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巨大ブラックホールの衝突が新宇宙を形成⇒循環宇宙論、有機物質から人間への進化メカニズム(循環論理の評価)⇒戦略的進化論

エピジェネティクスによるゲノムの下克上により遺伝子が絶対的地位から陥落することになった

2018年08月24日 17時23分22秒 | 生命
 これまでの生物・医学分野は遺伝子が唯一・万能の決定要素であり、遺伝子が変わることのみで生体システムも変更されるとされてきた。新ダーウィン説によるところの遺伝子の突然変異と自然選択もこの考えに沿ったものだった。ところがエピジェネティクスではジャンクDNAと呼ばれたゲノムが、遺伝子やヒストンの修飾などで全体を制御することが明らかになった。

 従来の遺伝子を構造遺伝子、構造遺伝子を制御するゲノムを制御遺伝子と名付けた研究者(ジャン・ドゥーシュ、進化する遺伝子概念より)も現れた。ここではこの呼び方を使おう。エピジェネティクス研究者の間では、構造遺伝子より制御遺伝子のほうが上であるとの主張がされているようである。これに関して、ネッサー・キャリーはどちらも重要なゲノムであるとお茶を濁している。

 僕は、制御するゲノム(制御遺伝子)と制御されるゲノム(構造遺伝子)では、制御するゲノム(制御遺伝子)が上位に位置すると考える。制御遺伝子から見て構造遺伝子はツールになるからだ。ゲノムの舞台では、制御遺伝子が主役に躍り出有る。おまけにピジェネティクスではラマルク説も一部よみがえる。

 ここで、新ダーウィン説は追い込まれてしまう。制御遺伝子は全く対象外だったからである。根本的な見直しを迫られているのだ。構造遺伝子が「遺伝子」として天上天下唯我独尊だった時代には、進化の仕組みが極めてシンプルだった。ところが、エピジェネティクスの世界は非常の3乗ぐらい複雑で足を踏み入れること自体も大変。

 実のところ、新ダーウィン説だけで進化を説明することには多くの疑問や矛盾があったわけで、さりとて反対意見を持つ研究者も大っぴらに発言もできなかった。

 そんな中で、ニック・レーンは「自ら取り組んでいる分野の中心に大きなブラックホール(何故生物がここまで進化したかがわからい)があることを気付いている生物学者はほぼいない」と書き、併せて突然変異や自然選択が高度に進化させる仕組みを持たないともしている。

 ま、エピジェネティクスの研究成果が急速に増加する状況で、まともな科学に返りつつあると言えるのではないか。
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