山梨県身延町の宿坊を中心とする町内計15カ所の施設で10月1日から6日にかけて食事をした複数の利用客が食中毒症状を訴え、便から赤痢菌が検出されたことが30日、県への取材で分かった。

 症状などから、患者は33都道府県の10代から90代の男女計83人に上り、全員回復しているという。

 県は15カ所に総菜を納入していた身延町の魚介類販売業者「魚市」の食材を原因とする集団食中毒と断定し、29日から衛生確保が確認されるまで営業禁止とした。

 県によると、町内の宿坊を利用した複数の客が発熱や下痢の症状を訴えているとの情報が今月10日に管轄の保健所へ寄せられたのをきっかけに判明した。15カ所で今月1~6日に飲食したのは計328人に上り、共通の食事としてマグロやカンパチ、湯葉などの刺し身のほか、魚のフライや煮付けなどが提供されていた。(共同)