このころは学生でスイングジャーナルを隅から隅まで読んでいた.Lonely Woman の最初のカバーが MJQ だったかもしれない.
ジョン・ルイス (MJQ のピアニスト/音楽監督) がオーネット・コールマンを強力にプロモートしたことは有名だが,パーシー・ヒース (b) は Shape of Jazz to Come (Lonely Woman を含む) の一つ前のアルバム Tommorow is the Question ではコールマンと共演している*.一方ミルト・ジャクソン(vib)は,マイルスなどと同様にコールマンに批判的だった.だから全員が喜んでこの曲を演奏・録音したとは思えない.
当時の (当時から?) 評判はあまり良くはなかった.
オリジナルのアルト・サックスとポケット・トランペットはわざと?調子っぱずれな音を出していたが,ピアノとヴァイブではお行儀の良い音しか出ない.シナリオ通りで生気が感じられず,荘重な現代音楽という感じ.
原曲と無関係と割り切れば,音楽としては一級品で,何を演奏しても MJQ ではある.
ちょっとこの曲を演ってみた...というのならいいが,これをアルバムタイトルにするのは,話題曲で売り上げを伸ばしたかったから?
https://www.youtube.com/watch?v=PJG2fEZQxX0 には同じ曲の同じ MJQ の動画がある.LP とどこが違うか比較するのは面白いが,最後がちょん切れている.
このアルバムのぼく的ベストは New York 19.
Lonely Woman: A Critical Analysis of Covers では8曲のジャズ演奏が聞き比べられている.
* アルバム Tommorow is the Question のメンバーが面白い.Ornette Coleman – alto saxophone, soprano saxophone,Don Cherry – trumpet,Percy Heath – bass (前半),Red Mitchell – bass (後半),Shelly Manne – drums.