OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

地味に輝く初リーダー盤

2007-08-29 18:06:07 | Weblog

ついにバカ横綱が故国に帰ってしまいましたね。

まあ、厄介払いでしょう。

格闘家としての価値もガタ落ち! 心技体がひとつになっていないことを自らが証明してしまったのですから! あぁ、情けなぁ~い。これでは復帰して勝ったとしても、説得力がありません。八百長の証明でもありました。

年末には、どっかのテレビ局主催の格闘技イベントに出るのかなぁ? もう芸能プロレスぐらいしか、出番は無いような……。

ここからは個人的な妄想ですが、バカ横綱にしても月末にはビジネス面で手形の決済とかあるんでしょうし、どうしても「顔」を見せなければカタがつかない部分もあるんでしょう。

協会もそのあたりの事情を理解しての処分でしょうね。

記者会見に出てきた伊勢の海親方の表情の暗さ、せつなさが印象的でした。人間、切羽詰ると、あんな悪い表情になるんですねぇ……。理事長が出ないのも???

ということで、本日は――

Breakin' It Up / Barry Harris (Argo)

バリー・ハリスはビバップの伝統を継承する優れたピアニストですが、その印象派は地味でしょう。自身のスタイルの根本となっているバド・パウエルのようなエキセントリックなところが、まず、ありません。

しかしバリー・ハリスの演奏には、なんとも言えない芳醇な香りがあります。

それは歌心の妙であり、ジェントルな雰囲気でもあり、しかし実際は頑固な意気地のような、決して忽せに出来ない芯の強さが、私にはとても魅力的です。

さて、このアルバムはバリー・ハリスが28歳の時に作った初リーダー盤♪ 録音は1958年7月31日にシカゴで行われています。それと言うのも、この名手が長らくデトロイト中心に活動していたからで、その実力は巡業してくるミュージシャンの口コミで広がってはいたのですが……。

メンバーはバリー・ハリス(p)、ウィリアム・オースチン(b)、フランク・ガント(ds) とされています――

A-1 All The Things You Are
A-2 Ornithology
A-3 Bluesy
A-4 Passport
B-1 Allen's Alley
B-2 Embraceable You
B-3 SRO
B-4 Stranger In Paradise

――1曲毎の演奏については、特に書く必要が無いほど、全篇がバリー・ハリス色に染上げられています。

それはビバップの真髄であり、またそれ以前のピアニスト、例えばアート・テイタムとかハンク・ジョーンズの影響も含んだ幅広い実力が堪能出来るわけですが、ちゃ~んとバリー・ハリスだけの歌心に満ちた演奏ばかり♪

このあたりは実際に聴いていただく他は無いのですが、特にA面ド頭の「All The Things You Are」は優しさと優雅さ、そして一抹の哀愁が漂う、このスタンダード曲の決定的な名バージョンだと思います。ミディアムスローでシミジミとした情感の表現は、しかし決してダレることのないビートの強さがあって、何度聴いても飽きません。もちろん歌心は満点♪

また早いテンポで解釈される「Ornithology」や「Allen's Alley」というビバップ代表曲では、バド・パウエルのスタイルがモロ出しになっていますが、ハンク・ジョーンズからの影響も大きいと感じます。バックでサクサクと刻まれるフランク・ガントのブラシも実に気持ち良いですねぇ~♪

それと「Bluesy」における卓越したブルース感覚も最高です。単なるドロ臭い雰囲気だけではなく、粋なフィーリングがたまりません。このあたりが後にキャノンボール・アダレイ(as) に勧誘された要因かと思われます。

ちなみにそれでニューヨークに出るのが1960年頃の話で、もちろんキャノンボールのバンドに加わるのですが、時はハードバップの爛熟時代! 当然、新展開としてジャズロックやモード手法も必要とされた演奏の現場では、見事にそれさえも消化していたバリー・ハリス! その進取の意欲は凄いものでしたが、結局はビバップ本流の演奏に戻っていきました。

そうした基本姿勢は、このアルバムでも存分に堪能出来ますが、特にオリジナル曲の「SRO」ではデューク・ジョーダン風のアプローチが聞けますし、「Embraceable You」ではモロにそれですからねぇ~♪ 全く憎めません。

つまり保守的な良いとこ取り……。

オーラスの「Stranger In Paradise」では、このスタンダード曲の持っている魅力を見事に引き出した名演を聞かせてくれるのでした。

ということで、地味ながら何時までも愛着の持てる傑作ピアノトリオ盤だと思います。特に冒頭の「All The Things You Are」は聞かずに死ねるか!

コメント
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