Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

もしも君に会わなかったら

2015-07-05 08:33:49 | 読書
早乙女勝元,新日本出版社 (2014/9).

ほとんどピンコロで旅立った奥さんの思い出の記.歳をとると配偶者との別れ方も気になるもの.図書館で借用.
著者は岩波新書「東京大空襲」と著者と認識していた.

アマゾンの内容紹介*****
突然に彼女はとびたった。おそらくやりたいことを山ほど残して……。最愛の人・直枝さんの死以来、心の空白をうめるように、通り過ぎた40年の歳月を追っていく。残されたものは、どう生きていくのか。炎の夜を後の世代へ語り継ぐために、鉛筆をにぎり続け200冊以上の書籍を著した著者が綴る亡き伴侶への熱い誓い。*****

上の文章に異論はないのだが,時として記述が教条主義的で,この本からぼくは民青がそのまま老人になったような著者像を想像してしまう.
それに対し直枝さんにはずっと豪放磊落な感じを受けた.しかし,こういうイメージを与えるのも著者の小説家としての筆力がなせる技かもしれない.最後の令嬢・早乙女愛さんの「解説と余談」からはまた違った直枝さん像が浮かぶから.こちらの方がリアルに思えた.

一本 120 円の枕木 600 本で自宅「枕木亭」を建てる場面が面白い.
この本の最後のほう,常備軍を廃止した国・コスタリカへの旅行記によれば,この国は楽園みたいだ.しかし Wikipedia (複数の問題ありとの断わり付き) には,常備軍を廃止した同じ憲法が,非常時徴兵を規定しているという記述があった.

 ブックデザインに羽山恵氏の陶芸作品が使われている.
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