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高岡昌江,学研教育出版 (2014/8).
内容紹介*****
いまや動物園も高齢化社会。おじいさん・おばあさんの動物たちは、どこで生まれ、どんな出来事を乗り越えてきたのでしょう。本人にかわり、毎日世話をしている飼育係さんに語ってもらいました。彼らの歩んできた人生がひと目でわかる「履歴書」も必読です。*****
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飼育係が動物について語るのだが,目次のように,みんな名前で呼ぶ.中にはバシャンさん(カバ)の場合のように,飼育係の方が年下だったりする.飼育係と動物との駆け引きが面白い.また,野生だったのを捉えられた子は動物園で生まれた子とは心意気が違うということだ.
若いとき飼育係をいじめたりした動物も,年をとるとまるくなる.白内障になったり,ぼけたりする.カバ・ゾウのように重い動物は,一度ねころぶと起きられなくなるのを知っていて,晩年は立ったままで過ごすのだそうだ.
高齢の動物の飼育係はどなたもこの子が死んだときのために心の準備をこころがけている.ツガルさん(ラクダ)はヒトのこころがよくわかったらしいが,本の出版を待たずに昇天してしまった.あとがき(終わりに)によれば春子さん(ゾウ)も...
登場動物の多くは長寿記録を更新中.巻末の上野動物園園長さんの文章「この本に寄せて」によれば,飼育下では動物は野生の平均寿命の 8 倍くらいは生きるという.日本人の戦前の平均寿命は 45 歳くらいだった...などと聞くと,それを越えて生きているおじいさん・おばあさんの読者には一入感慨深い本である..
漢字には全部ルピがふってあり,小学生向きの本らしいが,お子様にはどうなんだろう.
絵・すがわらけいこ.