路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳】:政治家失格なのに今日も遊説、麻生節 岸田首相が尻ぬぐい/10.28

2021-11-03 08:13:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【政界地獄耳】:政治家失格なのに今日も遊説、麻生節 岸田首相が尻ぬぐい/10.28

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:政治家失格なのに今日も遊説、麻生節 岸田首相が尻ぬぐい/10.28 

 ★やはり、この人は副総理だろうが、副総裁だろうが言わなきゃならないことよりも、言うべきでないこと発言の方が多いのではないか。もし、これが本気で発言していて、決して軽口でないのならもう政治家辞めるべきだろうし、聴衆を沸かせる気で言ったのなら、政治家として駄目発言である。いずれも政治家として、元外相・首相経験者としても失格だろう。選挙中には他にも「立憲共産党」という発言もあった。

 街頭演説する自民党の麻生太郎副総裁(中央)=北海道内で2021年10月25日、高橋由衣撮影

 ★自民党副総裁・麻生太郎の25日の北海道小樽の街頭演説での発言、「暑くなった、温暖化した、悪い話しか書いてないけど、温暖化したおかげで北海道の米はうまくなったろ? 北海道米は昔は厄介道米って言われてたじゃないの。それなのに今はコシヒカリだ、コチピカリだ、ねえ、なんか怪しげな名前だけど、おぼろづきとか名前をくっつけて金賞をとって、その米を輸出してんだよ。そういったものは温度が2度、お米の花が実に変わるあのころの温度が2度上がった。それだけで売れるようになった。おいしいお米になって。それを輸出してる。これが今の現実じゃありませんか。温暖化したおかげで北海道の米はうまくなった。農家のおかげですか? 農協の力ですか? 違います」。

岸田文雄首相

岸田文雄首相

 

 ★26日には早速、道農民連盟が「全道挙げて品種改良を重ね、『北海道ブランド米』としての地位を確立した結果であり、生産者の努力と技術をないがしろにするような発言は断じて許されない」と猛反発。だが同日、官房長官・松野博一は「個々国会議員発言政府としてコメントすることは差し控える」と逃げ回り、結局、今月末に英北部グラスゴーで開幕する国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)への出席を決めた矢先の首相・岸田文雄がその日の夜にテレビで「適切ではなかった。申し訳ないと思う」と陳謝に追い込まれた。今日も副総裁は全国を応援に飛び回る。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年10月28日  08:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:自民は選挙位置づけ間違えた 無党派層活発化、激戦区増えた/10.27

2021-11-03 08:13:00 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【政界地獄耳】:自民は選挙位置づけ間違えた 無党派層活発化、激戦区増えた/10.27

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:自民は選挙位置づけ間違えた 無党派層活発化、激戦区増えた/10.27 

 ★25日の夜、自民党総裁・岸田文雄、副総裁・麻生太郎、幹事長・甘利明が選対委員長・遠藤利明のもとに集まり最終選対会議を開いた。激戦区と言われる選挙区だけで22日から24日にかけて行った調査の結果を踏まえての判定会議でもあるが、思いのほか激戦が続いている選挙区が多い。ここで調査を行わなかった選挙区は既に自民党候補の優勢が確保されている選挙区か、野党候補の勢いが強くさじを投げている選挙区以外の大激戦区、または大逆転可能性の残る選挙区だ。

 ★この判定会議は24日の参院静岡補選の結果を踏まえてのものになったが、選対幹部の話題は同選挙の無党派層の動向にあったことは言うまでもなかろう。時事通信の出口調査では支持政党について「なし・分からない」と答えた無党派層のうち、57・6%が野党系の無所属新人・山崎真之=立憲民主、国民民主推薦=に投票したという。朝日新聞社の出口調査では山崎は無党派層の69%から票を得て、立憲、国民両党の支持層からは9割前後を獲得したという。

 ★「この数字は衝撃的だ。確かに静岡は県知事・川勝平太の選挙戦の延長にあり、劣勢は織り込んでいたが、無党派層の動きがここまで活発になるとは驚いた。その意味では天下を分ける争点はないものの全国でコロナ禍の苦しみや苦労は各階層に及んでいることがわかる」とは野党関係者の声だ。景気回復やコロナ対策は将来の不安であり明日への不安だ。ところがコロナではその処方を示さず、新たな対策もない。後は第6波が来るのを固唾(かたず)をのんで待つだけとなれば、菅政権からの進歩が見えない。加えてくすぶり続ける甘利政治カネスキャンダルが、岸田政権のスタートをつまずかせた。これでは無関心でいられるはずがない。地域によってはこの選挙の位置づけを自民党間違えたかもしれない。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年10月27日  08:08:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【衆院選2021】:大阪15選挙区で自民全敗の衝撃 「維新旋風」だけではない敗因とは

2021-11-03 05:06:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【衆院選2021】:大阪15選挙区で自民全敗の衝撃 「維新旋風」だけではない敗因とは

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【衆院選2021】:大阪15選挙区で自民全敗の衝撃 「維新旋風」だけではない敗因とは 

 衆院選で議席を減らしながらも堅調だった自民党は、日本維新の会が席巻した大阪府内では、候補を擁立した15選挙区で全敗した。同党候補が府内の選挙区で1勝もできなかったのは、1955年の結党以降に行われた計22回の総選挙では初めての事態だった。歴史的惨敗は、「維新旋風」だけでなく、自民側の事情も大きく影響している。

 
衆院選大阪9区での敗北が確実となり、支援者に頭を下げてわびる自民の原田憲治氏(右から2人目)=大阪府箕面市で2021年10月31日午後8時23分、石川将来撮影
衆院選大阪9区での敗北が確実となり、支援者に頭を下げてわびる自民の原田憲治氏(右から2人目)=大阪府箕面市で2021年10月31日午後8時23分、石川将来撮影

 「大阪では大変厳しい結果となった。本当に申し訳ありません」。大阪9区で自民の原田憲治氏(73)は10月31日夜、維新の足立康史氏(56)に敗れ、事務所に集まった支援者に頭を下げた。比例候補に適用される「73歳定年制」の党の内規により比例重複立候補もなく、通算4期務めた議席を失った。自民の府連会長を務める原田氏は「選挙全体の面倒を全く見られなかった」と述べ、会長辞任も表明。府内の選挙結果への受け止めを尋ねる記者団を振り切るように、足早に事務所から立ち去り、ショックの大きさをうかがわせた。

 自民と維新はともに、府内全19選挙区のうち、公明候補がいる4選挙区を除く15選挙区で候補を立てた。15人の候補者の得票総数は、自民は約100万票で、約158万票の維新に大きく水をあけられた。

 旧民主が政権交代を果たした2009年衆院選でさえ、自民は選挙区から、比例復活3人を含めた計4人を当選させたが、今回は比例復活の2人だけだった。

 自民に何が起きていたのか。…、

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 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 政治 【政局・自民党・衆院選2021】  2021年11月03日  05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【叙勲】:ケネディ元大使に旭日大綬章 「贈りものを新しい世代に伝える」

2021-11-03 05:06:20 | 【皇室・天皇・褒章・皇后・皇太子・元号・宮家・皇室財産・皇族の戦争責任】...

【叙勲】:ケネディ元大使に旭日大綬章 「贈りものを新しい世代に伝える」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【叙勲】:ケネディ元大使に旭日大綬章 「贈りものを新しい世代に伝える」

 旭日大綬章の受章が決まったキャロライン・ケネディ元駐日大使は在米日本大使館を通じて声明を出し「民主主義、人権、法の支配への基本的な責務を共有する緊密な同盟関係強化の機会を得て、絶えず感謝している」と喜んだ。

キャロライン・ケネディ氏

 大使時代を振り返り「日本国民からの温かい歓迎や友情、そして積極的に自分たちの美しい国、まばゆいばかりの文化、古くからの伝統を教えてくれたことを末永く大切にしていくつもりだ」と強調。「日米同盟が世界で最も力強くあり続けるために、これらの贈り物を新しい世代の米国人と日本人に伝えていきたい」とコメントした。

 ケネディ氏は、ジョン・F・ケネディ元大統領の長女で、2013~17年にオバマ政権で駐日大使を務めた。当時のオバマ大統領の広島訪問や安倍晋三首相の真珠湾訪問などの実現に貢献した。【ワシントン鈴木一生】

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社会 【話題・叙勲・旭日大綬章の受章が決まったキャロライン・ケネディ元駐日大使】  2021年11月03日  05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【衆院選2021】:「牙城」でさえ議席失い…愛知「民主王国」はなぜ崩壊したのか

2021-11-03 05:06:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【衆院選2021】:「牙城」でさえ議席失い…愛知「民主王国」はなぜ崩壊したのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【衆院選2021】:「牙城」でさえ議席失い…愛知「民主王国」はなぜ崩壊したのか 

 立憲民主党の枝野幸男代表が衆院選敗北の責任を取り、代表辞任を表明した。旧民主党が圧勝して政権交代を実現させた2009年には全15選挙区を独占し、「民主王国」と呼ばれた愛知で今回、立憲など旧民主勢力は「牙城」の5、11区の議席さえ失った。世代交代に失敗し、社会の変化に対応できない姿をさらす結果に、政権交代を唱える野党第1党として大きな課題が残った。

 

敗戦の弁を述べる愛知5区の立憲新人、西川厚志氏(左端)。右端は勇退した赤松広隆前衆院副議長=名古屋市中村区の選挙事務所で10月31日、岡正勝撮影

敗戦の弁を述べる愛知5区の立憲新人、西川厚志氏(左端)。右端は勇退した赤松広隆前衆院副議長=名古屋市中村区の選挙事務所で10月31日、岡正勝撮影

 前衆院副議長の赤松広隆氏(73)が引退した愛知5区は、小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降初めて比例復活もできず民主系議員が消えた。「赤松代議士の後継として手厚い支援を頂いたにもかかわらず、私の努力が足りなかった」。立憲新人の西川厚志氏(52)は支援者に深々と頭を下げた。

 街宣車やポスターに赤松氏との写真を掲げ、大物議員の「後継者」を前面に出して戦った。中盤で自民前職、神田憲次氏(58)の優勢が伝えられても与党関係者は一様に「赤松さんが本気を出したら怖い」と、警戒し続けた。終盤、赤松氏の後援者に電話作戦を徹底し、自らも西川氏に終日同行する「本気」を見せ、神田氏本人を「やばい」と焦らせた。だが、情勢は覆らなかった。…、

 ※この記事は有料記事です。「ご登録日から1カ月間は99円」 いますぐ登録して、続きをお読み下さい。 

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 政治 【政局・立憲民主党・衆院選2021】  2021年11月03日  05:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説①】:枝野代表辞任へ 政策軽視の共闘が惨敗招いた

2021-11-03 05:02:50 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【社説①】:枝野代表辞任へ 政策軽視の共闘が惨敗招いた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:枝野代表辞任へ 政策軽視の共闘が惨敗招いた

 理念や政策が一致しない共闘には、国民の支持が集まらないことが明確になった。戦略の行き詰まりを直視し、地道に態勢を立て直すべきだ。 

 立憲民主党の枝野代表が衆院選の敗北を受け、辞任を表明した。「私の力不足で心からおわびを申し上げる」と語った。

 立民は、公示前勢力から14議席減らす惨敗を喫した。共産党など4野党と候補者を一本化し、政権批判票を集める狙いだったが、その戦略が失敗に終わった以上、責任を取るのは当然である。

 立民は2017年、民進党の分裂に伴って枝野氏が創設した。昨年9月に国民民主党との合流を目指したが、立民の原発政策などに反発した民間労組出身議員ら一部の議員は加わらず、野党の「多弱」が続いてきた。

 枝野氏は、10日召集の特別国会の閉会日に辞任する。新代表を決める選挙はその後、党員らを含めた方法で実施するという。

 代表選では、衆院選を総括し、共産党を含めた野党共闘のあり方を再検討することが不可欠だ。

 最大の失敗は、枝野氏が、政権交代を実現した場合には共産党は「限定的な閣外からの協力」をすると踏み込んだことだろう。

 共産党は多くの候補者を取り下げたが、立民支持者の間では、共産党の影響力が増すことへの警戒感が強まった。

 共産党は綱領で、自衛隊の解消や日米安保条約の廃棄を掲げている。「日米同盟を軸」とする立民との基本理念の違いは大きい。

 立民は、市民団体を介して、共産党などと安全保障関連法の一部廃止や政府の疑惑追及などを盛り込んだ政策協定を結んだ。

 これまでにも増して、政府への批判やバラマキ的な政策に傾斜したのは、基本政策の異なる共産党などとの連携の影響もあろう。

 批判票の受け皿となることを期待するだけで、経済再生や人口減少などに関する現実的な政策提案に乏しく、保守・中道や無党派層の支持を集められなかった。

 支持団体である連合は、共産党との共闘に否定的な見解を伝えてきたものの、立民執行部は強気の姿勢を貫いてきた。党内の懸念に耳を傾けなかったことも、支持者の離反を招いた一因だ。

 新代表は来年の参院選に向け、他党との選挙協力のあり方について見直しを迫られる。本気で政権交代を目指すなら、批判票頼みでなく、自ら建設的な政策を掲げ、地方組織の強化を通じて支持基盤を着実に広げる必要がある。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年11月03日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:京王線刺傷放火 乗客の避難手順を再点検せよ

2021-11-03 05:02:40 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【社説②】:京王線刺傷放火 乗客の避難手順を再点検せよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:京王線刺傷放火 乗客の避難手順を再点検せよ

 逃げ場のない電車内で乗客が襲われる事件が再び起こった。乗客の命をどうしたら守れるのか。鉄道各社は、非常時の対応方法を改めて確認する必要がある。 

 事件は10月31日夜に発生した。東京都調布市を走行中の京王線の車内で、男が乗客の胸を刃物で刺した後、座席付近にライター用の油をまいて火をつけた。病院に運ばれた乗客は17人に上った。

 警視庁は、24歳の男を殺人未遂容疑で現行犯逮捕した。男は「仕事で失敗し、友達関係もうまくいかなかった。人を殺して死刑になりたかった」と供述したという。事件の全容を解明してほしい。

 この日はハロウィーンで、男は「人がたくさん乗っていると思った」とも述べているという。当初はいたずらと勘違いした乗客もいた。周囲が不審な行動に気づきにくい状況だったといえる。

 車内から炎が上がると、乗客はパニック状態になった。走行中に車内の非常通報ボタンが押され、電車は次の駅に緊急停車した。

 車両ドアとホームドアがずれており、運転士は電車を前進させようとした。だが、乗客がドアを開けようと非常用コックを使用していたため、動かすことができず、ずれを修正できなかった。

 乗務員は乗客がホームに転落しないよう、車両のドアもホームドアも開けないと判断した。乗客は窓を開け、ホームドアを乗り越えて車外に脱出した。高齢者や女性には容易ではなかっただろう。

 非常時のために備えられた装置が、肝心の場面で有効に機能しなかったことになる。乗客を避難誘導する駅員の配置や緊急時の対応に問題はなかったのか。

 京王電鉄は、事件を徹底検証することが不可欠である。他の鉄道会社も有事の際に乗客を避難させる手順を改めて確認すべきだ。

 鉄道の車内で、乗客が襲われる事件は後を絶たない。

 2018年6月には、東海道新幹線で男が男女3人をナタで殺傷した。今年8月にも、小田急線で男が刃物を振り回し、乗客10人が負傷する事件が起きている。

 今回逮捕された男は「小田急の事件を参考にした」と供述したという。国土交通省は鉄道各社に駅や車内の警戒強化を指示した。

 防犯カメラや人工知能(AI)を活用し、不審な行動をいち早く検知するシステムの開発も進んでいる。こうした犯罪を完全に防ぐのは難しいが、鉄道各社は相次ぐ事件の教訓を対策にどう生かすか、知恵を絞らねばならない。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年11月03日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:岸田政権再始動 着実に成果上げ負託に応えよ

2021-11-03 05:02:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【社説①】:岸田政権再始動 着実に成果上げ負託に応えよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:岸田政権再始動 着実に成果上げ負託に応えよ

 ◆外交安保の懸案を前進させたい◆ 

 政策を実行に移し、実績を重ねることで、国民の負託に応えねばならない。自民党は安定勢力確保に安住することなく、気を引き締めて政権運営にあたってほしい。

 衆院選の結果を踏まえ、岸田首相と公明党の山口代表が会談し、連立政権の継続を確認した。10日に召集される特別国会で、第2次岸田内閣が始動する。

 自民党は、議席を減らしたものの、国会を安定的に運営できる絶対安定多数の261議席を獲得した。首相は記者会見で、「岸田政権で国の未来を作り上げてほしいという民意が示され、身が引き締まる思いだ」と語った。

 ◆自民は態勢立て直しを

 首相は1か月前に就任したばかりで、実績が評価されて信任を得たとは言えない。選挙で得た安定的な基盤を生かし、日本が直面する課題について、着実に成果を出せるかどうかが問われている。

 自民党は、甘利幹事長が小選挙区で敗れたのをはじめ、石原伸晃元幹事長らベテランが相次いで落選した。

 長期政権の おご りに、国民は厳しい視線を注いでいるのだろう。首相はそのことを肝に銘じ、緊張感を持って対応する必要がある。

 首相は、辞意を示した甘利幹事長の後任に、茂木外相を充てる方針を決めた。政権運営が本格化する矢先に、党の要である幹事長の交代を迫られたのは痛手だ。来夏には参院選が迫る。態勢の立て直しを急ぐべきだ。

 当面の最優先課題は、新型コロナウイルス再流行の抑止である。首相は記者会見で、感染拡大に備えた対策の全体像を近く公表する考えを示した。

 ◆政策の具体化が急務だ

 国民の生命を守るため、病床や医療従事者を確保し、ワクチンや治療薬を適切に供給していくことが肝要だ。国民が安心感を持てるよう、政府は総合的な施策をわかりやすく示してほしい。

 政府・与党は、今月中旬に経済対策を取りまとめ、その内容を反映した今年度補正予算案を年内に成立させる方針だ。

 コロナの流行は下火になり、経済活動は徐々に再開しているが、日常を取り戻すには時間を要する。打撃を受けた事業者や困窮世帯の暮らしを支え、経済の再生を後押しすることが急務である。

 来年度予算編成では、首相が掲げる「新しい資本主義」をどのように具体化するかが焦点となる。首相は、有識者会議を設置し、「成長と分配の好循環」に向けた政策の検討を委ねた。

 中小企業や地方にアベノミクスの恩恵が行き渡っていないという認識は妥当だ。安倍内閣も、多くの企業での賃上げを実現し、経済的な格差を是正することを目指したが、果たせなかった。

 首相が訴えた所得向上について効果的な政策を示さなければ、国民の期待はしぼみかねない。

 脱炭素やデジタル化などの分野で、成長戦略が実を結ぶかどうかが経済再生の鍵を握る。首相が指導力を発揮し、投資促進や技術開発、規制改革などに多角的に取り組む必要がある。

 首相は、就任後初の外遊として英国を訪問し、国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)に出席する。首脳級会合で演説し、ジョンソン英首相らとの会談も予定している。

 ◆外相経験を生かせるか

 長い外相経験を生かして、活発な首脳外交を展開できるかどうかが注目されよう。

 東アジアの安全保障環境は、一層厳しくなっている。北朝鮮は新型ミサイルの発射実験を重ね、中国は東シナ海での軍事挑発や台湾への威嚇行動を続けている。

 日本は米国と連携し、地域の安定を脅かす行為を繰り返さないよう、中国や北朝鮮に粘り強く自制を求めねばならない。抑止力を強化するため、ミサイル攻撃に対する反撃力に関しても、自民、公明両党は早期に検討すべきだ。

 衆院選で共闘した立憲民主党と共産党がともに議席を減らす一方、日本維新の会が躍進し、野党への有権者の評価が分かれた。

 立民は、枝野代表ら執行部の責任論が浮上している。

 旧民主党勢力は、政権転落後、安全保障政策や憲法改正、共産党との共闘を巡って対立し、離合集散を繰り返した。今回の敗北は、共産党を含む野党共闘路線の行き詰まりを示すものと言えよう。

 単に幹部交代で済ませるのではなく、党運営や政策立案のあり方を根本から見直すとともに、地方組織の強化に地道に取り組まなければ、今後の展望は描けまい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年11月02日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:自民単独過半数 緊張感持ち政権の安定を図れ

2021-11-03 05:02:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説①】:自民単独過半数 緊張感持ち政権の安定を図れ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:自民単独過半数 緊張感持ち政権の安定を図れ

 ◆難局乗り切る実行力が必要だ◆ 

 長期政権の緩みに反省を求め、緊張感のある政治を期待したい。それが今回示された民意であろう。岸田首相は政策の実行力を高め、難局を乗り切らねばならない。

 第49回衆院選は、自民党が単独過半数の議席を維持し、公明党と合わせ与党で絶対安定多数を確保した。首相は「政権選択選挙で信任をいただいた。しっかり政権運営をしていきたい」と語った。

 ◆「1強」の緩み反省促す

 自民は、厳しい選挙戦を強いられた。9年近い安倍、菅両政権は、外交や安全保障、経済政策で実績を重ねる一方、感染症対策で後手に回り、政策に関する説明不足が指摘された。「1強」の おご りに対する批判もあった。

 首相は、1か月前に政権を引き継いだばかりだ。国民の声に謙虚に耳を傾け、丁寧な政権運営に努めてもらいたい。

 日本は今、新型コロナウイルス流行だけでなく、本格的な経済再生や、人口減少への対応など、困難な課題に直面している。

 軍事・経済両面で台頭する中国は国際ルールを無視した行動が目立ち、米国など民主主義国との対立が深まっている。

 国際社会の平和と繁栄に向け、日本が果たすべき役割は大きい。日本政治の動向は、国際情勢にも影響を与える。

 来夏には参院選が行われる。短命政権が繰り返されることがないよう、政治の安定を図るのが首相の最大の責務である。一つ一つの課題に着実に取り組み、国民の期待に応えてほしい。

 首相は選挙戦で、「新しい資本主義」によって「成長と分配の好循環」を作り出すと訴えた。

 だが、その具体策が十分に示されたとは言えない。速やかに政策の全体像を明示し、経済再生を進めていく必要がある。

 北朝鮮のミサイル発射や、中国による一方的な海洋進出により、日本の安全保障環境は一段と厳しくなっている。ミサイル攻撃に対する抑止力の強化について、早急に方針をまとめるべきだ。

 自民党が議席を減らしたことで、政権内で公明党との調整がより重要になるとの見方もある。

 公明は、抑止力の強化などに慎重な立場だ。だが、与党として必要な政策課題を遂行する責任がある。両党で協議を重ね、結論を出していくことが大切である。

 ◆野党共闘は振るわず

 立憲民主、共産など野党4党は、市民団体を介して「安保関連法の違憲部分の廃止」などの政策協定を結んで選挙に臨んだ。立民は、共産と「限定的な閣外からの協力」を受けることで合意した。

 これを踏まえ、共産は小選挙区の擁立を大幅に減らし、国民民主党を加えた野党5党の候補者が213小選挙区で一本化された。

 野党は、共闘に一定の効果があったとしているものの、立民は公示前の議席数を下回った。

 立民は「現実的外交」を掲げるが、日米安保条約廃棄を主張する共産と連携して、どのような政権を目指すのか。それが不明確だったのが敗北の要因だろう。

 政権批判票の受け皿とならなかったことを、野党第1党として深刻に受け止めねばなるまい。

 共産との協力には、民間労組の一部からも反発を招いた。

 立民が政権交代を目指すのなら、安保関連法廃止などを訴えるのではなく、現実の脅威に対して具体的な外交・安保政策を掲げたうえで、経済や社会保障政策などで与党との違いを明確に打ち出すべきではなかったか。

 参院選に向けて、共闘の路線を見直し、政権担当能力を示していくことが課題となろう。

 日本維新の会は、自公政権に不満を抱く保守層から支持を集めた形だ。成長のための改革を訴え、地盤の関西だけでなく、関東などでも議席を獲得して躍進した。

 今後、憲法改正などの課題では、自民が維新に協力を求める場面もあろう。国会での憲法論議を活発化させてもらいたい。

 ◆盛り上がり欠いた論戦

 4年ぶりの審判の機会だったにもかかわらず、選挙戦が今ひとつ盛り上がりに欠けたことは残念だ。与野党のどちらにも、「追い風」は吹かなかった。

 自民党に不満を持ちながら、野党にも政権を任せられないと考え、投票所から足が遠のいた人は少なくなかったのではないか。各党の訴えや候補者らに魅力が足りなかった面も否めない。

 有権者の声を政策に生かす日頃の地道な政治活動が減っているという。与野党は危機感を持って政治のあり方を見直してほしい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年11月01日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:きょう投票 難題見据えて確かな選択を

2021-11-03 05:02:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【社説①】:きょう投票 難題見据えて確かな選択を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:きょう投票 難題見据えて確かな選択を

 内政、外交ともに困難な課題が山積している。どの政党、どの候補者に日本の かじ 取りを託すか。政策と資質を吟味して1票を投じたい。 

 第49回衆院選はきょう、投票日を迎えた。4年ぶりの政権選択選挙は、岸田政権発足から1か月足らずという短期決戦となった。

 自民、公明の与党に信任を与えるか、共闘する野党に政権を託すかが最大の焦点である。

 自民党は、安倍元首相の下で国政選挙に6連勝し、求心力を保ってきた。岸田首相は、与党による衆院過半数の233議席の維持を勝敗ラインに掲げる。

 自民単独での過半数確保も焦点の一つだ。首相の党内基盤は強いとは言えないだけに、選挙結果は、首相が政権運営で「岸田カラー」を打ち出せるかどうかに影響しよう。

 野党は、多くの選挙区で立憲民主党が共産党などと候補者を一本化し、政権交代を訴えている。

 2012年衆院選以来、国会は「1強」の自民党と、「多弱」の野党が 対峙たいじ してきた。野党内には、まず与野党伯仲の局面をつくることが重要だという見方もある。

 立民は、市民団体を介して共産などと政策協定を結び、政権獲得後は共産が「限定的な閣外からの協力」を行うとしている。

 国民民主党は共産との協力に否定的で、経済や財政政策を前面に掲げている。日本維新の会は、野党共闘と距離を置き、改革を訴えている。両党とも、与党に不満を持つ保守・中道層の支持獲得を狙っているのだろう。

 来夏には参院選が迫る。衆院選でどの野党の戦略が功を奏するかは、今後の与野党対決や野党共闘の行方を左右するとみられる。

 各党は、新型コロナウイルス対策や経済政策を競った。分配政策が目立ち、経済成長や財源確保の論議は深まらなかった。

 衆院解散後も、北朝鮮が新型の弾道ミサイルを発射し、中露両国の艦艇10隻は、日本近海を周回するように、津軽海峡と大隅海峡を通過する異例の行動を取った。

 日本の安全保障環境は一段と悪化しているにもかかわらず、選挙戦で、外交・安保の議論が低調だったのは極めて残念だ。

 各党は、こうした厳しい現実にどう向き合う考えなのか。それも投票の判断材料となろう。

 選挙は、国政のあり方を決定づける、最大の政治参加の機会である。多くの人が投票し、民意を政治に反映させることが大切だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年10月31日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:遺産の寄付 安心して託せる態勢が前提だ

2021-11-03 05:02:00 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【社説②】:遺産の寄付 安心して託せる態勢が前提だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:遺産の寄付 安心して託せる態勢が前提だ

 死後に財産を公益団体などに寄付する「遺贈寄付」が広がりつつある。寄付の希望者と受け入れ先を結び、手続きを支援する態勢を整えられるかどうかが定着のカギとなろう。 

 遺贈寄付は、遺言書を作成しておき、特定の個人や団体に遺産を寄付する仕組みだ。多くの団体は少額の寄付も受け入れており、使途の指定もできるという。

 生前寄付のように老後の資金を残しておくことを計算する必要はない。年間50兆円ともいわれる相続資産のわずかでも寄付に回れば、資金不足に悩む慈善団体や困窮する人を救えることになる。

 日本財団は2016年に専門の窓口を設置し、昨年は2000件近い問い合わせが寄せられた。

 「日本より厳しい状況にある海外の人々の役に立ててほしい」という遺志を受けて、寄付金をカンボジアの体育館建設に充てた例もある。遺贈者の思いを現地に伝え続けるために、体育館にはその人の名前が刻まれたという。

 遺贈寄付への関心が高まった背景には、人生の終わりを想定して準備をする「終活」の広がりや、未婚者、子供のいない夫婦の増加などが指摘されている。

 70歳以上の高齢者に対する意識調査では、コロナ禍を機に遺贈寄付に関心を持ったという人が多く、検討動機では「財産の行方を自分で選択したい」が最多だった。次世代への貢献を考える人が増えているのではないか。

 ただ、善意を実際に生かすには寄付をする側が生前に適切な手続きを取っておく必要がある。

 まず、正式な遺言書を残すことが前提となる。配偶者や子供には民法で相続を受ける権利が認められている。遺贈寄付について事前に了解を得ておくことが望ましいと言えよう。

 不動産や山林などの資産は処理が難しいため、事前に相談するよう求めている団体もある。

 手続きのハードルが高いと感じたり、不安を覚えたりする人は少なくないだろう。専門家によるアドバイスを手軽に受けられる態勢づくりが不可欠である。

 遺贈寄付の普及をはかる「全国レガシーギフト協会」は、専門家との相談の受け付けや寄付先の団体の紹介に力を入れている。

 一部の団体は、遺贈寄付を受けた経験が乏しく、一連の手続きを自分たちだけでできないところもあるという。団体側が研修などを通じて専門知識を持ち、遺贈寄付を有効に使った実績を重ねて信頼を得ていくことが大事だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年10月31日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:立憲の枝野代表辞任 出直しは厳しい総括から

2021-11-03 02:05:50 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

《社説①》:立憲の枝野代表辞任 出直しは厳しい総括から

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:立憲の枝野代表辞任 出直しは厳しい総括から

 衆院選で敗北した立憲民主党の枝野幸男代表が辞任を表明した。政権交代を目指しながら議席を大幅に減らした責任を取った形だ。

 枝野氏は「政権選択の構えを作ることはできたが、私の力不足」と語った。出直しには執行部の刷新にとどまらず、党のあり方を含めた厳しい総括が欠かせない。 

 野党間で票を奪い合った前回の反省を踏まえ、多くの小選挙区で候補者を一本化して臨んだ。

 与野党の一騎打ちとなるケースが多かった小選挙区では、公示前から9議席増やした。

 だが、政党としての支持が問われる比例代表では23議席減らした。共同通信社の出口調査によると、無党派層のうち立憲に投票した人は24%で、2017年の31%から落ち込んだ。

 選挙結果に大きな影響を及ぼしたのは、枝野氏の「党首力」だったのではないか。政権選択選挙で国のかじ取りを委ねるリーダーとして、有権者の期待を集めることができなかった。 

 立憲は前回衆院選の直前に設立され、リベラル層の支持を集めて躍進した。だが枝野氏や側近議員が主導する「個人商店」の色合いが濃かった。党内で開かれた議論を尽くし、意見を吸い上げる体制を整えられなかった。

 公約も準備不足で実現性に疑問符が付くものが目立った。消費税や所得税の時限的減税を打ち出したが、財源論を詰めない付け焼き刃だった。自民党との違いを強調するばかりで、実効性のある政策を打ち出せなかった。 

 共産党との共闘が支持層の離反を招いたとの指摘もある。国家の根幹に関わる自衛隊や日米安全保障条約などを巡る意見の相違を棚上げし、選挙協力を優先したためだ。与党から批判を受ける材料にもなった。

 枝野氏の後任を決める代表選は、年内に行われる。敗因を徹底的に検証し、政権を担えるような体制に立て直すことが急務だ。 

 どのような国を目指すのか明確にしたうえで、幅広い支持を集められるよう、来年夏の参院選に向けて戦略を練り直す必要がある。

 民主政治が機能するには、与党に対抗できる野党の存在が欠かせない。立憲は体制刷新を機に「政党力」を高めなければならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年11月03日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②》:新政権と社会保障 次世代の不安拭う改革を

2021-11-03 02:05:40 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

《社説②》:新政権と社会保障 次世代の不安拭う改革を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:新政権と社会保障 次世代の不安拭う改革を

 岸田文雄政権が近く本格的に始動する。最重要課題の一つが、少子高齢化に対応できるように社会保障制度を改革することだ。

 来年には「団塊の世代」が75歳以上になり始め、2025年には国民の5人に1人が後期高齢者となる見通しだ。医療・介護費用が一層かさむ。 

 一方で、保険料を負担する支え手の現役世代は減り続け、制度の持続可能性が揺らいでいる。

 こうした状況に、政治が十分に備えてきたとは言いがたい。

 安倍晋三政権は、若い世代にも配慮した「全世代型社会保障」を掲げた。だが、財源対策は75歳以上の医療費自己負担の一部引き上げなどにとどまる。

 岸田首相も「全世代型」を引き継ぐ。兼業している人やフリーランスの人を含む「勤労者皆保険」の実現を目指しているが、支え手を多少増やしただけでは抜本的な改革にはならない。 

 将来を見据えた医療・介護サービスの全体像を示す必要がある。

 新型コロナウイルスの感染拡大によって、医療や介護を支える仕事の大切さが再認識され、人材不足が浮き彫りとなった。厚生労働省によると、25年度に看護職員は最大27万人、介護職員は約22万人不足するという。

 背景には仕事の忙しさや賃金の低さがある。首相は、医療や介護の現場で働く人の所得引き上げを打ち出した。底上げを図るのは当然だが、ここでも財源の確保が課題となる。 

 若い世代は「将来、十分な年金がもらえないのではないか」と不安を感じている。老後の生活を下支えする基礎年金の給付水準が大幅に下がることは見過ごせない。

 社会保障はかつて、10人の現役世代で1人の高齢者を支えていたが、今は高齢者1人に対して現役2人と状況は大きく変わった。 

 給付と負担のあり方の見直しに向けた議論は避けて通れない。保険料収入の減少を踏まえ、税金を投入して財源の安定化を図ることも検討課題の一つだろう。

 社会保障改革の問題を与野党の政争の具にしてはならない。医療・介護の現場や専門家の意見を聞きながら、給付と負担について国民的な議論を進めることが政治の責任だ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年11月03日  02:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①》:絶対安定多数と首相 寛容な政治で国会再生を

2021-11-03 02:04:50 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

《社説①》:絶対安定多数と首相 寛容な政治で国会再生を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①》:絶対安定多数と首相 寛容な政治で国会再生を

 衆院選で勝利した自民党の岸田文雄総裁(首相)がきのう記者会見し、「自公政権に対して国民の信任を頂いた」と語った。

 だが、選挙戦の陣頭指揮を執った甘利明幹事長は小選挙区で落選した。自民の現職幹事長としては初めての事態だ。「政治とカネ」の疑惑を抱えながら、説明に背を向ける姿勢が有権者に厳しく判断された。

 甘利氏が辞任を申し出たのは当然だ。首相は後任に茂木敏充外相を充てる方針という。会見で「厳しい声が寄せられたことはしっかり受け止めねばならない」と語った。襟を正して、政治への信頼を取り戻すよう努めるべきだ。

 自民は、絶対安定多数を維持した。17ある衆院の常任委員会全てで委員長を出したうえで委員の過半数も占めることができる。政権の意のままに国会を運営することが可能になる議席数だ。

 だが、数の力を背景に強引な政治を進めることは許されない。異なる意見にも耳を傾け、議論を通じて合意形成を図る民主政治の本来の姿に立ち返るべきだ。

 自民、公明両党と日本維新の会、国民民主党など憲法改正に前向きな勢力は、国会発議に必要な総定数の3分の2を超えた。

 首相は「3分の2以上の賛成を得られるよう議論を深める」と改憲論議への意欲を示した。

 憲法改正問題を拙速に扱うことがあってはならない。幅広い国民の合意を得るための冷静な議論と慎重な手続きが不可欠だ。

 与党が勝利した背景には、立憲民主党や共産党など野党5党の共闘効果が限定的だったことがある。議席を大幅に減らした立憲の執行部は責任を明確にすべきだ。

 自民が政権に復帰した2012年の衆院選以降、低投票率が続いている。今回は55・93%で戦後3番目に低かった。争点や対立軸を明確にして選挙戦を盛り上げることができなかった与野党は、現状を重く受け止めねばならない。

 「安倍・菅政治」でないがしろにされてきた国会の機能を、今こそ立て直す必要がある。

 首相は「丁寧で寛容な政治」を掲げているはずだ。新たな顔ぶれとなる国会でその言葉を実行に移し、立法府の再生につなげなければならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年11月02日  02:11:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②》:相次ぐ電車内襲撃 安全対策の検討急がれる

2021-11-03 02:04:40 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

《社説②》:相次ぐ電車内襲撃 安全対策の検討急がれる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②》:相次ぐ電車内襲撃 安全対策の検討急がれる 

 電車内で多くの乗客が無差別に襲われる事件が、また起きてしまった。

 東京都調布市を走行していた京王線の特急電車内で、男性が胸を刺され、重体となった。ライター用オイルで放火されるなどして、16人がけがをした。

 ツイッターに投稿された動画には、炎が上がる様子や、窓から脱出する乗客が映っている。休日の夜の車内がパニックに陥った状況は衝撃的だ。

炎が上がった車両から走って逃げる乗客たち=東京都調布市で2021年10月31日(@siz33さん提供)

 殺人未遂容疑で現行犯逮捕された容疑者は「人を殺して死刑になりたかった」と供述している。仕事や友人関係がうまくいかなかったとも話しているという。

 経緯や動機について、捜査を尽くして解明する必要がある。

 8月には東京都世田谷区を走行中の小田急線車内で、刃物で襲われるなどして10人が重軽傷を負った。サラダ油を車内にまいた容疑者は「『勝ち組』の女性を殺したいと考えた」と供述した。

 今回の容疑者は、小田急線の事件を参考にしたという。凶行の連鎖を招いた形だ。

 走行中の電車は密室状態で、逃げ場がない。特急など停車駅が少なければ、その時間はさらに延びる。こうした事件が起き得ることを想定した安全対策が急務だ。

 3年前には東海道新幹線の車内で3人が殺傷された。事件を受け、国土交通省は梱包(こんぽう)されていない刃物を電車内に持ち込むことを禁止した。東京五輪を控えた今夏には、鉄道会社が乗客の手荷物を検査できるように省令を改正した。 

 隠し持った凶器を発見する装置「ボディースキャナー」を使う実験も行われている。しかし、大勢の通勤客らが利用し、ダイヤも過密な大都市の電車で実施するのは現実的とはいえない。

 駅や電車内で防犯カメラの設置は進んでいるが、犯罪を防ぐ効果は限定的とされる。車内の状況をリアルタイムで把握できるシステムの導入も始まったばかりだ。

 警備員らによる警戒を強化するには、人員やコストの面で制約がある。

 利便性を確保しながら、被害を防ぐ「特効薬」はない。鉄道会社は、同業他社や外部の意見を取り入れながら、安全対策に知恵を絞らなければならない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2021年11月02日  02:11:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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