私の周囲には血糖値や血圧が高かったりして、一度に数種類のクスリを服用している人が大勢いますが、毎回間違えないのが不思議なほどです。
ほとんどパブロフの犬というか、彼等は医者と製薬会社のカモになっているような……。そんな疑問に捕らわれる私は、自分の健康に感謝しなければなりません。
ということで本日は――
■ハートに火をつけて / ドアーズ (Elektra / 日本ビクター)
車の中で聴くために、なんて言い訳しながら、ドアーズの最新ベスト盤CDを買ったんですが、これが仰天!
「40周年記念リミックス」と命名された企画、そしてライブ映像のDVDがオマケに付いているという2枚組+1の形態は嬉しいんですが、問題は「リミックス」に有り!
かなりの曲でステレオの定位が変えられていたり、微妙な音の入れ替え、楽器やボーカルのダビングに近いようなミックスの変更までありました。
さらに愕いたのが、曲によってはピッチを上げてアップテンポの印象を強めた変更さえあります。
例えばドアーズの代表的ヒット曲「ハートに火をつけて:Light My Fire」なんか、特に顕著ですねぇ~。
ご存知のようにこの曲は、1967年に出た彼等の出世作で、日本では昭和42年の夏~秋にかけて大ヒットしていますから、誰でも一度は聞いたことがあろうかと思います。
ダンッと一撃で決まるドラムスと同時に始るバッハのようにオルガンのイントロ、ボサロック調のビートに深遠でクールなジム・モリソンのボーカルが冴えた名曲・名演です。
しかもシングル盤では間奏を大きくカットした編集バージョンでしたが、LPに入っているフルバージョンでは、オルガンとギター、そしてドラムスが渾然一体になった強烈なアドリブが陶酔感覚を刺激するという素晴らしさ♪
もちろんそれが入ったデビューアルバムも間然することの無い楽曲と演奏ばかりという、歴史的名盤です。
ただし前述したベスト盤からして、どうも今まで発売されていた彼等の諸作品が、CDでは新マスターに変えられてしまうのかも……。
う~ん、これで良いんでしょうか……? これからドアーズを聴く皆様にはOKでしょう。しかし今まで馴染んできた私のような者には、完全に???
しかもドアーズのシングル盤は、かなり編集バージョンが多いのに、それがほとんどCD化されていない現実を置き去りにしての暴挙じゃないか!?
正直、ちょっと怒りとも呆れともつかない心情になりました。
ちなみにドアーズはボーカリストで一座のスタアだったジム・モリソンが悪いクスリによって1971年7月に急逝した後、残った3人で活動を継続したのですが、結果は奮戦虚しく……。
そこで近年は過去の音源を蔵出ししたり、リミックスやリメイクに近い再発に没頭し、ファンを一喜一憂させています。
さて、本日の1枚で掲載したのは、その日本盤シングルですが、オリジナルか否かは不明です。なにしろ入手したのが昭和53(1978)年で、3枚五百円の中古セールに入っていたブツですから……。ジャケットの右下には何かのシールを剥がした痕跡も生々しい、愛着溢れる1枚です。
当然、モノラル仕様ですから、AMラジオ感覚で楽しめるのでした。