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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【新型コロナ】:広島・山口、まん延防止開始 中国地方、感染累計5万人超

2022-01-09 22:52:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【新型コロナ】:広島・山口、まん延防止開始 中国地方、感染累計5万人超

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新型コロナ】:広島・山口、まん延防止開始 中国地方、感染累計5万人超 

 広島、山口の両県で9日、新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に基づく「まん延防止等重点措置」の適用が始まった。両県は、外出機会の減少を呼び掛け、対象区域の飲食店には酒の提供停止を要請する強い措置を取る。中国地方5県の感染者はこの日、累計で5万人を突破。新変異株「オミクロン株」の影響で、感染拡大が続いている。

普段の休日と比べて人通りの少ない広島市中区の歓楽街(9日午後7時45分)

▶再びまん延防止、思い複雑 広島の料理店、認証店も酒停止

【一覧】中国地方の9日の新型コロナウイルス感染状況

 全国的に「第6波」に入ったとの見方が強まる中、沖縄も含む3県が31日までの予定で重点措置の期間に入った。同措置は緊急事態宣言も含めて昨年9月末に全面解除されて以来、約3カ月ぶり。岸田政権では初めてとなる。今後、期間の延長や宣言への移行という可能性もある。

 広島県の対象区域は、広島、呉、竹原、三原、尾道、福山、大竹、東広島、廿日市、江田島の10市と府中、海田、坂の3町、山口県は岩国市と和木町。両県とも、区域内の飲食店に午後8時までの時短営業と酒類の提供停止を要請した。公共施設の利用やイベント開催にも制限がかかる。

 中国5県で9日に発表された新規感染者は計893人で過去最多となった。初の感染者公表となった2020年3月4日から1年10カ月で、累計の感染者(20年12月10日以降は再陽性を含めて集計)は5万668人に達した。県別は、広島2万4445人▽岡山1万5799人▽山口6789人▽島根1897人▽鳥取1738人。

 感染者の死亡は9日までに計442人。昨年11月以降は、広島県の1人だけとなっている。(文・衣川圭、写真・河合佑樹) 

 元稿:中國新聞社 主要ニュース 社会 【医療・新型コロナウイルスの新変異株「オミクロン株」の影響で、感染拡大】  2022年01月09日  22:52:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【れいわ新選組】:舩後副代表がNHK日曜討論で政府に注文 「日曜討論」トレンド入り

2022-01-09 14:09:30 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【れいわ新選組】:舩後副代表がNHK日曜討論で政府に注文 「日曜討論」トレンド入り

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【れいわ新選組】:舩後副代表がNHK日曜討論で政府に注文 「日曜討論」トレンド入り 

 主要政党の党首が生出演し、9日午前に放送されたNHK「日曜討論」に、難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)を患うれいわ新選組副代表の舩後靖彦参院議員が出演し、党が掲げる方針や新型コロナ対策などについて語った。

れいわ新選組の舩後靖彦副代表(2019年10月撮影)れいわ新選組の舩後靖彦副代表(2019年10月撮影)

 次第に全身が動かせなくなる難病を患いながら、19年参院選で初当選し、議員活動を続ける舩後氏は、介助者とともにスタジオに出演。司会者の質問にはパソコンの音声で回答し、開口一番「ご安心ください。私は生きています」と切り出し、「ろくに仕事もできないと思われるかも知れないが、議員になる前は介護関連企業の副社長で経営に参加していた」など、自己紹介もまじえた。

 政府のコロナ対策についての質問には、空港検疫をはじめ水際対策の強化、PCR検査の徹底、医療や保健所体制の強化などの必要性に言及。「感染症対策を徹底して求めていく」と主張した。山本太郎代表に代わり、「生きているだけで価値がある社会をつくってまいりたい」という党のスローガンも訴えた。発した言葉はすべて、画面にも表示された。

 舩後氏の出演後、SNSでは「日曜討論」がトレンド入り。「それだけで見る価値があった」などのコメントが寄せられたほか、舩後氏の出演時間が、最初に登場した自民党総裁の岸田文雄首相らに比べてあまりに短いなど、政党の勢力によって出演時間が異なることへの不満なども寄せられていた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・れいわ新選組・NHK「日曜討論」】  2022年01月09日  14:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田文雄首相】:今夏の参院選勝利に意欲も具体的な獲得議席数には触れず

2022-01-09 12:35:30 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【岸田文雄首相】:今夏の参院選勝利に意欲も具体的な獲得議席数には触れず

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田文雄首相】:今夏の参院選勝利に意欲も具体的な獲得議席数には触れず

 岸田文雄首相は9日放送のBSテレ東番組で、今年夏の参院選勝利に意欲を示した。「安定した政治、安定政権があってこそ重要な課題に結果を出していくことができる。何としても参院選に勝たなければいけない」と強調した。ただ具体的な獲得議席目標には触れなかった。

 同時に「参院選に勝つために、一つ一つ結果を積み重ねる。国民に少しでも政治の前進を実感してもらう努力が必要だ」と述べた。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・今夏の参院選】  2022年01月09日  12:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【新型コロナ】:嘉手納、三沢、横須賀…米軍基地抱える各自治体が成人式開催へ懸命対策

2022-01-09 07:11:30 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

【新型コロナ】:嘉手納、三沢、横須賀…米軍基地抱える各自治体が成人式開催へ懸命対策

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新型コロナ】:嘉手納、三沢、横須賀…米軍基地抱える各自治体が成人式開催へ懸命対策

 新型コロナ新規感染者数が増加している米軍の基地がある各自治体も、成人式開催に向けて懸命な対策を講じている。嘉手納基地がある沖縄県嘉手納町は8日、参加者全員を対象にした抗体検査を町役場で実施。式典直前の9日午後1時半まで行い、陰性証明を受けたうえで、安心して参加してもらう狙いだ。

 青森県三沢市では事前予約制を採用。健康状態を確認する用紙の提出も求める。神奈川県横須賀市では昨年に続いて大きな劇場を使用した着席方式で参加者の距離を保つほか、出入り口を完全分離。市の担当者は「新成人のお祝いは一生に1度。オミクロン株も、ここ数日で急激に増えている印象はありますが、なんとか対策をして開催したい思いで準備しています」。予定していた着付け直しコーナー設置はとりやめた。横田基地がある東京都の福生市、立川市など5市1町も実施予定。多くの自治体で、同窓会などの懇親会中止徹底も呼びかけている。山口県岩国市では、すでに延期を発表している。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・新型コロナ新規感染者数が増加している米軍の基地】  2022年01月08日  19:07:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳】:新資本主義とは何か、問われる1年/01.01

2022-01-09 07:10:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【政界地獄耳】:新資本主義とは何か、問われる1年/01.01

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:新資本主義とは何か、問われる1年/01.01 

 ★安倍・菅政権の政治スタイルに慣れてしまったおかげで、安倍1強政治の見方しか政治を見ることができなくなった多くの国民に「聞く耳」を持つ岸田政権は新鮮に見えているのかもしれないが、適度な権力闘争の緊張感と選挙での集中力が本来の自民党らしさを感じさせる。今年は参院選挙がある。岸田政権はこの選挙に勝つことで長期政権を視野に政権運営を進めることになるだろう。

 ★安倍・菅時代に培った合理的な手法と、自民党元来の手続きの仕方で政権運営を進めることは結構だが、コロナ禍は一時期の小休止から、再び牙をむく事態が迫ろうとしている。自民党や国交省が早期実施をもくろむGOTOトラベルの実施は遅れそうだが、2つの政権きりきり舞いさせたコロナ教訓岸田政権が生かせるかどうかが最大の試練となろう。国民の多くがその環境の中で「景気回復」を望んでいるが、自民党内にもその処方は見いだせておらず、財政規律派と積極財政派が対立を繰り返す。単純に言えば「には多く借金ある」と「借金ない」の戦いだ。

 ★今年の議論の軸はこの重要で不毛の議論になるのではないか。そこには首相・岸田文雄と党政調会長・高市早苗の主導権争いが見え隠れする。自民党中堅議員が言う。「この議論は長年やってきたが、この択一しか選択肢がないのか。自民党は我が国を『いい国』『素晴らしい国』と言い続け過ぎた。今は政治、経済をはじめ国力は至る所で世界水準より低く落ちている。公共性や秩序、倫理観も低下した。メディアのチェック機能低下も著しい。自戒の念を込めて言えば政界人材不足限界まで来ているが、経済界も同様ではないか」。岸田の言う新しい資本主義とは何か。そもそもそんなものはあるのか。それが問われる1年になりそうだ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2022年01月01日  09:49:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【政界地獄耳】:8人の論客が斬る、自民党の失敗/12.31

2022-01-09 07:09:50 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳】:8人の論客が斬る、自民党の失敗/12.31

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳】:8人の論客が斬る、自民党の失敗/12.31 

 ★自民党の今年前半はコロナ禍での後手後手の対応に首相・菅義偉の人気は下落し、総裁選直前に自民党内に亀裂が走り、総裁選挙をせずに再選を狙った菅は退陣を余儀なくされた。その後の岸田政権は何もしないまま総選挙に突入したものの、国民は安心したのか再度自民党に議席を与えた。これによって断末魔だった自民党の総括ができていないと思っていたら、「自民党失敗の本質」(宝島社新書)が10月に出版されていた。オールインタビューで、8月下旬の取材で多くが菅出馬を前提にしていることが、かえって問題を浮き彫りにしている。

 

 

 ■自民党はなぜここまで「劣化」したのか――。

 党の内から外から、右から左から、その理由を大検証!

 モリカケ問題、桜を見る会、コロナ対策……官邸主導といわれる現在の自民党政権だが、いったい誰のための政治主導なのか。

イエスマンシップの政治家たち、官僚への恐怖支配、メディアへの圧力など、「国民のため」という視点が安倍・菅政権、そして自民党からは消えたように見える。 現役政治家、政治評論家たちがその「変節」の理由を説くインタビュー集。

 ★分析するのは東大先端科学技術研究センターフェロー・御厨貴、神戸女学院大学名誉教授・内田樹、衆院議員・石破茂、衆院議員・村上誠一郎、元文科事務次官・前川喜平、元経産官僚・古賀茂明、東京新聞記者・望月衣塑子、衆院議員・小沢一郎(登場順)という8人の論客だ。御厨は安倍政権の「選挙至上主義」が自民党を弱体化させたと論じ、菅政権は「命令権」と「人事権」で官僚機構を操縦できるとし、「説明がない」ことを指摘する。

 ★また「ドイツやイギリスなど政権交代がある国では、政権を運営している時はしがらみでいろいろな連中に使われていたけれど野党になれば切ってもいいしがらみはどんどん切ることができる。与党ではできなかった政策転換が可能」とする。内田は政治家に「国民に届かせる言葉はあったか」を問い、「言質を取られないこと」が優先されたとみる。「反対者や無党派層を説得して1人でも支持者を増やそうという気概がない」ことを憂う。紙面では紹介しきれないが各論客が「保守の本懐」が崩れていくさまを多角的に指摘している。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2021年12月31日  09:09:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:日米2プラス2 対話重視し緊張緩和を

2022-01-09 06:35:55 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説】:日米2プラス2 対話重視し緊張緩和を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:日米2プラス2 対話重視し緊張緩和を 

 日米の外務・防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)が、テレビ会議方式で開かれた。

 覇権主義的な動きを強める中国を強くけん制し、「日米同盟」の抑止力強化を確認。中国やロシア、北朝鮮が開発中で迎撃が難しいとされる「極超音速」ミサイルなど、新たな防衛装備品の共同研究にも合意した。

 日本は「国家の防衛に必要ならあらゆる選択肢を検討する決意」を強調し、敵基地攻撃能力保有の検討も念頭に防衛力を抜本的に強化する意向を示した。自衛隊と米軍の装備強化と共同行動を進めるもので、日米の一体化がより鮮明になった。

 中国や北朝鮮の動きをにらんだ備えは必要だが、軍事力の強化に傾注するだけでは、逆に不測の事態が起きる「安全保障のジレンマ」に陥りかねない。地域の緊張緩和に向けて、粘り強く対話の努力を尽くすべきだ。

 2プラス2の開催は昨年3月以来で、岸田文雄政権にとっては初めてとなる。日本からは林芳正外相と岸信夫防衛相、米側はブリンケン国務長官とオースティン国防長官が参加した。

 政府は今年中に、外交・防衛政策の基本方針「国家安全保障戦略」や「防衛計画の大綱」などを改定する。今回の協議を踏まえ、改定に向けた議論を本格化する方針だ。

 共同文書では、「台湾海峡の平和と安定の重要性」をあらためて強調。地域の安定を損なう中国の行動に対し、必要なら共同で対処する決意を表明した。さらに「緊急事態に関する共同計画作業」を進めることにも言及した。計画の具体的な内容は明らかになっていないが、中国が台湾に侵攻する「台湾有事」が念頭にあるとみられる。

 自衛隊と米軍が台湾有事を想定して、鹿児島県から沖縄県に至る南西諸島に米軍の軍事拠点を置く共同作戦計画の原案を策定していたことが昨年末に明らかになった。

 南西諸島の住民を戦闘に巻き込む恐れが強い。国民の生命を危険にさらすような作戦計画は断じて認められない。

 2プラス2の前日には、岸田首相がオーストラリアのモリソン首相とのテレビ会談で自衛隊と豪軍が共同訓練を円滑に行うための協定に署名した。

 こちらも中国の行動抑止を念頭に防衛協力の可能性を広げる試みと言える。だが、軍事的な包囲網の強化ばかりでいいのか、不安が尽きない。

 今回の協議は、在日米軍由来とみられる新型コロナウイルスの感染が基地のある沖縄、山口両県などで急拡大する中で開かれた。日本側が米兵の外出制限を含めた感染対策を一段と厳格にするよう求めたのは当然だ。

 米側は「懸念を払拭(ふっしょく)するよう努力したい」とするが、実効性が担保されなければ、自治体や住民の不信感は拭えまい。

 背景には、検疫を含めた国内法が在日米軍には適用されないという日米地位協定の壁があるのは明白だ。しかし協定の改定については議論されなかった。

 共同文書には、米軍普天間基地(宜野湾市)の名護市辺野古沖への移設計画についても「唯一の解決策」と明記された。明らかに沖縄の民意に反する。日米両政府は地域住民の理解がなければ、安全保障政策は成り立たないと肝に銘じるべきだ。

  元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月09日  06:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【天風録】:揺れる非核の国、カザフ

2022-01-09 06:35:50 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・沖縄防衛局・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【天風録】:揺れる非核の国、カザフ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:揺れる非核の国、カザフ

 閃光(せんこう)が走って地平線に黒い塊が見え、それは赤い泥の色に変わった―。きのこ雲だった。旧ソ連で最初の水爆実験を目撃した人が、30年ほど前に本紙「世界のヒバクシャ」取材班に語っている▲現場はカザフスタンのセミパラチンスク市。人々は核実験場のために土地を追われ「死の灰」の風下にさらされた。取材当時も「話していいのか」といぶかる人を「グラスノスチ(情報公開)だよ」と励ます人がいた。超大国も末期の頃、ようやく声を上げる自由がもたらされる▲そのカザフが独立以来、例のない反体制デモに揺れている。燃料高騰に端を発した抗議だが、現政権は治安当局に発砲を認め、死者も出た▲この30年、前大統領のナザルバエフ氏が実権を握り、経済成長は軌道に乗った。「国父」とたたえられ、遷都した首都は彼のファーストネームに改名される。自国のヒバクシャの痛苦も知る人なのだろうが、長きに及ぶ支配に民の不満も募ったのか▲「いかなる国の安全保障も他国の犠牲の上にあってはならない」。カザフの代表は国連総会でこう述べて、核兵器禁止条約への支持を訴えた。非核の理念を語る国に、民に銃口を向ける非道はあってはならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年01月09日  06:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説】:広島・山口に「まん延防止」 医療崩壊、食い止めねば

2022-01-09 06:35:45 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:広島・山口に「まん延防止」 医療崩壊、食い止めねば

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:広島・山口に「まん延防止」 医療崩壊、食い止めねば 

 政府はきのう、新型コロナウイルスの対策で、広島、山口、沖縄の3県への「まん延防止等重点措置」適用を決めた。

 3県では、新たな変異株、オミクロン株が広がり、昨年末から感染が急拡大していた。きのうは新規感染者が沖縄で初めて千人を突破し、広島も400人を超えて過去最多を記録。山口は200人の大台に近づいた。

 全国でも感染は急速に広がっている。きのう、約3カ月半ぶりに新規感染者が6千人を超えた。日本医師会の中川俊男会長が言う通り「全国的に『第6波』に突入した」のは間違いなかろう。医療崩壊を招かないよう、政府は徹底した対策を講じなければならない。

 3県への重点措置の適用は、あすから今月末まで。広島県はほぼ南半分に当たる、広島、福山など県南部の10市と府中、海田、坂の3町、山口県は岩国市と和木町の2市町、沖縄県は全域を、それぞれ対象とする。

 飲食店に酒の提供中止や営業時間短縮などを要請。イベント参加人数に上限も設ける。既に広島や柳井など市町村の多くは、この3連休に予定していた成人式の延期を決めている。

 オミクロン株の特徴は感染力の強さだろう。「想像を絶する感染拡大のスピードだ」と広島県の湯崎英彦知事は指摘している。今のペースが続けば、来週末には1日当たりの新規感染者数が8千人になると県は試算している。早めに手を打たないと、手遅れになりかねない。

 「今から行動変容を」と湯崎知事は県民や事業者に訴えている。強い危機感の表れだろう。

 広島県は「第6波」への備えとして入院病床や、宿泊療養できる部屋を増やしてきた。重点措置で感染拡大にブレーキをかけても、足りなくなる恐れがあるという。1日当たりの新規感染者数が、第6波に向けた想定を大きく上回る見込みだからだ。医療崩壊の瀬戸際にあることを自覚する必要がある。

 今回の感染拡大の背景に政府の水際作戦の欠陥があったことを忘れてはならない。オミクロン株の国内流入を防ごうと力を入れていたが、在日米軍という「抜け穴」があった。日本の検疫を受けずに入国できるからだ。米軍の危機感は薄く、沖縄で感染が広がった後もマスクをせずに基地の外に出ていた。これでは感染拡大は防げまい。

 昨年9月から年末までは、米国を出る時の検査を免除していたという。山口県の村岡嗣政知事が「感染拡大に決定的に大きな影響を及ぼしているのではないか」と強調していた。米軍基地が3県での感染拡大の大きな要因だったのは明らかだろう。

 こうした米軍の対応の甘さを日本政府は黙認してきた。沖縄県は先月、感染対策の徹底を申し入れたが、政府がようやく動いたのは半月後の、おとといだった。林芳正外相が米国務長官に外出制限を含む感染防止策の強化を要請したが、遅きに失した。再発を防ぐには、米軍に特権的地位を与えている日米地位協定の見直しが欠かせない。

 オミクロン株は今のところ、重症化するリスクは低いとみられている。とはいえ私たちは気を緩めるわけにはいかない。マスク着用や3密回避といった基本的対策の徹底を心掛けたい。救えるはずの命を失うことがないようにせねばならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月08日  06:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【天風録】:コロナ時代の新成人

2022-01-09 06:35:40 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【天風録】:コロナ時代の新成人

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:コロナ時代の新成人

 きのう七草がゆをすすり、ほっとした人もいるだろう。セリ、ナズナなど春の七草は新年のごちそうやお酒で弱った胃腸を休めてくれるらしい。多くの地域できょう8日を正月事納めという。正月飾りを片付ける。気分を切り替えなくては

 ▲とはいえ正月の行事や祭りは各地で続く。十日えびすや鏡開きなどがあり、15日は小正月。この日が戦後長く成人の日とされた。昔、元服が1月に行われたこともあって選んだという。今は第2月曜で、ことしは10日

 ▲しかし成人式を延期や中止、動画配信にする自治体が広島、山口の両県で相次ぐ。晴れの日に水を差したのはコロナ「第6波」。新成人も失望したに違いない。一方で貸衣装店や写真館などはキャンセルへの対応に追われているようだ

 ▲成人式では派手さを増す装いや一部の若者のモラル低下が嘆かれもした。だがコロナ時代の新成人の気の毒なこと。受難は成人式にとどまらない。就職先では研修もままならず、オンラインでの講義が続く大学もある

 ▲それでも大人としての自覚は持ってもらわなくては。一緒に明るい社会を築いていきたい。そのためには先輩の大人たちがコロナ対策をまず率先せねばなるまい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年01月08日  06:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:孤独・孤立対策重点計画 公助や共助、今こそ必要

2022-01-09 06:35:35 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【社説】:孤独・孤立対策重点計画 公助や共助、今こそ必要

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:孤独・孤立対策重点計画 公助や共助、今こそ必要 

 政府が昨年暮れに、孤独・孤立対策の重点計画を公表した。新型コロナ禍で深刻化し、菅義偉前首相が野党の国民民主党の提案を丸のみしてまで打ち出した看板政策である。岸田文雄首相が引き継いでいた。

 ただ、約1カ月間に3回重ねた有識者会議の議論を基にまとめた、急ごしらえの感が否めない。生命線とすべき実態把握の調査を踏まえておらず、問題の全体像が見えてこない。

 人々の不安や孤独に寄り添う取り組みは、地道な積み重ねが欠かせない。割り当ての金額だけ、本年度補正予算と新年度予算案で計63億円と先回りで決めることのできた根拠は、どこにあるのだろう。

 重点計画では、基本方針として4本柱を掲げた。(1)支援を求める声を上げやすい社会とする(2)切れ目のない相談支援につなげる(3)見守り・交流の場や居場所づくり、人と人との「つながり」を実感できる地域づくり(4)NPOなどの活動をきめ細かく支援し、官・民・NPOの連携強化―である。

 異論はないものの、「孤独」も「孤立」も一体どの問題を指すのか、よく分からない。生活困窮者の支援にしても自殺防止にしても、既に取り組んできた問題にほかならない。

 広く社会の関心を呼び起こすなら、もっと具体的に課題を示していくことが求められよう。このままでは、孤独・孤立に陥っていることに当事者本人も気付かないのではないか。

 その点、課題掘り起こしのアンテナ役となるNPOの活動支援と連携強化を基本方針に加えたのは評価できる。世界初の孤独担当相を置いた英国では国勢調査に、介護を担っている子ども「ヤングケアラー」の項目があるという。日本でも実態把握に力を入れる必要がある。

 ただ、自分が抱える課題に気付いたとしても、「公的扶助に頼りたくない」「知られたくない」といった負の感情から声を上げぬ当事者は少なくない。有識者会議でも「公助を求めることに対する風当たりが非常に強い」との指摘が複数あった。

 助けてほしいと言える「受援力」の育成が急がれる。

 とりわけ、成長途上の子どもは思いや願いを言い出せないケースがままある。英国には、子どもの権利条約に定める意見表明権を保障する「子どもアドボカシー(弁護)」制度もある。広島県議会の特別委員会でも研究中と聞く。導入に向け、検討を進めてほしい。

 当事者に寄り添い、力づける人材育成では、自殺対策で進む命の門番役「ゲートキーパー」養成研修も、参考になろう。

 声が上げにくい制度上の課題も洗い出さねばならない。窓口まで行かないと話が進まぬ「申請主義」を重点計画で挙げているが、それに限るまい。相談窓口の一本化にこだわるあまり取り残される人はいないか。

 何より急がれるのは、当事者に近い自治体や地域のレベルで支援する仕組みだろう。子ども食堂や社会福祉協議会など、既存の公的資源を居場所や地域づくりにどう生かすか。そんな視点も必要になってくる。

 多くの命を巻き添えにした大阪のビル放火殺人事件で、容疑者の孤立感が取り沙汰されている。社会として何ができるか。公助、共助の出番である。 

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月07日  06:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:げんなりラプソディー

2022-01-09 06:35:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【天風録】:げんなりラプソディー

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:げんなりラプソディー

 音楽でラプソディーとは、形式にとらわれない自由な楽曲を指す。「狂詩曲」との和訳は、聞く者を熱狂させるゆえか、ひょっとして江戸の世にはやった「狂歌」の連想か。上の句がどうあれ、「それにつけても金の欲しさよ」と受ければ出来上がる、あの歌だ

 ▲それにつけても口の軽さよ―。フランス国民のぼやきが聞こえてきそう。新型コロナのワクチン接種を拒む人たちに対し、マクロン大統領が「ぜひうんざりさせたい」と語ったものだから、下院の審議が止まる騒動に

 ▲それにつけても国境の高さよ―。テニスのジョコビッチ選手の胸中やいかに。ワクチン接種を受けない理由説明が不十分だとして、オーストラリア入国が寸前で拒まれた。4連覇がかかる全豪オープンだが、果たして

 ▲それにつけても感染の速さよ―。信じられないスピードで変異株が市中に広まる広島や山口県の一部に、まん延防止等重点措置が適用される。辛抱の日々を再び覚悟するしかなさそうだ

 ▲それにつけても強いオミクロンよ―。世界中に響く「げんなりラプソディー」が聞こえるだろう。おまえの力はよく分かったから、これを子守歌と思い、そろそろ寝静まってくれないものか。 

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年01月07日  06:47:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:オミクロン株拡大 「第6波」全力で備えよ

2022-01-09 06:35:25 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:オミクロン株拡大 「第6波」全力で備えよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:オミクロン株拡大 「第6波」全力で備えよ  

 新型コロナウイルスの国内の新規感染者数が、きのう2千人を超えた。ここ3日間ほぼ倍々で増えており、緊急事態宣言が発令されていた昨年9月下旬の水準にまで逆戻りした。

 変異株「オミクロン株」の急拡大がやはり原因だろう。年末年始に人の移動が増えたことも重なって「第6波」への懸念が現実味を帯びてきた。

 在日米軍基地でクラスター(集団感染)が起きた沖縄県の新規感染者はきのう623人に急増した。玉城デニー知事は「第6波に突入した」との認識を基に、まん延防止等重点措置を国に申請する方針を示した。

 やはり米軍岩国基地のある岩国市では70人、広島県も138人の感染が判明した。米軍基地から周辺に感染が拡大している構図がうかがえる。私たちが暮らす中国地方も、急速な市中感染に見舞われると想定せざるを得ない。政府はこれまでの反省を踏まえ、人材や病床をしっかり確保して医療崩壊を防いでもらいたい。

 政府はオミクロン株対策として外国人の入国を認めない厳格な水際対策を強化してきた。しかし在日米軍は日米地位協定に基づき日本の検疫の規制を受けずに自由に出入りしていた。これだけが原因ではなかろうが、米軍基地内の感染が「抜け穴」になったのは間違いあるまい。

 在日米軍が国内法の適用を受けない危険性は以前から指摘されてきた。市中感染への拡大を懸念し、広島県が岩国基地の司令官に感染防止対策強化を求める要請文を送ったことは理解できる。だが、そもそも在日米軍への対応や感染症対策は、国が責任を持って取り組まねばならない課題ではないか。

 岸田文雄首相は今後、水際対策から国内対策へ軸足を移す考えを示した。陽性者全員を入院させ、濃厚接触者にはホテルなどでの健康観察を求めた対応を見直し、自宅療養を積極的に活用するという。

 医療崩壊を懸念する専門家の意見に応えたものだが、過去のピーク時には病床が足りずに13万人もの自宅待機者が出たことを忘れてはならない。容体が急変したのに十分な治療が受けられずに亡くなるケースも相次いだ。自宅療養に切り替えるのであれば、過去の失敗を繰り返さない、どんな対策を用意したのか。岸田首相は国民に説明をすることが先決だ。

 方針の見直しで感染拡大の可能性が高まることも避けられない。オミクロン株の毒性や感染力を見極めながら、対応は慎重に進めていくべきだ。

 無料のPCR検査拡大や3回目のワクチン接種の前倒しに、急いで取り組む必要がある。期待される米ファイザー社の経口治療薬については、首相が「2月中のできるだけ早い時期に実用化を目指す」としている。実用化に伴い、診断翌日には服用できる供給体制をしっかり築かなくてはならない。

 岸田首相は「一度決まった方針であっても前例にとらわれず柔軟に対応する」と強調している。早めに決断し、方針転換が必要になった場合でも批判を恐れず対応することを求めたい。

 私たちも冷静に行動することが大切だ。マスクを着け、3密を避ける努力を地道に続けることで感染症を何とか封じ込めていかなければならない。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月06日  06:54:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【天風録】:「つかの間」の力

2022-01-09 06:35:20 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【天風録】:「つかの間」の力

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【天風録】:「つかの間」の力

 きのうの東京・豊洲市場の「初競り」で、クロマグロに1688万円もの高値が付いた。もっとも、3億円を大きく上回った3年前に比べると、20分の1。新型コロナ禍による外食産業の苦境の深さを改めて思う

 ▲低迷続きの外食産業だったが、昨年秋にようやく、一息ついたはずだった。それはしかし、つかの間の安らぎだったのか。年末に沖縄の米軍基地で起きたオミクロン株の感染があちこち飛び火。再び振り回されそうだ

 ▲ここ数日、沖縄では倍々ゲームのように新規感染者が増えている。「もはや第6波に突入した」との知事の叫びが、緩んでいた警戒感を呼び戻してくれればいいが。きのうは全国でも2千人を超えた

 ▲私たちにとっても人ごとではなくなってきた。米軍基地のある岩国を中心に近隣の広島市など、足元にも広がりつつあるからだ。年末年始の帰省ラッシュを考えると、今後も増えそうだ

 ▲上れば、コロナ禍の収束が見えてくる…。そう信じて急な階段にも挑んできた。やっと頂上に着いたと思ったものの、まだ途中の踊り場だった感じだろうか。たとえつかの間でも、家族や友人と久しぶりに一息ついて蓄えた力で、立ち向かうしかあるまい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【天風録】  2022年01月06日  06:54:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説】:コロナと日本経済 弱者に配慮ある政策を

2022-01-09 06:35:15 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説】:コロナと日本経済 弱者に配慮ある政策を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:コロナと日本経済 弱者に配慮ある政策を 

 2020年1月に国内で初めて新型コロナウイルスの感染者が確認されて2年になる。コロナ対策は3年目に入った。

 昨年秋にひとまず沈静化したかに見えたものの、オミクロン株の市中感染を含め、感染拡大の傾向が数カ月ぶりに強まっている。岸田文雄首相はきのう年頭会見に臨み、オミクロン株について「水際対策の骨格は維持しつつも重点を国内対策に移す準備を始める」と述べた。

 不要不急の外出を控え、「3密」を避ける意識に緩みが出たことが再拡大の一因ではあるまいか。大勢の人の動きを伴う初詣も帰省も国民は心待ちにしていたのだろう。だが感染拡大の抑え込みまで、いま一度警戒を強め、日々を過ごしたい。

 オミクロン株の対策に手を打つ一方で、日本経済は再生への歩みを止めてはなるまい。

 政府は22年度について実質3・2%の経済成長を見込んでいる。21年度は緊急事態宣言などで経済活動が制約されたため、2・6%にとどまると予測。しかし昨秋以降、感染が一時抑えられて個人消費が持ち直したほか、年末に成立した過去最大の補正予算の効果で、22年度は着実に景気が回復するというシナリオを描いている。

 本紙のアンケートによると、中国地方の主要企業の半数以上が、ことしの国内景気は拡大すると予測していることも期待感の表れだろう。主な理由としては「新型コロナの収束」であり「個人消費の回復」である。感染拡大の抑え込みが最も効果的な景気対策だといえよう。

 「成長と分配の好循環」を掲げる首相の政策に基づき、与党は企業に賃上げを促す減税策を大幅に強化することを決定している。これが個人消費の回復につながるなら異論はない。

 しかしながら経団連の十倉雅和会長は、政権からの期待感は意識しつつも、賃上げは個々の企業の判断だと一定の距離を置く。春闘を控える中で首相の指導力がまずは問われよう。

 コロナ禍は非正規など不安定な雇用形態の人たちに深刻な影響を与えた。突然仕事を失ったり、仕事の日数を減らされたりして収入減を余儀なくされる。とりわけ、子育てや家事のために非正規で働かざるを得ない女性へのしわ寄せは大きい。

 「成長と分配の好循環」を掲げるのなら、労働市場の弱者に配慮した政策もまた求められよう。一律給付の発想を脱し、困窮した人を救える給付の在り方が検討されるべきである。

 また、授業のほとんどがオンラインになって、ゼミもサークル活動も経験できなかった大学生への配慮も求めたい。企業は学生たちの苦境を理解し、積極的な採用に努めてほしい。

 ことしの日本経済を展望する上で、物価の上昇とインフレも過小評価してはならない。

 異常気象やコロナを遠因として世界的に食料価格が高騰しているのだ。食料価格の高騰は所得水準の低い国や階層へのダメージがより大きい。日本に波及すれば、賃金が伸び悩む中で家計負担がさらに増す。企業のコストに影響する場合もあろう。注視しなければなるまい。

 コロナ禍は日本社会のひずみも、あからさまにしたといえよう。そのひずみから目をそらすことなく、経済のかじ取りを首相には望みたい。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月05日  06:54:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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