
Facebook に,このままでは安保法案が新国立競技場の二の舞に?コスト計算をせずになぜ議論ができるのか と題する北村淳氏の記事がシェアされてきた.
少し引用させていただくと「さまざまな日米共同訓練,日米共同作戦,多国籍軍事活動などに自衛隊を送り出すには,現状の自衛隊の組織や規模では対応できない.自衛隊の大幅な人員増加,あるいは抜本的な組織改編,それに必要な装備の調達などが必要になり、国防費の大増額が絶対的条件となる...中略...そのような段階になってから,安保法案実施のための組織や装備を整備し維持するための国防予算が捻出できない,といった事態に立ち至った瞬間に,日米同盟は終結する.また、日本の国際的地位も地に墜ちるる」
しかし,いくら国防費が増えようと予算案を可決すればいいのだから,国防予算は捻出できる,新国立競技場の二の舞にはならない,というのが多数与党のストーリーである.
それはそれとして,上記北村論文で物足りないのは,国防費がいくら増加するかに言及がないこと.
「真実を探すブログ」によればアメリカの国防予算は日本の集団的自衛権を前提にすでに減額されているらしい.乱暴な見積もりだが,ここにある米軍4万人削減で浮く経費を,日本の来年の負担増としたら何兆円か,計算してみるのもひとつの方法だろう.
ひるがえって日本の財政状態を象徴するのが財務省の HP から転載したトップのグラフ.ギリシャと異なるのはこの国債の大部分を負担しているのが日本国民だということ.財政がいつ破綻するかについては色々な説があり,破綻しても国民が泣くだけだから,政治家は実際に破綻するまで何もしないつもりらしい.
歳出では,日本の防衛予算は約5兆円で,文教科学振興費とほぼ同額.これに対して国債費は90兆円.また社会保障費は70兆円弱だが,半分以上は介護・老人保険関係である.
この借金まみれの老人国家にどうして戦争ができるの? というのがぼくの実感.
国会論戦とかでもお金のことがいっこうに問題にされないのは全く不満である.
われわれの税金の使い途について,それぞれの立場で試算もしないのは,与党も野党も怠慢だ.