖いの?と聞かれ、ダンは心で呟きました。僕の心と君の心だ・・・と。
「私を好きなんでしょ?聞いちゃったもの。勇気を出してくれると思ってたから、急かさなかった。いくら否定しても行動には表れていたわ。あなたはいつも温かく接してくれたでしょ?」
恋愛感情はあります・・・とダン。
「でも、身の程知らずだと気付きました。もう君は歩けるし踊れる。僕は必要ない。」
引き留めたりしない!今すぐ出て行って!
ヨンソが叫びました。
そして、ダンはチョン執事が止めるのも聞かず、出て行ったのです。
ダンが秘書を辞めたと聞いたガンウは、すぐに教会に向かいました。
そして、フにダンの居所を聞いたのです。
あくまでもフは神父としての態度でガンウに接しようとしていたのですが、ダンの正体を天使だと疑っているガンウは、その嘘をはぎ取ろうとし、燭台で殴りかかろうとしたのです。
燭台は花に変わりましたから、何事もありませんでしたけどね。フが変えたのです。
やっぱり平凡な神父じゃなかった・・・とガンウ。ヨンソに何をしようとしてるのですか?・・・と問いました。
「人間の手には負えません。」
ガンウの神をも恐れない態度に、フは驚いていました。
「誰であろうと、僕の計画を邪魔させない。目を覚ませと伝えてくれ。」
そう言って、ダンは教会から出て行きました。
ヨンソはファンタジアバレエ団の一員として練習を開始しました。
でも、他の団員がヨンソへの偏見を失くしたわけじゃなく、相変わらずの嫌味や嫌がらせは続いていました。
ヨンソはそう言う事を全く気にしなくなりました。
いえ、気にしないのではなく、目の前の事を全て受け入れ、踊る事に専念しようとしたのです。目が見えて足が動ける幸せを知りましたから。
そんな時、またまたヨンジャとルナがヨンソとガンウの邪魔をしに来ましたよ。
今度のジゼルのオーディションの審査はガンウを除いたスタッフだと言いました。勿論、ヨンジャは含まれています。
公正で公平な審査のためだと言いますが、彼女たちこそ、それが無理だというのは見え見えです。
「ならば、団長も抜けてください。公平な審査は出来ないでしょう。審査は団員たちにさせましょう。」
と、ガンウ。
結局、その方法が採られる事に。
ガンウは新しい解釈で舞台をすると言いました。
これまでとは全く違うストーリーとなります。
パク室長はやっぱり罪悪感に苛まれ、チョン執事に証拠を渡してしまおうと考えたようです。
でもね、そんなこと、ルナにはお見通し。
あの手下の男によって、バッグごと奪われてしまいましたよ。
もしかしたら、ヨンジャよりルナの方が手ごわいのかもしれません。
それに、ヨンジャも気づき始めているようです。娘の行動を今まで把握してはいなかったようですから。
こっそりとルナの机を探ったりしました。
ファンタジアナイトの時の騒動の原因が自分にあると夫から責められました。でも、自分の策は失敗したわけです。なのに、ヨンソは醜態をさらしたわけで。
チョ秘書の事故死も、他殺の疑いがあると聞かされました。
その時は誰の仕業か特に考えなかったのですが、もしかしたら、ルナが?・・・と感じたわけです。
流石に母親として恐怖や悔恨の思いが押し寄せて来たようです。
ヨンソを殺そうとしたの?と言う問いが頭に浮かびましたが、言葉には出せませんでした。
「あなたはキレイな物だけを見るのよ。他は私がやる。」
すると、ルナは母の気持ちを気づかないように答えました。私は汚ない事が嫌いなの知ってるでしょ?・・・と。
パク室長は、こうまで自分が監視されていると、改めて気付きました。恐怖がこみ上げて来ました。
チョン執事が勇気を出せと言っても、もう、怖くてダメみたいです。
行く充ての無いダンは、養護施設に、あの老妻を訪ねました。夫が消えて、容体が悪化したままでしたからね。
ダンは神に話しをしました。
「行き止まりに来てしまいました。どこへ行っても彼女がいます。僕はどこへ行けば?」
その時、フが現れました。ここにいろ・・・と言いました。
でも、今のダンは以前のようにフに接する事が出来ません。老人を消すのを見てしまいましたからね。
ヨンソは練習に身が入っていません。
それはガンウは勿論、他の団員も感じていました。
練習後、ヨンソは一人でダンの行方を探し始めました。
教会に行きました。
フは、捜さないでくださいとしか言いません。ダンの情報は全く得られませんでした。
彼女の前に現れたのは、ガンウ。
お酒に誘いました。未練を捨てさせようと思ったのです。
でも、ヨンソもダンと同じでした。どこに行っても何もしても、ダンが目の前に現れました。
「ダンは君が思ってるのとは違う人かもしれない。騙されているかもしれない。だから、もう忘れるんだ。」
と、ガンウ。
ヨンソは怒りました。
「ダンの事をよく知らないけど、一つだけ言える。彼は人をだましたりしない。あれだけ自分をさらけ出す人を私は見たことがないわ。」
ヨンソはダンと初めて会った公園のベンチに行きました。無駄だとは思いましたが、ここしか思い当たらなかったのです。
キム・ダン・・・どこにいるの?あなたが必要なの。
その声を、ダンが聞いていました。来ていたのです、その場に。
「しっかりしろ。」
ダンがヨンソの前に現れました。
一瞬また幻覚かと思ったヨンソ。
「僕が間違ってた。優しくし過ぎた。こんな簡単に揺らぐとは思わなかった。」
と、ダン。
「分からないか?仕事に集中し過ぎて雰囲気にのまれただけだ。氷のように冷たい人だから善意を施した。僕じゃ無くて本当の相手を探せ。ずっと隣に居てくれる人を。」
精一杯の冷たい言葉を投げつけました。
行こうとしたダンを引き留めたヨンソ。でもそれはダンの背中を見たくないからでした。
「家でも公園でも先に逃げ出したでしょ。今度は私よ。覚えておきなさい。私があなたを捨てるの。残されるのはあなたよ。」
ヨンソはそうきっぱり言ってダンに背を向けて歩きだしました。
自分に言い聞かせました。存在しなかった人よ、存在したけどいなかったと思わなきゃ・・・と。
できるわ、私ならできる・・・と涙を拭いながら。
ヨンソはこれまでいつも残される立場でした。両親、チョ秘書・・・。ダンにまでと言うのが耐えられなかったのでしょうね。
ダンは養護施設に戻り、ハルモニの世話をし始めました。
夢を見ました。また、あの少年とヨンソです。
うたた寝をしていたのです。その間にハルモニの姿が消えました。
慌てて捜すと、ハルモニは、夫が消えたあの草原に座り込んでいました。
ダンを夫だと誤解した様子を見せました。あの初めて会った葦原に連れて行って・・・と言いました。
実は、ハルモニと天使の夫が会ったのは1年前でした。実の夫はもっと昔に亡くなっていたのです。ハルモニが誤解しただけでした。
でも、天使はその誤解を受け入れ、夫として生きてくれたのです。
天使だと言う事を、ハルモニは知っていたようです。
あの人が残してくれたのは、このハンカチだけ・・・と羽が刺繍されたハンカチを握りしめました。
「怖くなかったですか?幽霊や怪物みたいなものだし・・・。」
と、ダンが聞きました。
「どこにあんな優しい怪物がいる?」
と、ハルモニは言いました。
僕は逃げ出してしまいました・・・とダン。彼女を引き留めてしまいそうで、そうしたら、彼女が悲しむし、不幸になりそうで・・・と。
「私は後悔してないわよ。でも悲しい。胸が張り裂けそう。でも運命かもね。私で良かった。あの人と出会えたことに感謝してる。恨んでないわ。」
そして、ダンに教えるように言いました。
「この世には理由無く出会う人はいない。私は運命を信じる。それが私たちを会わせてくれたの・・・。」
ハルモニの最期の言葉でした。
ダンは思いました。
大きな計画と摂理の中に我々はいると言う。そこには孤独な人の希望を奪う事も入っているのだろうか・・・と。
最後まで相手を恨まない者への摂理は何か。
僕にも計画された摂理があるのだろうか・・・と。何故、ヨンソの元に送られたのか。
ダンはこの想いの原因を確認したいと思いました。夢の意味も。
ヨンソの傍にいたいと、離れてみて更に思いました。そうしても良い理由が一つでもあるなら、見つけられるようにしてください。その道の末がどこであろうとも、喜んで向かいます。
ダンは神に祈りました。
そして、島に行ったのです。
ジゼルの練習が始まり、新しい解釈のサッドシーンの練習が行われました。
候補の者が一人づつ自分の解釈で踊りました。
ヨンソはダンへの想いを込めました。
ガンウの解釈を一度は認めたヨンソですが、見せた踊りはその解釈に反したものでした。
ガンウは叱りました。
でも、ヨンソにとっては今、それが彼女なりのジゼルだと思えたのです。思ったままに踊りました。
彼女の前にいたのは、ガンウではなく、ダンでした。
踊り終えた時、団員たちの中から自然に拍手が起りました。
ダンは島で夢に出てくる少年の情報を集めました。家を特定出来ました。
そこで、ダンはもっとリアルな夢を見たのです。まるで自分が体験したような。
ヨンソとの関わりも夢に見ました。
留学する前にヨンソは最後の挨拶に来てくれました。でも、会えなかったのです。父親の暴力で痣だらけになっていたから。
ヨンソは箱を置いて行きました。
それが、確かにあったのです。
夢じゃ無かった、現実にあったことだ・・・ダンは気付きました。
ヨンソが置いて行った箱の中には、絵やお菓子が入っていました。
ヨンソと少年の絵です。
名前も書いてありました。ユ・ソンウという。
思わずダンは駆け出しました。少年の行動をなぞって。
すると、そこにいたのは、ヨンソ。
く~っ切なくて胸が痛いです。
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