【政界地獄耳】:自民党最大派閥、細田派の憂い/11.09
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:自民党最大派閥、細田派の憂い/11.09
★10日には特別国会が召集され第2次岸田内閣が発足する。この内閣も来年の予算成立後、参院選挙対策までのつなぎ内閣のようなものだが、衆院議長には自民党元幹事長・細田博之、副議長には立憲民主党の元経産相・海江田万里が内定した。いずれもベテラン議員だが、細田が率いた細田派(清和政策研究会)はこれで会長不在に、海江田も立憲民主党はこれから代表選挙と党籍は離脱するが、2人とも後ろ髪引かれる思いだろう。
★ことに最大派閥の細田派は解散時の95人から89人となった。一部には元首相・安倍晋三の派閥会長復帰が報道されているが、派内には複雑な空気が流れている。「前首相・菅義偉が退陣し、総裁選挙でいち早く安倍が無派閥の高市早苗を推したのは、清和会の候補の誰かを推挙すれば清和会が分裂しかねないから」(安倍周辺)との親心だったが、総裁候補を多く抱える清和会はざわついた。前政調会長・下村博文、元防衛相・稲田朋美、経産相・萩生田光一、今回派閥の事務総長になった西村康稔らの総裁候補が並ぶ。
★一方、安倍は高市を強く幹事長に推挙。結果政調会長に納まったが、その幹事長・甘利明は小選挙区落選で辞意。平成研の前外相・茂木敏充が横滑りした。それでも安倍の意中の人ではないかもしれないが官房長官・松野博一、総務会長・福田達夫、国対委員長・高木毅と要職は清和会が押さえた。この人事で今後は福田が頭角を現すだろう。清和会はポスト岸田で誰を推すかが極めて複雑になった。元来、福田赳夫の系譜と岸信介・安倍晋太郎の系譜を持つ党内最大派閥は安倍の復帰で火種が増える。細田の憂いは続く。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2021年11月09日 08:34:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。