路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳】:立憲民主党代表交代で野党共闘解消へ?/11.05

2021-11-13 07:54:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:立憲民主党代表交代で野党共闘解消へ?/11.05

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:立憲民主党代表交代で野党共闘解消へ?/11.05 

 ★落選した議員の部屋の片づけと、当選祝いのコチョウランが行きかう悲喜こもごもの議員会館で立憲民主党の議員に呼び止められる。代表選挙の受け止めを聞かれる。すると別の議員も「どう思うか」と探りを入れてくる。党代表・枝野幸男の辞任による代表選挙は国会議員に加え党員らが投票に参加する代表選挙戦を12月までに実施し執行部を刷新する。元来4年前、希望の党に排除された者たちで作った立憲民主党も所帯が大きくなることで、みんなの党や日本維新の会と同様、個人商店では組織が持たなくなる。結党からのこの4年間で分裂した国民民主党との再合流も曲がりなりにも実現したが、野党勢力の拡大を模索した枝野の政治手法では荷が重すぎたか。

 ★自著「枝野ビジョン」では「保守」を強くうたって保守層を取り込み、連合の嫌みに耐えながら共産党とも選挙協力を図るという動きを見せたが、そのプロセスは不透明で後ろ向きなものだった。何とか党勢拡大をと努力した。得票も伸びたし、部分的には共産党との選挙協力もうまくいった。しかし、09年の民主党政権時に当時の党代表・小沢一郎が仕掛けた共産党候補の出馬辞退作戦のように首尾よくは進まなかった。

 ★代表選挙は党政調会長・泉健太、旧自治官僚・小川淳也、元財務官僚・大串博志などの名前が取りざたされているが、今の執行部の幹部を含め立憲の主要議員は財政規律派が多い。古くは元財務相の藤井裕久、野田佳彦、野田政権の財務相・安住淳と幹部は民主党政権から引きずる消費税の3党合意順守派がいまだに党を牛耳る。「つまり党内の消費税減税派は党内非主流派で、れいわ新選組や共産党などの消費税減税政策と今後は政策を同じくすることはないだろう。自動的に野党共闘は解消の道を歩むのではないか」(立憲政策関係者)。また野党第1党嫌な空気に包まれ始めた。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年11月05日  07:32:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相】:「林外相」に理解求める、安倍・麻生氏は「対中関係で間違ったメッセージ」と難色

2021-11-13 07:53:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【岸田首相】:「林外相」に理解求める、安倍・麻生氏は「対中関係で間違ったメッセージ」と難色

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相】:「林外相」に理解求める、安倍・麻生氏は「対中関係で間違ったメッセージ」と難色

 岸田首相は10日に発足した第2次内閣で、外相に側近の林芳正・元文部科学相を起用した。自民党の安倍元首相や麻生副総裁が難色を示したが、強い意向で押し通した。林氏は首相が意欲を示す年内訪米に向けた米国との調整などで早速、外交手腕を試されそうだ。 

 「外交という大きな責任を担う。120%やり、岸田政権をしっかり支える」 

 林氏は10日午前、衆院議員として初登院した国会で、記者団にこう強調した。首相からは9日夜に電話で外相を打診されたという。

 甘利明前幹事長が衆院選の小選挙区で敗北し、就任後1か月で外相の茂木敏充氏に交代したことを受け、急きょ外相の人選が必要となった。首相自身が4年7か月務めたことから外相ポストへの思い入れは強く、党内きっての政策通で海外経験も豊富な林氏に白羽の矢を立てた。

 首相は茂木氏が幹事長に就任した翌日の5日夕には、さっそく安倍、麻生両氏に電話で林氏の起用案を伝え、理解を求めた。ただ、2人とも林氏が2017年12月から日中友好議員連盟の会長を務めていることなどを問題視し、「対中関係で国際社会に間違ったメッセージを与えかねない」と慎重な意見だった。

 
 それでも首相が譲らなかったのは、岸田派からの重要閣僚抜てきで閣内のバランスをとる狙いがあったとみられる。閣内では、官房長官や財務相を細田派や麻生派から登用している。林氏は首相が率いる岸田派でナンバー2の座長を務め、首相は「気心の知れた頼れる人に閣内にいてほしい」と周囲に漏らしていた。閣僚応接室では、首相右隣の「ナンバー3」の席に座ることになった。

 党内では、茂木幹事長や高市政調会長が「ポスト岸田」候補とみられており、首相は林氏の起用で、自派閥の有力候補の存在をアピールしたい考えだ。林氏は12年9月の党総裁選に出馬経験があり、将来の首相への意欲を公言してきた。

 外務省幹部は「中国だけでなく、留学先だった米国もよく知っている。日本外交にとって最重要の両国を知る林氏は適任だ」と歓迎している。

 元稿:讀賣新聞社 主要ニュース 政治 【政局・岸田首相は10日に発足した第2次内閣の組閣】  2021年11月11日  07:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【政局】:岸田首相と火花散らす安倍氏 天敵・林芳正氏の外相起用阻止に動いた

2021-11-13 07:53:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政局】:岸田首相と火花散らす安倍氏 天敵・林芳正氏の外相起用阻止に動いた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:岸田首相と火花散らす安倍氏 天敵・林芳正氏の外相起用阻止に動いた 

 総選挙の善戦で政権基盤が安定するかに見えた岸田政権だが、どっこいそうはいかない。自民党では選挙が終わるや否や来年夏の参院選をにらんで新たな権力闘争が始まった。

 きっかけは小選挙区で敗北した甘利明・前幹事長の“失脚”と後任人事だ。キングメーカーの安倍晋三・元首相周辺からは選挙応援で功績があった高市早苗・政調会長の幹事長就任を求める声があがったが、岸田文雄首相は要求を振り切って旧竹下派会長代行で外相の茂木敏充氏を幹事長に起用した。

安倍晋三氏の狙いは?(写真/共同通信社)

安倍晋三氏の狙いは?(写真/共同通信社)

 

岸田文雄首相(写真/共同通信社)

岸田文雄首相(写真/共同通信社)

 

 首相は選挙戦を通じて高市氏の脅威をひしひしと感じていた。それを象徴するのが兵庫県西宮市での応援演説。高市氏は「自民党の選挙公約は高市公約そのままだ」という批判があることに「その通りでございます」と自信満々に笑みを浮かべ、こう力説した。

高市早苗・政調会長(時事通信フォト)

高市早苗・政調会長(時事通信フォト)

 

 「公約は私のパソコンで作りました。岸田総裁から『なにがなんでも5日以内に作ってくれ』(と言われて)3日間徹夜をした。自分の総裁選挙の公約をコピペした後、岸田総裁の総裁選の政策を、原本のデータがないから自分で打ち込んだ」

 岸田首相や甘利氏が応援で目立たなかったのとは対照的に高市氏は引っ張りだこ。そのうえ、選挙公約づくりの“丸投げ”まで暴露されて面目を失った。来年夏には参院選を控えている。

「目立ちたがり屋の高市を幹事長にしたら岸田総理の存在感は食われてしまう」(岸田派ベテラン)

 だからなんとしても、岸田首相は「高市幹事長」を阻止しなければならなかった。茂木氏の後任の外相選びでも岸田VS安倍は火花を散らした。

 岸田首相が安倍氏の“天敵”で岸田派座長の林芳正・元文科相を外相に据えようとしたことだ。この人事に自民党タカ派から、「日中友好議連会長の林氏を外相にすれば、日本は親中路線に転換すると間違ったメッセージを送ることになる」という反対論があがり、首相は人事をいったん保留して外相不在のまま英国での国際会議に出発するという異例の事態となった。

 林氏は60歳と政界では若いが、防衛相、経済財政担当相、農水相(2回)、文科相を歴任するなどすでに閣僚経験5回。今回の総選挙では参院議員から河村建夫・元官房長官を押しのけて衆院山口3区に鞍替えして圧勝し、「岸田派のプリンス」として総裁をうかがうポジションにつけた。

 安倍氏とは地元・山口で親子2代にわたってライバル関係にあり、次の総選挙では同じ選挙区でぶつかる可能性が高い。 

 それというのも、「1票の格差」是正のために次の総選挙までに全国で10増10減の定数是正が行なわれ、山口県は現在の4選挙区から3選挙区へと定数1減になる。

 新たな区割り案は政府の区割り審議会でまとめられるが、位置的に安倍氏の山口4区と林氏の山口3区の一部が統合されて「新3区」になるのはまず間違いない。安倍氏と林氏の公認争いは避けられない。政治ジャーナリスト・野上忠興氏が指摘する。

 「安倍氏の山口4区はもともと下関市を中心に路線バスやガス会社などを経営する林家の地盤です。そのうえ、林氏は今回の選挙で3区でもどんどん地盤を固めて圧勝した。3区の一部と4区が合区になれば林氏のほうが有利。安倍氏が選挙区を奪われる可能性は十分あります」

 林氏が重要閣僚の外相に就任して脚光を浴びれば、安倍氏の地元での立場はますます不利になる。そこで安倍サイドは「林外相就任」阻止に動いたものの岸氏に押し切られた格好になった。

 安倍氏の性格は意地っぱりで執念深い。岸田首相の一連の動きに“そこまでオレを潰したいのか”と深く遺恨を抱いたと見て間違いなさそうだ。

 ※週刊ポスト2021年11月19・26日号

 元稿:小学館 主要出版物 【週刊ポスト・NEWSポストセブン】 2021年11月08日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.11.12】:久留米市長選出馬意向の県議会副議長に「無責任」「政治資金詐欺」の厳しい批判

2021-11-13 06:02:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER2021.11.12】:久留米市長選出馬意向の県議会副議長に「無責任」「政治資金詐欺」の厳しい批判

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.11.12】:久留米市長選出馬意向の県議会副議長に「無責任」「政治資金詐欺」の厳しい批判 

 「議会軽視」「有権者無視」「政治資金詐欺」――この議員は、そうした県民の声にどう反論するのだろうか?

 来年1月に予定される久留米市長選挙に、福岡県議会議員の十中大雅氏が出馬する意向であることが、地元紙などで報じられた。十中氏は現職の副議長、しかも今年6月末に就任したばかりでその職をまともに務めたのは9月議会の1カ月間だけというから無責任とのそしりは免れまい。しかも、つい1か月前には副議長就任をネタにカネ集めまでやっていたというのだから、呆れた御仁と言う他ない。

 ■ひと月前に「副議長就任祝賀会」でカネ集め

 下は、十中氏のホームページにある経歴。何かに驚いたような表情で両手をあげているのが、ご本人だ。議員秘書から久留米市議、市議会議長、そして県議へと政治経歴を重ね、当選4回でようやく副議長の座を得た叩き上げだ。

  その十中氏は今年10月5日、福岡市内のホテルで「福岡県議会副議長就任祝賀会」という名称の政治資金パーティーを盛大に開き、カネ集めを行っていた。下の画像は、当日夜に別の福岡県議がフェイスブックに投稿した会場の写真である。

  服部誠太郎福岡県知事や日本獣医師会会長の蔵内勇夫県議など、県政財界の重要人物が駆けつけた副議長就任祝賀会の会費は、国会議員並みの20,000円。頼まれてパーティー券を買ったというある経済人は、呆れ顔でこう話す。

 「千万単位のカネがあつまったんじゃないのかな。コロナで密を避けた形だったけど、かなりの人数が参加していたよ。それが1カ月経つか経たんかのうちに今度は久留米市長選?まるで、政治資金詐欺じゃないか。任期途中で副議長を辞めるんなら、十中は集めたカネを返すべきだろう。(祝賀会の)発起人や来賓に対しても言い訳できる話じゃない。本当に市長選にでるのか疑問だけど、記事になったところをみると、新聞記者に出馬の意向と言ったんだろうね。軽率だし、無責任。市長の器ではないな」

 別の県政界関係者も、憤りを隠そうとしない。

 「ふざけた話だ。どうしても副議長になりたいと懇願しておいて、市長選に出るから辞めるというのだから筋が通らない。市長選の話はずいぶん前から出ていたから、十中は副議長就任の時に、自民党県議団からきちんと任期を勤め上げるのかどうかの確認をとられている。何が起きているのか知らないが、あまりに無責任。県議会や県民に対し、いかなる言い訳をしても済むような話ではない」

 ■渦中の十中氏を直撃してみると・・・

 県議会副議長の職を放り出して市長選に出るという十中氏の姿勢をどう思うか久留米市民に取材してみたが、評価する声は皆無。厳しい批判や疑問の声ばかりだった。副議長就任祝賀会のパーティー券を買ったという複数の企業経営者は、前出の経済人同様、全員が「詐欺」という言葉を用いて十中氏を非難する始末だ。

 こうした事態になるのは十中氏自身も分かっていたはず。では、なぜ唐突に市長選出馬を思い立ったのか――?11日午後、ハンターの記者がリモートで十中氏を直撃した。以下、やり取りの概要である。

記者:新聞報道で久留米市長選に出馬する意向を示したとあるが、間違いないか?
十中:いやいや、まだ議員をしとりますし、辞職もしとりませんし、新聞の方が早合点じゃないけども、そういうとられかたををしていますけども、私はまず自民の身をきちんと処置してしか、正式に言えないと思っている。

記者:ということは、そのあたりが解決すれば、出馬する意向を持っているということか?
十中:そういうことですね。

記者:確認だが、副議長就任は今年の6月末?
十中:6月22日です。

記者:9月議会は9月10日から10月14日までの約1か月。副議長として働いたのは、実質1カ月ということでいいか?
十中:だから、5カ月目になりますね。今月で。

記者:副議長として議会運営にあたったのは約1カ月ということでいいか?
十中:はい。

記者:10月5日に副議長就任祝賀会という政治資金パーティーを開いていたが、会費はいくらだったか記憶しているか?
十中:2万円です。

記者:パーティー券を買ったという複数の人が、“政治資金詐欺だ”と怒っているが、そうした人たちにはどう説明するのか?
十中:そういうお叱りは、当然だと思います。

記者:そうまでして市長になって、何をしたいのか?
十中:そういうことを具体的に言えるような立場ではないと……。

記者:立場ではないが、新聞が先走った?
十中:はい。自分の言い方も悪かったのかもしれません。

記者:しかし、議会関係者の承認が得られれば、市長選には出る?
十中:まあ、副議長になる時には、皆さんからご推挙をいただいているわけですから……。

記者:副議長に就任する際、議長を助け任期を全うするといった内容の誓約文書を書いていないか?
十中:……。

記者:書いたかどうか?
十中:議長には書いていません。

記者:一筆書いたかどうか?
十中:いや、それはもう……。はい。

記者:書いた、と?
十中:はい。

記者:それでもう一度聞く。新聞が先走ったが、議会関係の処理が済めば出馬する意向はあるということでいいか?
十中:はい。

 十中副議長が、議会関係者に相談しないまま、新聞記者に「出馬の意思あり」と口走ったのは確かだ。いまになって慌てている様子が感じ取れる。この方が市長として適任かどうかを決めるのは久留米市民だが、地域の将来について語る言葉もないまま、県議会まで巻き込む騒ぎを起こした責任は決して軽くはなかろう。

 久留米市長選を巡っては、自民党福岡県連会長を務めている原口剣生県議会議員の弟で元久留米市議会議長の原口新五氏が一昨日の10日に出馬表明。二人の兄にあたる原口和人氏も市議であることから、「同族支配」を懸念する声が上がる状況となっている。その久留米に、また一つ騒ぎの種が加わりそうだ。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【地方自治・福岡県東久留米市・市長選】  2021年11月12日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2021.11.11】:筑後市長選現職陣営出陣式で正体みせた怪文書騒ぎの黒幕

2021-11-13 06:02:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER2021.11.11】:筑後市長選現職陣営出陣式で正体みせた怪文書騒ぎの黒幕

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.11.11】:筑後市長選現職陣営出陣式で正体みせた怪文書騒ぎの黒幕 

 今月14日に投開票される筑後市長選挙で2期目を目指す現職陣営の出陣式に、自民党の藤丸敏衆議院議員が参加したことで波紋が広がっている。

 この日藤丸氏が参加したのは、立憲民主党系の労組や公明党が支持する現職・西田正治氏の出陣式。同日午前に行われた自民党推薦の新人候補・宇野晶氏の出陣式を欠席したため、関係者から、“反党行為”を咎めるともに「やっぱりな」「正体見えた」などと、冷笑される事態となっている。

 ■現職担ぐ怪文書ばら撒きグループの後ろには・・・

 現職陣営を中心となって支えてきたのは、原口英喜元市議会議長や市議選で落選して副市長になった北島一雄氏。両人は、全農パールライスが取得した土地の疑惑に絡め、地元の県議や市議らに濡れ衣を着せる形の印刷物をばら撒いてきたグループの一員だったことが分かっている。

 (*参照記事⇒「筑後市の怪文書騒ぎ|副市長と前議長の関与明らかに」)

 現職陣営が、地元の有力政治家を潰そうと仕掛けた権力闘争だったが、彼らの後ろにいるとみられていたのが藤丸氏。汚い謀略との関係が疑われてからは大人しくしていたというが、総選挙が終わったとたん、現職の応援に入るという形で正体を現した。

 ある自民党関係者が、こう話す。

 「やっぱりな、という感じ。原口や北島の後ろには藤丸さんがいると指摘する声が少なくなかった。何種類もの印刷物を作ってばら撒くのには相応の予算がいるはずで、面倒みることができるとすれば藤丸しかいないと思っていた。正体みせた、というところかな。そもそも藤丸さんは、自民党推薦候補の出陣式に出るのが当たり前なのに、自治労などの労組が推す現職のところに行ったというんだから、反党行為だろう。こないだの衆議院選挙で、立憲民主党の女性を応援しに行って、除名申請された元自民党副総裁のケースと同じ。藤丸さんも自民党除名だ」

 筑後市在住の市議会関係者は、騒ぎの構図を次のように解説する。

 「藤丸代議士の後ろには、じつは古賀誠さんという大物がいる。古賀さんの了解なしで、藤丸が筑後で騒ぎを起こすとは思えない。古賀・藤丸コンビが、原口元議長らを使って力を持った地元の県議を潰そうとした可能性がある。理由?そりゃあんた、県議会がムダな道路計画の予算を通さなかったからだよ。3号線バイパスね。土木利権は古賀さんの米びつ。もちろん藤丸にとってもね。恨み骨髄でパールライス疑惑をでっち上げさせたという見立ては、そうは間違っていないと思うよ。それしても、自民党の代議士が、党の推薦候補そっちのけで、問題ばかりの現職陣営を応援するとは――。まあ、分かりやすい構図ではあるけどね」

 自民党県連が推薦した新人を支援せず、陰謀好きの連中が集う現職陣営の出陣式で応援の挨拶をした藤丸氏。実はその現職も、政治資金規正法違反という大きな問題を抱えているのだが……。

 (*参照記事⇒「消えた寄附金150万円|西田正治筑後市長に政治資金規正法違反の疑い」・「福岡・筑後市長の後援会に政治資金規正法違反の疑い」)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・福岡県筑後市長選】  2021年11月11日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.11.11】:山形地検検事正、着任挨拶を全文盗用

2021-11-13 06:02:30 | 【法務省・法制審議会・検察庁・地検・保護司・刑法・刑罰・死刑制度】

【HUNTER2021.11.11】:山形地検検事正、着任挨拶を全文盗用

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.11.11】:山形地検検事正、着任挨拶を全文盗用 

 ものを盗んだり、人を傷つけたりすれば、誰であれ咎(とが)められ、処罰される。ましてや、それが一般の人ではなく、摘発する側の警察官や検察官であれば、その罪は一段と重い。

そうした「一段と重い罪」を犯した者が、わが故郷の山形県にいる。普通の警察官や検察官ではない。山形地方検察庁のトップ、友添太郎・検事正である。

◇  ◇  ◇

 友添氏は今年7月16日付の人事で静岡地検沼津支部長から山形地検の検事正に転じた。ほどなく着任し、山形地検の公式サイトに次のような挨拶文をアップした。

(公式サイトのURL:https://www.kensatsu.go.jp/kakuchou/yamagata/page1000025.html)。

このたび、山形地方検察庁検事正に就任しました友添太郎です。山形県で勤務するのは今回が初めてですが、豊かな自然と歴史・文化が大切にされ、人は温和で情に厚く、とても良い所だと聞いており、これからの生活を楽しみにしているところです。

近年の当県内における犯罪の情勢を見ますと、一人暮らしの高齢者や幼児・児童などの弱い立場にある方が被害に遭われ、現金やキャッシュカードをだまし取られるなどの特殊詐欺や児童虐待に当たる事件が、連続的に発生しています。

当山形地方検察庁は、これら一つ一つの事件と真摯かつ誠実に向き合い、警察等関係機関とも連携し、罰すべき者が適切に罰されるよう対処することを通じ、山形県民の皆様の期待に応え、その安心・安全の確保に力を尽くして参ります。どうぞよろしくお願いいたします。

 赴任地・山形についての思いを綴り、犯罪に立ち向かう決意を記した、なかなか味のある挨拶文である。が、一読して既視感を覚えた。とりわけ、「罰すべき者が適切に罰されるよう対処する」という一文が引っかかった。

 友添氏の前任の松下裕子(ひろこ)山形地検検事正の着任挨拶文に同じ表現があったからである。すぐさま、松下氏の挨拶文(2020年1月にアップ)を引っ張り出し、読んでみた。

 唖然とした。「このたび」から始まり、「よろしくお願いいたします」まで、一字一句、句読点に至るまでまったく同じだった。「松下裕子」の4文字を「友添太郎」と差し替えただけで、全文を盗用していた。

 なんという手抜き。いや、「手抜き」などという生やさしい言葉で表現すべきではない。地元山形の人々を愚弄し、法の執行に当たる警察官や検察官をあざ笑うような所業だ。地方検察庁のトップとして、許されざる行為と言わなければならない。

 実は、この着任挨拶文の盗用には7月の時点で気づいていた。それに目をつぶっていたのは「着任直後であわただしい状況にあるのだろう」と少しばかり同情したのに加えて、この時、山形県警と山形地検が「副知事の公職選挙法違反(公務員の地位利用)」という重大事件を抱えていたので、「捜査の妨げになるようなことは控えたい」という思いがあったからだ。

 副知事の公選法違反事件とは、今年1月の山形県知事選をめぐって、当時副知事だった人物が県内の市長らに現職知事の対立候補を応援しないよう圧力を加えた疑いがある、というものだ。圧力を加えられたとされる市長は何人もいる。しかも、山形県当局は現職知事が4選を果たすやいなや、反旗を翻した市長らに補助金の削減をほのめかすなど露骨な動きを見せた。

 山形県警は知事選の直後から内偵を進め、市長や副知事だった人物への事情聴取に乗り出した。友添氏が着任する直前、6月の半ばには「前副知事から任意で事情聴取」との報道もなされていた。

 だが、その後、捜査当局は立件に向けた動きを見せない。あいまいなまま、事件の幕引きを図ろうとしている気配がある。「もはや重大事件を抱えていることへの配慮は無用」と筆者は判断し、検事正の破廉恥な行為を告発することにした。

 この手の問題を報じる場合、普通なら相手(山形地検及び友添氏)の言い分を取材し、それも伝えるべきなのだろうが、今回はあえて事前に相手に接触しなかった。接触した途端、山形地検の公式サイトにある「全文盗用の着任挨拶」を削除してしまう恐れがあるからだ。

読者のみなさんには、本文中に記した山形地検の公式サイトのURLをクリックして、友添氏の挨拶文に目を通し、添付した前任者の挨拶文と照合して「盗用」を確認していただきたい。

 山形地検は盗用についてどう釈明するのか。また、この記事にいつ気づき、どう動くのか。さらに、上級庁である仙台高検や最高検はどのように対応するのか。それらについては続報でお伝えしたい。

長岡 昇:NPO「ブナの森」代表)

長岡 昇(ながおか のぼる)
山形県の地域おこしNPO「ブナの森」代表。市民オンブズマン山形県会議会員。朝日新聞記者として30年余り、主にアジアを取材した。論説委員を務めた後、2009年に早期退職して山形に帰郷、民間人校長として働く。2013年から3年間、山形大学プロジェクト教授。1953年生まれ、山形県朝日町在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・法務省・山形地方検察庁】  2021年11月11日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.11.09】:市長選めぐり久留米市で広がる「同族支配」への懸念

2021-11-13 06:02:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER2021.11.09】:市長選めぐり久留米市で広がる「同族支配」への懸念

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.11.09】:市長選めぐり久留米市で広がる「同族支配」への懸念 

 2期目を目指すとみられていた大久保勉市長の予想外の不出馬で先行き不透明となった福岡県久留米市で、今度は「同族支配」を厳しく批判する声が上がり始めている。

◇  ◇  ◇

 批判の対象となっているのは、自民党福岡県連会長の原口剣生県議会議員とその弟である原口新吾元市議会議長。新吾氏が、来年1月に予定される久留米市長選挙に出馬する意向であることを周辺に伝えたことから、「一族で久留米市を牛耳るつもりか」「原口一族による久留米支配だ」などと反発が広がった。毎日新聞が新吾氏の動向を伝える記事を6日の紙面に掲載したことで、関係者の原口一族批判に拍車がかかる状況だ。

 県政界関係者によると新吾氏は、自民党県連の幹部を訪ねて世間話程度の話をしたあと、勝手に「市長選出馬へのお墨付きをもらった」などと建設業界の支持者や市議会の同僚らに報告。嘘はすぐに露見したが、なお出馬への意思は捨てていないという。

 問題は、原口一族である3人の兄弟がバッジを付けていること。一番下の弟である新吾氏が市議で次兄の剣生氏が県議、加えて長兄の原口和人氏も久留米市議だ。市議、県議に加え市長まで原口一族となれば、反発する市民の声が大きくなるのは必然で、すでに久留米政界は騒然となっている。

 県連会長である剣生氏は優しい性格で、弟・新吾氏の暴走を止めることもできない状態。ある市議会関係者は、呆れ顔でこう話す。

「剣生さんと新吾氏は、建設業界の支持基盤が重なる。剣生さんとしては、弟と事を構えたくないのだろう。しかし、世間の目もあるから、やんわりと自重を求めているらしい。『辞めておきなさい』ということ。そのそも、新吾氏には利権絡みの噂があり、付き従う市議はほとんどいないはず。市長選に出ても、無投票にでもならない限り、当選は難しいだろう。まあ、立候補の自由は誰にでもあるんだから、出たけりゃ出ればいい。それにしても、県連幹部のお墨付きをでっち上げたのは、本当にまずかった。みんな呆れてる」

 新吾氏は今週中にも正式な出馬表明を行う構えだとされるが、久留米市の経済界は、大久保市長の後継となる別の候補者を想定して動き出している。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 政治・行政 【地方自治・福岡県東久留米市・市長選】  2021年11月09日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2021.11.08】:鹿児島知事選絡みの「30万円」、地検が捜査|買収の疑いで告発状

2021-11-13 06:01:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【HUNTER2021.11.08】:鹿児島知事選絡みの「30万円」、地検が捜査|買収の疑いで告発状

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2021.11.08】:鹿児島知事選絡みの「30万円」、地検が捜査|買収の疑いで告発状 

 昨年7月に行われた鹿児島県知事選挙の際、三反園訓前知事を推薦した自民党鹿児島県連が現金30万円を所属県議37名に配っていた問題を巡り、「買収」の疑いがあるとして告発状が提出され、これを受けた鹿児島地検が関係者に事情聴取するなど捜査を続けていることが分かった。この時の知事選で落選した三反園氏は、先月末に行われた総選挙で鹿児島2区から立候補。支援してもらった自民党の公認候補を破り、国政に転身している。

◆  ◆  ◆

 現金が配られたのは、知事選を2か月後に控えた昨年5月。県連の建物内で行われた会議の席上、知事選で推薦を決めていた三反園氏を支援するよう、元県連事務局長で当時三反園陣営の事務局長に就いていた人物が、ポスターや推薦願いなどの活用法や具体的な支援策の説明をした直後に、封筒に入った30万円が全員に配られていた。少なくとも総額1,110万円が動いたとみられている。

 県連サイドは「調査活動費だった」と主張していたが、ハンターが報じた現金供与の場面は、どうみても「選挙資金」であることを各議員に自覚させるためのもの。議員らがいた県連内の部屋から三反園陣営の事務局長を退室させ、直後に現金を配っていたが、県連幹事長だった県議が「三反園さんをよろしくお願いします」と念押ししていたことが、その後の取材で明らかとなっている。

 昨年6月に鹿児島県在住の男性から提出された告発状によれば、同年5月8日、三反園陣営の幹部が県連内の3階にある会議室に集まった37名の県会議員に対し、茶色の紙袋に入った政治団体「三反園訓後援会」作成に係るリーフレット50部、名刺50枚、ポスター10枚、三反園の署名入り推薦依頼10枚、推薦状10枚、事務所の案内などの活用法を説明した上で、三反園氏を支持する人間のリストを作成して提出するなど当選を図るための活動を活発化させるよう要請。陣営幹部の退室直後に、県連事務局長と県連の職員1名をもって自民党県連が作成・使用する封筒に現金30万円を封入し、37名の県議全員に手交した行為が公職選挙法が禁止する買収にあたるとして、県連の会計責任者を務める事務局長などの処罰を求めていた。

 複数の関係者によると、告発を受けた鹿児島地検が、県連事務局長をはじめ現金配布当時の県連幹事長や関係議員を何度も呼び事情徴取。検察は県連内部のカネの流れを正確につかんでいる模様で、資金配布にあたっての指示系統や、カネの性格について慎重に調べを進めているという。検察の捜査状況については、県議団の会合でも話題に上っており、聴取を受けた県連関係者しか知らなかった話が一気に広まっていた。

 昨年の知事選を巡っては、複数の関係者が、県連が同氏の推薦を決め党本部がこの方針を追認した後の昨年5月初旬頃、三反園氏側が県連に対し2,000万円の資金提供を行ったことを証言。三反園氏の支援団体「みたぞのさとし後援会」の会計責任者で前知事の懐刀と言われてきた人物も、ハンターの取材に対し、県連から三反園氏の資金管理団体「みたぞのさとし後援会 三訓会」の方に、資金提供するよう指示があったことを認めていた。県連が所属県議に30万円ずつ配ったのは、この資金提供の後だったとみられている。

 三反園氏は知事選落選後、周囲に国政転身を明言。支援を受けた自民党の公認候補がいる鹿児島2区で活動を続け、先月の総選挙に無所属で出馬して初当選している。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【話題・地方自治・鹿児島県・知事選挙における疑惑】  2021年11月08日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【訃報】:瀬戸内寂聴が生前、語っていた護憲と反戦…「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥」と語り、ネトウヨから攻撃も

2021-11-13 05:57:50 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【訃報】:瀬戸内寂聴が生前、語っていた護憲と反戦…「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥」と語り、ネトウヨから攻撃も

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【訃報】:瀬戸内寂聴が生前、語っていた護憲と反戦…「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥」と語り、ネトウヨから攻撃も 

 作家で僧侶の瀬戸内寂聴が9日、心不全で亡くなった。99歳だった。

 すでに多くのメディアが報じているとおり、波乱万丈な恋愛経験や旺盛な執筆活動、あるいは世間からバッシングを受けた著名人にも手を差し伸べるなど、晩年に至っても文壇にとどまらず幅広く活動してきた。

 しかし近年の瀬戸内寂聴といえば、忘れてはならないのは、反戦・反原発にまつわる活動だろう。

瀬戸内寂聴が生前、語っていた護憲と反戦…「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥」と語り、ネトウヨから攻撃もの画像1

瀬戸内寂聴著『はい、さようなら。』より

 著書や講演などで、繰り返し自身の戦争体験を語り、戦争の恐ろしさを忘れつつある日本に警鐘を鳴らし続けた。

 たとえば2017年に95歳のときに出版したエッセイ集『生きてこそ』(新潮新書)では、自身の過酷な引き上げ体験を語るとともに、〈戦争時の体験のない政治家たちによって運営されている戦後七十年の日本の行方が、日々不安でならないのは、死齢に達した老婆の妄想にすぎないのであろうか〉と危惧していた。

 2015年に安倍政権憲法違反の安保法制を強行成立させた際は、胆のうがんを患うなど満身創痍の体調だったが、たびたび集会やデモに参加。

 そのため、ネトウヨからもたびたび「ババアは死ね!」「戦争反対というなら中国に言え!」「金をもらって集会に出ている」などという卑劣な攻撃を受けてきた。産経ニュースは、国会前で「すぐ後ろに軍靴の音が聞こえる」と命がけで訴えた寂聴を揶揄し、〈聴こえるはずのない音におびえる?「幻聴人」〉などとバカにしたこともある。

 しかし、瀬戸内はネトウヨの攻撃にもまったく怯むことはなかった。安倍政権と安保法制について「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥です」「安倍晋三首相と、与党議員たちが強行採決した安保法案は、日本国民を世界中で死なせ、家族を不幸にし、国まで滅ぼすものだと思います」(「女性自身」2015年8月4日号)と痛烈批判したこともある。

 現在の岸田文雄首相は極右タカ派の安倍晋三・元首相と違ってハト派を標榜していることから希望的観測も見られるが、岸田政権は防衛費増額や敵基地攻撃能力保有も否定していないし、改憲の動きすら見せている。もちろん、違憲状態の安保法制を廃止するような動きなど一切ない。

 戦争体験者が次々と鬼籍に入り、戦争反対の声がかき消されていくなか、本サイトでは瀬戸内寂聴の戦争や憲法に対する発言をたびたび記事にしたことがある。そのうちのひとつである2017年8月15日の記事を以下に再録するので、あらためてご一読いただきたい。(編集部

 ◆瀬戸内寂聴が語る戦争体験と反戦、憲法への思い「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥」

 2017年8月15日は72回目の終戦記念日となる。しかし戦後70年以上の時を経て、戦争の記憶と反省が失われつつある。テレビや雑誌などメディアでも、戦争の記憶を語り継ぐための企画は年々少なくなっている。そんな風潮に抗い自身の戦争体験を語る、仲代達矢、桂歌丸、市原悦子らの声を、本サイトでは紹介してきた。

 もうひとり、熱心に自身の戦争体験を語り、戦争の恐ろしさを忘れつつある日本に警鐘を鳴らし続けているのが瀬戸内寂聴である。瀬戸内は新刊エッセイ集『生きてこそ』(新潮社)のなかで、自身の戦争体験についてこのように語っている。

〈北京で中国古代音楽史の研究をしていた夫は三十一歳にもなって、突然北京で応召した。まだ誕生日も迎えていない女の子をかかえ、私は初めて戦争のむごさを、身をもって思いしらされた。夫が出征して二ヵ月すぎた時、何の予告もなく夫は無事に帰ってきた。
 着の身着のまま子どもだけかかえて帰国してみれば、故郷の徳島の町はまる焼けになっていて、母は防空壕で焼け死んでいた。夫の家も焼けて姑は義兄の住む愛媛に移っていた。焼け跡に父と姉で手造りで建てた家がぽつんとあった。私たちは親子三人そこへ居候するしかなかった。二人の男の子を残し、出征した義兄は、ソ連へつれていかれたとシベリアからハガキが一枚来ただけだという。知人の家でもさまざまな苦難に耐えていた〉

 無事に引き揚げられはしたが、故郷では家も家族も失ってしまった。防空壕では母だけでなく祖父も亡くなっていた。そして終戦の日には〈日本人は皆殺しにされるだろうと、その夜は一睡もできなかった〉(前掲『生きてこそ』)という。

 そういった悲惨な体験をしているからこそ、子どもや孫の世代に同じような経験をさせたくないという思いが強い。そのために、彼女はメディアを通して、先の戦争でいかに人々がつらい思いをしたかということを伝えてきたのだが、そういった活動と反比例するように、現在この国は着実に先の戦争で得た反省を無きものにし、再び戦争ができる国へと生まれ変わろうとしている。瀬戸内寂聴はそういった傾向を危惧している。

〈戦争時の体験のない政治家たちによって運営されている戦後七十年の日本の行方が、日々不安でならないのは、死齢に達した老婆の妄想にすぎないのであろうか〉(前掲『生きてこそ』)

 この文章のなかで瀬戸内の頭に想起されている〈戦争時の体験のない政治家たち〉のひとりは、いうまでもなく安倍晋三だろう。事実、瀬戸内寂聴はかつて「美しい憲法を汚した安倍政権は世界の恥です」と痛罵したこともある。

 ◆瀬戸内寂聴「"戦争法案"を押し通した安倍首相の神経は理解しがたい」

 それは、「女性自身」(光文社)2015年8月4日号でのこと。このインタビューのなかで瀬戸内寂聴はさらにこのように語っている。

 「安倍晋三首相と、与党議員たちが強行採決した安保法案は、日本国民を世界中で死なせ、家族を不幸にし、国まで滅ぼすものだと思います」

 「これだけ国民に反対されていることを自覚しながら、"戦争法案"を押し通した安倍首相の神経は理解しがたいですね」

 安保法制に反対する文化人・芸能人のなかでも、ここまで強い調子で安倍首相を非難できる人間はそう多くないだろう。そして、瀬戸内はこうまで言い切っている。

 「多くの国民が安保法案に反対したという事実、そして安倍首相と政府与党がどれだけ横暴なことをしたのかという事実は、歴史に刻まれます」

 安倍晋三のような首相ができあがったのも、それに共鳴する人間が増えたのも、ひとえに国民が戦争の恐ろしさを共有できなくなっているという状況が根底にあるのは間違いない。

 先月に亡くなったばかりの、聖路加国際病院名誉院長・日野原重明氏もまた同じような危機感を抱いていたひとりだった。彼は、高齢者が健康的で活発な生活を送るためのサークル「新老人の会」をつくり、現在では1万人以上の会員を擁する組織となっているが、瀬戸内寂聴も参加するその会でつくった本について彼女はこのように語っている。

 〈日野原重明氏提唱の「新老人の会」というのは、七十五歳以上の元気で前向きな生き方のできる老人たちの集まりである。その人たちは戦争体験者なので、余生は戦争の記憶を綴り戦争を知らない若者に伝えたいと念願して戦争体験記の本を出した。それは真面目な立派な記録だけれど、今の若者たちにどうやってそれを読ませるかが問題である〉(前掲『生きてこそ』)

 また、そもそも、体験として戦争を語ることのできる人がどんどん減ってきてしまっているという問題もある。たとえば、水木しげる、永六輔、大橋巨泉、野坂昭如、ペギー葉山、野際陽子など、ここ数年だけでも戦争体験を盛んに語り継いでいた文化人や芸能人がどんどん鬼籍に入ってしまっている。

 だからこそ、いま語り残される戦争の記憶はとても重要なものであり、そこで語られる証言を我々は胸に刻み込むべきだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース カルチャー 【訃報・作家】  2021年11月12日  05:57:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【政局】:山本太郎の「麻生太郎は万死に値する」は何の問題もない! 過去には当の麻生太郎も自民党議員も「万死に値する」発言

2021-11-13 05:57:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政局】:山本太郎の「麻生太郎は万死に値する」は何の問題もない! 過去には当の麻生太郎も自民党議員も「万死に値する」発言

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:山本太郎の「麻生太郎は万死に値する」は何の問題もない! 過去には当の麻生太郎も自民党議員も「万死に値する」発言

 れいわ新選組山本太郎代表が“炎上”している。きっかけは昨日10日、国会内で会見をおこなった際、自民党麻生太郎副総裁について、このように批判したことだった。

山本太郎の「麻生太郎は万死に値する」は何の問題もない! 過去には当の麻生太郎も自民党議員も「万死に値する」発言の画像1

れいわ新選組公式ウェブサイトより

 「はっきり言って、副総裁辞任とかじゃなくて、もうすでに万死に値する人間であると。万死に値する存在であるとしか言いようがないです」

 ところが、この発言がメディアで取り上げられると、ネット上では以下のような批判が殺到したのだ。

〈山本氏の発言は生存権を侵害する憲法25条違反〉

〈国会議員は、すぐにでも山本太郎議員に対する辞職勧告決議案を提出して下さい〉

〈麻生の暴言を問題視しながら、自分は万死に値すると平気で暴言を吐く〉

〈簡単に死という言葉を使ったり、葬式のように手を合わせたりするような奴は政治家どころか人としてダメだと思うよ〉

〈国会議員が、他人の生きる価値を勝手に見出だして発言するとか狂気の沙汰です よ〉

 〈『万死に値する』とか、政治家として進退かけて言ってるんだろうな? 死ねって言ってるんだぞ?言い過ぎましたじゃ済まねーぞ?〉

 「死ねって言ってるんだぞ?」「生存権の侵害だ」って、まったく何を言っているんだか。「万死に値する」という表現は「何度も死ぬべきほどに罪が重い」という意味であり、論壇誌の記事タイトルなどにもよく使われ、とりわけ政治家に対する批判としてはごく当たり前のものだ。

 だいたい、こうして鬼の首をとったように騒いでいるほとんどがネトウヨだと思われるが、ネトウヨはかたや生活保護バッシングを繰り広げて人びとの生存権を脅かしておきながら、与党の有力政治家に対する当然の批判を「生存権の侵害だ!」とがなり立てるのである。おまけに「憲法違反だ」って、臨時国会の招集拒否など自民党政権による明確な憲法違反行為には目を瞑っていながらよく言えたものだ。

 そもそも、政治家が政治家に対して「万死に値する」と批判をおこなうことは日常茶飯事であり、国会でもしょっちゅう登場する。

 じつは、山本太郎に「万死に値する」と名指しされた張本人である麻生太郎も、2012年に『報道2001』(フジテレビ)に出演した際、普天間基地の移設問題に絡んで「問題を混乱させたもとは、鳩山元首相だ。万死に値する」と発言している。

 さらに言えば、昨年11月には自民党議員が麻生太郎に対し「万死に値する」と批判をしているのだ。

 ◆麻生が鳩山に、自民党の西田昌司が麻生に「万死に値する」と言っても批判は起こらなかったのに…

 それは昨年11月24日におこなわれた参院財政金融委員会でのこと。質疑に立った自民党西田昌司参院議員は、日銀の金融緩和とセットで財政出動をしなかったことや2度にわたる消費増税といった経済政策を批判し、こう述べた。

「私は、今日は麻生大臣来られていませんけれど、この間の麻生大臣、財務省のこの財政政策は、本当にこれは、申し訳ないですけど、万死に値すると思っています」

 今回、山本太郎麻生太郎を「万死に値する」と批判したのも、「国の通貨発行権を使いながら全国にお金を回してデフレを終わらせるということを、ずっと言い続けてきた人間が完全に財務省の手先になっている」という経済政策をめぐる話のなかで出た言葉だったが、同じように経済政策を批判するなかで与党・自民党の西田議員も麻生太郎を「万死に値する」と言い切っていたのである。

 言っておくが、昨年、西田議員が麻生太郎を「万死に値する」と言ったことはネット上で炎上などしなかった。

 麻生太郎が鳩山元首相に「万死に値する」と発言したときも同様で、今回のような批判は何も起こらなかった。ネット上ではむしろ「よく言った!」「内乱罪で死刑にして欲しい。私刑でもいい」「その通り」「ほんとそう思うわ」「同感」などといった賛同コメントが書き込まれていた。

 ようするに、今回発言したのが山本太郎だったために「生存権の侵害だ」「辞職勧告決議案を出せ」などと騒いでいるだけなのだ。 

 にもかかわらず、ネット上では今回の山本太郎の発言によって、またも「政治家に何を言ってもいいわけではない」「誹謗中傷はやめろ」などという批判が起こっているのである。

 たとえば、フィフィは〈芸能人への誹謗中傷には敏感になったけど、何を勘違いしてか、この前の選挙特番の件にしろ、政治家にはどんな発言してもいいって思ってる人がいるよね。てか、その程度の人間と思われるのにね〉と、まったく言論というものを理解していないツイートをしている。

 これまでも、爆笑問題太田光安倍晋三・元首相について「バカ」と発言したり、同じくマツコ・デラックスが「無神経、馬鹿じゃないと総理大臣ってできないと思うのよ。安倍ちゃんなんて馬鹿の象徴じゃない?」と発言した際にも、ネトウヨが激高し、「名誉毀損だ!」と大騒ぎしてきた。そして、今回もまた同じ光景がまた繰り広げられているのだ。

 だが、これは「名誉毀損」でもなんでもない。たとえば「バカ」と評することも、それは過去の判例から裁判所が法的に認めていることでもあり、実際に森喜朗・元首相の名誉毀損裁判で2000年に東京地裁は〈原告は政治家で、しかも内閣総理大臣である。その資質、能力、品格が政治的・社会的に厳しい批判に、時には揶揄にさらされることは避け難い立場にある〉としている。

 ◆はっきり言う、麻生太郎が政治家としてやってきたことは「万死に値する」

 しかも、繰り返すが「万死に値する」という表現は「死ね」という意味ではまったくない上、麻生太郎の経済政策に対する正当な批評であり、これを名誉毀損だの誹謗中傷だのと批判するほうがどうかしているとしか言いようがない。いや、もっと言えば、麻生太郎を批判するのに「万死に値する」などという表現では全然足りないくらいだ。

 実際、このコロナ禍で生活に困窮する人が増加しているというのに、自民・公明の与党は「18歳以下の子どもに現金5万円とクーポン券5万円相当を支給する」というトチ狂った案で合意。だが、このようにいますぐに支援が必要な人の存在をないものにした政策は、麻生太郎の存在が大きく影響を与えている。

 事実、麻生氏は昨年の一律現金給付について「お金に困っている方の数は少ない」「個人の貯金に回っただけ」などと言い、厳しい生活を強いられている国民を無視。また、当初は一律現金給付を否定して、「商品券とかいうものは貯金には(お金が)あまりいかないんだよね」と発言していた。今回のクーポン券を配るという愚策も、こうした麻生氏の「なんとしてでも貯金させない」という強い意思が働いているのである。

 そして、麻生太郎は、何度となく国民の「生存権」を真正面から否定してきた。老後を心配する高齢者について「いつまで生きているつもりだよ」と発言したり、「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。良いことを言うなと思った」などと国民皆保険制度を否定するようなことを繰り返し発言してきた。 

 さらに、1983年には「婦人に参政権を与えたのが最大の失敗だった」などと発言したことも有名だが、福田淳一・元財務事務次官セクハラ問題では「はめられた可能性は否定できない」などと被害者女性があたかもハニートラップをしかけたような二次加害そのもののデマを口にしたり、「福田の人権はなしってわけですか」「セクハラ罪っていう罪はない」「殺人とか強制わいせつとは違う」と加害者である福田元次官を擁護。2018年11月には元民主党の北橋健・北九州市長にかんして「人の税金を使って東大へ行った」と述べ、教育への公的支出を否定した。また、2019年には「いかにも年寄りが悪いという変な野郎がいっぱいいるけど、間違っていますよ。子どもを産まなかったほうが問題なんだから」と発言し、麻生氏が首相在任中だった2009年には、学生から“若者には結婚するお金がないから結婚が進まず少子化になっているのでは?”と問われると「金がねえなら、結婚しないほうがいい」「稼ぎが全然なくて尊敬の対象になるかというと、よほどのなんか相手でないとなかなか難しいんじゃないか」などとも発言した。

 国民の健康と安全を守るべき立場にありながらその生存権を否定し、女性を貶め、男性に“経済的強者であることが男の価値”などと押し付け、教育の公的支出にさえケチをつける──。選挙中の「温暖化のおかげで北海道の米がうまくなった」発言をはじめ、麻生太郎の暴言を振り返ればキリがないが、つまり麻生太郎の政治家としての歴史は、国民に暴言を吐いて踏みつけにし、傷つけ、その政策で国民の命を危険にさらしてきたのだ。

 これを「万死に値する」と評して、一体なんの問題があるだろう。むしろ、この機会に、麻生太郎がそう言われて当然の愚策と暴言を繰り返してきたことのほうを問題にすべきだと言っておきたい。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【失言・炎上】  2021年11月11日  10:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相】:竹中平蔵を「デジタル田園都市構想」委員に抜擢で批判殺到! どこが”新自由主義と決別”? またぞろパソナの食い物に

2021-11-13 05:57:30 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

【岸田首相】:竹中平蔵を「デジタル田園都市構想」委員に抜擢で批判殺到! どこが”新自由主義と決別”? またぞろパソナの食い物に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相】:竹中平蔵を「デジタル田園都市構想」委員に抜擢で批判殺到! どこが”新自由主義と決別”? またぞろパソナの食い物に

 総裁選で「小泉改革以降の新自由主義政策を転換する」と大々的に掲げた岸田文雄首相だったが、それを真正面から裏切るような人事を発表し、ネット上で大きな怒りを買っている。明日11日、初会合が開かれる「デジタル田園都市国家構想実現会議」のメンバーに、よりにもよって「小泉改革以降の新自由主義的政策」を政権の中枢で推進してきた竹中平蔵氏を抜擢したからだ。

岸田首相が竹中平蔵を「デジタル田園都市構想」委員に抜擢で批判殺到! どこが新自由主義と決別? またぞろパソナの食い物にの画像1

パソナグループHPより

 衆院選でも新自由主義からの脱却や格差是正を訴えていたというのに、まさか、格差拡大の要因をつくり出した張本人である竹中氏を重用する──。しかも、岸田首相は衆院選公示を控えた先月10月15日に「新しい資本主義実現会議」を設置したが、これは安倍政権がつくった「産業競争力会議」「未来投資会議」、菅政権が設置した「成長戦略会議」の流れを汲むもので、これらの会議では竹中氏がメンバーに選ばれてきた。しかし、岸田首相は「新しい資本主義実現会議」のメンバーに竹中氏を加えなかったことから、ネット上では「竹中がついに切られたのか」と話題を集めていた。

 ところがどっこい、衆院選が終わって岸田首相が設置を発表した「デジタル田園都市国家構想実現会議」では竹中氏がメンバーに選ばれたのだ。もし、これが衆院選前に発表されていれば、大きな反感を買ったことは間違いなく、有権者に対する裏切りと言ってもいいだろう。

 しかも、竹中氏がメンバー入りしたことで、岸田首相が掲げる「デジタル田園都市国家構想」が、またしても竹中氏が関係する企業の食い物になる可能性は高い。

「デジタル田園都市国家構想」は「デジタル実装を通じて地方と都市の差を縮め、地方活性化を推進する」ものだというが、一方、竹中氏が会長を務めるパソナグループは昨年、本部機能を担う社員約1200人を兵庫県の淡路島に異動させるなど「地方創生」に注力。その背景には「人脈を使って淡路島を特区に指定させ、補助金や税優遇を手にする狙いがあるのでは」(「サンデー毎日」2020年10月4日号/毎日新聞出版)と囁かれてきたが、「デジタル田園都市国家構想」が地方創生に力を入れるパソナへの利益誘導の舞台になることは十分に考えられる。

 実際、竹中氏には利益誘導の“前科”が数々ある。たとえば、竹中氏がいまも有識者議員を務める「国家戦略特区諮問会議」では、国家戦略特区で神奈川県において実施を認めた家事支援外国人受入事業で事業者に選ばれた企業のなかにパソナがあった。また、同じく国家戦略特区に選ばれた兵庫県養父市では企業による農地の所有を認めるなどの規制緩和がおこなわれたが、そこにも竹中氏が社外取締役を務めているオリックスが100%出資する子会社のオリックス農業が参入している。

 さらに、竹中氏が会長を務めていた「未来投資会議」の分科会では、空港の民間運営事業にかんして各空港の財務状況を分析した国交省の非公表内部資料を竹中氏が開示させていたことを2020年に「週刊朝日」(朝日新聞出版)が報道。関西国際空港の運営にはオリックスが携わっており、これは明確に分科会会長という立場を利用した利益相反行為だ。

 ◆森ゆうこが「利益相反」を追及、ネットでは「#竹中平蔵つまみ出せ」のハッシュタグも

 昨年10月に放送された『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日)では、この非公表内部資料を開示させていた問題について立憲民主党森ゆうこ・参院議員が直接、竹中氏に「利益相反と言われるような立場のまま政府の重要な会議のメンバーになっているんですか?」とぶつけたが、その際、竹中氏は口角泡を飛ばして「森さん、森さん、私はそういうことで利益相反になるようなことを何かしましたか?」などとまくし立て、「国権の最高機関である国会議員が、民間議員の言論を封じるようなことは言わないでください!」と発言。利益相反の証拠も存在するというのに血相を変えて「言論封殺だ!」と逆ギレするという、安倍晋三・元首相とも相通ずる幼稚さをあらわにしていた。

 この醜態が映し出された動画がTwitter上で拡散されると、「#竹中平蔵つまみ出せ」というハッシュタグがトレンド入り。さらに、10月13日に参院本会議でおこなわれた代表質問では、森議員が「新自由主義と決別すると言うなら竹中平蔵氏と決別することをお勧めします」と岸田首相に迫る一幕もあったのだが、結局、つまみ出すどころか、岸田首相は竹中氏を引き入れてしまった。ようするに、岸田首相も竹中氏の利益相反を是認したというわけだ。

 だが、竹中氏をめぐる問題は、こうした利益誘導にとどまらない。竹中氏が岸田政権にも食い込んだことで、今後もさらにパソナが国の公共事業を受託していくことは間違いない。

 実際、パソナはコロナ禍にあっても政府のコロナ対策事業を受託し、ボロ儲けしてきた。

 たとえば、「持続化給付金」事業では、769億円で受託したサービスデザイン推進協議会が電通に749億円で再委託し、そこから電通は子会社5社に645億円で外注。さらにそこから電通子会社がパソナやトランスコスモス、大日本印刷などにトータル417億円で外注していたのだが、パソナへの外注費は約170億円と際立って多かった。また、パソナは大きな問題となったサービスデザイン推進協議会の設立時から電通やトランスコスモスなどとともにかかわっており、職員21人のうち5人がパソナからの出向者だった。しかも、サービスデザイン推進協議会はそれまでトータルで14件の事業を経産省から委託され、再委託先が公開されている9件のうち7件は電通だったが、残り2件の再委託先はパソナだった。

 また、昨年4月に当時の安倍首相が場当たり的に打ち出した一斉休校要請にともなう保護者への休業助成金も、パソナに厚労省が申請手続き業務を委託していた可能性が高い(詳しくは既報参照)。

 ◆コロナ対策でパソナの純利益は前期比約11倍! しかも421億円で受注した委託事業で重大ミス

 さらに、菅政権コロナ支援策として打ち出した、中小企業の業種・業態変換をおこなった中小企業などに補助金を付ける「事業再構築補助金」でも、今年3月、経産省中小企業庁は事務局業務をパソナに委託。この「事業再構築補助金」事業では、要領では対象となっていない医療法人を誤って採択・通知していたことが問題になったばかりだが、この事業のパソナへの委託費は約421億円(3月25日時点)にものぼっている。

 こうした巨額のコロナ対策事業を受託してきた結果、パソナグループが7月に発表した2021年5月期連結決算は純利益が前期比で約11倍となる67億円を記録。2022年5月期の連結純利益も過去最高になりそうだとしている。 

 もちろん、こうしてコロナ対策の関連事業の委託先としてパソナに巨額の血税が流されたのは、政権中枢に食い込む竹中氏の存在が大きい。実際、新型コロナワクチン「大規模接種センター」をめぐって予約システムに重大な欠陥が見つかった問題では、予約システムの運営会社と明記されていた「マーソ株式会社」の経営顧問を竹中氏が務めていた。また、「パソナは経産省に攻勢をかけている」とされ、その戦略を推し進めてきたのが竹中氏だと指摘されてきたが、パソナが受託してきた「持続化給付金」事業も「事業再構築補助金」事業も経産省マターだ。

 自分の立場を利用して政権に利益相反を疑われるような提言をたびたびおこない、さらには国の公共事業に食い込み暴利を貪ってきた竹中氏。竹中氏は今年6月に自身のYouTubeチャンネルにアップした動画のなかで、既得権益者団体と族議員と官僚を「鉄の三角形」と呼び、「それによって一部の人たち、既得権の人たちは利益を受けるけれども、国民は高いコストを払わされたりとかですね、自由に物を買えなかったりという不便に陥るということです」「なんでこの既得権益を持っている人たちを攻撃しないんですか」などと主張していたが、小泉政権以降、一部の既得権益者に利益が集中し、国民が高いコストを払わされるシステムをつくってきたのは、ほかでもない竹中氏であり、そして最大の既得権益者こそが竹中氏だ

 そんな「小泉改革以降の新自由主義政策」を象徴する人物を岸田首相が重用したことは、もはや笑うに笑えないブラックジョークとしか言いようがない。そして、自民党政権であるかぎり、この国はこの男の食い物にされていくのである。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会 【政治・岸田政権・「デジタル田園都市国家構想実現会議」の人選】  2021年11月10日  10:40:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【疑惑】:元婚約者が小室圭さんと面会し解決金受け取り合意書にサイン 代理人明かす

2021-11-13 01:43:30 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【疑惑】:元婚約者が小室圭さんと面会し解決金受け取り合意書にサイン 代理人明かす

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【疑惑】:元婚約者が小室圭さんと面会し解決金受け取り合意書にサイン 代理人明かす

 秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さんの夫、小室圭さんが12日夜、都内の小室さん側代理人弁護士の法律事務所で、母親、佳代さんの元婚約者と面会し、金銭トラブルの解決に向けた話し合いを行った。元婚約者の代理人は結果について、日刊スポーツの取材に対し「元婚約者が、解決金を受け取るという合意書にサインしました」と明かした。解決金のやり取りは後日になるという。

母親の元婚約者との面会を終えた小室圭さん(撮影・沢田直人)母親の元婚約者との面会を終えた小室圭さん(撮影・沢田直人)

都内の自宅へ戻る小室圭さん(撮影・横山健太)都内の自宅へ戻る小室圭さん(撮影・横山健太)

 2人が対面するのは、17年の婚約内定後にトラブルが報道で公になって以来初めて。元婚約者の代理人によると、面会は双方の代理人も立ち会い見守る中で行われ、小室さんと元婚約者が話したという。

 スーツ姿の小室さんは午後7時半すぎ、一時滞在中のマンションをタクシーで出発。先に到着していた元婚約者が待つ事務所に入った。事務所には約1時間半滞在。午後9時15分ごろ、先に事務所を出たが、報道陣の問いかけには無言だった。

 小室さん夫妻は米国での新生活に向けて、14日にも、2人で羽田空港から米ニューヨーク州に向かう見通しと明らかになった。渡米前ぎりぎりのタイミングで面会を実行し、長年引きずってきた問題にようやく区切りをつけた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さんの夫、小室圭さん・母親、佳代さんの元婚約者と面会し、金銭トラブルの解決に向けた話し合いを行った。】  2021年11月13日  01:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【疑惑】:小室圭さん金銭トラブル解決へ、母の元婚約者と面会 14日にも夫婦で渡米

2021-11-13 01:43:20 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【疑惑】:小室圭さん金銭トラブル解決へ、母の元婚約者と面会 14日にも夫婦で渡米

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【疑惑】:小室圭さん金銭トラブル解決へ、母の元婚約者と面会 14日にも夫婦で渡米 

 秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さんの夫、小室圭さんが12日夜、都内の小室さん側代理人弁護士の法律事務所で、母親、佳代さんの元婚約者と面会し、金銭トラブルの解決に向けた話し合いを行った。小室さん側代理人弁護士は「元婚約者が解決金を受け取る結果となった」との趣旨の話をしているという。元婚約者側の代理人は内容などについて「まだ話せない」とし、元婚約者とともに沈黙を守った。

 スーツ姿の小室さんは午後7時半すぎ、一時滞在中のマンションを1人でタクシーで出発。先に到着していた元婚約者が待つ事務所に入った。約1時間半滞在し、午後9時15分ごろ、先に事務所を出たが、報道陣の問いかけには無言だった。2人が対面するのは、17年の婚約内定後にトラブルが報道で公になって以来初めて。

 小室さん夫妻は、14日にも、2人で羽田空港から米ニューヨーク州に向かう見通しと明らかになった。長年引きずってきた問題の解決へ、渡米前ぎりぎりのタイミングで面会を実行した形だ。

 母親が元婚約者から支援された約400万円をめぐっては、小室さんが21年4月に公表した28ページの文書で、借金ととらえられかねないため解決金を提案していないなどと主張しながら、わずか4日後には解決金を支払う意向を示すなど、不可解な経緯もたどった。元婚約者は一貫して母親からの説明を求めていたが、母親の体調の問題もあり、小室さん側が小室さんとの話し合いを提案。元婚約者も面会を了承し、先月26日の結婚会見までに面会したいと求めていたが、ここまで実現していなかった。

 小室さんは結婚会見で「(解決金について)母に代わって対応したいと思い、元婚約者からは前向きなお返事をいただいています。解決に向けて、私ができる限り対応したいと思います」などと説明していた。

 夫妻は当初、仕事もある小室さんが先に戻り、眞子さんがパスポート取得などの準備を整えて渡米予定だったが、眞子さんの祖父、川嶋辰彦さんの死去などもあって、そろって渡米することになったという。既に新居も用意しているという2人。新生活へ向け、トラブルの行方が注目される。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さんの夫、小室圭さん・母親、佳代さんの元婚約者と面会し、金銭トラブルの解決に向けた話し合いを行った。】  2021年11月13日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【疑惑】:面会実現し小室圭さん側「元婚約者が解決金を受け取る結果となった」

2021-11-13 01:43:10 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【疑惑】:面会実現し小室圭さん側「元婚約者が解決金を受け取る結果となった」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【疑惑】:面会実現し小室圭さん側「元婚約者が解決金を受け取る結果となった」 

 秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さんの夫、小室圭さんが12日夜、都内の小室さん側代理人弁護士の法律事務所で、母親、佳代さんの元婚約者と面会し、金銭トラブルの解決に向けた話し合いを行った。小室さん側代理人弁護士は「元婚約者が解決金を受け取る結果となった」との趣旨の話をしているという。元婚約者側の代理人は面会直後は「まだ話せない」とし、元婚約者とともに沈黙を守っていた。

 スーツ姿の小室さんは午後7時半すぎ、一時滞在中のマンションを1人でタクシーで出発。先に到着していた元婚約者が待つ事務所に入った。約1時間半滞在し、午後9時15分ごろ、先に事務所を出たが、報道陣の問いかけには無言だった。2人が対面するのは、17年の婚約内定後にトラブルが報道で公になって以来初めて。

 小室さん夫妻は、14日にも、2人で羽田空港から米ニューヨーク州に向かう見通しと明らかになった。長年引きずってきた問題の解決へ、渡米前ぎりぎりのタイミングで面会を実行した形だ。

 母親が元婚約者から支援された約400万円をめぐっては、小室さんが21年4月に公表した28ページの文書で、借金ととらえられかねないため解決金を提案していないなどと主張しながら、わずか4日後には解決金を支払う意向を示すなど、不可解な経緯もたどった。元婚約者は一貫して母親からの説明を求めていたが、母親の体調の問題もあり、小室さん側が小室さんとの話し合いを提案。元婚約者も面会を了承し、先月26日の結婚会見までに面会したいと求めていたが、ここまで実現していなかった。

 小室さんは結婚会見で「(解決金について)母に代わって対応したいと思い、元婚約者からは前向きなお返事をいただいています。解決に向けて、私ができる限り対応したいと思います」などと説明していた。

 夫妻は当初、仕事もある小室さんが先に戻り、眞子さんがパスポート取得などの準備を整えて渡米予定だったが、眞子さんの祖父、川嶋辰彦さんの死去などもあって、そろって渡米することになったという。既に新居も用意しているという2人。新生活へ向け、1つの節目を迎えた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さんの夫、小室圭さん・母親、佳代さんの元婚約者と面会し、金銭トラブルの解決に向けた話し合いを行った。】  2021年11月12日  23:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【ネガティブキャンペーン】:「野党は批判ばかり」論に騙されるな! 批判こそ野党の仕事 野党ヒアリングがなければ数々の不正が闇に

2021-11-13 00:03:00 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【ネガティブキャンペーン】:「野党は批判ばかり」論に騙されるな! 批判こそ野党の仕事 野党ヒアリングがなければ数々の不正が闇に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【ネガティブキャンペーン】:「野党は批判ばかり」論に騙されるな! 批判こそ野党の仕事 野党ヒアリングがなければ数々の不正が闇に 

 本サイトでは昨日5日、衆院選の結果を受けて田崎史郎氏をはじめとする御用ジャーナリストや御用メディア、さらには立憲民主党内部や野党支持者から「野党共闘は失敗」「野党共闘は見直すべき」という声が噴出していることに対し、実際は自民党は「野党共闘」を脅威と捉えており、いま巷間で叫ばれている見直し論は野党を壊滅させるためのキャンペーンにすぎない、と指摘した。

「野党は批判ばかり」論に騙されるな! 批判こそ野党の仕事 野党ヒアリングがなければ数々の不正が闇にの画像1

立憲民主党HPより

 だが、野党を壊滅に追い込むためのネガティブキャンペーンが張られているのは、「野党共闘」に対してだけではない。「野党は批判ばかり」という野党攻撃、さらには「野党合同ヒアリング」への批判がそれだ。 

 今回の衆院選では「野党合同ヒアリング」の主要メンバーでもあった立憲の辻元清美川内博史、黒岩宇洋、今井雅人らが落選したが、この結果を受け、産経新聞は1日に「立民「論客」相次ぎ落選「批判だけでは支持されず」」と題した記事を掲載。

 また、吉村洋文大阪府知事は同日、立憲について「なんでもスキャンダル追及したり、官僚をつるしあげたりするとか、ああいったパフォーマンスは僕は大嫌いですから」と述べ、昨日5日も同じように「官僚をつるし上げたり、スキャンダル追及で日程闘争ばかりしたりすることに国民も辟易している」と批判。

 同様に、野党3党の国会対策委員長会談に参加しない方針を決め、日本維新の会との連携を視野に入れる考えを示している国民民主党の玉木雄一郎代表も、「野党合同ヒアリング」について「役所の皆さんを公の場でつるし上げるような印象を持たれることもあった」と疑義を呈し、同党の大塚耕平代表代行も〈TVカメラ入りで人格否定的な罵声を浴びせるような行為は許されない。人権侵害と言える〉とツイート。

 さらに、日本若者協議会代表理事である室橋祐貴氏は「Yahoo!個人」に「立憲民主党はなぜ若者の支持を得られなかったのか?」と題した記事を掲載。そのなかで若者から立憲が支持を得られなかった要因のひとつとして「怒りっぽい人を嫌う風潮」を挙げ、若者は〈生産性の低い、不毛なやり取りに対して忌避感が強いように感じる〉〈ハラスメントのように、高圧的な態度を取る人への苦手意識も強いのではないだろうか〉と分析。その上で、「野党合同ヒアリング」の主要メンバーが落選した一方で「対立よりも解決」を掲げた国民民主党が議席を伸ばしたことがその証明ではないかとしている。

 ◆野党合同ヒアリングがなければ、裁量労働制の拡大は阻止できず、残業代なしの職種が拡がっていた

 「野党は批判ばかり」「官僚を吊し上げている」「生産性が低く、不毛なやり取り」……。こうした「野党合同ヒアリング」に対する批判はいまにはじまったものではなく、2018年には牧原秀樹・厚労副大臣(当時)が「公開リンチのようだ」と発言(その後、撤回・謝罪)したことをはじめ、与党議員や政権応援団のジャーナリスト、産経やABEMAなどの御用メディアなどによって何度となく繰り返されてきた。そして、今回の選挙で主要メンバーの落選が相次いだことで、ここぞとばかりに批判に拍車がかかっているのだ。

 しかし、こうした批判こそ、野党の本来の役割を理解していない妄言であり、権力の不正を隠蔽したいという意図があるとしか思えないものだ。

 大前提として、野党の役割には権力の監視があり、さらに立法府である国会の大きな役割のひとつに「行政監視機能」がある。ところが、政権与党は行政の監視どころか行政による不正の源泉となっているためひたすら問題の隠蔽に走り、国会での審議や臨時国会の招集を拒否してきた。このように政権・行政の監視機能を果たすために実施されてきたのが「野党合同ヒアリング」だ。

 しかも、「野党合同ヒアリング」は、自民党幹事長に就任した茂木敏充が経済再生担当相だった際に持ち上がった有権者への線香配布という公選法違反疑惑をきっかけに2018年2月から実施されるようになったが、スタート直後から「野党合同ヒアリング」は数々の不正の事実が明らかになる場となった。

 その最たる例が、2018年に当時の安倍晋三首相が目論んでいた「裁量労働制の対象拡大」にかんする捏造・虚偽データ問題だ。

 同年1月29日に、安倍首相は厚労省が2013年におこなった調査をもとにして「一般労働者より裁量労働制で働く人の労働時間が短い」と答弁したが、野党の追及によってその調査の問題点が明らかになり、安倍首相は2月14日に答弁の撤回・謝罪に追い込まれた。だが、安倍首相は調査データが“捏造”されたものであったことが判明しても、「データを撤回すると申し上げたのではなくて、精査が必要なデータに基づいておこなった答弁について撤回・お詫びした」などと抗弁。データの中身は問題ないと言い出したのだ。

 だが、「野党合同ヒアリング」では、この安倍首相の答弁が「嘘」であることを暴いた。厚労省がしぶしぶ出した調査資料を精査したところ、虚偽の記録が約300カ所以上も発覚。さらには加藤勝信厚労相(当時)が「なくなっている」と答弁していたデータの基となった約1万の調査票が厚労省本庁の地下倉庫から発見された。

 こうした「野党合同ヒアリング」でのしぶとい調査、追及により安倍首相は追い詰められ、ついに「裁量労働制の対象拡大」を法案から削除、断念せざるを得ない事態となったのだ。

 ◆公文書改ざんを政府が認めたのも、「野党合同ヒアリング」の追及がきっかけだった

 さらに、森友公文書改ざん問題においても、「野党合同ヒアリング」は大きな役割を果たした。

 森友公文書改ざん問題は2018年3月2日に朝日新聞がスクープしたが、一方、当時の麻生太郎財務相や財務省太田充理財局長は当初、改ざんの事実を認めようとはしなかった。そんななか、同月5日におこなわれた「野党合同ヒアリング」では、民進党(当時)の小西洋之・参院議員が国会に提出された決裁文書(改ざん後の文書)ではほとんどのページに確認の黒い印が付けられていたのに、朝日が改ざんを指摘した内容があるページにはその印がついていないことを指摘。改ざんしたページをあとから差し替えたことを突き止めた。そして、翌6日の「野党合同ヒアリング」では、日本共産党の辰巳孝太郎・参院議員(当時)がこの問題について追及すると、財務省側は「あらためて確認する必要がある」と返答したのだ。

 この後、9日になって近畿財務局職員だった赤木俊夫さんが自殺したことが一斉に報じられ、政府は12日になってようやく改ざんの事実を認め、改ざん前文書を公表するにいたったが、「野党合同ヒアリング」での追及によっても政府はすでに追い詰められた状態だったのだ。 

 もちろん、「野党合同ヒアリング」が明らかにした事実はこれだけではない。2019年に浮上した「桜を見る会」問題では、当時の菅義偉官房長官や内閣府が同年の招待者名簿について「会の終了後、遅滞なく廃棄した」と説明していたが、じつは招待者名簿が廃棄されたのは、共産党の宮本徹・衆院議員が国会での質問準備のために内閣官房に資料請求をおこなったその当日、同年5月9日だったことが「野党合同ヒアリング」で判明。同じく2019年に大問題となった毎月勤労統計の不正によって賃金の伸び率が実態よりもかさ上げされていたことが判明した「統計不正」問題でも、「野党合同ヒアリング」で野党による試算では2018年の実質賃金の伸び率がプラスだったのは6月の1カ月のみだと指摘すると、厚労省の担当者からは「集計すれば(野党の試算と)同じような数字が出ることも予想される」と認める発言も飛び出した。

 さらに、東京オリンピックパラリンピックをめぐっても、今年6月28日にそれまで公にしていなかったオリパラ関連で来日した関係者の陽性者について明らかになりし、なかには政府が濃厚接触者の有無を把握できていないケースがあったことが判明したが、これも政府が自ら公表したのではなく、同日におこなわれた「野党合同ヒアリング」で野党側が事前に通告していた質問に対して内閣官房のオリパラ推進本部事務局担当者が答えたものだった。

 ◆持続化給付金の電通のトンネル会社、英語民間試験問題、桜を見る会問題なども…

 このほかにも、中小・個人事業者向けの「持続化給付金」の給付作業を国が業務委託している法人が電通の“トンネル法人”だった問題や、政府が断念するにいたるまで追い込んだ英語民間試験の導入、「日本学術会議任命拒否」問題などなど、「野党合同ヒアリング」という場が官僚から言質をとったり、問題点を明らかにした事例は枚挙にいとまがない。また、「桜を見る会前夜祭問題の追及では、安倍元首相の地元である下関市議が会費を支払わず参加していたという地元有権者がいることを証言。入管法問題では技能実習生が過酷な労働環境やパワハラの実態を証言したほか、政府が提出はおろかコピーをとることさえ拒否した失踪技能実習生2870人分の聴取票を野党議員が1枚1枚閲覧して書き写すという“写経共闘”を実施。その結果、約67%もの技能実習生たちが最低賃金以下で働かされていた事実が判明した。

 繰り返すが、野党役割政権監視・批判することであり、これらの活動は責務を果たすものだ。また、ここに挙げてきたような問題は国会において審議されるべきものであるにもかかわらず、政権がはぐらかし答弁や虚偽答弁に終始し、はたまた審議に応じなかったり臨時国会の招集を拒否するなど横暴な態度をとってきたために、「野党合同ヒアリング」という場を設け、追及がつづけられてきたものだ。そして、ここまで挙げてきた事例は「野党合同ヒアリング」の成果のごく一部にすぎないが、こうして振り返ればよくわかるように、そもそも政権が捏造データを持ち出したり虚偽答弁を連発するといった不正を働かなければ、このような追及をおこなう必要もないものばかりであり、「野党合同ヒアリング」がなければ事実が明らかにならないまま闇に葬られていたのだ。

 つまり、批判されるべきは疑義が生じても誠実に答弁・説明しようとしない政権のほうであり、追及をつづけてきた野党は評価されこそすれ、批判にさらされるとは、完全にお門違い本末転倒だ。

 にもかかわらず、御用メディア・ジャーナリストたちや吉村知事橋下徹らは問題元凶である政権の問題無視して「いつまでモリカケをやっているのか」「野党批判ばかり」と攻撃執拗におこなってきた。

 これは、腐敗にまみれた自民党維新擁護し、その不正隠蔽しようという意図があるとしか思えないものだったが、しかし、その認識は世間にも広がってしまった。そして、立憲民主党の議席減を受けて、「野党合同ヒアリング」の追及によってネタを得てきた大手メディアまでもが、この「野党は批判ばかり」という批判が根本的に誤りであることをまともに指摘することもなく、「野党はだらしない」などとするような言説垂れ流し不毛批判加担している。
 
 言論・メディア状況がこんな体たらくでは、本来必要である「強い野党」をつくり出すことはおろか、政権監視・批判する機能も働かない。健全な政治を取り戻すためにも、この姑息な「野党は批判ばかり」「野党合同ヒアリングは不毛」などというネガティブキャンペーンにけっして躍らされてはいけない。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会 【政局・自民党・衆院選2021・御用ジャーナリストや御用メディアによる、ネガティブキャンペーン】  2021年11月06日  11:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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