バイデン大統領は2月10日に、2月20日から22日の3日間の日程でポーランドを訪問する事を発表した。この訪問に関し、ロシア国内では21日に、バイデン大統領がロシアに宣戦布告するとの噂が流れ、戦々恐々となっていると筑波大学の中村逸郎筑波大学名誉教授 は語る。
一方で、プーチンはウクライナへの軍事侵攻から1年を前にした2月21日に内政や外交の基本方針を示す年次教書演説を行うと発表し ていた。この教書の発表前に何としてもウクライナ東部を完全制覇の見通しをつけたかったが、兵器が底をついてきている。
東大の渡邊教授による人工衛星画像の分析ではロシア軍の前線で戦闘車両が見つからない。ロシア軍は兵士が前面に出る無茶苦茶な消耗作戦を展開している。これに対し、NATOはウクライナに対するレオパルド2など最強の戦車、および次の段階のジェット戦闘機供与を準備中である。
この状況で、バイデン大統領が国内世論から、ウクラクイナの戦いは長引かせたくないから、疲弊し兵器が底をついてきたロシアを一気に潰すため宣戦布告するとのロシア内の噂である。
僕はこの噂には否定的だ。むしろ、バイデン大統領は更にプーチンを追い詰め、戦術核を使う方向に誘導するのではないか。現在、プーチンが戦術核(トンネルや橋梁対象)を使うとの見方が専門家の間で強まってきている。従って、バイデン大統領は21日、ポーランドで、ウクライナに対するアメリカの戦闘機供与を大々的に発表する可能性があると見る。
もし、ロシアが核を使えば、NATOは大手を振ってロシアを通常兵器で叩き、一気に大勢を決定できる。まあ、小さな戦闘が長きにわたって続く可能性はあるが。
アメリカ軍はベトナム戦争やイラク戦争では、相手方が戦争を仕掛けてきたとする偽装が疑われてきた。先制攻撃はしない。これがアメリカのやり方だ。