路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【皇室】:美智子さま「夢中」の英国小説「ジーヴス」が大反響

2018-10-25 09:48:30 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【皇室】:美智子さま「夢中」の英国小説「ジーヴス」が大反響

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【皇室】:美智子さま「夢中」の英国小説「ジーヴス」が大反響 

 20日に84歳の誕生日を迎えられた皇后さまが、来春の退位後の「楽しみ」として読書を挙げ、「ジーヴスも二、三冊待機しています」とユーモアたっぷりに回答された「ジーヴス」が大反響を呼んでいる。

 ジーヴスは英国の作家P・G・ウッドハウスのコメディーに出てくる天才執事の名前。国書刊行会からシリーズ全14冊が刊行され、文芸春秋からも「事件簿」シリーズ2巻が出ている。日本ではまだ読者は少なく、シリーズ累計10万部という国書刊行会も最近は年に数百冊出るだけ、文芸春秋も単行本は品切れで、文庫だけを販売していた。

美智子さま「夢中」の英国小説「ジーヴス」が大反響
皇后さま(共同)
美智子さま「夢中」の英国小説「ジーヴス」が大反響
国書刊行会のジーヴス・シリーズ全14冊

 しかし、皇后さまの回答で週明け22日から両社には取次や書店から問い合わせや注文が殺到。「連日、1000冊を超える注文」(国書刊行会の礒崎純一出版局長)が入る事態となっている。このため、文芸春秋では各3万5000部、国書刊行会も5000~1000部の増刷を決定。24日、「皇后陛下お誕生日のご回答で話題!ジーヴスも二、三冊待機しています」(国書刊行会)、「ジーヴスも二、三冊待機しています(お誕生日ご回答より) 皇后陛下もご愛蔵」(文芸春秋)という新しい帯も完成した。

 礒崎出版局長は「ウッドハウスは国民的作家で、ジーヴスは英国ではホームズと同じくらい有名です。探偵小説というよりユーモア小説でしょうか。エリザベス女王の母エリザベス皇太后はかつて『本当に欲しいものは』と聞かれて『ウッドハウスの全作品集が頂戴できますかしら』と答えています」と話す。両社の増刷分が店頭に並ぶ来週にはベストセラー入りしそうな勢いになっている。【中嶋文明】

 <皇后さま誕生日ご回答>

 公務を離れたら何かすることを考えているかと、このごろよく尋ねられるのですが、これまでいつか読みたいと思って求めたまま、手つかずになっていた本をこれからは1冊ずつ時間をかけ読めるのではないかと楽しみにしています。

 読み出すとつい夢中になるため、これまで出来るだけ遠ざけていた探偵小説ももう安心して手許に置けます。ジーヴスも二、三冊待機しています。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・皇室】  2018年10月25日  09:48:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍首相】:森友、加計、水増し何も触れない所信表明

2018-10-25 09:43:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【安倍首相】:森友、加計、水増し何も触れない所信表明

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍首相】:森友、加計、水増し何も触れない所信表明 

 第197臨時国会は24日召集され、安倍晋三首相は衆参両院本会議で所信表明演説を行った。

 総裁選で3選され、今後も安倍政権が続くことへの国民の「飽き」に配慮したのか、「長さゆえの慢心はないか。そうした国民の懸念にもしっかり向き合う」と強調したが、野党からはすかさず「慢心だらけじゃないか!」と激しいヤジが飛んだ。首相は顔色を変えずに「その長さこそ、継続こそが力であると思ってもらえるように、一生身を引き締めて政権運営に当たる覚悟だ」と訴え、「6年前、政権奪還を成し遂げた時の初心、挑戦者としての気迫はいささかも変わらない」と理解を求めた。

安倍首相、森友、加計、水増し何も触れない所信表明
演説をする安倍首相(共同)
安倍首相、森友、加計、水増し何も触れない所信表明
安倍晋三首相(2018年9月19日撮影)

 一方、憲法改正について「与党、野党といった政治的立場を超え、できるだけ幅広い合意が得られると確信する」と意欲を述べたが、改憲案の取りまとめは不透明な状況だ。森友&加計問題や障がい者雇用水増し問題など、自身や政府に都合の悪い話題には触れないままだった。

 野党席からは、たびたび激しいヤジや怒号が飛んだ。終了後、立憲民主党の枝野幸男代表は「美辞麗句だけを並べた」と切り捨て、無所属の会の岡田克也代表は「3選を果たし、これをやるんだ、という意気込みが伝わらなかった」と感想を述べた。【中山知子】

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・臨時国会】  2018年10月25日  09:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER】:九電「中間貯蔵施設」報道の顛末

2018-10-25 08:35:50 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【HUNTER】:九電「中間貯蔵施設」報道の顛末

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:九電「中間貯蔵施設」報道の顛末

20140512_h01-01t-thumb-280x240-10091.jpg 九州電力が計画する使用済み核燃料の乾式貯蔵施設が、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の敷地外に「中間貯蔵施設」として建設される可能性があることを報じたところ、記事の内容に、同社広報からクレームがついた。
 ただし、クレームは「中間貯蔵施設建設の可能性」に対するものではなく、九電側の取材対応を批判的に書いた部分への言い訳。同社の方から回答期限を切っておきながら、守らなかったことを棚に上げ、「回答しないとは言っていない」のだという。しかし、肝心の中間貯蔵施設についての質問に同社は……。(写真は玄海原発3、4号機)

 

 

 ■「中間貯蔵施設」建設の可能性
 まず、九電が中間貯蔵施設を建設する可能性があることについて報じたHUNTERの記事(「九電が玄海原発敷地外に「中間貯蔵施設」建設の可能性 緊急時対策棟の場所巡り虚偽説明も」)について、おさらいしておきたい。

 記事は、玄海原発の敷地の内と外4か所で進む土木工事の場所を図で示し、九電がうち3カ所(下の図、②③④)についての工事目的について明確な回答がなかったことを記した。その上で、もっとも大規模な土木工事が行われている原発敷地外(九電側が明言)の④に、使用済み核燃料の乾式貯蔵施設を建設する可能性があることを報じたものだった。

20181017_h01-01-thumb-600xauto-25829.jpg 九電の池辺和弘社長は8月30日の会見で、使用済み核燃料を金属製の容器に入れて保管する「乾式貯蔵」の施設を、玄海原発の『敷地内』に設ける方針であることを表明しており、敷地外での施設整備が現実化すれば、発言との整合性が問われることになる。原発敷地内なら「乾式貯蔵施設」で済むが、敷地外となれば「中間貯蔵施設」だ。従って、九電への取材で最も聞きたい点として伝えたのは、“敷地外④に乾式貯蔵施設を建設するのではないか”ということだった。

 ■変わらぬ体質 ― 回答はぐらかしクレーム 
 九電側は「社長は会見で“敷地内”と言っております」と繰り返したが、限られた原発の敷地面積や土木工事の規模から乾式貯蔵施設を整備するとしたら④の場所しか考えられない。原発敷地内で行われている土木工事の目的と合わせ、社内で確認の上、回答をもらうということになっていた。しかし、何日経っても連絡はない。2週間待って行った催促に対して九電は、「来週までには回答する」と明言していた。

 記事の配信に踏み切ったのは、回答がなかったからだ。九電側から出した「来週までには」も守られなかったし、そもそも九電本社への取材から回答に、3週間もかかる事案ではあるまい。しかし、九電の広報は、当該記事の配信後、不機嫌そうな様子でクレームをつけてきた。九電の主張はこうだ。

 ・(HUNTERの記事では)4カ所について回答がないとしているが、②と③については面談時に答えており、①については後日、回答できるものかどうかも含めて『回答する』としていた。『回答しない』とは言っていない。記事中では、「4カ所の工事が何を目的とするものか確認を求めていたが、1カ所を除き、それぞれの工事目的について回答できないとの姿勢」としているが、文章的に違うのではないか。面談時には『確認して(電話で)連絡する』としていたのに、連絡を待たないままに記事化してしまった。確認してからでないと、こういうことになってしまう。

 ・(回答に時間がかかったことについては)原子力発電所関連のことについては非常にセンシティブ(微妙で慎重を要する)で、社内の調整などで時間がかかるため。

 言い訳としては、あまりにお粗末だ。4つの工事箇所の内、ハッキリしていたのは①のコンクリート製造施設についてだけ。②と③については説明に曖昧な点があったため、④についての質問と合わせ、回答するという話だった。九電広報が強調したかったのは「回答しないとは言っていない」の部分だったのだろうが、約束を守らなかったのは九電側。回答が延びるのなら、連絡するのが当然だろうに、九電側からはその電話さえなかった。「回答がない」と書かれて、文句を言える立場ではないだろう。

 さらに九電広報は、④の場所について、“佐賀県に示した場所”とは違うところだと言う。“佐賀県に示した場所”とは、佐賀県が公表した下の資料にある緊急時対策棟の建設予定地のこと。どう見ても、同一地域だ。それを九電は、違う場所だと強弁する。なぜか――?

be2ed9148891fb12a2c2749af48198a368d849d4-thumb-autox464-25845.png 九電は本社での取材時に「緊急時対策棟の場所については明かせない」と断言した。しかし、佐賀県原子力安全専門部会向けの資料には緊急時対策棟予定地の記載がある。不誠実、虚偽説明、隠蔽……。なんと言われても仕方のない話であり、記事にもそう書いた。一番の問題が、不都合な真実を隠し、市民軽視で原発を動かす同社の姿勢そのものだからだ。実際、記事へのクレームについて自分から電話してきた九電広報は、肝心の「原発敷地外(上掲図④の場所)に中間貯蔵施設を建設するのではないか?」という質問には、一切答えていない。④の場所と“佐賀県に示した場所”が違うなどという主張は、議論をはぐらかすための逃げでしかない。

 玄海原発の敷地外に乾式貯蔵施設を整備することになれば、九州初となる「中間貯蔵施設」の誕生である。六ケ所村の核燃料再処理がストップし、核ゴミの最終処分地が決まらない現状では、増え続ける使用済み核燃料の永久保管につながる可能性が否定できない。周辺住民の不安は確実に増す。九電は正確な情報を発信すべきだが、今回のケースでも分かるように、市民軽視としか言いようのない不誠実な対応で、自ら信頼関係を崩す。問われているのは、隠蔽を繰り返してきた同社の体質なのだが……。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 行政・社会 【行政ニュース】  2018年10月25日  08:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER】:いまだ続く日本産食材への誤解 ―終わらぬフクシマ―

2018-10-25 08:35:40 | 【原発事故・東電福島第一・放射能汚染・デプリ・処理水の海洋放出と環境汚染

【HUNTER】:いまだ続く日本産食材への誤解 ―終わらぬフクシマ―

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:いまだ続く日本産食材への誤解 ―終わらぬフクシマ―

DSC05924.JPG 韓国の「モスバーガー」の店舗で、トレーマットに「日本産食材を使っていません」と表記されていたことが問題となった。福島第一原発の事故から7年半が過ぎたというのに、世界各地では、いまでも日本産食材に対する誤解が続いているのだ。
 EUは2017年11月までに、福島第一の事故後に輸入規制していた福島県産のコメなど、10県の食品の一部または全部を対象から除外した。しかし韓国では、東北地方と新潟県を含む8県の全ての水産物のほか、ほうれんそうやきのこ類などの食品を、輸入禁止にしている地方がある。

 

 ■韓国・中国の過剰反応
 日本政府は、韓国の水産物輸入禁止措置について提訴し、世界貿易機関紛争処理小委員会が「不当な差別」と認定した。しかし、韓国側は「国民感情もあって撤廃は難しい」と答えており、問題解決には程遠い状況だ。

 中国でも現在、10都県(福島県、栃木県、群馬県、茨城県、千葉県、宮城県、新潟県、長野県、埼玉県、東京都)で生産された全ての食品について輸入を禁止しており、精米も10都県産のものは輸入禁止の対象となっている(*下の農水省資料参照)。ただ、日本産米の輸出に必要な精米指定工場と処理設備を増やすことで合意するなど解決に向けた動きも出ている。

中国.png ■福島県に対しての風評被害
 日本でも原発事故から今に至るまで、福島県に対しての風評被害、または「放射能汚染」というイメージを持っている人が数多く存在する。実際に福島の米は、原発事故後、知識人や著名人、マスメディアからさえも、数々の心無い言いがかりを受け続けてきた。東日本大震災から7年以上経つが、いまだに全国に避難した福島の人たちへの心ない中傷やいじめ、差別も横行している。

 実際の放射能レベルはどうなっているのか――。福島の米は、出荷されない自家消費分も含めて、およそ1,000万袋の全生産量の検査を毎年続けており、放射性物質の基準値を超えるものは一袋も出ていない。99.99%の米は、放射線の検出限界値さえも下回っているという。日本各地には、自然界に存在するラドンなど放射線を出す地域が多いことを考えると驚異的な数字ともいえる。ラドンは自然の放射線である一方で、セシウムは人工の放射線であるから危険性が違うとの指摘も予想されるが、人工であれ自然であれ放射線による影響は同じだ。(*下は農水省の公表資料)

資料2.png ただ、「生産も回復基調。放射線への懸念も収まってきた。問題ないじゃないか」と断定するのは早計だ。何が問題か。それは価格低下である。「福島産」表示で買い叩かれて大幅な価格低下を招いており、果物や野菜も同様に価格低下が続いている。

 現在の日本の放射線基準値は、2012年4月1日から、一般食品で「100Bq/kg」(1キログラムあたり100ベクレル)、飲料水で「10Bq/kg」(1キログラムあたり10ベクレル)、牛乳「50Bq/kg」(1キログラムあたり50ベクレル)、乳児用食品で「50Bq/kg(1キログラムあた50ベクレル)」と定められている。

 それでは諸外国の放射線基準はどうか――。
 ・米国は全ての食品が「1,200Bq/kg」(1キログラムあたり1,200ベクレル)
 ・EUは一般食品が「1,250Bq/kg」(1キログラムあたり1,250ベクレル)、飲料水・乳製品が「1,000Bq/kg」(1キログラムあたり1,000ベクレル)、乳児用食品が「400Bq/kg」(1キログラムあたり400ベクレル)となっている。

 数字を見てわかるように、日本の基準は欧米の10倍以上の厳しい数字となっている。これだけ見ると、「日本人は欧米人よりもセシウムに対して10倍弱い民族」ということになってしまうが、そんなことは現実にあり得ない。

 厚生労働省による「輸入食品の検出事例(2012年4月~8月)」を見ると、
 ・4月 オーストリア産ブルーベリージャム 140Bq、180Bq、220Bq /ポーランド原産
 ・6月 フランス産ブルーベリージャム 180Bq /ウクライナ原産
 ・7月 フランス産ブルーベリージャム 150Bq /ポーランド原産
 ・8月 英国産ブルーベリージャム 190Bq /ポーランド・ウクライナ原産
 ・8月 フランス産キノコ(ラッパタケ) 220Bq /フランス原産
 となり、廃棄処分となっている。海外なら廃棄されない食品だ。

 結果から言えば、日本の基準は客観的事実に裏付けされた数字でなく、政治的かつ曖昧なイメージで基準値が決められてしまっているのだ。この点では韓国の政府やマスコミとあまり変わりはない。
 
 この基準値に限らず、原発事故後にはそれまで身近とは言い難かったさまざまな放射線関連の用語や単位、数値が独り歩きし、デマが広がっていった。誤った情報やデータを基に「フクシマは危険だ!これを世界中に訴えなければ!」などという「間違った善意」が暴走すれば、現地で積み重ねた努力は蹴散らされ、二次被害は更に拡大することになる。

 折しも東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴された旧経営陣3人に対する被告人質問が東京地裁で始まった。フクシマの悲劇も、その後の風評被害も、原子力ムラの責任だ。政府や東電は、いま一度現実を見つめ直すべきではないのか。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2018年10月23日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER】:九電が玄海原発敷地外に「中間貯蔵施設」建設の可能性

2018-10-25 08:35:30 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【HUNTER】:九電が玄海原発敷地外に「中間貯蔵施設」建設の可能性 ■緊急時対策棟の場所巡り虚偽説明も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:九電が玄海原発敷地外に「中間貯蔵施設」建設の可能性 ■緊急時対策棟の場所巡り虚偽説明も

DSCN0484.JPG 九州電力が、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)そばの所有地に、使用済み核燃料の「中間貯蔵施設」を建設する可能性があることが分かった。
 九電の池辺和弘社長は8月30日の会見で、使用済み核燃料を金属製の容器に入れて保管する「乾式貯蔵」の施設を、玄海原発の『敷地内』に設ける方針であることを表明しており、敷地外での施設整備が現実化すれば、発言との整合性が問われることになる。
(写真は、玄海原発3、4号機)

 

 

 ■4か所で進む土木工事
 玄海原発では、敷地の内外で大型工事が進行中。下の図に示した4か所で、土木工事が行われている。HUNTERは先月、九電に対し、4か所の工事が何を目的とするものか確認を求めていたが、1か所を除き、それぞれの工事目的について回答できないとの姿勢だ。

20181017_h01-01.jpg 九電が工事目的を明らかにしているのは、①の箇所についてのみ。緊急時対策棟の建設に必要なコンクリートを製造する施設だとしている。②と③で進む土木工事の目的については、無回答。テロや災害時に対応する緊急時対策棟の整備場所についても、「明かせない」としている。

DSCN0460ーー2.jpg
DSCN0428ーー2.jpg
DSCN0442.JPG ■注目の「敷地外」工事
 問題は④の地域で進む大規模な土木工事の目的。現場には「資機材等の受入れ場所や機器の予備品を保管する倉庫などを設置する目的で用地の整備をしております」とあるが、“資機材や機器の予備品を保管する倉庫”にしては、あまりにも工事の規模が大き過ぎる。「倉庫など」の『など』という表現も怪しい。じつは、乾式貯蔵施設を視野に入れた土木工事ではないのか――という疑念が膨らんだ。

DSCN0465.JPG 九電は、使用済み核燃料の保管方法を、プールの中に水没させる方式から、保管プールで一定期間冷やした後、キャスクと呼ばれる金属製の容器に密封し、空気で冷やす「乾式貯蔵」に切り替える方針だ。燃料プールは原子炉建屋の中に設置されているが、乾式貯蔵は建屋の外で整備するしかない。九電の池辺社長は会見で「玄海原発の敷地内」と明言したが、狭い原発の敷地内には乾式貯蔵施設の整備ができるだけのスペースは見当たらない。

 緊急時対策棟は当然、敷地内での整備。上掲の図でも明らかなとおり、いずれかの場所に緊急時対策棟を造れば敷地内は満杯の状態になる。一体、どこに乾式貯蔵施設のスペースがあるのか――。注目したのが④の地域だ。

 前述の通り、資機材置き場にしては規模が大きい。「資機材等の受入れ場所や機器の予備品を保管する倉庫など」の『など』も、胡散臭い。“乾式貯蔵施設は④の地域に整備するのではないか”――改めて九電に確認を求めていたが、同社が連絡してきた期限になっても回答は返ってこなかった。

DSCN0469.JPG
DSCN0476.JPG ④の地域にあたる12ヘクタールは、2016年に九電が買い増しした土地だ。買収目的は、福島第1原発の事故を受けた安全対策工事にともなって生じる資機材保管庫の建設。2021年までに建屋を造る計画とされている。
 
 九電に確認したところ、ここが「原発の敷地外」であることを認めている。すると、④に乾式貯蔵施設を整備した場合は、「中間貯蔵施設」となる。敷地内は「乾式貯蔵施設」だが、敷地外になると「中間貯蔵施設」とみなされるからだ。中間貯蔵施設となれば、社長会見で示された「敷地内」との整合性が問われるのは言うまでもない。

 この点についての質問に対し、九電側は先週までに回答するとの連絡を寄こしていたが、16日になっても動きはなかった。“答えられない”、ということなのだろう。不誠実と言うしかない。

 ■緊急時対策棟の場所「明かせない」は真っ赤なウソ
 緊急時対策棟の建設場所について「明かせない」としていた九電の説明も、真っ赤なウソだった。佐賀県に対しては場所を明示していたのだ。下は、佐賀県の原子力安全専門部会が昨年1月に玄海原発を視察した際、九電が県側に提供した「資料玄海原子力発電所 ご視察資料」と題する資料の一部。県が公表している資料である。(*赤い書き込みはHUNTER編集部)

視察資料.png 緊急時対策棟は、まさに④の地域に整備することになっている。これは間違いだったとでも言うのだろうか――。ネットメディアごときと侮るところは、市民軽視で原発を動かす同社の姿勢そのものだ。

 ④の土地に乾式貯蔵施設を整備することになれば、九州初となる「中間貯蔵施設」の誕生である。六ケ所村の核燃料再処理がストップし、核ゴミの最終処分地が決まらない現状では、増え続ける使用済み核燃料の永久保管につながる可能性が否定できない。九電は、正確な情報を発信すべきではないのか。問われているのは、隠蔽を繰り返してきた同社の体質だ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2018年10月17日  07:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER】:原発行政の理不尽 決まらぬ核ゴミの行方

2018-10-25 08:35:20 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【HUNTER】:原発行政の理不尽 決まらぬ核ゴミの行方

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:原発行政の理不尽 決まらぬ核ゴミの行方

gennpatu 007.jpg 佐賀県の山口祥義知事が24日、玄海原子力発電所3、4号機(玄海町)の再稼働に同意することを表明した。「熟慮に熟慮」を重ねた末に、「現状においてやむを得ないとの判断」をしたのだという。予想された言い訳である。
 地元の手続きはすべて終了したとしているが、そもそも「地元」の定義は曖昧なまま。原発立地自治体と県だけに同意権限が限定されており、周辺自治体に住む住民の意見は無視されている。
 福島第一原発の事故から6年。この国の原子力行政は何も変わっていない。(写真は玄海原発)

 

 

 ■「地元同意」の曖昧さ
 いまさら言うまでもないことだが、福島第一原発の事故は、放射能の被害が立地自治体だけに止まらないことを知らしめた。国が緊急時防護措置準備区域(UPZ)を30キロ圏にまで拡大したのは、福島第一の事故を受けてのことである。当然、原発から30K圏内にある自治体には原発に関する「合意」の権限があるはずだ。しかし、国や電力会社は立地自治体の合意だけで原発再稼働が可能との見解を崩しておらず、周辺自治体の声は原子力行政に生かされていない。

 玄海原発から30キロ圏内に入るのは、佐賀県玄海町・唐津市・伊万里市、長崎県松浦市・平戸市・壱岐市・佐世保市、福岡県糸島市の8自治体。
このうち半数にあたる、伊万里市、平戸市、松浦市、壱岐市の4自治体が再稼働に反対だ。30キロ圏からやや外れる佐賀県神埼市と嬉野市も再稼働に反発している。だが、国や九州電力はこうした周辺自治体の声を無視。「立地自治体と知事の合意で再稼働」という、フクシマ以前と変わらぬ論法で、玄海原発の再稼働を決めてしまった。結局「地元」の定義は示されぬまま。法的根拠を欠いたまま、原発再稼働が進んでいるのが現状だ。

 原発大国・日本には、原発の同意権限について定めた法律がない。原発の是非を判断する権限を立地自治体だけに絞っているのは、国と電力会社――つまり「原子力ムラ」が勝手に決めたルール。国策であるはずの原発が、民主主義国家とは思えぬ杜撰な体制下で運営されているというのが実情だ。原発が過酷事故を起こせば多くの人命や国民の財産が奪われるというのに、国民の声を原発行政に反映させる法律がないという不条理。「法治国家」が聞いて呆れる。

 ■国、県、電力会社の無責任
 山口知事は、国や電力会社の責任が明確化されたという趣旨の発言をしている。もちろん、原発に関する責任は国と電力会社にある。しかし、「責任を待つ」と言うが、一体どのような形の責任のことを言っているのか?「安全性」についての責任なのか、事故が起きた場合の「補償」についての責任なのか、具体的なことは何も示されていない。

 原発に100%の安全などないことは、周知の通り。自然災害、人的ミス、テロ……。安全を脅かす要因について、完全な防御策などあるはずがない。補償にしても、巨大組織東電でさえできないものを、九電ごときの体力で成せるはずがあるまい。国が補償するということは、国民の税金で賄うということ。結局原発は、建設から廃炉そして事故対応までの一切合体を、国民が背負っているのである。にもかかわらず、原発に関する合意権限さえ持たされぬというのだから、理不尽極まりない話だろう。

 原発に事故が起きてしまえば、避難計画などあってないようなもの。放射性物質が降り注いだ瞬間、住民は放射能に汚染されてしまう。国が言う「責任」とは、安全性についてのことではなく「補償」。カネは払ってやるから、原発を受け入れろというわけだ。だが、補償の原資は税金。政治家や役員が腹を切るわけではない。無責任と言うしかあるまい。

 さらに問題なのは、原発が稼働することで増え続ける放射性廃棄物(核ゴミ)の処分方法が決まっていないことである。政府は、昨年中にも発表するとしていた核ゴミ処分場の「科学的有望地」についてダンマリを決め込んでおり、発表がいつになるか分からないという。ゴミ袋はパンパンに膨らんでいるが、捨て場がないという状況。肝心の問題を先送りしたまま、ゴミだけは増やそうというのが安倍政権の姿勢なのである。

 佐賀県が県内5カ所で実施した県民説明会では、原発再稼働に反対する意見が圧倒的に多かったという。山口知事はそのことについて、「県民と対話した皮膚感覚で、総合的に考えて理解を得られた」と強弁した。この人の皮膚感覚は、麻痺しているのだろう。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2017年04月25日  10:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER】:九電が狙う“原発回帰” 原発啓発施設に「3.11」以前の掲示物

2018-10-25 08:35:10 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【HUNTER】:九電が狙う“原発回帰” 原発啓発施設に「3.11」以前の掲示物

 『漂流日本の羅針盤』:【HUNTER】:九電が狙う“原発回帰” 原発啓発施設に「3.11」以前の掲示物

DSCN0484.JPG 福島第一原子力発電所の事故以来、原発に対する国民の見方が厳しくなったのは確かだ。しかし、事故後7年を過ぎて「反原発」の声は小さくなる一方。原子力ムラと結託した安倍政権のもと、全国で停止中だった原発の再稼働が、次々と実現する状況だ。
 これまでに再稼働した原発は9基で、そのうち4基は九州電力の川内原発(薩摩川内市)1、2号機、玄海原発(佐賀県玄海町)3、4号機。同社の鼻息は荒く、原発以外の電源を切り捨てる動きを見せ始めている。じつは、九電の「安全神話」は書き変えられていない。(写真は玄海3、4号機)

 ■“原発回帰”狙う九電
 先月30日、九電の池辺和弘社長は会見で、「電力の需給状況によって『出力制御』が必要になることもある」と述べ、太陽光や風力発電の事業者に稼働停止を求める可能性があることを示唆した。自然再生エネルギーの普及によって、秋にも需給バランスが崩れるというのがその理由。早ければ、エアコンなどによる電気の消費が減る9月にも実施されるというが、原発再稼働が、最大の要因であることは言うまでもない。

 「需給バランス」は、九電が再生エネルギーの普及を制限しようと動く時の常套文句だが、電気の買取り制度によって事業を成り立たせている太陽光や風力発電の事業者にとっては死活問題。九電の目的が、再生エネルギーつぶしにあることは誰の目にも明らかだろう。

 九電の“原発依存率”を高めようという狙いもハッキリしており、太陽光や風力だけでなく、火力による発電の割合も一気に減らす構えだ。同社は今年から来年にかけ、設備は残すものの運転を当面取りやめる「計画停止」や発電所そのものの廃止など、思い切った火力発電の削減を計画している。一連の流れは、原発回帰を既成事実化しようとする九電の思惑を示すものだ。

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 ■川内3号機増設計画の掲示物
 そもそも、原発に対する九電の姿勢は福島第一原発の事故が起きる前と何も変わっていない。先週、4年ぶりに玄海原子力発電所に併設された原発啓発施設「玄海エネルギーパーク」を訪れてみたが、内部の掲示物を見て驚いた。まず、下は全国にある原発の紹介掲示物。現状では建設不可能なはずの、川内3号機や上関原発(山口県上関町)が「建設準備中」のままとなっていた。福島第一の事故前と同じ内容なのだ。

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 『川内原子力発電所3号機増設計画の概要』も、福島第一の事故前と同じ内容の掲示物だった。3号機増設を巡っては、2010年に伊藤祐一郎前鹿児島県知事が計画に同意。翌年に起きた福島第1原発の事故を受けて、任期中の手続きを凍結した経緯がある。1984年に運転を開始した1号機は2024年に、85年に運転を開始した2号機は25年に運転開始から40年を迎えるが、三反園訓現知事は両機の運転延長を60年まで認めるものとみられている。福島第一の事故を無視した原発啓発施設の掲示物は、“3号機増設をあきらめない”という九電の強い意志を表している。

20180904_h01-03.JPG ■ドイツの現実隠して印象操作 
 ドイツの原発事情を説明した掲示物はさらに酷い。ドイツのメルケル政権は、2011年の福島第一原発の事故を受け、エネルギー政策を大きく転換。同年7月に、国内17基の原発すべてを廃止する方針を決めた。8基はすでに停止して廃炉となっており、2022年までには残り9基も廃炉となる予定だ。しかし、玄海エネルギーパークの掲示物には2005年までの動きしか記されておらず、「全原発廃炉」という同国の選択については一切触れられていない。

20180904_h01-04.JPG 福島第一の事故を引き起こした東日本大震災から7年半。玄海エネルギーパークの掲示物や掲示内容を変更する時間は十分過ぎるほどあったはずだ。川内3号機やドイツの原発を取り巻く事情を隠し、フクシマ以前の情報を来館者に見せることは、来館者に間違った認識を与えることになる。これは意図的な印象操作であり、嘘やごまかしで原発を推進してきた九電の体質が、何も変わっていないことの証明でもある。

 ■寄附再開は原発推進への布石
 九電は先月、管内の原発が停止した2012年度以降、業績悪化を理由に保留していた次の3件の寄付を再開することを明らかにした。

 ・『九州国際重粒子線がん治療センター(サガハイマット)」(鳥栖市)⇒総額37億7,000万円
 ・「早稲田佐賀学園」(唐津市)⇒総額20億円
 ・「唐津市民交流プラザ」⇒総額5億円

 寄附再開は、同社が次のステップに移るための布石だ。東日本大震災発生後の2011年6月、玄海原発の運転再開に向け経済産業省が主催した「県民向け説明会」で、九電が関係会社の社員らに運転再開を支持する内容のメールを投稿するよう指示していた、いわゆる「やらせメール事件」が発覚。組織的な世論操作に批判が集まったが、時とともにその事件も風化しつつある。原発への危機感も同様に薄れており、反原発団体が開く集会などへの参加者も減っているのが現状だ。川内、玄海の両原発が再稼働し、ほとぼりが冷めたと判断した九電が目指しているのは、川内3号機の増設と核ゴミ中間貯蔵施設の建設。佐賀、鹿児島での九電の動きから目が離せない状況となっている。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2018年09月04日  08:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER】:九電の原発で相次ぐ“事故” 水蒸気漏れの次は放射能漏れ

2018-10-25 08:35:00 | 【電力需要・供給、停電・エネルギー政策・原発再稼働・核ゴミの中間最終貯蔵施設他

【HUNTER】:九電の原発で相次ぐ“事故” 水蒸気漏れの次は放射能漏れ ■問われる新規制基準の正当性

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER】:九電の原発で相次ぐ“事故” 水蒸気漏れの次は放射能漏れ ■問われる新規制基準の正当性

201803genpatu-thumb-308x200-23943.jpg 先月23日、九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)の3号機が、7年3か月ぶりに再稼働した。原発のゲート前に集まった再稼働反対派は約200人。福島第一原発の事故直後に盛り上がった反原発の声は、時の流れとともに小さくなる一方だ。
 福島第一原発の事故原因も解明しないまま、各地の原発を再稼働させ、安全性に疑念を持たれる原発を国外に輸出する安倍政権――。しかし、原子力規制委員会が新たな安全基準に従って審査し、「合格」のお墨付きを出した玄海3号機が、再稼働からわずか1週間で配管の蒸気漏れを起こすという事故で発電を中止。今月5日には、定期点検中だった川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1号機が放射能漏れを起こしたことを九電が発表している。
 政府は、これでも「原発は安全」と強弁するつもりなのか――。(写真左は川内原発、右が玄海原発)

 ◆水蒸気漏れの原因は「1㎝の穴」 
 玄海3号機は2010年12月から定期検査で停止中だったが、3月23日に再稼働したあと25日に発電と送電を再開し、4月24日には営業運転に移る予定だった。

 九電の発表によると、玄海原発の作業員が3月30日午後7時ごろ、発電機を回すための蒸気用水に含まれた酸素や炭酸ガスなどを抜く脱気器の配管から蒸気が漏れているのを発見。脱気器や配管が高温になったため、原子炉の出力を落として発電を中止したという。

 原因は、屋外に設置されている配管の雨水による腐食。外装板の継ぎ目から雨水が浸み込み、配管を覆う保温材が湿ったことで腐食を招いていた。

 言うまでもなく、玄海3号機は原子力規制委員会が新規制基準に従って適合性を審査し、パスした後は再稼働前の使用前検査も受けた原発。つまり、お墨付きを得た上での再稼働だったわけで、動き出してから“配管が腐食していました”では、一連の審査・検査の正当性を疑われても仕方があるまい。

 ◆「放射能漏れ」を放置
 川内原発の放射能漏れは、さらに深刻だ。九電が5日に出したプレスリリースによれば、定期検査中だった川内1号機の原子炉容器から燃料集合体全数157体を取り出し、漏えい燃料集合体を特定する調査を実施したところ、1体に放射性ヨウ素131の漏えいを確認。漏えいが認められた燃料集合体について、超音波及びファイバースコープ等による詳細調査を実施した結果、「燃料棒と支持格子の間に隙間が生じ燃料棒の微小な振動が起きたことにより、燃料被覆管の摩耗によって微小孔が生じた」としている。

 九電は、昨年3月23日に測定した1次冷却材中のよう素131濃度が、それまで定期的に測定している値に比べ、若干上昇したことが認められたため、「監視強化を行い、よう素131濃度が保安規定に定める運転上の制限値を十分に下回っていることを確認しながら安全に運転を継続」してきたのだという。

 分かりやすく言えば、こうなる。

 営業運転中だった昨年3月によう素濃度が上昇したが、放置して運転を続け、定期検査に入ってから調べたら1本の燃料棒に“穴”が開いており、放射能漏れを起こしていた――。

 ずいぶん、ふざけた話だ。川内1号機も、新規制基準に従って審査され、合格した原発。もちろん、使用前検査も通っている。再稼働したのは平成27年8月。よう素濃度が上昇したのが昨年3月だったということは、再稼働から18か月で燃料棒に穴が開いていたということだ。

 玄海3号機同様、川内原発の審査・検査にも疑問符が付く事態。なにより問題なのは、昨年3月の時点でよう素濃度の上昇という異常を知りながら、今年1月末から始まった定期検査まで、営業運転を止めなかった九電の姿勢である。

 九電は、川内1号機の再稼働の折、社長名で次のようなコメントを発表している。

 川内原子力発電所1号機は、本日10時30分に原子炉から制御棒を引き抜き、原子炉を起動しました。

 今回の原子炉起動は、再稼働工程の重要なステップの一つであると認識しています。
 引き続き、国の検査に真摯に取り組むとともに、これまで以上に緊張感をもって、安全確保を最優先に今後の工程を慎重に進めてまいります

 当社は、福島第一原子力発電所のような事故は決して起こさないという固い決意のもと、今後とも地域をはじめ社会の皆さまに安心いただけるよう、原子力発電所の自主的・継続的な安全性向上に取り組んでいくとともに、積極的な情報公開と丁寧なコミュニケーション活動に努めてまいります

 放射能漏れを知りながら原子炉の運転を止めなかったことが「安全確保を最優先」と言えるのか?放射能漏れについて「積極的な情報公開」を行ったのか?答えは、いずれも「NO」。「社会の皆さまに安心いただける」状態とは、決して言えまい。

 ◆またしても「想定外」
 玄海3号機の水蒸気漏れについて、九電幹部が「予想外のトラブル」と話したことが報じられている。これは、福島第一原発の事故を「想定外」としてきた政府や原子力ムラの姿勢と通底するものだ。事故が起これば「想定外」、起きなければ「絶体安全」――。国の新規制基準とやらも、信用できない状況であるのは確か。国民は、原子力ムラの嘘とごまかしに、いつまで付き合うつもりだろうか。

 ◆玄海原発ゲート前

2018年3月23日 09:43

 原発再稼働の朝を迎えた佐賀県玄海町。原発のゲート前では、朝8時半から再稼働反対を訴える集会が開かれている。
 今月19日には、玄海町議会が原発の新増設を求める意見書を採択しており、近隣自治体の迷惑もかえりみず、「命よりカネ」の愚行が続く。

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 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・社会 【社会ニュース】  2018年04月08日  08:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【安倍政権】:年金カット、低賃金…「70歳まで働く社会」の悲惨な風景

2018-10-25 07:15:50 | 【超高齢化・過疎・孤立・認知症・サ高住問題・人口急減・消滅可能性自治体】

【安倍政権】:年金カット、低賃金…「70歳まで働く社会」の悲惨な風景

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【安倍政権】:年金カット、低賃金…「70歳まで働く社会」の悲惨な風景

 安倍首相は3選を決めた直後の10月5日、首相官邸で開催された未来投資会議でこう語った。

 「生涯現役社会の実現に向けて、意欲ある高齢者の皆さんに働く場を準備するため、65歳以上への継続雇用年齢の引き上げに向けた検討を開始します」

 つまり、65歳定年延長どころか「70歳まで働かせる社会」をつくる「政府方針」を明らかにしたのだ。

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

       写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 高齢者の雇用年齢の引き上げは始まっている。5月末には空調事業の大手ダイキン工業が、定年を60歳から65歳に引き上げ、希望すれば70歳まで再雇用する方針を発表した。いよいよ、70歳まで働く雇用政策が現実化しつつあるのだ。

 人生100歳時代を迎える中で、より長く働くことはいいに違いない。しかし、70歳まで働かされるということは、年金の受給開始も70歳からになることがセットになる。政府の狙いがそこにあるのは明らかだ。

 70歳まで働く社会はどうなるか――。経済アナリストの森永卓郎氏が言う。

 「今、70歳定年がある民間企業はほぼ6分の1で大部分は再雇用、勤務延長で、給与は半分から3分の1に下がります。今後は人手不足から外国人労働者が導入され、さらに賃金水準は下がる。しかし、年金支給が遅くなるため低賃金でも働かざるを得ない。そんな社会になるということです」

 安倍政権になり、人口減少から就業者は増えたが、急増したのは低賃金で働く高齢者だ。では、定年後の高齢者はどんな仕事をしているのか、再雇用の現場について、大手電機メーカー幹部がこう言う。

 「役職定年者はまず人材開発関連の子会社に移り、そこで再雇用の会社を紹介されます。しかし、キャリアを生かせる仕事はほとんどありません。中にはグループ会社が手掛ける現場の交通整理の仕事を斡旋される人も少なくありません」

 さらに、再雇用されても、現場の社員は元管理職に遠慮し、一方、元管理職は現場に口出しするなど、部署内の環境はギクシャクしてくるという。

 データブック「国際労働比較2018」(労働政策研究・研修機構)によると、65歳以上の男性労働力率は日本は31.7%、米国24.0%、英国14.4%、ドイツ9.3%だ。すでに日本人は十分働いてきているのだ。

 「65歳を過ぎれば肉体的にもきつい。それでも生きていくため、低賃金でも必死に働かなければならない社会になるんです」(森永氏)

 70歳まで働かされる働き方改革で、老後の豊かな生活が待っているとは思えない。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【永田町の裏を読む】:薩長史観にからめ捕られた「明治150年」安倍政権の危うさ

2018-10-25 07:15:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【永田町の裏を読む】:薩長史観にからめ捕られた「明治150年」安倍政権の危うさ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【永田町の裏を読む】:薩長史観にからめ捕られた「明治150年」安倍政権の危うさ

 安倍晋三首相が23日午前に東京・憲政記念館での「明治150年記念」の政府式典に出て、その後に北京に向かい「日中平和友好条約40周年記念」の日中首脳会談に臨むというのは、歴史の皮肉な巡り合わせというほかない。

明治改元から150年を記念する式典で演説する安倍首相(C)共同通信社

  明治改元から150年を記念する式典で演説する安倍首相(C)共同通信社

 安倍政権の明治150年の迎え方の基本は、「明治の精神に学び、日本の強みを再認識することは大変重要」(内閣府ホームページ)というもので、明治以降のこの国の歩みをノーテンキなほど肯定的に捉えて、それを「日本の強み」に自信を深めるバネにしようとしている。しかし、その150年を中国はじめアジアの側から見れば、日本に侵略されてその傷跡が今なお癒えないでいる惨憺たる時代である。それを何とかしなければいけないということで日中国交が正常化されて46年、さらに平和友好条約を結んで40年も経ったのに、いまだに両国はまともな隣人関係を築くことができないでいる。

 そもそも「明治の精神」とは何か。私に言わせれば、薩長中心政府の野蛮な国権主義と対外拡張主義による「大日本主義」のことである。その代表的なイデオローグである吉田松陰は「北海道を開墾し、隙に乗じてカムチャツカ、オホーツクを奪い、琉球にもよく言い聞かせて幕府に参勤させるべき。また朝鮮を攻めて古代の昔のように日本に従わせ、北は満州から南は台湾・ルソンの諸島まで一手に収め、次第次第に進取の勢を示すべき」(「幽囚録」、著作集=講談社学術文庫所収)といっていた。1869年北海道併合、79年琉球併合、95年台湾併合、1910年朝鮮併合……と、薩長政府はそこに書いてあることをほとんどその通りに行い、中国からさらに南進してルソン島まで攻めていって自滅した。

 戦後になって日本人はその大日本主義の罪をきちんと総括して歩み始めなければならなかったが、それがどうもうまくできないのは、松陰の侵略主義の流れを引く岸信介、佐藤栄作、安倍晋三らが長く政権を支配して、薩長史観によって歴史の真実を覆い隠してきたからではないか。

 明治150年が安倍の歪んだ視点にからめ捕られ、再びこの国が大日本主義の道を暴走して、中国はじめアジアに禍をもたらすきっかけとならないようにしなければならない。

 ◆高野 孟 ジャーナリスト

高野孟

 1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【疑惑】:臨時国会直前に 片山大臣スピード訴訟の狙いは“答弁逃れ”

2018-10-25 07:15:30 | 【政治とカネ・政党交付金・「企業・団体献金」・政治資金・議員歳費・賄賂・後援会

【疑惑】:臨時国会直前に 片山大臣スピード訴訟の狙いは“答弁逃れ”

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【疑惑】:臨時国会直前に 片山大臣スピード訴訟の狙いは“答弁逃れ”

 疑惑大臣続出で大炎上必至の臨時国会が24日、開会した。野党は追及に手ぐすね引いているが、まずヤリ玉に挙げられそうなのが、国税庁への口利き疑惑報道で揺れる片山さつき地方創生相だ。片山大臣は、報道を「事実無根」とし、開会直前に版元を訴えたが、これには姑息な狙いがあるともっぱらだ。

早速ダンマリを決め込んだ片山さつき地方創生相(C)日刊ゲンダイ

  早速ダンマリを決め込んだ片山さつき地方創生相(C)日刊ゲンダイ

 「週刊文春」10月18日発売号によると、控除額が大きくなるメリットがある青色申告の承認を外されそうになった会社経営者が、片山事務所に相談。片山大臣は国税庁への口利きの見返りに、100万円を私設秘書が代表を務める税理士法人の口座に振り込むよう要請したとされる。

 この疑惑報道を追及すべしと野党はやる気マンマン。早速、予算委員会での質問を用意しているという。そこへ、開会直前の22日、片山大臣サイドは報道で名誉を傷つけられたとして、版元の文芸春秋社に1100万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に提起。永田町では、報道後わずか4日での「スピード提訴」の狙いは、国会での“答弁逃れ”とみられている。

 「報道は15年当時の問題で、かなり込み入った話です。“口利き”に関わったとされる私設秘書や、相談を持ちかけた会社経営者らへのヒアリングに加え、過去の資料の精査も必要なはず。それが、ほんの4日間という短期間で訴状を用意したというから驚きです。いずれにせよ、これで、国会で追及されても片山さんは『係争中なのでコメントできない』と逃げることが可能になった。“口利きワイロ”疑惑に揺れた甘利さんや森友問題で追及された佐川宣寿前国税庁長官が、『捜査中』を理由に説明から逃げたのと同じパターン。永田町では誰もが“答弁逃れ”とみていますよ」(ベテラン野党議員)

 片山大臣は23日の会見で報道について、「弁護士から裁判外で今まで以上の説明は控えてもらいたいと言われている」と早速“答弁逃れ”。臨時国会でどう説明責任を果たすのか問われると「私だけの判断では説明できない」とダンマリを決め込んでいるのだからフザケている。報道が事実無根だというのなら、国会堂々説明すればいいではないか。

 「報道が間違っているのなら、司法の場で争うことは間違いではありません。しかし、タイミング的に見て野党の追及を避けるため、わざわざ提訴したとみられても仕方がありません。『係争中』という理由で説明をしないというのは、野党のみならず国民に対しても釈明しないという態度に他ならない。こんなことを許しては、疑惑を持たれた閣僚訴訟を起こせば『説明責任なし』という悪しき前例になりかねません」(政治ジャーナリスト・角谷浩一氏)

 「教育勅語」礼賛発言で炎上中の柴山昌彦文科相も、開会直後の25日から「北極科学技術大臣会合」出席のため、ドイツに出張。会合は、北極圏の気候変動が地球全体に与える影響について協議することが目的。不要とは言わないが、開会早々、欠席してまで参加する必要があるのかは疑問符が付く。結局、“答弁逃れ”が目的じゃないのか。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース 政治・経済 【政治ニュース】  2018年10月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【小林節が斬る!】:既視感あり…「野党間予備選挙」は政権交代につながらない

2018-10-25 07:15:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【ここがおかしい 小林節が斬る!】:既視感あり…「野党間予備選挙」は政権交代につながらない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ここがおかしい 小林節が斬る!】:既視感あり…「野党間予備選挙」は政権交代につながらない

 来年の参議院半数改選の1人区について、野党の有力者たちが、一見「野党共闘」に前向きな姿勢を示しながら、異口同音に、1人区における野党候補だけによる「予備選挙」を提案し始めた。

 しかし、私には「既視感」がある。3年前、当時の民主党の幹部が私に言っていた。「野党だけの予備選挙をすれば、1人区の候補者はわが党に絞られる」と。実に「身も蓋もない」露骨な話である。つまりそれは、「野党間で予備選挙をした結果なのだから、他の野党は全てわが党の候補者を支援しろ」、または「せめて他の野党が候補を出さないでくれれば、わが党の候補者が当選する確率が高まる」という主張であった。

 しかし、それでは、鉄の団結を誇る自公与党連合の組織選挙に勝てる保証はない。もちろん、旧民主党の選挙に強い有力者は確実に再選されるだろうが、大多数の拮抗区では全力で戦う自公に野党は競り負けてしまい、だから、政権交代などは起こらないだろう。

 権力を私物化して平然と嘘を吐いて恥じない1強政権に、国民はもはや「うんざり」しているように見える。しかも、過去の選挙統計でも全与党と全野党の得票は40%台で拮抗している。それが、選挙制度(1人区)のトリックで与党が70%台の議席を得て「絶対権力」化しているに過ぎない。

 だから、全野党が一致協力して全力で戦えば、野党側が多くの区で競り勝って、40%台の得票で70%台の議席を奪取して劇的な政権交代が起こるはずである。

 そのためには、「共産党を含む全野党」が比例票の実績に応じて1人区を公平に配分して、その上で全選挙区全野党が一丸となって全力運動することが不可欠である。この点が自公実績から皆が学ぶべきことである。

 にもかかわらず、「似非」予備選挙方式では、野党のままでも議員でありさえすれば満足だと考えているとしか思えない旧民主党の有力な「専業野党」議員たちだけは延命されるが、政権交代は起きようがない。

 有権者は、自民党世襲議員とは違った形議席私物化して恥じない野党幹部発言の裏にある私利私欲にだまされてはならない。

小林 節 慶応大名誉教授

小林節

 1949年生まれ。都立新宿高を経て慶大法学部卒。法学博士、弁護士。米ハーバード大法科大学院のロ客員研究員などを経て慶大教授。現在は名誉教授。「朝まで生テレビ!」などに出演。憲法、英米法の論客として知られる。14年の安保関連法制の国会審議の際、衆院憲法調査査会で「集団的自衛権の行使は違憲」と発言し、その後の国民的な反対運動の象徴的存在となる。「白熱講義! 日本国憲法改正」など著書多数。新著は竹田恒泰氏との共著「憲法の真髄」(ベスト新著)

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【1位指名確実 高校BIG4】:吉田輝星は球筋に“角度”を加えられるフォームを覚えたい

2018-10-25 07:14:50 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【1位指名確実 高校BIG4の武器と急所】:吉田輝星は球筋に“角度”を加えられるフォームを覚えたい

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【1位指名確実 高校BIG4の武器と急所】:吉田輝星は球筋に“角度”を加えられるフォームを覚えたい

 夏の甲子園で彗星のように現れ、その剛速球で強敵を次々とやっつけて、最後に無敵・大阪桐蔭に粉砕される。

 ドラマチックな展開の中で、すっかり「時の人」になった。

 生き物のように見えた低めの速球の伸びや、ツーシーム、スプリットを使い分けるピッチングセンス。多少動作は大きいが、一塁牽制のスピードにも目を見張ったものだ。

吉田輝星(C)日刊ゲンダイ

         吉田輝星(C)日刊ゲンダイ

 半面、スライダーで緩む腕の振りや、気持ちが態度や表情に出やすい部分……いかにも高校生らしい<幼さ>もチラチラした甲子園だった。

 甲子園までは<進学>するつもりだったと聞いた。早くからその大学の監督さんから指導を受けて、それで成長できた……とも聞いている。

 ならば、<相性>もいいはずだ。結構な話だと考えていたが、志望届の期限ぎりぎりで「プロ入り」を表明した。

楽な道ではないかもしれない。なにかにつけて、人気者は肩も背中も重たいものだ。

 球筋に<角度>を加えられるフォームを覚えたい。

 右手に高さを作り、半身で踏み込んで、一気に体の左右を切り返しながら、右腕を振り下ろす。

 角度を生むのは、身長ではない。<球持ち>だ。

 最後は、すっかりおせっかいアドバイスになってしまったが、甲子園で見せたオーラは誰にでも発せるものじゃない。健闘を祈っている。

 ▽よしだ・こうせい 01年1月12日、秋田県生まれ。176センチ、81キロ。右投右打。

◆安倍昌彦 スポーツライター

安倍昌彦
 1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース スポーツ 【プロ野球・ドラフト会議】2018年10月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【1位指名確実 高校BIG4】:根尾昂には捕手さえこなせるセンス・柔軟性・頭脳がある

2018-10-25 07:14:40 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【1位指名確実 高校BIG4の武器と急所】:根尾昂には捕手さえこなせるセンス・柔軟性・頭脳がある

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【1位指名確実 高校BIG4の武器と急所】:根尾昂には捕手さえこなせるセンス・柔軟性・頭脳がある

 5球団重複とも、6球団重複ともいわれる根尾昂。それだけの実力と将来性大アリとみている。もちろん、打者としても投手としても、超高校級の能力を発揮するプレー自体も見事だが、それ以上に高く評価したいのは、人間ばなれしたタフな心身だ。

根尾昂(C)日刊ゲンダイ

                         根尾昂(C)日刊ゲンダイ

 感動したのは、U18だ。直前までの甲子園でクタクタになっていたのは無理もない。それを態度や表情に出す選手がほとんどの中で、根尾だけが「甲子園」と全く変わらないテンションと顔つきでプレーして、結果を出していた。

 さらには、10月の福井国体でも、同様のテンションで150キロを投げ、130メートル弾をレフトスタンドに放り込んで、有終の美を飾った。その「人間力」が素晴らしい。野球の現場では、いつもコンスタントに実力を発揮できて、チームにもエネルギーを注入できる。そうした<力>を持った選手はなかなか出ない。少なくとも、来年は出てこない選手だし、もしかしたら、向こう10年出てこない選手かもしれない。だから、「5球団、6球団……」という話になるのだろう。

  投手なのか、野手なのか? 根尾について、よく語られる<テーマ>だ。私は、まず投手でプロに挑んでほしいと思う。

 根尾のピッチングを捕手が構えるすぐ後ろで見たことがあるが、その速球のスピンの素晴らしさは、大学当時の則本昂大投手(楽天)に匹敵する。併せて、タテのカーブがいい。横ぶれがないから落下速度が速い。空振りのとれるカーブだ。

 ただ、ほんとのところを言うと、私なら、根尾を「捕手」で育ててみたい。難しい遊撃手を半年ほどでこなした野球センスに、スキー大回転で養った股関節、ヒザ、足首の柔軟性。加えて卓越した頭脳と感受性。「捕手」になるために生まれてきたような選手ではないか。

 私のイメージの中には、大丈夫か? の視線の中で、あっさり難なく捕手をこなしてしまう根尾昂がいる。

 ▽ねお・あきら 00年4月19日、岐阜県生まれ。177センチ、78キロ。右投左打。

◆安倍昌彦 スポーツライター

安倍昌彦
 1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース スポーツ 【プロ野球・ドラフト会議】2018年10月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【1位指名確実 高校BIG4】:小園海斗のバッティングの本質は「ホームラン打者」だ

2018-10-25 07:14:30 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【1位指名確実 高校BIG4の武器と急所】:小園海斗のバッティングの本質は「ホームラン打者」だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【1位指名確実 高校BIG4の武器と急所】:小園海斗のバッティングの本質は「ホームラン打者」だ

 藤原恭大同様、素晴らしいプレースピードを持った遊撃手だ。タイミングがハマった時の打球処理と送球のスピードには、思わず見とれてしまう。素晴らしいスーパープレー、ファインプレーの期待もふくらむが、「もろ刃の剣」として、スピードのある選手ほど<ポカ>もあるのが、野球の通例のようだ。私は、小園という選手は「センター」で鍛えたら球史に残るような外野手になれる、とみている。彼の持っているスピードは、広い場所で縦横無尽に動かして初めて、その<威力>をフルに発揮できると考える。

小園海斗(C)日刊ゲンダイ

        小園海斗(C)日刊ゲンダイ

 遊撃手のポジショニングを見ていると、こちらに<何か>を訴えているように見える。

 外野の芝生の切れ目か、芝生の上だ。

 「広い場所で存分に動き回りたい!」 

 そのポジショニング自体が、小園海斗の守備適性を表している。

リードオフマンを務めることの多かった小園だが、バッティングの本質は「ホームランバッター」だ。

 U18の壮行試合、ドラフト1位候補の松本航(日体大)の膝元の150キロを、ものの見事にライトスタンドに叩き込んだパワーと技術。とりわけ、とっさのバットコントロールには舌を巻いた。プロのホームラン打者には、「バットコントロール」という技術が必須条件だ。一級品の快足と併せて、「トリプル3」の期待がふくらむ。高校生ドラ1の<4人>の中からメジャーリーガーが生まれるとしたら、私は小園海斗だと思う。

 ▽こぞの・かいと 00年6月7日、兵庫県生まれ。178センチ、79キロ。右投左打。

◆安倍昌彦 スポーツライター

安倍昌彦
 1955年、宮城県生まれ。早大卒。アマ時代に捕手としてプレーした経験を生かし、ドラフト候補のボールを実際に受けて取材するスタイルを確立。通称「流しのブルペン捕手」。自身が責任編集を務める雑誌「野球人」を始め、著書、寄稿は多数。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース スポーツ 【プロ野球・ドラフト会議】2018年10月25日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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