それにしても、いったい相撲協会はどうなっているのか!?
ここに至っても親方と横綱にだらしなさのケジメをつけさせられないとは!?
もうこれは、国技を騙って日本人全体をバカにした所業としか思えません。ええぃ~、腹がたつ!
と怒ってばかりではラチがあきませんね……。
ということで、本日は爽やかに楽しいこれで気分転換です――
■California Dreaming / Wes Montgomery (Verve)
天才ジャズギタリストのウェス・モンゴメリーは、純ジャズだけではなく、所謂イージーリスニング物でも真髄を披露したがゆえに、あらためて「天才」と尊敬されるのでしょう。
もちろん、抜群のテクニックで広められたオクターブ奏法とドライブ感、歌心の妙は他の追従を許さぬ境地です。
で、このアルバムは、その両方の特質が存分に楽しめる傑作!
録音は1966年9月14~16日、メンバーはウェス・モンゴメリー(g)、ハービー・ハンコック(p)、リチャード・デイビス(b)、グラディ・テイト(ds)、レイ・バレット(per) を中心に、ドン・セベスキーがアレンジしたオーケストラがついています――
A-1 California Dreaming
西海岸ポップスの代表格だったママス&パパスが1966年2月に放った大ヒットをジャズバージョン化した演奏です。あまりにも有名なメロティは、誰もが必ずや耳にしたことがあるはずですから、ここでの原曲の味を損なわないアレンジには、思わず惹きつけられるでしょう。
ウェス・モンゴメリーの演奏も快適そのもので、オクターブ奏法を主体にしながら、非常にメロディアスなアドリブを聞かせてくれます。テーマの弾き方も素直で最高ですねっ♪
それとアレンジが出来過ぎです! まるっきりウェス・モンゴメリーのアドリブを先読みしたようなリフやアンサンブルが気持ち良く決まっています。否、と言うよりも、アドリブを含めた演奏そのものに、相等の書き譜があんじゃないでしょうか?
このあたりはガチガチのジャズファンからは見下される要因かもしれませんが、聴いていて気持ちよければOKでしょう。
A-2 Sun Down
ウェス・モンゴメリーが書いた小粋なジャズブルースで、単音弾き~オクターブ奏法~コード弾きと展開されていくアドリブには、お手本となるべきフレーズの見本市! 全く快適で爽快です。
またリズム隊も軽い雰囲気ながら、実にグルーヴィな4ビートの真髄!
A-3 Oh, You Crazy Moon
ちょっと地味なスタンダード曲で、ここでもゆったりとした演奏になっていますが、ウェス・モンゴメリーの雰囲気満点のギターを彩るドン・セベスキーのアレンジが秀逸です。
A-4 More, More, Amor
ソフト&メローな名曲・名演♪ 確か矢野顕子もカバーしていたほどの素敵なメロディは、何度聞いても飽きません。ボサロック調のリズムも効いていますし、なによりもウェス・モンゴメリーのギターが鮮やかすぎます♪
こういうお洒落な感覚こそ、ジャズの魅力ではないでしょうか? 私は大好きです。
A-5 Without You
ディープなラテンフィーリングが心地良い、穏やかな名演です。じっくりと感情を込めて弾かれるウェス・モンゴメリーのシングルトーンによるアドリブは、実に味わい深いですねぇ。もちろんオクターヴ奏法も冴えまくり! とてもアドリブとは思えないメロディアスな展開には、しっとりと酔わされてしまいます。
控えめで深みのあるリズム隊の存在感も流石だと思います。
B-1 Winds Of Barcelona / バルセロナの風
これは当時のちょっとしたヒット曲でした。けっこうラジオや商店街でも流れていましたし、ビアガーデンのバンドには必須の演目だった時期もあります。
それはラテンロック風のノリ、歯切れのよいブラスとビート、そして気持ち良くノリまくるウェス・モンゴメリーの素晴らしいギター♪ これで楽しくなかったら、バチが当ります。
B-2 Sunny
ふっふっふっ、私が偏愛する名曲ですから、もう何も言いません。
ボサロックにアレンジされた原曲メロディをウェス・モンゴメリーが弾いてくれるだけで、満足です。う~ん、それにしても鮮やかすぎるオクターブ奏法は気持ち良いですねぇ~~~♪ あぁ、どうしてこんな美メロが飛び出すんでしょう、神様の思し召しとしか思えません。
B-3 Green Peppers
これもラテンロックのグルーヴが鮮やかな名演です。メロディやアレンジにも下世話なところがあって、たまりませんねぇ~♪
実はこのアレンジや演奏の雰囲気は、同時期の昭和歌謡曲に、たっふりとパクられていますから、ますます要注意です。例えば大原麗子の「ピーコック・ベイビー」とか! でも本当の元ネタはセルジオ・メンデスでしょうか?
肝心のウェス・モンゴメリーのギターは強烈に歌いまくって、さらにエネルギッシュ! 出来すぎのアドリブとアレンジの妙は、痛快至極です♪
B-4 Mr. Walker
これまたマイナー調のラテンロックですから、心底、参ってしまいます。つまり前曲の続篇のような雰囲気なんです。あぁ、昭和歌謡曲の味わいも深く、それでいて正統派ジャズの凄さと楽しさが満喫出来るんですから♪♪~♪
快適なリズム隊のグルーヴも、実は一筋縄ではいかないようですし、ウェス・モンゴメリーのギターにも一切の手抜きがありません。
B-5 South Of The Border / 国境の南
これはフランク・シナトラやディーン・マーチンも歌っているメキシコ色のスタンダード曲ですから、ここでの楽しい演奏は「お約束」でしょう。
ウェス・モンゴメリーの歯切れの良いギター、弾けるハービー・ハンコックのピアノ伴奏、さらに軽やかなリズムの嵐♪ 実に爽快です。もちろん、そこはかとない哀愁も滲み出た、これも名演でしょうねぇ。
ということで、何時、如何なる時に聞いても気分は最高という、和み系の名盤だと思います。ジャズ入門用としても最適ですし、長らく愛聴しても聴き飽きることは無いと、私は確信しているほどです。
この手の作品が軽く扱われるのは確かな事実だとしても、聴かないのは勿体無いし、ウェス・モンゴメリーの物分りが良くて、しかもガンコな天才性が楽しめるアルバムだと思います。
特に今の季節には、ぴったりかもしれません。
それとジャケットの美女の素晴らしさ♪ 今、こうして聴いていても、彼女の行末が気になるしまつです。