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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

核保有議論の意味するもの

2006年10月18日 11時04分57秒 | 国際・政治

 中川政調会長が朝日のサンデープロジェクトで核保有を議論しても良いのではないかと発言し、国内外が敏感に反応しさざなみが立った。外野席から見ると、これは現在の北朝鮮を巡る国際情勢が反映されていると思う。ま、核こそが絶対的な軍事力と考えるアメリカの戦略の一端でしょ。

 このたび、北朝鮮が核を持つに至り、ロシア、中国、アメリカと核の輪で日本を取り囲むことになったが、とりわけ日本海を挟んで共産国や元共産国がこぞって核を持ち、見事に共産仲間の核保有ラインが繋がった。アメリカと軍事同盟国関係にある日本と韓国は取り囲まれてしまった。極東アメリカ軍が核を持っていると言っても、国単位では持つ持たないの極端なアンバランスが生じたと言わざるを得ない。

 それに加えて、中国のしたたかさにアメリカは気付き始めた。アメリカはベトナム戦争の終結に向けて中国の協力を求めて以来、同盟国の日本より中国を信用し共同歩調を取り始めた。おまけに日本はバブルをアメリカとの経済戦争と位置づけ、アメリカにとって対峙しているソビエトより日本の方が脅威だった。口には出さないが、キッシンジャー元補佐官らは相当頭に来たに違いない。クリントン政権は世界の工場を日本から中国にシフトさせることに尽力した。ところが、ところが中国は今回の北朝鮮の核実験を阻止できなかった。多分、中国はアメリカに核実験抑制を約束していた。

 中国にとって北朝鮮はアメリカを従わせる大切などら息子だった。アメリカを挑発する適当な悪役でいて欲しかった。北朝鮮が悪さをするとアメリカが中国に抑制を依頼する。中国は交換条件を出す。例えば、元の切り上げの圧力を弱めてもらう。時間を稼ぎながら中国は経済成長をベースに軍事大国の階段を登ってゆく。やがて中国はアメリカを上回る軍事力を持つに至る。

 アメリカ人は今議論していることが正しく、そこで導き出された結論は実行されると思っている。ところが、中国人と付き合って分かるが、彼らはその時々で都合の良いように発言し、昨日言ったことが簡単に覆ってしまう。ブッシュ政権になって、大きく中国寄りに切っていた舵を、少し、日本へ戻した。そして、今回の北朝鮮のことでは、アメリカが中国に疑問を持ち始めた。小泉変人や安倍坊ちゃんの方が余程アメリカに忠実である。

 アメリカにとって頭が痛いのは北朝鮮だけではない。イラクの問題はアメリカに深刻な課題となっており、南米ではアメリカに敵対する火の手が上がっている。イスラエルとヒズボラの問題も解決が難しく予断を許さない。死んだと思っていたロシアは無尽蔵な石油で息を吹き返し、管理国家へと返信しつつある。アメリカのエージェント役を務めた小泉首相、それ以上にアメリカ青年将校のような安倍ぼっちゃん。アメリカの軍事戦略専門家の間で日本が核を保有して極東地域で北朝鮮などに睨みを効かせるべきとの議論は当然起こる。

 そんな中で観測気球を上げるために、中川政調会長の発言が出た。その証拠に、安倍坊ちゃんは中川発言を否定していない。安倍坊ちゃんが喋ると国内外で深刻な問題になりかねないから側近がつぶやく。核保有を「議論」しても良いのではないかとは、用意周到に練られた作戦の中で出てきた言葉だ。あくまで議論であるが、その本音はずばり、「将来核を持ちたい」である。一方で、中国に対する牽制もある。中国は馬鹿ではない。敏感にアメリカの意図を感じる。日本のトップ層は完全にアメリカの管理下にあり、アメリカの許可なく日本の方向は決められない。いわば、アメリカのお墨付きの発言だ。

 私は議論は大いに結構と思う。ただし、核爆弾は持つべきではない。唯一の被爆国であり、非核3原則を訴えてきた経緯から、持たないことが重要だ。消されてしまったブログにも記述したが、日本の優れた技術を集約させ、十分な予算をつけて、ミサイルを的確に迎撃するミサイルを開発すべきだ。北朝鮮から核ミサイルが発射された直後に迎撃ミサイルを数発発射させて、打ち落とす。同時に核ミサイル発射基地を10メートル程度の誤差で完全にピンポイント破壊する。少なくとも、1000発以上の迎撃ミサイルを保有する。信用できる国には安く提供する。これで世界中の核の脅威は大幅に軽減される。

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