Sixteen Tones

音律と音階・ヴァイブ・ジャズ・ガラス絵・ミステリ.....

うどん キツネつきの

2017-01-20 09:13:41 | 読書
東京創元社(創元SF文庫 2016/11).2016 年林芙美子文学賞の高山羽根子の第一短編集.

Amazon によれば*****
内容(「BOOK」データベースより)
犬そっくりの生き物を育てる三人姉妹の人生をユーモラスに描き、第1回創元SF短編賞佳作となった表題作、郊外のぼろアパートで暮らす人々の可笑しな日常「シキ零レイ零 ミドリ荘」、15人姉妹の家が建つ孤島をある日見舞った異常事態「母のいる島」、ねぶたの街・青森を舞台に時を超えて紡がれる幻想譚「巨きなものの還る場所」など、全5編を収録。第36回日本SF大賞候補作。
*****

帯の「新時代の感性が描くシュールで愛しい五つの物語」という惹句が的を射ている.

カバーにはバックに英語で Unknown Dog of Nobody の文字があり,頭文字をつなげると「うどん」になる.「うどん」は犬 (らしい生き物) につけた名前.他の短編もそれぞれ英語かどうかわからないが,横文字のタイトルがある.
表題作ではパチンコ屋のゴリラが啼いているのかと思ったら,赤黒くぬれた肉塊,生まれたばかりで粘膜に包まれた「うどん」だったという出だし.これが「一日目」で,以下,七日目・四年目・七年目・十一年目・十五年目と小見出しが続く.一日目には生存が危ぶまれたうどんだが,このぶんでは永久に生きるのではないかと心配になる.登場人物は (そして人間は) 犬や蟹やフクロウを飼うのだが.食べるためにでもなく働かせるためにでもなく,なぜ彼らを育てるかと言うことを,この作は問題にしたいらしい.しかし特にオチがあるわけではなく,それは他の作品も同じ.
この作は第一回創元 SF 短編賞佳作だが,「これは SF らしくない」が入賞しなかった理由だそうだ.

五つの短編は次第にシアリアスになる配列.ぼく的ベストは真ん中の「母のいる島」.
解説 大野万紀.
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擦り切れた袖口の補修

2017-01-19 10:50:28 | エトセト等


持ち主同様,疲れた表情を見せるジャンパー.
タグ ? に Maul Ruck とあったので,ググったらタケオキクチの別ブランドで,登場が 1985 と判明.今ではビンテージ扱いされている品もあるらしい...知らなかった.
30 年間たまに着るという状態が続いてきたが,さすがに袖口がほつれてきたので,補修を依頼した.

これがビフォーアフター.こちらの写真は「洋服を直したり作ったりするレーベル qiv」さんのホームページから転載させていただいた.光栄なことに,news のページに同じ写真が出ている!

冒頭の全体写真はアフター.もともと袖口は布だったが,他の部分と似た皮を持ち込んで「パイピング」していただいた結果である.業界用語らしいが,わが解釈が正しければ,pipe を動詞として,こう言う風に使うんだな...

ホームページの,qiv というロゴがかっこいい!

これで一生もちそう.衣類は大切につかいませう!
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Good Bait / La Mer

2017-01-18 10:14:26 | ジャズ

Dizzy Gillespie (tp) Trummy Young (tb) Don Byas (ts) Clyde Hart (p) Oscar Pettiford (b) Irv Kluger (ds)

Wikipedia で Good Bait について,
*****Good Bait uses the changes to "I've Got Rhythm" (Rhythm changes) transposed up by a fourth as its bridge. The chord changes to Good Bait are similar to those of La Mer ("The Sea"), which was released at about the same time, and the title "Good Bait" may be an allusion to the sea.*****

とあった.Good Bait は 1944 年のタッド・ダメロンのバップ曲だが,La Mer はシャルル・トレネの 1943 年のシャンソンである.彼の「ブン」「詩人の魂」なども名曲だ.どちらも AABA 形式だが,La Mer は A が 12 小節と,ちょっと変わっている.出だしが似ている程度だから allusion なのだろう.

La Mer はよく考えられた曲だと思うが,Good Bait は B は A を5度下げた (4度上げた) だけということもあって,ちょっと大雑把というか,安直というか. 動画の演奏ではテーマの B 部分はアドリブだ.



動画でトレネが言っているように,La Mer はアメリカで Beyond the Sea というタイトルでヒットした.ぼくが覚えているのはボビー・ダーリン
歌詞が自然賛美から恋愛を歌ったものに変わっている.「枯葉」もそうだが,もとの歌詞を変えてしまうのがフランス人には気にくわないらしい

ジャンゴ・ラインハルトの La Mer は,バイオリンのバックのギターが激しい.Good Bait とは全く違うジャズだ.
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住吉 千夏子訳 絵本「たびネコさん」

2017-01-17 21:26:30 | 読書
ケイト・バンクス作,ローレン・カスティーヨ絵,住吉 千夏子訳, きじとら出版 (2016/9).
広島の紀伊国屋書店で発見.東京の丸善にはなかった.広島の出版社だからかもしれない.

出版社による内容紹介*****
たびネコさんは ちゃっかりネコさん。 家族旅行に おつきあい。 さあ、ごいっしょに ヨーロッパの名所めぐりをいたしましょう。
ローマから、マルセイユ、バルセロナ、パリ、ロンドン、アムステルダム、ミュンヘン、ヴェネツィアへ。巻末には、たびネコさんが訪れる名所の解説がついています。
コルデコット賞オナー作家による美しいイラストが旅ごころを誘う、画集のような一冊です!*****

EhonNavi のページで 6 ページだけ本の中を眺めることができる.

本には原著者紹介とともに (きじとら出版のホームページにも) 訳者 : 住吉千夏子(すみよし ちかこ)の紹介が*****
1984年島根県生まれ、広島県育ち。広島大学総合科学部・京都大学大学院農学研究科卒。社会人経験後、語学への強い思いからイギリスのリーズ大学大学院に留学、応用翻訳を学ぶ。現在、ドイツ・ケルン在住。本作で第22回いたばし国際絵本翻訳大賞(英語部門)最優秀翻訳大賞を受賞。*****
「大学のジャズ研でピアノを弾いていた」とは書いてなかった.

歌うような訳文だが,原文はどんな調子だったんだろう.
絵ではたびネコさんは黒猫で,写実的で姿態と動作に個性が感じられる描き方.モデルがいたんだろうか.コロッセオの俯瞰図の影がうまい.

ネコさんが行ったなかで,行ったことがないのはミュンヘンだけだ...などと,しばし老夫婦は思い出に浸るのでした.


2022/1/31 追記
原本がウエブで閲覧できることを発見.タイトルは City Cat だった !
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土屋陽太・メタル展 @ 松屋銀座

2017-01-16 10:18:14 | エトセト等


*****遊びのギャラリー
まるで今にも動き出しそうなくらいリアルな生き物が、遊びのギャラリーにやってきました。土屋陽太・メタル展。
金属を自在に操り、滑らかな曲線と継ぎ目のわからない溶接技術は、圧巻です。どこか可愛らしい動きとつぶらな眼差しががほっとさせてくれます。是非!会場で癒されてください♪
*****
以上写真とも,松屋銀座のホームページより

金属板を叩いて立体化する,鍛金という手法と思う.しかし,鍋くらいなら想像できるが,こんな複雑なものがどうしてできるのだろう.

鍛金そのものは古い技術らしく,このウサギは明治時代の山田宗美作,加賀市美術館蔵.高さ23 cm.「一見鋳造品と見紛うばかりの重量感をもつが,実際に作品を手にすると 770g と,驚くほど軽い」と言う.現在は再現不可能な「幻の技法」とのことである.

比べると土屋さんの作品群は,材質も違うが軽やかで現代的.山田作品は全部が一体だが,こちらは手・足などは別々に作って溶接してあるらしい.
とても安い.左下の蛙が 10,500 円.欲しい! とは思ったが....

「松屋」という百貨店は今では三越伊勢丹ホールディングスの傘下にあるらしいが,松屋カラーは健在.地下の穴倉風コーヒースタンドと,この「遊びのギャラリー」が銀ブラの楽しみのひとつだ.
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ネットで読める文学賞作品「太陽の側の島」

2017-01-15 09:32:19 | エトセト等


代官山・蔦屋で買ったのは,高山 羽根子「うどん キツネつきの」.まだ半分しか読んでいないが,タイプな作品.
見返しの作家略歴に,林芙美子文学賞受賞とあった.この 2016 年の第2回受賞作「太陽の側の島」は,北九州市立文学館のホームベージで公開されていた.芥川賞などもネットで公開してもらいたいもの.それで本が売れなくなるということはないと思う...責任は持たないが,ぼくにしても短編集の一編として出版されたら買ってもいいと思っている.
この文学賞の選考委員は井上荒野,角田光代,川上未映子.しかし応募規定には,男性は応募できませんとは書いてない.

短編だから,すぐ読めてしまう.
戦地の夫と,障害があるらしい子と暮らす内地の妻との往復書簡というスタイル.戦時下ではありえない,微に入り細に入った大胆なやりとりが可能な理由は,次第に明らかになる.反戦を超越した死生観ともいうべきテーマを,戦時下という過酷な状態からおどろおどろしく展開する書き方も可能だったと思うが,あえて SF 的ファンタジー的 (すこしだけメルヘン的) に語るのが著者の特質なんだろう.それは「うどん...」にも共通している.

トップのイラストは作品と何の関係もないデス.太陽の側 ー> sunnyside ー> 目玉焼きという連想によるもの.
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本のセルフレジ

2017-01-14 09:53:00 | エトセト等
代官山.J 子がウインドウショッピングをしている間,蔦屋書店で時間をつぶすのが良いと教えられた.緑の中に2階建てが3棟.背後にもカフェや専門店が点在している.
店内は立ち読みならぬ座り読み歓迎.似たような雰囲気を経験したと思ったら,おらが町の電気店の跡に入った TSUTAYA だった.

ここにあったのがセルフレジ.大学の図書館で本を借りるのとほとんど変わらない.
取扱品目が本だけだから,スーパーのセルフレジよりも操作は簡単だ.バーコードは最初から印刷されているから,ミセとしても楽勝だろう.万引きにとっては,レジはあってもなくても関係ないわけだから,セルフレジのために書店が減収ということはないわけだ.

ブックカバーや袋はレジの下から勝手に持って行くしくみ.
レジにさわってみたくて,文庫本を買ってしまった.見回すと,うろうろしている人は多かったが,本を買っている人はあまりいなかった.
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ANAホテル インターコンチネンタル

2017-01-13 07:16:17 | エトセト等
今日まで東京.いつもはビジネスだが一流らしいホテルを張り込んだ.とはいえ,航空券付き朝食付き2泊で4万円台.ありがたいことにまだまだデフレである.

このブフェ式朝食が豪華.コックが立っていて卵2個の目玉焼きを作ってくれる.普段はコレステロールだかなんだかで,2人で1個だ.一事が万事で,昼になっても腹が減らないので,調子が悪い.

部屋が広く散らかしがいがあるのはいいが,WIFI 有料はけち.テレビにBSが入らないのも,信じられない.
地下鉄に直結,とは言え半駅くらい歩きでがある.
中国人はすくないが,欧米人が多く,皆 背が高く鬱陶しい.
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生もと

2017-01-12 08:11:43 | エトセト等
食品添加物についてあれこれ言われている.安いワインにも何が入っているかわからないが,その点日本酒は安全なんだそうだ.

「生もと」という日本酒製法では酒母 (もと) を,水と米と米麹から昔ながらの手作業で4週間程度かけて造り上げる.さらに酒蔵に住み着いている自然の乳酸菌の力で雑菌を排除し,酵母が活動しやすい状態をつくりアルコール発酵を促進する.たぶん添加物は最小だろう.

しかしこの原始的な製法では,製品のアルコール度数が一定しない.この地域のスーパーで売られている「生もと」は,大七と菊正宗だが,どちらにも醸造用アルコールが添加されている.菊正宗のホームページによれば

*****醸造アルコールを適量添加すると、日本酒の香りを引き出しスッキリした味となります。さらに、醸造アルコールの添加することで、日本酒の香りや味を劣化させる乳酸菌(火落菌)の増殖を防止するという効果もあります。*****

とのことである.

酒呑みのエキスパートではないので,いままで経験した生もとは,竹鶴,西条鶴,千福,大七,菊正宗 だけだが,味の野性味,と言うか,初めて出会ったときのショック・違和感は,この順番かと思う.菊正宗以外は地酒?アルコール添加は最後のふたつである.

というわけで,今年は菊正宗の「生もとひやおろし」で始まったのでした.
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尾道のチェシャ猫

2017-01-11 07:40:16 | エトセト等


千光寺公園駐車場・美術館の間の歩道で通行人を睥睨していた.

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