雪山の白い虎

デイヴィッド・ゴードン, 青木千鶴 訳．早川書房 (2014/12/19)．

Amazon の内容紹介*****
38歳、無職、離婚歴あり、そして実家暮らしの冴えない男が日々通うプールで見た風景を綴る「男の乳房が揺れる夏」。元恋人から、彼女の前世の恋人の行方を探して欲しいと頼まれた男の奇妙な冒険を描く「スー・リー・チェン」。"去年の秋に、ぼくはインポになった"との独白から始まる、中年男の性的迷走を描いた表題作「雪山の白い虎」。そして、パリを旅する老人が、ヌードモデルとの数奇な邂逅を語る「素人」を含む全13篇収録。 作家とは? 文学とは、性欲とは? 歳を取ることとは何か? 著者のすべてが詰まった短篇集。*****

長編「二流小説家」が 2011 年度の日本の主要ミステリランキング三冠を達成した，と巻末の解説で読んで著者を思い出し，図書館で借用．450 ページに 13 の短・中編．期待に反しミステリらしきものはない．純文学というジャンルはよくわからないが，そこに入るのかもしれない．
テーマは「小説を書くこと」「作家であること」「セクシュアリティ」だそうだが，セクシュアリティが前面に出ていると感じた．残る二つは同じことだろう．
一人称の語りが多いが，ぼやきにユーモアが隠れている．

雪山の白い虎は，中国のカレンダーの絵柄．

この編集部 A・Y さんの解説に付け加えることはありそうもない．