路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:橋下徹が菅に先駆け「コロナ自宅療養」主張で批判殺到! 

2022-01-10 23:59:50 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:橋下徹が菅に先駆け「コロナ自宅療養」主張で批判殺到! ■論点ずらしと「勉強しろ」でごまかすも町山智浩に手口を見抜かれコテンパン

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:橋下徹が菅に先駆け「コロナ自宅療養」主張で批判殺到! ■論点ずらしと「勉強しろ」でごまかすも町山智浩に手口を見抜かれコテンパン 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【初出 2021.08.10】

 菅政権が唐突に打ち出した「中等症以下は自宅療養」の方針。当然ながらこの方針には大きな反発が巻き起っているが、そんななかこれを「菅首相の大英断」と褒め称えた人物がいる。橋下徹・元大阪市長だ。

 橋下氏は8日放送の『日曜報道 THE PRIME』(フジテレビ)に出演し、この「自宅療養」の方針を「僕は菅首相の今回の方針は大英断だと思っている。福島の処理水を海洋放出することを決めたことにも並ぶくらいだ。とにかく反対の声が湧き上がるようなことをあえて方針決めたことは大英断だ」と絶賛したのだ。

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】橋下徹が菅に先駆け「コロナ自宅療養」主張で批判殺到! 論点ずらしと「勉強しろ」でごまかすも町山智浩に手口を見抜かれコテンパンの画像1

Twitterで連投の橋下氏

 都内では自宅療養中だった50代女性が容態の急変によって亡くなっていたことが7日に判明したように、「自宅療養」とは「自宅放置」にほかならず、「基本、自宅療養」の方針には医師や専門家たちからも「自宅で中等症患者が重症化すれば命の危険もある」「訪問診療体制は十分ではない」という声が相次いでいる。にもかかわらず、橋下氏はそれを「大英断」などと言うのである。

 だが、それも当然だろう。菅義偉首相が「重症患者や重症化リスクのとくに高い人以外は基本、自宅療養」と言い出したのは今月2日のことだったが、この前日、1日放送の同番組では、橋下氏がこう発言していたのだ。

「自宅療養を基本とする、制度化するっていうのは、これは本来は国がやらなければいけないと思うんですよ」
「今まではある意味病院の負担でやっていた。病床を増やせって話だったんですけど、今このフェーズで病床が追い付かないわけですから、それであればいろいろ批判はあるけれど、自宅療養をやらざると得ない。そこに医師会の皆さんの協力を得て、開業医の皆さんにしっかり対応してもらい、これを法制度化すべきだと思う」

 橋下氏がこのように主張した翌日に、菅首相が同じ方針を打ち出す──。まるで示し合わせたかのような流れだが、もしそうであっても驚きはないだろう。実際、菅首相は官房長官時代から橋下氏や松井一郎・現大阪市長と面談を重ねるなど近い関係にあり、さらに最近では総選挙で劣勢が予想されるなか、菅首相が日本維新の会との連立によって政権維持を狙っているという声も出ている。なかには「菅首相が維新の連立政権入りを公明党の山口那津男代表に打診したものの物別れになり、その結果、公明党議員の事務所への東京地検特捜部によるガサ入れにGOサインを出した」という報道もあったほどだ。

 橋下氏が菅首相の方針を先駆けて発信したのか、あるいは橋下氏の主張を菅首相が取り入れたのか、はたまた偶然の一致だったのかは不明だが、しかし、いずれにせよ「自宅療養が基本」という政府方針および橋下氏の主張が危険なものであることには変わりはなく、橋下氏の発言にも批判が起こっている。

 そして、その批判の急先鋒となったのが、映画評論家の町山智浩氏だ。橋下氏の「自宅療養を基本」という発言が報じられると、〈「日本では、自宅療養を基本とする」という法律作るんですか〉とツイート。さらにこのような主張を展開した。

〈いや、他の国みたいに体育館などを接収して、軽度中度の患者を隔離して、家族への感染を防ぎ、重症化に対応できる態勢にすればいいだけじゃないですか?〉
〈自宅では家族に感染を広げるし、急激な重症化に対応できません。軽度、中度の感染者は、大規模収容施設に隔離し、ごく少数のワクチン接種済の医療従事者が完全防備で管理する、というのが多くの国で行われている方法です。〉

 ◆「自宅療養より大規模施設への収容」を指摘した町山智浩に、橋下徹が「医療従事者への指揮命令権」に論点スリカエ

 軽症・中等症の患者は他国のように体育館などの大規模施設で診たほうがいい──。これは町山氏のみならず多くの人が訴えており、当然の意見だが、しかし、これに橋下氏が噛み付いた。

 〈箱を作るのはいいけど医療従事者はどうやって集めるの?こんなアイデアは医療キャパの強制拡大を誰も言い出せなかった昨年から俺は言ってたわ。政治が医療従事者を指揮命令できる法律を作るべきと。でも感染症法の改正では勧告止まり。〉
 〈一部病院や行政だけでなく開業医も含めてどう負担を平準化するか。この箱作りは賛成だが、貴殿は政治の医療従事者への指揮命令権を認めるのか?認めるならまずそれを声高に叫べ。俺のように批判を浴びながらな。次にそのような法律が作れないならどうするか?〉
 〈入院必要患者と不要患者に対する役割分担の原則を明確化すること。俺も政治行政の完全な素人やないんやから貴殿のような理想論は十分踏まえた上で悩みながら考えとんのや。貴殿が思い付くことくらい俺も考えとるわ。そんなアホちゃうで。その先を考えなあかんのや。〉
 〈貴殿のそのアイデアの前提に政治による医療従事者への指揮命令権が必要なことは分かってるか?分かってるならまずそれを叫べ。火だるまになる覚悟でな。まあ貴殿はそこまで考えずに思い付きで言っているか、加えて火だるまになる覚悟もないやろうけどな。〉 

 いつもの威嚇でマウントを取ろうとする橋下氏の顔が容易に思い浮かんでくるが、客観的にみて、橋下氏の言い分はこれまたいつもどおり、ゴマカシに満ちたものだ。

 町山氏は自宅療養を打ち出したことに対して批判しているのに、橋下氏はいつのまにか町山氏の体育館などに収容するアイデアを、「俺も言ってた」として、今度は「医療従事者への指揮命令権が必要」などという問題にすり替えるのである。

 そもそも「医療従事者への指揮命令権」などなくとも医療従事者を集めることはできるはずだ。実際、東京五輪では法的な拘束もないのに7000人もの医療従事者を動員した。だいたい、指揮命令権などと言い出す前に実行すべきは、コロナによってさらに悪化している医療従事者の処遇改善ならびに特別手当などの慰労金の拡充だ。

 橋下氏といえば、今年4月に出演した『報道1930』(BS-TBS)でも、検査で実態を掴むという仕事こそ首長の仕事ではないのかという指摘に対し、“知事に権限がない。法律がない。野党が悪い”と話をすり替え、日本城タクシーの坂本篤紀社長に「アホな議論(笑)」と一刀両断されていたが(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2021/04/post-5854.html)、「権限がない」と言えば相手の主張をシャットアウトできるとでも考えているのだろう。 

 しかも、医療関係者を動員できないというなら、それは自宅療養の場合だって同様だ。というか、自宅療養の場合は、訪問診療や往診などでもっと多くの医療関係者が必要になる。、100軒の家を訪問するのと、1箇所に集められた100人を診るのと、どちらが人数や負担がかかるか、少し考えればわかるだろう。それとも、橋下氏は自宅に文字通り放置するつもりなのか。

 ところが、こうした医療カットの発想が批判を浴びているというのに、橋下氏は「俺のように批判を浴びながらな」「火だるまになる覚悟もないやろうけどな」と、まるで自分だけが覚悟のある人間のふりをして自己正当化を図るである。

 ◆橋下徹が大阪府の重症者センターの例を持ち出し「勉強しろ」と威嚇も、町山智浩が一蹴

 当然ながら、この橋下氏のツイートに対して町山氏は〈医師も看護師も「仕事」です。命令なんかしなくても、ちゃんと仕事として報酬と安全を保障されれば大規模隔離所で働きますよ。しかも、橋本さんの主張する自宅療養の家庭訪問よりもはるかに楽で安全で効率的ですから〉(原文ママ)と応答。

 しかし、橋下氏は、町山氏が挙げた報酬や自宅訪問より安全で効率的という反論は無視して〈で、何床のベッドを用意するのに、何人のドクター、看護師、その他の医療従事者、事務職員を集めるのですか?〉〈何よりも、誰が指揮命令をするのですか?その根拠は?〉と、相変わらず指揮命令権を持ち出す始末。さらにこうもツイートした。

大阪府の吉村知事が重症者センターを作ったときに医療従事者を集めるのにどれだけ苦労したか、その点を勉強してください。コロナ専用病院を作れ!なんてことはとっくのとおに検討済みなんですよ〉

 橋下氏は大阪のコロナ重症センターの例を持ち出し、町山氏に向かって、「勉強しろ」などと言っているが、重症患者専用の病院と軽症・中等症の患者を診る大規模施設ではかかる労力も違うし、繰り返しになるが患者の自宅に訪問するマンパワーを考えればそれをはるかに抑えられる案だ。

 いや、それ以前に町山氏が〈橋下徹さんと維新が大阪の医療を縮小してきたからでしょう? 災害時に備えて余裕をもった医療体制の規模、医療従事者の数をふだんから確保しておかないと、こういうことになるんですよ〉とツッコミを入れていたが、まったくそのとおりというほかない。

 ◆論点ずらしの手口を暴き「こうして間違いを認めずに生きてきたんですね」と指摘した町山智浩に、橋下徹は…

 つまり、橋下氏は「自宅療養を基本に」という自身の主張に寄せられた「大規模施設で診たほうが安全性でも効率性でも現実的」という至極真っ当な意見に対し、何の反論もできず、まったく論点でない「医療従事者集めの困難」「医療従事者への指揮命令権」を持ち出したのだ。

 しかし、この論点ずらしを町山氏は見逃さず、こんな鋭いツイートを放った。

 〈もともと橋下徹さんが自宅療養を主張していたので、「他の国ではナイチンゲール方式だ」と指摘したら、橋下さんは医師に対する強制法へと論点をズラしました。で、橋下さんは元の「自宅療養がいい」という主張の間違いを有耶無耶にしちゃうわけ。彼はこうして間違いを認めずに生きてきたんですね。〉

 すると、この町山氏のツイートがよほど痛かったのか、橋下氏はまたもまくし立てるように反論ツイートを連投した。

 つまり、橋下氏は「自宅療養を基本に」という自身の主張に寄せられた「大規模施設で診たほうが安全性でも効率性でも現実的」という至極真っ当な意見に対し、何の反論もできず、まったく論点でない「医療従事者集めの困難」「医療従事者への指揮命令権」を持ち出したのだ。

しかし、この論点ずらしを町山氏は見逃さず、こんな鋭いツイートを放った。

〈もともと橋下徹さんが自宅療養を主張していたので、「他の国ではナイチンゲール方式だ」と指摘したら、橋下さんは医師に対する強制法へと論点をズラしました。で、橋下さんは元の「自宅療養がいい」という主張の間違いを有耶無耶にしちゃうわけ。彼はこうして間違いを認めずに生きてきたんですね。〉

 すると、この町山氏のツイートがよほど痛かったのか、橋下氏はまたもまくし立てるように反論ツイートを連投した。

 〈ナイチンゲール方式と抽象的に言うのがコメンテーター。中身をしっかり定義しないとダメ。貴殿の言うナイチンゲール方式が軽症者対応の施設なら、日本でもすでにホテル療養施設としてやっている。もし重症・中等症対応の施設のことなら貴殿の言うナイチンゲール方式など世界各国のどこもやっていやい。〉(原文ママ)
 〈やったのは感染初期の中国武漢だけ。あれは中国だからできた。貴殿の写真をよく見なさい。そんな施設では重症者対応などできない。福井の体育館利用施設も。軽症者対応は体育館よりもホテル利用の方がいいのは分かるでしょ?〉
 〈問題は重症・中等症対応。これをナイチンゲール方式でやるには政治が医療従事者に対して指揮命令権を持たなければスタッフが集まらない。ここ数日来、日本の新聞で皆が議論しているから読んでおくように。そして今後軽症者をどうするか?首長は自分の責任でやるというが限界が来る。〉
 〈僕が誤りを認めないとかしょうもないこと言う前に、貴殿はもっと実務上の最低限の知識を勉強すること。自宅療養方針を批判する人たちってこのレベルなんだよな。もっと考えさせられる批判が欲しい。〉 

 町山氏は最初から「軽度中度の患者を隔離」と書いていたのに、この期に及んで「抽象的」「そんな施設では重症者対応などできない」などとお門違いの反論を繰り出すって……。しかも、「軽症者対応の施設なら、日本でもすでにホテル療養施設としてやっている」と言うが、「自宅療養が基本」と主張していたのは橋下氏ではないか。その上、見当違いの難癖をつけておきながら、またも「勉強すること」と言い出し、挙げ句「もっと考えさせられる批判が欲しい」とは……。

 橋下氏といえばテレビではいつも相手に反論の余地を与えないようマシンガントークでまくし立て、司会者もツッコミを入れることなくその主張を垂れ流しにしているが、Twitterではそうもいかず、町山氏に詭弁を見破られてしまった。

 橋下氏は大阪府知事、大阪市長時代から、都合が悪くなると「勉強しろ」「もっと考えて批判しろ」という得意文句で批判を封じてきたが、今回は誰の目にもたんなるゴマカシ、負け惜しみというのは明らかになってしまった。

 ◆今回は大衆も騙されずSNSでも橋下徹に非難が殺到!「反論する隙を与えず捲し立てる手法はテレビでしか通用しません」

 実際、橋下氏の手法にこれまでは騙される人も多かったが、今回の「自宅療養が基本」という主張や町山氏との対決では、Twitterはもちろん、支持者が多く集っているはずのYahoo!のコメント欄でも橋下氏への批判コメントが目立っている。

 〈橋下徹が長文ツイート連投してるけど、相手に反論する隙を与えず捲し立てる手法はテレビでしか通用しませんよね〉
 〈既に医療崩壊してるんだからこれからは如何に効率化するかを考えるべきなのに橋下は法律を盾にできない理由を探しているだけ。目的が法律を変えて政治の支配力を強め自分がその中枢に収まることだから国民の命を救うという一番大切な部分にまるで興味がない。〉
 〈町山氏に論破され、「政治が民間の医療機関に介入して強制的に人材を徴用すべきだ」と主張する橋下徹 もう滅茶苦茶 こいつが菅ちゃんと仲良しで色々吹き込んでるんだけど、菅ちゃん本人は自分で物事を考える能力のないアホだから、どんな妄言でも鵜呑みにしそうなんだよな 怖い怖い〉
 〈でた!まけそうになるとでる「べんきょうしなさい」!こわい!〉
 〈仮に橋下が言うところの仕組みが良いのだとして、じゃぁなぜその準備と整備をしてこなかったのか?コロナ禍になって1年半だよ。何やってたんだよって話。橋下にしたところで、以前からこの主張をしていたのかね?お得意の「俺は前から言っていた」じゃないのか?〉

 すっかり化けの皮が剥がれ、負け惜しみの決め台詞まで見透かされてしまった橋下氏。本サイトでは繰り返し指摘してきたが、そもそも橋下氏は報道番組やワイドショーに連日のように出演する際、政治からは距離を置いたかのように振る舞いながら、維新・菅政権擁護を連発。裏で特定の政治勢力とつながりながら、表ではあたかも「是々非々」のポーズで世論を騙しながら誘導してきた人物だ。今回の「自宅療養が基本」という主張も完全に菅首相と一致しているが、このあからさまな今回の誘導に、さすがに多くの人が橋下氏の詐術に気付いたということなのかもしれない。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【不仲・論争】  2021年12月31日  10:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! 

2022-01-10 23:59:40 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! ■片山さつき、世耕弘成、麻生太郎、石原伸晃ら自民党政治家も同罪だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! ■片山さつき、世耕弘成、麻生太郎、石原伸晃ら自民党政治家も同罪だ 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【初出 2021.08.15】

 メンタリストのDaiGoが、生活保護受給者やホームレスについて「必要のない命」などと発言したことが大きな問題になっている。 

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】 生活保護攻撃と弱者排除はDaiGoだけではない! 片山さつき、世耕弘成、麻生太郎、石原伸晃ら自民党政治家も同罪だの画像1

謝罪動画をアップしたDaiGo

 当然だろう。「僕は生活保護の人たちに、お金を払うために税金を納めてるんじゃない」「生活保護の人に食わせる金があるんだったら猫を救ってほしい」と生活保護受給者を完全否定した上、「ホームレスの命はどうでもいい」「どちらかというといないほうがよくない、ホームレスって?」「正直。邪魔だしさ、プラスになんないしさ、臭いしさ、治安悪くなるしさ、いないほうがいいじゃん」などと、ホームレスに対する排除までを肯定したDaiGo。

 人の命に優劣をつけ、自分にとって“価値のない”者の命は殺されてもかまわないというその発言は優生思想そのものだ。しかも現実にホームレスが襲撃されたり殺人される事件は多数起きているなか、DaiGoの発言はこうしたホームレスや生活困窮者に対するヘイトクライムを誘発しかねない非常に危険なもので、断じて許されるものではない。

 DaiGoはその後、2度にわたる謝罪動画をアップしたが、自身の発言の問題が何なのか理解し反省しているとは到底思えない。動画のプラットフォームであるYou Tubeや、DaiGoを起用しているメディアも、差別発言に対して明確に否定するメッセージを発信する責任があるだろう。 

 しかし、DaiGoの一件であらためて指摘しておかなくてはならないのが、生活保護受給者やホームレス攻撃が、DaiGoだけの思想ではなく、現在の日本社会で広くはびこっているものであるということだ。

 しかも、自民党政治家たちこそが近年、生活保護バッシング・弱者バッシングを扇動してきたことを見逃してはならない。

 その筆頭格が片山さつき・元総務相だろう。現在も続く生活保護バッシングの嚆矢となったのが、2012年にもちあがった次長課長の河本準一の親族による生活保護問題だった。このケースは不正受給など違法にあたるものではなかったが(後の法改正で扶養義務が強化されることになる)、この河本の問題を利用して、生活保護バッシングを仕掛けた急先鋒が参院議員の片山さつき氏だった。

 ◆生活保護バッシングの仕掛人・片山さつきは「生活保護を恥だと思え」という趣旨の発言まで

 片山さつきはこの河本の母親の生活保護問題で連日のようにテレビ、雑誌に出演。不正受給だけでなく、「生活保護は、親族扶養や血縁者による支え合いなど日本の伝統的モラルを破壊している」「生活保護は、権利ばかり主張して義務を果たさない人々を生み出す」「生活保護は働けるのに働かない人々を生み出す」などと生活保護制度を全面否定し、さらには「生活保護って他人が払った税金で食べさせてもらっているってこと」「ずっと誰かに養われ続ける人をそんなに作りたい理由はなに?」「生活保護を恥と思わないのが問題」と、生活保護受給者の人格まで否定するような差別発言を行っていた。

 また、片山議員は2016年の『NHKニュース7』に端を発した“貧困女子高生バッシングのときも騒動に乗っかり、ツイッターで“貧乏人は贅沢するな!“と言わんばかりの批判を公然とおこなっている。

 しかし、こうした発言は片山議員だけではない。この時期、安倍前首相の側近である世耕弘成参院幹事長も生活保護バッシングに加担。雑誌で「税金で生活を見てもらっている以上、生活保護受給者の権利が一定程度制限されるのは仕方ない」というどう考えても憲法違反としか思えない主張をしている。

 また、自民党国会議員ではないが、橋下徹氏も大阪府知事・大阪市長時代に徹底した生活保護バッシングを展開している。不正受給でもなんでもない生活保護の申請者に違法な圧力を加えるなどして、生活保護費を圧縮。2014年には「生活保護受給者にも一定の負担はお願いする」「働ける人に働いてもらうのは当たり前」「日本のルールは甘すぎる。憲法25条の改正も必要」などという発言までしている。

 いまさら言うまでもないが、生活保護は憲法25条で保障された当然の権利だ。ところが、こうした政治家の言動により、「生活保護は税金泥棒」「生活保護は恥」という空気が社会に広がっていった。

 そして、2012年12月の衆院選で自民党・安倍晋三総裁は「生活保護の給付水準を10%引き下げる」という公約を掲げて政権に復帰。生活保護費の削減を断行し、13年には生活保護の申請厳格化という「水際作戦」の強化ともいえる生活保護法改正と生活困窮者自立支援法を成立させてしまったのである。

 ◆麻生太郎は高齢者に「いつまで生きてるつもりか」、石原伸晃は胃ろう患者を「エイリアン」

 政治家が攻撃を仕掛けてきたのは生活保護受給者だけではない。障がい者、高齢者など社会福祉の当然の対象である弱者に対しても、こうした露骨な差別や排除発言が向けられてきた。

 石原伸晃・元幹事長は、2012年2月に胃ろう患者が入院する病室を視察した際に、「エイリアンが人間を食べて生きている」と発言。また、2012年12年9月に出演した『報道ステーション』(テレビ朝日)では、社会保障費削減について問われると、生活保護をネット上の蔑称である「ナマポ」という言葉で表現した上、「私は尊厳死協会に入ろうと思っている」と発言、延命治療をやめて尊厳死を認めることで医療費がカットできるといった考えを露呈させた。 

 きわめつきは麻生太郎副総理だ。老後を心配する高齢者について「いつまで生きているつもりだよ」と発言したり、「たらたら飲んで、食べて、何もしない人(患者)の分の金(医療費)を何で私が払うんだ」「飲み倒して運動も全然しない(で病気になった)人の医療費を、健康に努力している俺が払うのはあほらしくてやってられんと言っていた先輩がいた。良いことを言うなと思った」などと国民皆保険制度を否定するようなことを繰り返し発言してきた。

 そして、自民党の政治家やその支持者であるネトウヨたちによるこうした弱者バッシング・弱者排除の空気をエスカレートしていくなかで起きたのが、2016年の相模原障害者殺傷事件だった。

 そういう意味では、生活保護バッシングやヘイトクライムはたまたま起きたものではない。

 小泉首相から安倍首相へと引き継がれてきた新自由主義政策は、公的な責任を個人の責任へと転嫁する「自己責任論」を振りかざし、人の価値をコストで推し量るものだ。

 政治家たちが責任転嫁のために行った扇動が優生思想まがいの弱者排除を社会に浸透させ、弱者である国民がより弱者の国民を攻撃するというグロテスクな状況を生み出した。

 ◆DaiGoの生活保護・ホームレス差別・排除発言も新自由主義台頭の延長線上に出てきた可能性

 そして、この状況は今も変わっていない。日本政府は国連の社会権規約委員会から〈生活保護につきまとうスティグマを解消〉するようにという勧告さえ受けているが、菅政権にもこれを是正する動きはない。

 それどころか、コロナ禍で生活に困窮している人が増えているのに、菅首相は「自助」を掲げ、自己責任を押し付け続けている。

 実際、コロナ以降も、生活保護受給者がほとんど増えておらず、昨年、10万円の一律給付がおこなわれた際は、橋下徹・元大阪市長や百田尚樹らが生活保護受給者への給付は必要ないと大合唱した。

 そういう意味では、今回、DaiGoの生活保護、ホームレス差別・排除発言がこうした政治の動きの延長線上に出てきたと考えるべきだろう。この数年、政治家の弱者排除と自己責任論がエスカレートする一方で、それに呼応するように、堀江貴文らのネオリベ自己啓発ビジネス本がブームになっていった。その多くは社会全体の構造的な問題を個人の責任に矮小化し、弱者切り捨ての自己責任論をぶつものだが、DaiGoはまさに、そうした自己啓発ビジネス本の著者の一人である。

 もちろん、こうした政治的背景によってDaiGo自身の発言の危険性や罪がいささかも減じられるわけではないことは言うまでもないが、同時に10年近くに渡って生活保護バッシング・困窮者バッシングを扇動してきた自民党政治家たちの責任も、あらためて問う必要があるだろう。(本田コッペ

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【差別】  2021年12月31日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:スポーツ選手に「五輪問題」を問うのは“誹謗中傷”ではない!  ■五輪開催に異を唱えた有森裕子、平尾剛が語る「アスリートと社会」

2022-01-10 23:59:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:スポーツ選手に「五輪問題」を問うのは“誹謗中傷”ではない!  ■五輪開催に異を唱えた有森裕子、平尾剛が語る「アスリートと社会」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:スポーツ選手に「五輪問題」を問うのは“誹謗中傷”ではない!  ■五輪開催に異を唱えた有森裕子、平尾剛が語る「アスリートと社会」 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【初出 2021.08.02】

 五輪選手に対するSNSでの誹謗中傷問題がクローズアップされている。たしかに、選手の出自やルーツを攻撃するヘイトスピーチや容姿をあげつらう差別・ルッキズムなどは断じて許されない。また、負けた選手に対して、人格否定や個人攻撃をするような発言もつつしむべきだ。

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】スポーツ選手に「五輪問題」を問うのは誹謗中傷ではない! 五輪開催に異を唱えた有森裕子、平尾剛が語る「アスリートと社会」の画像1

左・有森著『スマイル・ランニング フォー・レディース』/右・平尾著『脱・筋トレ思考』 

 ただ一方で懸念されるのは、東京五輪アスリートに対する正当な批判までもがタブー化することだ。

 実際、東京五輪開催をめぐる議論ではその傾向がある。開催前から、五輪の強行開催への反対が高まるとともに、スポーツ選手やスポーツ界に対して、五輪強行に疑義を抱かないことへの批判、社会状況を考えずに五輪開催を無自覚に喜んでいることへの疑問、医療逼迫の実態を認識するよう求める声が向けられていたが、こうした批判についても「選手に向けるべきではない」などという声がまかり通り、「誹謗中傷」と混同・すり替えられてきた。

 しかし、「選手に責任はない」「選手に罪はない」「目の前の競技に集中するのが選手の仕事」「努力してきたのだから、選手が開催を喜ぶのは当たり前だ」などというのは、本当にそうなのだろうか。  

 五輪は通常のスポーツイベントより単に規模が大きいだけでなく、公共性も極めて高い。ましてや今回の日本のように開催国ともなれば、莫大な予算・インフラ・人的資源が注がれ、「興味がなければ見なければいい」では済まされず、反対している人も含め多くの人の生活が否応なく巻き込まれる。

 ましてや、いまは世界的パンデミックの真っ最中だ。新型コロナウイルス対策に割かれるべき人的・物的資源が五輪に投入され、国民の生活や健康が危機にさらされているのだ。

 そこに参加する選手たちが、競技だけでなく、社会に対する視点を持つことは必要だし、開催の是非についても意見を求められるのも当然だろう。

 実際、スポーツ界でも少ないながらこうした主張をしている人はいる。

 ◆有森裕子「アスリートファーストじゃなく社会ファーストであるべき」

 スポーツ界で声を上げているひとりが、マラソン五輪メダリストの有森裕子氏だ。有森氏といえば、コロナ以前から、五輪の被災地置き去りや膨れ上がる費用などに異を唱え、「アスリートファーストである前に、社会ファーストであるべき」と組織委の五輪至上主義を批判してきた。

 コロナ下での開催強行についても疑問を呈してきた。たとえば今年3月、NHKの討論番組で開催の是非が議論された際、元マラソン選手でスポーツジャーナリストの増田明美氏やIOC委員の渡辺守成氏、組織委の中村英正氏らスポーツ関係者が開催に前のめりな意見を主張するなか、毅然と異を唱えた。

 オリパラ感染対策をめぐる議論では、「こっちは『(医療が)逼迫して大変』と困っているのに、なぜこっちは『(医療体制を)確保している』と言えちゃうの?という。これが(ニュースとして)一緒に流れたときに、この矛盾をどう理解すればいいか、国民の不安は拭えない」と指摘。

 さらに増田氏が開催の意義について「スポーツに触れれば元気になる」「理屈じゃない」といった能天気な主張をしたのに対して、有森氏はこう反論した。

「選手のこととか、スポーツのことを思うのは一回やめてほしい。それを応援している人たち、それに日常的に関係しない人たち、その人たちあってのスポーツじゃないですか」

 「アスリートファーストじゃない。社会ファーストじゃないですか。社会がちゃんとないとスポーツできないんですもん。社会があって、その下に人間がより健康に健全に生きていくための手段としてスポーツがあり、文化があり、そこのひとつなんです。そのひとつに大きなイベントとしてオリンピックがある。ちゃんとした社会と健全な人たちのもとで守られてできていっている」

 「(社会に対する)愛と言葉が足りなさすぎるんじゃないですかって思う」

 また、今年2月にNHKのラジオ番組『増田明美のキキスギ?』にゲスト出演した際も、反対世論が高まるなかでの五輪の意義について問われ、こう語っている。

 「競技者だったから競技者寄りのことを言うってみんな当たり前に思われてると思うんですけど、私自身は今まさに、だからこそ、外に目を向けたり思いを向けた時にやっぱり考えなきゃいけないかなっていう。だから、最悪のケースを考えた上で、それをじゃあどうやったらその最悪にならないように、これは強引に進めるものでもないですし、っていうのは何か思ってますね」

 有森氏は元アスリートとして「アスリートファーストじゃない。社会ファーストであるべきだ」ときっぱり明言。そして、スポーツは社会の一部であり、スポーツ界もスポーツのことだけを考えるのではなく、社会に対する意識と言葉を持ち発するべきだということを真正面から主張していた。

 ◆ラグビー元日本代表の平尾剛「人生がかかっているのは、アスリートだけじゃない」

 また、ラグビー元日本代表の平尾剛氏も、同様の視点で、ツイッターなどで五輪開催に反対する発言をしている。東京スポーツ(7月24日配信)のインタビューでも、こうした問題について平尾氏は丁寧に語っている。

 「できるだけ感染拡大を抑えるために、僕は今からでも中止にするべきだと思う。ほぼ無観客になったけど、有観客の試合もまだある。社会で住むということは他者との共生なのに、そのために必要な倫理観みたいなものがどんどん壊されている」
「五輪を巡ってのさまざまな動きの中で浮き彫りになっているのが人命の軽視です。どう考えても優先順位が違うだろうと」

 「アスリートや元アスリート、競技関係者は当事者として自分の意見を述べないといけないと思う。意見を発しにくいのは分かるが、ほとんど「無風状態」なのはいかがなものか。社会を生きる人間としての責務を果たしてほしい。」

 「アスリートは「人生をかけてやってきた」と言うが、それこそ人生が立ち行かなくなっている人たちがアスリート以外にもたくさんいる。飲食店の経営者をはじめ、市井を生きる人たちもまた「人生がかかっている」。他の文化的イベントも相次いで中止になっているのに、五輪だけが特例を重ねてまでやるべきなのかということに対して、当事者の意見を発しないまま開催に突き進むのは違うと思う」

 有森氏の主張も、平尾氏の選手への苦言もまさしく正論だろう。

 しかし、現実には、ほとんどの選手はだんまりを決め込み、政権が決めた方針に嬉々として従っている。そのことを批判すると、政権応援団だけではなく、多くの国民が「選手に責任はない」「選手に罪はない」「目の前の競技に集中するのが選手の仕事」「努力してきたのだから、選手が開催を喜ぶのは当たり前だ」と選手を擁護する。

 そして、大坂なおみ選手や女子サッカー日本代表の人種差別への抗議行動に対するバッシングが象徴するように、社会の問題点を指摘したり、現状への疑問を述べただけで、「スポーツ選手が政治に口出しするな」「スポーツに政治を持ち込むな」などとバッシングに晒される。

 こうした状況の背景にあるのは、日本社会のスポーツに対する歪んだ神聖視だ。スポーツ選手を擁護し批判を封じる際に、彼らは「スポーツ選手は無垢で純粋な存在である」という大義名分を持ち出す。

 しかし、実のところ、スポーツは純粋どころか、政治との距離が極めて近い。東京五輪が、より現実的な2年延期ではなくリスクの高い1年延期となったのは、当時の安倍晋三首相の政治的野心のためだし、世界中で感染が収束せず安全も公正さも担保されないにもかかわらず開催が強行されているのも、菅自民党政権の選挙対策のためだ。

 ◆河村元官房長官の五輪政治利用発言を平尾剛は「これがスポーツウォッシング」と批判

 実際、自民党の河村建夫・元官房長官は、7月31日におこなわれた会合で「五輪で日本選手が頑張っていることは、われわれにとっても大きな力になる」「五輪がなかったら、国民の皆さんの不満はどんどんわれわれ政権が相手となる。厳しい選挙を戦わないといけなくなる」と発言。あからさまに五輪を政治利用する発言をした。

 前出の平尾氏は、この河村元官房長官の政治利用発言について、ツイッターでこう強く批判した。

〈これが「スポーツウォッシング」です。ここまであからさまなのに憤りも危機感も感じないスポーツ関係者は、取り込まれてるんですよね、もう。スポーツを守ることより強者の側に立つことを選んだんです。〉(8月1日)

 スポーツ選手が沈黙を保つことは、中立でも無垢でもなく、それこそが政治や権力につけ込まれ利用されることにつながるのだ。

 今回のオリンピックをめぐっても、体操の内村航平選手をはじめ「選手が何を言おうが世界は変わらない」と言う選手もいたが、誰か一人でも勇気を持って「再延期をして有観客で万全な大会を」と主張していれば、少なくない世論が味方しただろうし、状況は変わっていただろう。

 先日、政治学者の中野晃一・上智大学教授が「スポーツ選手をバカと誹謗中傷した」と炎上していたが、中野教授はスポーツ選手全体をバカと言ったのではない。中野教授はそれ以外にも、こんなツイートをしている。

 〈こんな状況でも「アスリート・ファースト」とか言ってオリンピックが開催されて、選手たちが何も言わずに済んでることの政治性は意識しておいたほうがいいと思いますよ。オリンピックと権力と金とマスコミの親和性の高さ、ようは都合がいい。ライブハウスや居酒屋は声を上げざるを得ない。無視される。〉(7月28日)

 〈ひたむきな選手に罪はないって、ひたむきな飲食店はどうすんのってだけじゃなく、その中から山下泰裕や橋本聖子が出てきてこんなことになってんだぞ。政治性がないわけ(ない)でしょ。
最近日本スポーツ協会に改称した日本体育協会って組織があって森喜朗みたいなのが歴代会長やってて詳しくはググってくれ。〉(7月11日)

 これも明らかに正論だが、しかし、こうしたツイートまでもが、「誹謗中傷だ」と非難されるのがいまの日本の状況なのだ。

 あらためて言うが、スポーツが政治に都合よく利用されないためにも、そして、国民生活を圧迫する隠れ蓑に使われないためにも、スポーツ選手やアスリートを聖域にしてはならない。社会状況を認識していないスポーツ選手、自分たちが関わる五輪の是非という問題にまで沈黙するスポーツ選手には、きちんと批判の声を上げていく必要がある。(本田コッペ

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 芸能・エンタメ 【スポーツ】  2021年12月31日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:五輪サッカー・久保建英が南アの陽性者判明に「僕らに損ではない」とフェアネス欠く発言!

2022-01-10 23:59:20 | 【スポーツ全般・屋内外の競技種目・オリ、パラ、デフリンピック・国民スポーツ大会】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:五輪サッカー・久保建英が南アの陽性者判明に「僕らに損ではない」とフェアネス欠く発言! ■日本有利の不公平はびこる東京五輪

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:五輪サッカー・久保建英が南アの陽性者判明に「僕らに損ではない」とフェアネス欠く発言!  ■日本有利の不公平はびこる東京五輪

 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【初出 2021.07.21】

 23日の開会式に先立ち、本日21日から競技がスタートした東京五輪だが、早速、感染対策をおざなりにする姿勢が露わになっているのが、明日22日におこなわれるサッカー男子1次リーグ初戦だ。U-24日本代表と対戦するのが、選手2人とスタッフ1人が新型コロナ陽性となり、多数の濃厚接触者が出ている南アフリカ代表チームなのだが、予定通り試合が強行されそうなのだ。

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】五輪サッカー・久保建英が南アの陽性者判明に「僕らに損ではない」とフェアネス欠く発言! 日本有利の不公平はびこる東京五輪の画像1

東京2020オリンピック競技大会公式ウェブサイトより

 東京五輪組織委員会は濃厚接触者となった選手について、相手チームの了解を得た上で試合前6時間以内にPCR検査で陰性となれば出場できるとし、サッカーの場合、出場可能選手が13人を下回った場合は不戦敗となる。南アフリカ代表チームで現在、濃厚接触者に認定されているのは18人におよんでいるが、スポーツ報知によると、組織委の幹部は「最後の運営はIF(国際競技連盟、サッカーはFIFA)が決めることだが、もちろん情報を共有しながら協議している。予定通りだということです」と明言。どうやら試合がおこなわれる可能性が高いらしい。

 本来ならば14日間の隔離が必要な濃厚接触者を、偽陰性が出ることもあるPCR検査だけで出場可能としてしまえば試合によって感染を広げる可能性があり、安全安心どころか「危険な博打」としか言いようがない。

 しかも、そんなななかで、当の日本代表選手から信じられないような発言が飛び出した。その選手とは、日本代表の「攻撃の」だと注目を集めているMFの久保建英選手だ。

 本日配信された「サッカーダイジェストWeb」の記事によると、オンライン取材に応じた久保選手は、初戦で対戦する南アフリカ代表チームに陽性者や多数の濃厚接触者が出ていることについて、こうコメントしたという。

 「僕らにとってマイナスではない。僕らに陽性者が出ていたらマイナスですけど、いまのところゼロなので、自分たちのことに集中したい。こんなこと言っていいか分からないですけど、損ではない。自分たちのことにフォーカスしたい」

 南アフリカ代表チームは陽性者や濃厚接触者が出て、本来の戦力で戦えない状況に追い込まれているというのに、「僕らにとってマイナスではない」「損ではない」と言い放つ──。「こんなこと言っていいか分からないですけど」と留保をつけているが、この発言は、あまりにも無神経だ。

 ◆コロナによる不公平な状況を是正せず、より地の利を生かそうとする日本の競技団体

 南アフリカでは6月以降、感染拡大の第3波に晒されており、サッカー代表チームも当初は21人の選手を招集していたが、出国前に「医療上の理由」によって5人がチームを離脱、追加招集できた選手も3人だけとなっていた(ダイアモンド・オンライン20日付)。

 南アフリカのノトアン監督は陽性者が出たことなどについて、会見で「予期していなかったし、精神的にはとても難しい。思ったようにここまではきていないし、どう100%の力を出せるか確認しないといけない」と語っていた。

 実際、自国開催である日本代表選手とは違い、直前に来日する海外の代表選手たちは長時間、一般客と交ざりあったかたちで飛行機に乗るという大きなリスクを抱えて日本に入ってきている。つまり、国によって新型コロナ対応やワクチン接種状況も大きく違うだけでなく、「バブル」が弾けたなかで来日する海外選手はその時点で圧倒的にリスクが高く、不利な状況にあるのだ。

 そうした状況で感染者が出てしまったというのに、そのチームと対戦する日本代表選手が「僕らにとってマイナスではない」「損ではない」とコメントするというのは、無神経というだけでなく、スポーツのフェアネス精神を欠いていると言わざるを得ない。

 しかし、こうした不公平な状況への鈍さは、久保選手に限った話ではない。

 もともと自国開催の五輪は自国チームに有利だが、コロナの影響でその「アンフェア」さがさらに増している。

 たとえば、本番に向けた調整をおこなう事前合宿では、新型コロナを理由に中止した自治体が相次ぎ、大会直前に選手村に直接入ることを余儀なくされた選手は多い。さらに、練習相手を連れて来られないというハンディもある。このように、ホームグラウンドでの出場となる日本選手とは違い、海外選手の多くが事前に現地入りして調子を整えることができていないのだ。

 さらに、インドなど特定の国に対して組織委は6月、来日後3日間、他国との練習試合や合同練習を認めないなどの対策を打ち出し、これにインドのオリンピック委員会は「不公平で差別的だ」と反発する文書を出すという事態も起こった。

 ようするに、海外の選手やチームは選手が出場できなくなったり、満足な事前合宿や練習がおこなえないという非常に不利な状態に置かれているのだ。

 ところが、日本の各競技団体はこうした不公平さを是正するどころか、 “いまこそ地の利を活かせ”とばかりに狡猾な手段に出ている。たとえば、メダル獲得が有望視されている卓球や柔道、レスリングなどの選手団は選手村に入らず、使い慣れた施設で調整をおこなって本番に挑むことになっている(共同通信17日付)。

 ◆吉田麻也「ソーシャルワーカーだけでなく、選手たちも命かけている」という発言の問題点

 おそらくこの不公平な状況を考えると、今回の東京五輪は日本選手の金メダルラッシュが起きるだろう。しかし、それで金メダルがたくさん獲得できて本当に喜べるのだろうか。

 北京五輪の馬術障害飛越個人で金メダルを獲得したカナダのエリック・ラメーズ選手は、感染リスクの懸念から代表最終選考を辞退した際、このような声明を出していた。

「五輪はアスリートの祭典であるが、東京では心の底から楽しめないだろう。五輪を祝う時ではない」

 この「心の底から楽しめない」というのが普通の感覚ではないか。にもかかわらず、日本の競技団体はより自国に有利になるような環境を整え、日本代表のスター選手が「損はない」などという発言をおこなう。これはフェアネスに対する意識、そして社会のなかでのスポーツという視点があまりに欠けていると言わざるを得ない。

 実際、五輪日本代表選手からはほかにも、社会への視点を欠いたスポーツ至上主義的な発言が飛び出している。

 そのひとりが、久保選手と同じ男子サッカーU-24日本代表の吉田麻也選手だ。吉田選手は17日、オンライン会見で無観客での開催になったことについて「真剣にもう一度検討していただきたいと心から思っています」と有観客開催の再検討を訴えた。

 無観客でも感染拡大が懸念されているというのに、それでもなお有観客にこだわること自体、あまりに社会的視点に欠いているが、絶句したのはこのあとだ。

「国民の税金をたくさん使って、その国民が見にいけない。選手たちも毎日、命を懸けて戦っている。その家族だって一緒に戦ってくれている。その人たちも見られないのはクエスチョンです」
「ソーシャルワーカーの方々が毎日命かけて戦ってくれていることは重々理解しているし、五輪がやれるということに感謝しなきゃいけない立場にあるのは理解しています。けど、忘れないでほしいのは、選手たちもサッカーに限らず毎日命かけて人生かけて戦っているからこそ、ここに立てている選手たちばかりです。人生かけている選手ばかりだし、この五輪にかけている選手は山ほどいると思います。だからそのためにも、なんとかもう一度考えてほしいなと」

 この発言にはSNS上で「よくぞ言ってくれた!」などという称賛の声があがっていたが、勘違いも甚だしい。

「ソーシャルワーカーが毎日命をかけて戦っている」ことと、「選手たちが毎日命かけて人生かけて戦っている」ことは、まったく意味が違う。選手たちの「命をかけて」はただの意気込みや比喩でしかないが(実際、負けたとしても命を失うわけじゃない)、医療従事者やソーシャルワーカーはコロナ患者の命を救うべく、自分自身が命の危険に晒されながら、本物の「命をかけて」戦っているのだ。

 吉田選手の発言は、「命」という言葉が持つ本来の意味をはき違え、社会状況や人間の本当の命に対する視点を欠いている。

 ◆体操の内村航平の「五輪がなくなったら、死ぬかもしれない」発言の裏にあるスポーツ至上主義

 「命」といえば、体操の内村航平選手も同様の発言をしていた。今年1月、「もしこの状況で五輪がなくなってしまったら、大げさに言ったら死ぬかもしれない」「それだけ命かけてこの舞台に出るために僕だけじゃなく東京オリンピックを目指すアスリートはやってきている」などと発言したのだ。

 内村選手はほかにも「“できない”ではなく、“どうやったらできるか?”を考え、どうにかできるように考えを変えてほしい」だのと口にしてきたが、結局は自分の努力を披露する場のことしか頭になく、この世界的パンデミックで大げさではなく「死ぬかもしれない」状況に置かれている人がごまんといる現実や、五輪開催がさらなる感染拡大の引き金になるという指摘の重大さがわかっていない。五輪代表選手という選民意識、スポーツ至上主義と言われてもしようがないのではないか。

 アンフェアな状況下での「僕らにとってマイナスではない」という久保選手の発言しかり、世界中で400万人以上がコロナによって死亡している現実のなかで「選手も命がけ」「死ぬかも」などと軽々しく口にする吉田選手や内村選手。──そもそも不公平な大会になることを理解しながら開催を強行した政府や組織委、IOCの「不公正さ」も重大な問題だが、こうした日本代表選手たちによる不公正や不条理を疑わない「社会への視点の欠如」も、大きな問題だと指摘しておきたい。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 芸能・エンタメ 【スポーツ】  2021年12月31日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:ワクチン供給停止の元凶・河野太郎が英語版Twitterで“日本のワクチン接種量”を自慢! 

2022-01-10 23:59:10 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:ワクチン供給停止の元凶・河野太郎が英語版Twitterで“日本のワクチン接種量”を自慢! ■ 海外からツッコミ殺到で世界中の笑い者に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.31】:ワクチン供給停止の元凶・河野太郎が英語版Twitterで“日本のワクチン接種量”を自慢! ■ 海外からツッコミ殺到で世界中の笑い者に

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。(編集部
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【初出 2021.07.03】

 菅義偉首相が「全国民のワクチン接種を11月までに完了」とぶち上げてから約1カ月。いよいよワクチンの一般接種が本格化するかと思いきや、ここにきて深刻な事態に陥っている。国からのワクチン供給不足により、予約の新規受け付けを停止する自治体が全国で続出しているからだ。

 大阪府大阪市では集団接種や各医療機関での個別接種の1回目接種を今月12日から一時停止すると発表。各医療機関が今月12日以降受け付けた1回目の接種の予約は8月以降にずらすよう求めている。また、兵庫県神戸市では6月以降、ファイザー製ワクチンが市の希望量に対して国からの供給量が半分以下に。7月も希望を大幅に下回る見込みであるとし、すでに予約済みの少なくとも約5万人の1回目接種予約をキャンセルすると発表した。

 さらに、7月5日以降に予定していた基礎疾患のない59歳以下の予約受け付けを延期すると発表した兵庫県明石市では、泉房穂市長が供給不足を先月25日に西村康稔・経済再生担当相へ直接訴えたものの、「県にお願いするか、自分で他の市に掛け合ってくれ」と袖にされたことを公表。TBSの取材では、泉市長は「明石市はスピード感をもって対応した結果、国の対応によっていきなり接種できなくなる」「本当に国を信じた結果、市民に迷惑をかけることになって、市長としては『国を信じてごめんなさい』という感じ」と語っていた。 

 この泉市長の言葉が象徴的であるように、混乱の元凶は国、菅政権にある。菅政権は「7月末までに高齢者接種を完了させる」とぶち上げたあと、自治体に対して圧力をかけてまで接種スピードを早めろと急かしてきたからだ。

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】ワクチン供給停止の元凶・河野太郎が英語版Twitterで日本のワクチン接種量を自慢! 海外からツッコミ殺到で世界中の笑い者にの画像1
河野太郎英語版Twitter

 とくにその強権性をむき出しにしてきたのが、ワクチン担当の河野太郎規制改革相だ。河野大臣は不具合が頻発していた「ワクチン接種記録システム」(VRS)の問題も棚に上げて、「(VRSへの入力が)あまりに遅いところは1クール(2週間分の配送)飛ばすこともあり得る」などと露骨な恫喝をかけた。本来は自治体の声をよく聞き、問題を調整・解決しながら要望に応えるといった密な連携が図られるべきなのに、一方的に“お上の指示に従え”と言わんばかりに振る舞ってきたのだ。

 ところが、河野大臣は昨日2日、7月下旬のワクチンの配分量が希望量の3分の1あまりりになるとして「希望量の配送ができない」と発言。「今後は、手持ちの在庫をうまく使いながら、スピードを最適化して、供給量に応じたスピードをお願いをしたい」と言い出したのだ。

 「手持ちの在庫をうまく使え」というのは、あたかも自治体が在庫を溜め込んでいるような言い方だが、実際には、首都圏の1都3県では〈すでに予約されている分を除くと「在庫」のワクチンは一切ない〉(日本テレビ2日付)という状態となっているのだ。だいたい、これまで一方的に“もっとスピードアップしろ”と号令をかけておいて、いまになって「スピードを最適化しろ」とは、身勝手にも程がある。

 ◆ワクチン供給停止なのに河野太郎は英語版切り取りデータで「日本のワクチン接種。悪くないでしょう?」

 これは6月21日から鳴り物入りではじまり、河野大臣が「ストップするくらい頑張って」と発破をかけた企業や大学での職域接種でも同様だ。政府が職域接種では家族や取引先、学生や地域住民も含めるよう求めていたというのに、河野大臣は同月22日に「過大な摂取量を申請しているところが散見される」「このまま行くと、余剰ワクチンが相当数発生をする恐れがある」などと発言。そして、同月25日には確保量を申請分が上回ったことから申請を一時休止し、昨日2日には申請されたものの承認がまだ終わっていない分の開始時期について「7月中にはじめるのは非常に難しい」と発表した。この、申請したものの未承認となっているのは800万人分に相当する可能性があるという。

 ようするに、自治体接種にしろ職域接種にしろ、国が確保量・確保時期や重症・感染リスクの高い人への段階的な接種に応じた適切な接種計画を立てず、自治体などの都合も無視して「打てるだけ打て!」と野放図に進めた結果、ワクチン供給が需要に追いつかなくなってしまったのである。

 当然、これらの混乱の責任は菅首相と河野大臣にあるのは言うまでもない。ところが、河野大臣はその責任を重く受け止めるどころか、あっけにとられるような発信をおこなっていた。

 すでに全国の自治体からワクチン供給不足の悲鳴があがっていた6月27日、河野大臣はお得意の英語で発信している自身のTwitterアカウントに、世界のコロナ関連データを集計している「Our World in Data」の「人口100人あたりの1日のワクチン投与量」(7日間平均)の表を貼り付けた上で、こんな投稿をおこなったのだ。

〈Vaccination in Japan. Not bad, isn’t it?〉(日本のワクチン接種。悪くないでしょう?)

 たしかに、現時点を指す部分では日本はトップに立っており、そのすぐ下にドイツ、イタリア、フランスとつづき、かなり下がってヨーロッパ平均、イギリス、世界平均、さらに下がってアメリカとつづいている。だが、あまりに当たり前の話だが、この表で最下位のアメリカや低い水準のイギリスといった国は今年1〜2月の段階から接種をスタートさせており、すでにかなりの量を接種し終えている。対して日本は、それらの国から遅れに遅れて接種をスタートさせ、ここ最近になって急激に右肩上がりとなっている。
 
 ようするに、この表を見てわかることは、日本がいかに接種スタートが遅く、そしていまになってようやくピークにあるということと、ここで挙げられているほとんどの国では日本と比べ物にならない段階から接種が早く進み、すでにピークを超えている、ということだ。にもかかわらず、河野大臣は日本がいまトップにあるということを誇示して、「日本のワクチン接種。悪くないでしょう?」などと得意げに英語で発信したのだ。繰り返すが、かたや全国の自治体から「国からのワクチン供給が足りない!」という悲鳴があがっていた最中に、である。

 ◆海外などから〈国際的笑いもの!〉〈供給停止はどうなった〉〈基本的な統計の訓練を受けろ〉のツッコミ

 このワクチン担当大臣の頭が悪すぎる愚行にはクラクラするが、当然、この投稿には英語でツッコミが相次ぐことに。しかし、ドヤ顔で投稿したものにツッコミが続出したことがあまりに悔しかったのか、河野大臣は昨日2日にも懲りずに〈Japan vs. Europe, lately.〉(日本対ヨーロッパ、最近)と投稿。しかも、次に貼り付けてきた表は、日本とヨーロッパ諸国の「1日のワクチン投与量」(7日間平均)を比較したもの。前回は人口100人当たりの接種量だったが、今度は総人口での接種量を持ち出したのだ。

 もちろん、この投稿にも海外、あるいは日本在住の外国人からツッコミが殺到。以下、翻訳した上でいくつか紹介しよう。

 〈それはすばらしいですが、人口比の数字を見ては?〉
 〈こんなこと議論する気力もありません。ヨーロッパは、日本よりはるかにワクチン接種が進んでいます〉
 〈笑 ただの荒らし(トロール)だ〉
 〈私はイギリスにいて、婚約者は東京にいます。イギリスでは全員とは言わないまでもほとんどの人がワクチン接種済みです。私の友人や家族は2カ月前の時点で完全に接種済みです。なのに、東京の私の婚約者はまだ接種券さえいまだに届いてません!笑 あなた、国際的笑いものですよ!〉
 〈私は友人の会社に予備があったのでワクチンの誘いを受けましたが、73歳の日本人の義理の母は1回目の接種までまだ2、3週間待たなければなりません。あなたの知り合いやあなたの働いている場所より高齢者世代を優先させるべきです。〉
 〈供給問題は解決したんでしょうか? このグラフはよく見えますが、1週間以内に接種はほとんどなくなるでしょう、政府がまともにまとめられないから〉
 〈日本のワクチン供給が減っているのはなぜですか?なぜすべての市町村が新規予約をやめたのですか?これを説明してください。〉
 〈もしフランスにいれば、私はいまごろワクチンをすでに接種できていただろう。日本で予約を取ろうとして接種券がないことを理由に断られるなんて目に合うこともなく〉

政治家は、基本的な統計の訓練を受ける義務があります〉

 正しすぎるツッコミばかりだが、このようにバカ丸出しで「日本スゴイ!」をひけらかし、河野大臣は世界の笑い者となってしまったのだ。

 ◆それでもSNS では「河野さん頑張ってる」と吉村知事と同じ現象! パフォーマンスに簡単に騙される国民

 だが、河野大臣が自治体をさんざん振り回し、計画性もなく接種を押し進めた結果、いまの混乱が起こっているというのに、SNS上では相変わらず“河野信者”による「河野さんはがんばっている」という擁護が目立つ。それは医療崩壊を招きながらもいまなお「がんばっている」と支持者が声援を送る吉村洋文大阪府知事とそっくりだ。

 実際、吉村知事はテレビに出演しつづけ、大阪の吉本芸人らはこぞって「吉村さんがんばってはる」とエールを送ってきたが、河野大臣も同じように、テレビ出演やTwitterでの発信、さらには職域接種の申請を一時ストップしたあとであるにもかかわらず、吉本興業やKADOKAWAグループの職域接種を視察するなど、パフォーマンスにばかり力を入れている。また、自身が負うべき責任を現場に転嫁し、恫喝まがいの強い発言を連発する点もよく似ている。結局、こうしたパフォーマンスに騙されて、「河野さんはがんばっている」「リーダーシップがある」などというあまりに実態とかけ離れた評価がなされてしまうのだろう。

 だからこそ、騙されてはいけない。河野大臣が今後の供給体制や自治体に丸投げの責任放棄を働かないか、注視しなくてはならないだろう。(野尻民夫

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【失言・炎上】  2021年12月31日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.30】:安倍晋三が櫻井よしことの対談で「反日的な人たちがオリンピック開催に反対」と暴言! 4年前の「こんな人たち」発言の再現

2022-01-10 23:58:50 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.30】:安倍晋三が櫻井よしことの対談で「反日的な人たちがオリンピック開催に反対」と暴言! 4年前の「こんな人たち」発言の再現

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.30】:安倍晋三が櫻井よしことの対談で「反日的な人たちがオリンピック開催に反対」と暴言! 4年前の「こんな人たち」発言の再現

安倍晋三が櫻井よしことの対談で「反日的な人たちがオリンピック開催に反対」と暴言! 4年前の「こんな人たち」発言の再現の画像1
安倍晋三Twitterより

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【初出 2021.06.30】

 安倍晋三・前首相が元気ハツラツだ。東京都議会議員選挙が告示された25日には首相退任後はじめて自民党候補の応援に駆けつけてマイクを握ったかと思えば、秋に控えた総選挙に向けて全国行脚までスタート。一方、自身のTwitterアカウントでは、赤木俊夫さんが遺した「赤木ファイル」の一文を切り取って自己正当化を図るという下劣な投稿をおこなったばかり(詳しくは既報参照)。

 

「赤木ファイル」を利用して潔白を主張するのならば、まずは森友公文書改ざん問題の再調査開始を自ら訴えるべきだし、選挙運動のために全国行脚するより前に河井案里氏の選挙買収事件で自民党本部が支出した1億5000万円の関与について説明をするべきなのは言うまでもない。

 しかし、そうした国民に向けて果たすべき説明責任からは逃げながら、最近ではBSフジやニッポン放送といった御用メディアの番組に登場しては、コロナに乗じて憲法改正を声高に叫ぶ始末。

 だが、そんななかでもあ然とさせられたのは、現在発売中の「月刊Hanada」(飛鳥新社)8月号に掲載された、櫻井よしこ氏との対談記事だ。この対談のなかで安倍前首相は、東京五輪の開催に反対する人たちのことを「反日的」などと攻撃しているのである。

 まず、この対談は6月9日におこなわれた党首討論の話題からスタート。そこで安倍前首相は、立憲民主党枝野幸男代表について「「枝野さんは非常に自己愛が強いので、批判されることに耐えられないのではないか」と見る人もいます」「インタラクティブ(双方向)な議論を避ける特徴があります」などと批判。「自己愛が強くて批判に耐えられない」のも「双方向の議論を避ける」のもアンタのことじゃないか、と呆れずにはいられないが、一方で安倍前首相は党首討論で菅義偉首相が長々と繰り広げた前回の東京五輪の「思い出話」を「評価されるべき内容」と絶賛。東京五輪の意義について、こう語りだすのだ。

 「この「共有する」、つまり国民が同じ想い出を作ることはとても大切なんです。同じ感動をしたり、同じ体験をしていることは、自分たちがアイデンティティに向き合ったり、日本人としての誇りを形成していくうえでも欠かすことのできない大変重要な要素です」
 「日本人選手がメダルをとれば嬉しいですし、たとえメダルをとれなくてもその頑張りに感動し、勇気をもらえる。その感動を共有することは、日本人同士の絆を確かめ合うことになると思うのです」
 「(前回の東京五輪では)日本再デビューの雰囲気を国民が一体となって感じていたのだと思います」
 「このコロナ禍のなかにあって、来年は北京冬季オリンピックが予定されていますが、自由と民主主義を奉じる日本がオリンピックを成功させることは歴史的な意味があり、また日本にはその責任がある」
 
 ◆五輪反対の声を「政治的な意図」「反日的な人たち」と決めつけ! 五輪を政治利用したのは安倍自身なのに

 自身が繰り返してきた「復興五輪」「人類がコロナに打ち勝った証」というフレーズはどこへやら。ようするに、安倍前首相にとって東京五輪の開催は「日本人としての誇りを形成」「日本人同士の絆を確かめ合う」「日本再デビュー」などという全体主義、国粋主義のためのものでしかないのだ。その上、北京冬季五輪の前に日本で開催することに「歴史的な意味がある」「日本には責任がある」って、そんなネトウヨの威信のために国民の命と安全を引き換えにしようとは、たまったものではない。

 というか、そもそも五輪開催がこれだけ混乱しているのは、安倍自身が昨年3月、自分の総理在任中に五輪を開き、政治利用しようと、周囲の「2年延期」の声を押し切って1年以内の延期をゴリ押ししたからじゃないか。

 ところが、安倍前首相はその責任や、変異株の脅威や感染拡大への懸念をまったく口にしない。そして「来日した外国人が日本で感染して、帰国してからその国で感染が拡大する心配がある」という野党の指摘を櫻井氏が「菅政権を引きずりおろすために五輪を政治利用している、と言わざるを得ません」と批判すると、安倍前首相はこのように語ったのだ。

「極めて政治的な意図を感じざるを得ませんね。彼らは、日本でオリンピックが成功することに不快感を持っているのではないか。共産党に代表されるように、歴史認識などにおいても一部から反日的ではないかと批判されている人たちが、今回の開催に強く反対しています。朝日新聞なども明確に反対を表明しました」

 東京五輪の開催に反対する意見が多いのは、感染拡大医療提供体制の逼迫に東京五輪の開催が追い打ちをかけるのではないかという心配や不安が大きく、さらには国民には我慢を強いながら五輪だけは特別扱いにするという不公平感、感染防止対策の実効性や開催リスクを政府がまったく説明できていない不信感からだ。そして、開催に疑義を呈しているのは野党や朝日新聞だけではなく、多くの国民や海外メディアからも反対の声があがっている。にもかかわらず、安倍前首相は「反日的」な人たちが「今回の開催に強く反対」しているなどと党派的・思想的な問題に矮小化したのである。

 安倍前首相は2017年におこなわれた前回の都議選の応援演説中に「安倍やめろ」と声をあげた市民を指差し「こんな人たちに負けるわけにはいかない!」と言い放ったが、今回もそれと同じ。つまり、自分の考えに従わない、同調しない人びとはみな敵であり、東京五輪に反対する者は「反日的」だと決めつけ、攻撃対象に仕立て上げるのである。

 ◆ワクチン予約の欠陥を報じた朝日・毎日に「システムがうまくいかないようにしてやろうという悪意を持ってやった」

 もはやウンザリするほかないが、勢いづいた安倍前首相の暴言はこのあともつづく。安倍前首相といえば、自衛隊によるワクチン大規模接種センターの予約システムに欠陥が見つかったと朝日新聞出版の「AERA dot.」や毎日新聞、日経BPの「日経クロステック」が報道した際、〈朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目〉などとツイート。朝日と毎日だけを狙い撃ちした露骨な報道弾圧をおこなったが、今回の対談でもその話題を蒸し返し、「朝日新聞出版の『AERA』や毎日新聞などが架空の不正予約を行い、「システムにこんな欠陥があるぞ」と世の中に示し、批判した」と朝日と毎日を名指しした上で、こんな決めつけをおこなっている。

「極めて悪質な妨害愉快犯だと言わざるを得ません。「システムがうまくいかないようにしてやろう」という悪意を持ってやったとしか考えられません」

 政府が導入したシステムの欠陥をメディアが検証・指摘することは当然の行為であり、公共性・公益性が非常に高い。実際にこれらの報道があったからこそ予約システムの改修をおこなうと政府も表明した。にもかかわらず、またしても「極めて悪質な妨害愉快犯」と言い、「悪意を持ってやったとしか考えられません」と一方的に決めつける──。しかも、同じ内容を報じた日経は「など」扱いで、朝日と毎日だけを名指しして、だ。
 
 この対談では、安倍前首相がそのほかにも問題発言を連発。たとえば、安倍政権下では防衛費が膨れ上がる一方で社会保障費が削られ、その結果、この国の医療体制がいかに脆弱かがコロナによって明らかになった。にもかかわらず安倍前首相は「第二次安倍政権ができるまで、残念ながら十年間にわたって防衛費は削られ続けました。第二次政権発足から増え始め、八年連続増加しています」と成果として誇り、「さらなる防衛費の増額とスピードアップが必要になっていくでしょう」と発言。また、この国のワクチン接種状況はG7先進国のなかでもダントツの遅れをとっているが、安倍前首相は「国産ワクチンの製造で出遅れてしまったことは、七年八カ月、政権を担ってきたなかで反省点の一つです」と言うだけ。ファイザーなど海外製薬企業とワクチン供給にかんして「基本合意」などというあやふやな約束しかできず確保に出遅れたことの責任は一切無視した。

 このように、国民への説明責任から逃げ回る一方、御用メディアで東京五輪反対派やメディアに対する攻撃を煽り、反省もなく好き勝手言いたい放題になっている安倍前首相。このような知性のかけらもなく無反省な男が7年8カ月も首相を務めてきたことにはあらためて震撼せずにはいられないが、さらに恐ろしいのは「再々登板」を狙っていることだ。

 この対談でも、櫻井氏が「いまどなたにお会いしても「やっぱり安倍さんにもう一度、三度目の登板をしていただきたい」と言われます」「多くの国民が「安倍ロス」に陥っています」と持ち上げると、安倍前首相は「大変光栄なことですが、それは全く考えておりません(笑)」などと返答。だが、2007年に体調不良を理由に首相を辞任したあとも当初は再登板を否定しながら、櫻井氏ら極右応援団が担いだ神輿に乗って首相に返り咲いた。こうして極右雑誌に登場し、仮想敵を派手に攻撃することで求心力を高め、再々登板に弾みをつけるという同じ茶番を再現するつもりなのはミエミエだ。

 しかし、繰り返すが、安倍前首相には森友・加計や「桜を見る会」、選挙買収事件への関与など、疑惑が山積み状態なのだ。首相を辞めたからといってそれらを有耶無耶にはできない。今後も「まだ禊は済んでいない」とツッコミを入れつづけていくしかないだろう。(野尻民夫

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 社会 【右翼・左翼】  2021年12月30日  09:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.30】:赤木ファイル公開で明白になった佐川元理財局長の直接指示! 改ざん指示は安倍首相から菅官房長官、菅から佐川のルートが濃厚に

2022-01-10 23:58:40 | 【公文書・国民の知る権利・国民共有の知的資源・情報公開・権力者による隠ぺい】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.30】:赤木ファイル公開で明白になった佐川元理財局長の直接指示! 改ざん指示は安倍首相から菅官房長官、菅から佐川のルートが濃厚に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.30】:赤木ファイル公開で明白になった佐川元理財局長の直接指示! 改ざん指示は安倍首相から菅官房長官、菅から佐川のルートが濃厚に 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【初出 2021.06.22】

 本日22日、ついに森友学園への国有地売却をめぐる公文書改ざんの経緯を記した「赤木ファイル」が公開された。

 「赤木ファイル」は近畿財務局職員として改ざん作業を強いられ、自死にまで追い込まれた赤木俊夫さんが記したもので、妻の赤木雅子さんが国を相手取った訴訟で提出を要求してきた。ところが、政府は国会では「訴訟に影響を及ぼす」としてファイルの存否すら明らかにせず、一方で裁判所に対しては「ファイルは裁判に関係せず、存否について答える必要がない」などと回答。矛盾も甚だしい姑息な二枚舌を使って「赤木ファイル」を隠し通してきた。

 そして、本日明らかになった518ページにもおよぶ「赤木ファイル」は、そうやって必死に政府が隠してきた理由がわかる内容となっていた。

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】赤木ファイル公開で明白になった佐川元理財局長の直接指示! 改ざん指示は安倍首相から菅官房長官、菅から佐川のルートが濃厚にの画像1

自民党HPより

 そのひとつが、改ざん当時、財務省理財局長だった佐川宣寿氏の直接指示を示す記述だ。たとえば、2018年6月に公表された財務省による調査報告書では、2017年3月20日に〈理財局長からは、同年2~3月に積み重ねてきた国会答弁を踏まえた内容とするよう念押しがあった。遅くともこの時点までには、理財局長も、決裁文書の書き換えを行っていることを認識していたものと認められる〉と記述。佐川氏の関与は要領を得ない表現によってぼかされていた。

 ところが「赤木ファイル」では、2017年3月20日におこなわれた財務省本省からの指示について、はっきりとこう記していた。

〈売払決議書(売払調書)は佐川局長から国会答弁を踏まえた修正を行うよう指示(調書の開示により新しい情報を与えることがないよう)があったとのこと〉

 ようするに、佐川氏は「決裁文書の書き換えを行っていることを認識していた」などというようなレベルではなく、直接、具体的に改ざん指示をおこなっていたのだ。財務省の調査報告書では佐川氏の関与について、〈応接録の廃棄や決裁文書の改ざんの方向性を決定付けたものと認められる〉〈一連の問題行為の全貌までを承知していたわけではない〉などとしていたが、やはり改ざんを直接指示していたのである。

 それだけではない。今回公開された「赤木ファイル」では、財務省がはじめて近畿財務局に対して改ざん指示をおこなった2017年2月26日に送られたメールの文面も添付。そこには、〈今後開示請求があった際のことを踏まえると、現時点で削除した方が良いと思われる箇所があります〉〈近畿局の決裁文書につづられている調書等を修正・差し替えするとともに、当該修正後の文書を本省にメール送付いただけますでしょうか〉などという生々しい指示が。

 さらには、このメールには、安倍昭恵氏をはじめ、安倍晋三首相(当時)や麻生太郎財務相といった政治家の名前を削除するための修正内容を具体的に指示する資料も付けられていたのだ。

 ◆菅に調査を命じていた安倍 菅は首相秘書官となっている寺岡光博を使って……

 このように、佐川氏による直接指示といった新事実が判明したのだから、佐川氏はもちろんのこと、近畿財務局に対して改ざんを指示した財務省の人物に対する再調査が必要だ。ところが、政府はこの期に及んでも「赤木ファイル」にマスキングを施しており、近畿財務局に改ざんを要求した財務相本省の人物の名前などを黒塗りにして提出したのだ。

 その上、麻生太郎財務相は黒塗りにしたことについて「個人のプライバシーや情報セキュリティなどに限定した」と言い張り、「財務省としてできる限りの調査を尽くしており、再調査は考えていない」などと再調査を拒否したのである。 

 すでに調査報告書との矛盾は明らかになっているというのに、何が「調査を尽くした」だ。しかも、調査報告書では〈今後、新たな事実関係が明らかになるような場合には、更に必要な対応を行っていくこととなる〉と記していたのだ。「赤木ファイル」とこれまでの政府の説明の矛盾点については、明日おこなわれる大阪地裁での口頭弁論などによって今後どんどん明らかになっていくはずだが、再調査の拒否は当然、許されるものではない。「赤木ファイル」に基づいた第三者による再調査によって、改ざんの経緯をいまこそ明らかにすべきだ。

 そして、その再調査によって解明が必要なのは、財務省だけではなく「安倍官邸」の指揮系統、つまり最初に改ざんを指示した人物のあぶり出しだ。

 安倍官邸および財務省は「佐川が自分の答弁に合わせて文書書き換えを命じた」というシナリオで事を進めてきたが、一介の理財局長がこのような大規模な国家的犯罪を独断で実行できるわけがないのは当たり前の話。そもそも、佐川氏の当初の国会答弁は「適正に処理した」という当たり障りのないもので、佐川氏の答弁が強気なものに変わるのは、安倍首相の「私や妻がかかわっていたら総理も国会議員も辞める」という2017年2月17日の答弁以後のことだ。大きな政治の力、つまり官邸が佐川氏に改ざんを命じなければ、こんなことはできない。

 しかも、安倍首相は「総理を辞める」宣言のあと、当時の菅義偉官房長官に「私の家内の名前も出ましたから、しっかりと徹底的に調べるように」と指示を出していたことを国会でも認めている。そして、菅官房長官はこれを受けて、同月22日に財務省の佐川理財局長と中村稔・総務課長、太田充・大臣官房総括審議官(いずれも当時)を呼び出しているのである。改ざんがはじまったのは、その2日後、2017年2月24日のことだ。つまり、ここで菅官房長官が佐川氏や太田氏らに改ざんを命じた可能性が濃厚なのだ。

 さらに、日本共産党が独自入手した2017年9月7日におこなわれた太田理財局長(当時)と国交省の蝦名邦晴航空局長(当時)らの話し合いを記録した文書では、太田氏は会計検査院の報告書への介入を口にすると同時に、こうも述べている。

 「両局長が官邸をまわっている姿をマスコミに見られるのはよくない。まずは寺岡を通じて、官房長官への対応をするのが基本だ」

 この「寺岡」というのは、当時、菅官房長官の秘書官を務め、今年1月からは内閣総理大臣政務担当秘書官、つまり菅首相の首席格の秘書官となっている寺岡光博氏のことを指していると思われる。ようするに、当時、菅首相は右腕の寺岡氏を使い、会計検査院の報告や国会対応をどうごまかすかなどの相談をおこなっていたのだ。

 ◆改ざんの発端にも関わらず、何一つ責任取らず、政治的復権を狙う安倍前首相

 もちろん、ここまでして菅氏が事実の隠蔽工作に走ったのは、森友学園に8億円も値引きして国有地が売却された背景に安倍首相の妻・昭恵氏の存在があり、その不自然な土地取引の内実や、昭恵氏の秘書による財務省本省への口利きの事実などが公になれば政権が吹き飛ぶと危機感を持ったからにほかならない。つまり、当時の安倍首相を守るために、官房長官だった菅首相が佐川氏らに公文書の改ざんを命じた疑いが強いのだ。

 ところがどうだ。「私や妻がかかわっていたら総理も国会議員も辞める」などと宣言し、改ざんにいたる原因をつくった安倍氏は、森友はもちろん、加計学園や「桜を見る会」といった政治の私物化問題について何ひとつ責任をとることもなく、新型コロナ対応で後手後手だと批判を浴びると「持病」を理由に首相をやめ、よりにもよって菅氏に首相の座を禅譲。公文書改ざん問題だけでも、2017~18年のあいだに安倍政権がおこなった虚偽答弁の数は少なくとも計139回にものぼると衆院調査局も認めているというのに、である。 

 その上、ここにきて安倍氏は、自民党憲法改正推進本部最高顧問のほか、数々の議員連盟の顧問に就任。党内での発言力を高めると同時に極右発言を連発することで支持者からの求心力を再び強め、最近では「再々登板」の声まであがっている。まるで何事もなかったかのように、完全に調子づいているのだ。

 遺書に〈最後は下部がしっぽを切られる〉と綴って自殺を遂げた赤木俊夫さんの口癖は「ぼくの契約相手は国民です」というもので、改ざん行為にも涙を流してまで抵抗したという。「赤木ファイル」でも、冒頭に赤木さんは以下のようなことをつづっていた。

 「現場の問題意識として決裁済の文書の修正は行うべきでないと財務省本省に強く抗議した。本省が全責任を負うとの説明があったが納得できず、過程を記録する」

 ひとりの人間の良心と正義を、この国の政治はどのように踏みつけにしたのか──。あくまで「赤木ファイル」は財務省本省から改ざん指示を受けた近畿財務局職員の赤木さんが作成したものであり、財務省本省に対しておこなわれた指示、つまり佐川氏の「上」にいた誰の指示によって改ざんがおこなわれたのかを解明することは難しいだろう。だからこそ、第三者による徹底した再調査によって、いまこそ本当の“犯人”を明らかにしなくてはならない。それは赤木さんのためだけではなく、当たり前の政治を取り戻すために、国民にとって必ず必要なものなのである。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【不祥事・トラブル】  2021年12月30日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.29】:JOC経理部長の飛び込み自殺で囁かれる「五輪招致買収」との関係…竹田恒和前会長、森喜朗前会長、菅首相も疑惑に関与

2022-01-10 23:58:30 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.29】:JOC経理部長の飛び込み自殺で囁かれる「五輪招致買収」との関係…竹田恒和前会長、森喜朗前会長、菅首相も疑惑に関与

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.29】:JOC経理部長の飛び込み自殺で囁かれる「五輪招致買収」との関係…竹田恒和前会長、森喜朗前会長、菅首相も疑惑に関与 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【2021.06. 07初出】

 衝撃的な一報が飛び込んだ。本日9時20分ごろ、東京都品川区の都営浅草線中延駅で、日本オリンピック委員会(JOC)幹部である50代男性が電車に飛び込み、搬送先の病院で死亡が確認されたと報じられたからだ。電車の運転士は「男性がホームから線路に入ってきた」と話しており、警視庁自殺とみているという。

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】JOC経理部長の飛び込み自殺で囁かれる「五輪招致買収」との関係…竹田恒和前会長、森喜朗前会長、菅首相も疑惑に関与の画像1

日本オリンピック委員会公式HP

 東京五輪の開催まで50日を切り、開催準備に追われる組織の幹部が電車に飛び込み──。それだけでもセンセーショナルだが、さらに衝撃だったのは、自殺したとみられるこの男性がJOCの経理部長だったということだ。

 詳しい経緯はわかっていないが、経理部長ということは、東京五輪に絡んだ金の流れを把握していると考えられる。そして、ここで思い起こさずにはいられないのは、JOCの竹田恒和・前会長による「招致買収」疑惑だろう。

 周知のように、東京五輪をめぐっては招致委員会が国際オリンピック委員会(IOC)の委員だったラミン・ディアク氏の息子であるパパマッサタ・ディアク氏が関係するシンガポールの会社「ブラック・タイディングズ社」(BT社)の口座に招致決定前後の2013年7月と10月の2回に分けて合計約2億3000万円を振り込んでいたことが判明したが、この不正疑惑についてのJOCの調査チームは2016年、「違法性はない」とする調査報告書を公表した。

 ところが、2019年1月にはフランス当局が招致の最高責任者だった竹田JOC会長を招致に絡む汚職にかかわった疑いがあるとして捜査を開始したことが明らかに。さらに2020年9月にはBT社の口座からパパマッサタ氏名義の口座や同氏の会社の口座に2013年8月〜14年1月までに約3700万円が送金されていたことが、国際調査報道ジャーナリスト連合などの取材によって判明した。

 パパマッサタ氏の父であるラミン・ディアク氏は五輪開催地の決定においてアフリカ票の取りまとめに影響力を持つ有力委員だった。そんなラミン氏の息子・パパマッサタ氏が深くかかわると見られるBT社の口座に対し、東京への招致が決定した2013年9月7日のIOC総会の前後におこなわれていた招致委からの約2億3000万円もの送金と、招致委からの送金の直後におこなわれていたBT社からパパマッサタ氏への送金──。しかも、国際調査報道ジャーナリスト連合やフランス当局の捜査資料からは、パパマッサタ氏が〈BT社を自身の財布同様に使っていた様子が明らか〉(毎日新聞2020年9月21日付)だという。

 このように東京招致を目的とした贈収賄疑惑はさらに濃厚になっており、フランス当局による捜査はいまも継続中だ。当然、JOCに対しては「再調査をおこなうべき」という指摘がなされてきたが、そうした金の流れの“事実”を知っていたかもしれない人物が、このタイミングで自ら命を絶ったのである。

 しかも、この招致買収疑惑については、さらに深い闇がある。というのも、このディアク親子への賄賂に、なんと菅義偉首相がかかわっていたという疑惑まであるからだ。

 ◆セガサミー会長が暴露した菅首相からの「買収工作資金」依頼 3〜4億を森会長の財団に振り込み

 この問題を伝えたのは、「週刊新潮」(新潮社)2020年2月20日号。記事によると、五輪の東京開催が決まった2013年秋ごろ、セガサミーホールディングスの里見治会長が東京・新橋の高級料亭で開いた会合で、テレビ局や広告代理店の幹部を前に「東京オリンピックは俺のおかげで獲れたんだ」と豪語し、こんな話をはじめたというのだ。

 「菅義偉官房長官から話があって、『アフリカ人を買収しなくてはいけない。4億~5億円の工作資金が必要だ。何とか用意してくれないか。これだけのお金が用意できるのは会長しかいない』と頼まれた」

 このとき、里見会長は「そんな大きな額の裏金を作って渡せるようなご時世じゃないよ」と返したが、菅官房長官は「嘉納治五郎財団というのがある。そこに振り込んでくれれば会長にご迷惑はかからない。この財団はブラックボックスになっているから足はつきません。国税も絶対に大丈夫です」と発言。この「嘉納治五郎財団」とは、森喜朗・組織委前会長が代表理事・会長を務める組織だ。

 この菅官房長官からの言葉を受け、里見会長は「俺が3億〜4億、知り合いの社長が1億円用意して財団に入れた」とし、「菅長官は、『これでアフリカ票を持ってこられます』と喜んでいたよ」と言うのだ。

 なんとも衝撃的な証言だが、しかもこれは“酒席でのホラ話”ではなかった。というのも、「週刊新潮」の取材に対し、セガサミー広報部は「当社よりスポーツの発展、振興を目的に一般財団法人嘉納治五郎記念国際スポーツ研究・交流センターへの寄付実績がございます」と嘉納治五郎財団への寄付の事実を認め、さらに「週刊新潮」2020年3月5日号では嘉納治五郎財団の決算報告書を独自入手し、2012年から13年にかけて2億円も寄付金収入が増えていることを確認。関係者は「その2億円は里見会長が寄付したものでしょう」と語っている。

 もし、里見会長に買収のための資金提供を依頼していたのが事実ならば、菅首相は官房長官という国の中枢の要職に就きながら五輪の招致を金で買うというとんでもない悪事に手を染めていたという、まさしく世界を揺るがす一大スキャンダルである。

 ◆ロイターが森会長に疑惑をぶつけた直後、嘉納治五郎財団が活動を終了

 しかも、この嘉納治五郎財団をめぐっては、さらなる疑惑がある。2020年3月、ロイター通信は組織委の理事である高橋治之・電通顧問が招致委から約8億9000万円相当の資金を受け取り、IOC委員らにロビー活動をおこなっていたと報じたが、その際、嘉納治五郎財団にも招致委から約1億4500万円が支払われていたと報道。つまり、この嘉納治五郎財団を介して買収工作がおこなわれた可能性があるのだ。ちなみに、菅首相は昨年12月15日、高橋理事と会食をおこなっている。

 嘉納治五郎財団をめぐる疑惑については、昨年11月にトーマス・バッハIOC会長の来日時におこなわれた記者会見で、ロイターの記者が直接、当時の森会長に「これは何のために使ったのか」とぶつけたのだが、森会長は「私は実際の経理や金の出し入れというのは直接担当しておらず、おっしゃったようなことがどこまでが正しいのか承知していない」などと返答していた。 

 だが、この直後の昨年12月末、嘉納治五郎財団は活動を終了。ロイターの報道では、東京都の担当者も「(同財団の)活動が終了することについては説明を受けていないし、知らなかった」と答えているように密かに活動終了していたわけだが、これはロイター記者に直接追及され、疑惑の深堀りを恐れ慌てて畳んだのではないかと見られていた。

 このように、森前会長や竹田JOC前会長、招致委、電通、さらには菅首相の名が取り沙汰されてきた東京への五輪招致をめぐる買収疑惑。そして、東京五輪が開催され成功すれば無視されるであろうこうした疑惑も、中止となれば追及がおこなわれる可能性もある。

 そうしたなかで、こうした一大疑惑を知り得る立場にあったかもしれない人物が自殺をしたのである。

 これまでも、政界をめぐるさまざまな疑獄が起きるたびに、秘書や金庫番と呼ばれる人物が自殺を遂げ、「とかげのしっぽ切り」と訝しむ声があがってきた。

 今回、自殺した経理部長がどこまで事実を知り得る立場にいたのかはわからないが、いずれにしても、招致買収疑惑を闇に葬ることは許されない。フランス当局だけに任せるのではなく、日本のマスコミが独自に徹底した追及をすべきだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【事件】  2021年12月29日  10:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.29】:竹中平蔵「パソナ」の純利益が前年の10倍以上、営業利益も過去最高に! 東京五輪と政府のコロナ対策事業を大量受注、巨額中抜きの結果か

2022-01-10 23:58:20 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.29】:竹中平蔵「パソナ」の純利益が前年の10倍以上、営業利益も過去最高に! 東京五輪と政府のコロナ対策事業を大量受注、巨額中抜きの結果か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.29】:竹中平蔵「パソナ」の純利益が前年の10倍以上、営業利益も過去最高に! 東京五輪と政府のコロナ対策事業を大量受注、巨額中抜きの結果か 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【2021.06. 01初出】

 東京五輪大会の準備業務ディレクターの日当が35万円、管理費・経費を含めると日当42万円になる──。先日、本サイトでも取り上げた東京五輪の人件費問題(詳しくは過去記事参照→https://lite-ra.com/2021/05/post-5901.html)が、新たな波紋を広げている。それは人材派遣大手・パソナグループの「荒稼ぎ」の問題だ。 

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】竹中平蔵「パソナ」の純利益が前年の10倍以上、営業利益も過去最高に! 東京五輪と政府のコロナ対策事業を大量受注、巨額中抜きの結果かの画像1

パソナグループHPより

 本サイトでも言及したように、パソナグループは「人材サービス」カテゴリーで「東京2020オフィシャルサポーター」として東京五輪組織委員会と2018年に契約を締結。一方、会場運営を支えるスタッフの多くは派遣であり、5月26日におこなわれた衆院文科委員会での立憲民主党・斉木武志衆院議員の質疑によると「パートナー契約では、人材派遣サービスはパソナにしか許されていない。43会場の派遣スタッフを頼むときはパソナに出さなくてはならない契約になっている」という。

 だが、パソナのHPに掲載されている東京五輪大会スタッフ(職員)の募集概要によると、責任を担うマネージャーでもスタッフでも時給は1650円(深夜時間帯は125%の割増賃金)で、日給にして約1万2000円ほど。もし仮に1日42万円のディレクター職でも実際には日当1万2000円しか支払われないのだとすれば、パソナの中抜き率は97%にもなるのである。

 パソナといえば、ご存知のとおり菅義偉首相のブレーンである竹中平蔵氏が取締役会長を務めている企業。つまり、東京五輪も結局は菅首相に近いお友だち企業が甘い汁を吸うという下劣な構図になっているのだ。 

 だが、このパソナによる酷い中抜き問題がネット上で大きな注目を集めていたところ、さらなる指摘がなされた。それは、パソナグループの決算予想の信じられないような数字だ。

 「竹中平蔵のパソナグループ、最終利益前年比1000% 過去最高を記録」

 最終利益、つまり純利益が前年比で1000%……!? 目玉が飛び出るような数字だが、これは事実だ。

 実際、パソナグループの2020年5月期の純利益は5億9400万円だったが、今年4月13日に同社が発表した2021年5月期の純利益の予想額は62億円。増減率としては前期比約940%のプラス、前年の10倍強の数字になると見込まれているのだ。

 しかも、2021年5月期の連結営業利益は過去最高益となる前期比65%増の175億円にのぼる見込みで、売上高も従来予想から40億円も引き上げた3300億円になると見られている(日本経済新聞4月13日付)。

 ◆コロナ倒産相次ぐなか焼け太りするパソナ 東京五輪、持続化給付金などコロナ事業でも大量受注

 あらためて言うまでもなく、新型コロナ感染拡大にともなう緊急事態宣言の発出によって多くの企業が大打撃を受け、コロナの影響で倒産した企業は1500社(帝国データバンク調べ)にものぼり、今後、宣言延長によって倒産件数はさらに増加すると見られている。安倍・菅政権によるコロナ対策の失策によって多くの企業と労働者が苦境に立たされているというのに、かたや安倍・菅政権にべったりくっついてきた竹中氏率いるパソナは、前年の10倍強という利益を叩き出していたのだ。

 しかも注目すべきなのは、このパソナの驚異的な業績には東京五輪だけではなく、政府のコロナ対策事業を受託してきた利益も含まれている、ということだ。パソナが連結営業利益で過去最高益を叩き出した理由について、日本経済新聞は〈間接業務を請け負うBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業が伸びている〉と伝えているが、こうした利益には電通と一体化して政府から巨額で請け負ってきたコロナ対策関連事業も入っていると思われる。

 たとえば「持続化給付金」事業では、769億円で受託したサービスデザイン推進協議会が電通に749億円で再委託し、そこから電通は子会社5社に645億円で外注。さらにそこから電通子会社がパソナやトランスコスモス、大日本印刷などにトータル417億円で外注していたのだが、パソナへの外注費は約170億円と際立って多かった。

 そもそもパソナは大きな問題となったサービスデザイン推進協議会の設立時から電通やトランスコスモスなどとともにかかわっており、職員21人のうち5人がパソナからの出向者だった。しかも、サービスデザイン推進協議会はこれまでトータルで14件の事業を経産省から委託され、再委託先が公開されている9件のうち7件は電通だったが、残り2件の再委託先はパソナだった。

 だが、パソナが政府のコロナ対策に食い込んだのは「持続化給付金」事業だけではない。昨年4月に当時の安倍晋三首相が場当たり的に打ち出した一斉休校要請にともなう保護者への休業助成金も、パソナに厚労省が申請手続き業務を委託していた可能性が高いからだ(詳しくは既報参照→https://lite-ra.com/2020/04/post-5384.html)。

 ◆欠陥が見つかったワクチン大規模接種センターのシステム運営も竹中が顧問を務める会社

 もちろん、こうしてコロナ対策の関連事業の委託先としてパソナに巨額の血税が流されたのは、政権中枢に食い込む竹中平蔵氏の存在が大きい。実際、新型コロナワクチン「大規模接種センター」をめぐって予約システムに重大な欠陥が見つかった問題では、予約システムの運営会社と明記されていた「マーソ株式会社」の経営顧問を竹中氏が務めていたことにも大きな注目が集まったばかりだ。

 しかも、そうしたなかには露骨な利益誘導が指摘されるケースもある。竹中氏は国家戦略特区諮問会議で民間議員を務めているが、2016年に国家戦略特区に認められた神奈川県の家事支援外国人受入事業では事業者に選ばれた企業のなかにパソナがあった。また、同じく国家戦略特区に選ばれた兵庫県養父市では企業による農地の所有を認めるなどの規制緩和がおこなわれたが、そこには、竹中氏が社外取締役をつとめるオリックスが100%出資する子会社のオリックス農業が参入していた。

 また、昨年、新型コロナのどさくさに紛れて安倍政権は「70歳就業確保法案」を国会で可決・成立させたが、70歳までの就業機会確保の方針を打ち出したのは当時竹中氏が民間議員を務めていた「未来投資会議」。この政策によって「シニアの雇用創造」を掲げるパソナが新たな市場を得てさらに莫大な利益を得ることになるのは、目に見えている。

 利益誘導・利益相反だという批判を無視しつづけて、自らが関係する企業を次々と政府の事業に参入させてきた竹中氏。そして、その代表的な会社であるパソナは、新型コロナ対策を食い物にし、東京五輪の開催によるえげつない中抜きで、「純利益10倍強」という数字を達成しようとしている。

 この異常な一人勝ちの数字こそが安倍・菅政権の縁故主義、利権政治の結果であることを忘れてはならないだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【告発】  2021年12月29日  10:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.28】:“報道弾圧”兄弟か! 岸信夫防衛相の接種予約欠陥報道への“逆ギレ”に兄・安倍前首相が同調し「朝日毎日は妨害愉快犯」とツイート

2022-01-10 23:58:10 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.28】:“報道弾圧”兄弟か! 岸信夫防衛相の接種予約欠陥報道への“逆ギレ”に兄・安倍前首相が同調し「朝日毎日は妨害愉快犯」とツイート

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.28】:“報道弾圧”兄弟か! 岸信夫防衛相の接種予約欠陥報道への“逆ギレ”に兄・安倍前首相が同調し「朝日毎日は妨害愉快犯」とツイート 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【初出 2021.05.18】

 無責任にも程があるだろう。菅義偉首相の肝いりではじまった新型コロナワクチンの「大規模接種センター」をめぐる予約システムの欠陥について、運営を担う防衛省のトップ・岸信夫防衛相が、壮大に「逆ギレ」をしている件だ。

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】報道弾圧兄弟か! 岸信夫防衛相の接種予約欠陥報道への逆ギレに兄・安倍前首相が同調し「朝日毎日は妨害愉快犯」とツイートの画像1

安倍晋三Twitterより

 まずは経緯を振り返ろう。「大規模接種センター」のウェブ予約は昨日17日からスタートしたが、昨夕、実際の接種券番号ではなくデタラメな架空の数字や65歳未満の生年月日を入力しても予約できることを「AERA dot.」と毎日新聞が報道した。

 当然、ネット上では「ポンコツすぎる」「これだといたずらで予約が埋められてしまうのでは」「こんなのでセキュリティは大丈夫なのか」という声が噴出。さらに、「AERA dot.」の記事では、この予約システムの運営会社と明記されている「マーソ株式会社」について、〈同社の経営顧問には菅首相の盟友、竹中平蔵氏が名を連ねていた〉と報じたことから、〈ここにも竹中平蔵が一枚噛んでるという地獄〉〈癒着と利権まみれのあげく、まともな予約システムひとつ作れない日本。ダサすぎて涙が出るな〉といった声もあがっていた。

 「大規模接種センター」に対しては、先進国のなかでも最悪のワクチン接種状況に焦った菅首相による見切り発車が指摘され、自治体実施分との二重予約や「密」が生まれるのではないかなど数々の問題点があがっているが、予約開始初日にシステムの重大な欠陥が発覚し、挙げ句「竹中案件」疑惑まで浮上するとは──。これだけでも菅政権の無能っぷりや腐りきった体質が浮き彫りになったわけだが、さらなる問題はここから。「大規模接種センター」を取り仕切る防衛省の責任者たる岸防衛相が、今朝、こんなツイートをおこなったことだ。 

 〈今回、朝日新聞出版AERAドット及び毎日新聞の記者が不正な手段により予約を実施した行為は、本来のワクチン接種を希望する65歳以上の方の接種機会を奪い、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない極めて悪質な行為です。〉
 〈両社には防衛省から厳重に抗議いたします。〉
 〈不正な手段でのワクチン接種の予約は、本当に希望する方の機会を喪失し、ワクチンが無駄になりかねないと同時に、この国難ともいうべき状況で懸命に対応にあたる部隊の士気を下げ、現場の混乱を招くことにも繋がります。〉

 なんと岸防衛相は、システムの欠陥を指摘した「AERA dot.」と毎日新聞を非難し、厳重抗議すると逆ギレしたのだ。

 自分たちがザルでポンコツのシステムをつくっておいて、その問題を指摘した報道に抗議するって、ふざけるのもいい加減にしろ、という話だろう。

 ご存知のとおり、岸防衛相は安倍晋三・前首相の実弟だが、問題をすり替えて「朝日ガー」と逆ギレするのはまさに兄そっくりと言わざるを得ない。

 ◆弟・岸信夫の逆ギレに兄・安倍晋三前首相も乗っかり、ネトウヨ丸出しで朝日・毎日攻撃ツイート

 しかも、こんな正当性のかけらもない、スリカエ逆ギレ発言に、ネトウヨ応援団がこれまた安倍政権時代とそっくりに、こんな頭の悪い賛同コメントを投稿している。

〈大臣、偽計業務妨害で告発しましょう〉
〈こういった報道の範疇を超えた妨害、ミスリード、偏見のある報道した場合には何らの罰則を課せられないものなのでしょうかね〉
〈国を挙げて行っている事を妨害するなど問答無用で厳罰に処するべきかと存じます〉
〈日本はワクチン接種が遅いと記事にしておいてこの様な下衆な事をする朝日新聞毎日新聞をどうか許さないで下さい。ペナルティーは与えるべきです〉
〈きっと模倣犯が出ますよ 厳罰をお願いいたします〉

 さらに呆れたのが、兄である安倍前首相本人が、きょう午後5時30分過ぎに、こんなツイートをしたことだ。

〈朝日、毎日は極めて悪質な妨害愉快犯と言える。防衛省の抗議に両社がどう答えるか注目。〉

 「どう答えるか」って、すでにネット上では、岸防衛相の逆ギレに非難が殺到しているのに、この兄弟は揃いも揃って、脳みそに蛆でも湧いているのか。

 しかし、呆れてばかりもいられない。政権を投げ出してただのネトウヨに戻った安倍前首相はともかく、この岸防衛相の態度は明らかに、報道に対する露骨な弾圧行為だからだ。 

 まず、岸防衛相は「AERA dot.」と毎日新聞が検証のため予約を入れてみたことが〈不正な手段〉〈悪質な行為〉だというが、試さなければ、欠陥を実証し、問題点を指摘することもできない(ちなみに「AERA dot.」も毎日新聞も、記事のなかで検証のため予約したものはキャンセルしていることを記述している)。

 しかも、岸防衛相は〈65歳以上の方の接種機会を奪い、貴重なワクチンそのものが無駄になりかねない〉〈懸命に対応にあたる部隊の士気を下げ〉るなどというが、ワクチンが無駄になりかねない事態を引き起こしたのも、隊員の士気を下げさせたのも、こんな欠陥システムをつくらせた政府であり、見切り発車で予約を開始させた菅首相ではないか。

 むしろ、政府が導入したシステムの欠陥をメディアが検証・指摘することは当然の行為であり、公共性・公益性が非常に高いものだ。

 実際、岸防衛相は会見でザル状態の予約システムを「真正な情報であることが確認できるように改修する予定だ」と表明したが、報道があったからこそ改修することになったわけで、報道がなければ放置されていたはずだ。

 ◆欠陥の指摘を「悪質」と言う岸信夫に「大規模ワクチン接種センター」は任せられない

 にもかかわらず、岸防衛相はワクチンを無駄にしかねないこの重大な欠陥システムについて詫びるどころか、正当な報道をおこなったメディアを名指しで糾弾、抗議したのである。これは報道の自由を踏みにじる非常に危険な発言だ。言語道断を通り越して、民主主義の国の政治家とは思えない。

 しかも、この発言から明らかになったのは、岸防衛相がどんな重大な欠陥や問題点があろうと、事なかれ主義で放置しておいたほうがいい、と考えているということだ。まさにこういう政治家こそ、国民の敵と言っていいだろう。

 しかも、この予約システムについては、ネット上では新たな問題点を指摘する声もあがっている。こんな男に「大規模ワクチン接種センター」の取り仕切りを任せていて、大丈夫なのか。

 国民の命を守るためにも、「報道の自由」を守るためにも、朝日、毎日だけでなくすべてのメディアが岸信夫防衛相の責任を徹底追及する必要がある。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【不祥事・トラブル】  2021年12月28日  09:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.28】:大阪の入院率10%のなか、維新所属の大阪府議が「コロナ感染、即、入院」は本当だった! 

2022-01-10 23:58:00 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.28】:大阪の入院率10%のなか、維新所属の大阪府議が「コロナ感染、即、入院」は本当だった! ■吉村知事や松井市長は入院経緯の説明を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.28】:大阪の入院率10%のなか、維新所属の大阪府議が「コロナ感染、即、入院」は本当だった! ■吉村知事や松井市長は入院経緯の説明を 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【初出 2021.05.06】

大阪の入院率10%のなか、維新所属の大阪府議が「コロナ感染、即、入院」で非難殺到! 吉村知事や松井市長は入院経緯の説明をの画像1
大阪維新の会公式サイトより

 連日、恐ろしい数のコロナ死者数が発表されている大阪府だが、それもそのはず。5月4日、新型コロナ感染者の「入院率」が「10%」しかないことが明らかになった。これはつまり、コロナにかかっても、10人に1人しか病院に入院できていない(もしくは入院が決まっていない)ということだ。

 実際、4日時点の大阪府の入院患者は2051人だが、受け入れ先が決まらないため「調整中」の患者は約3300人、宿泊療養者は約1800人、自宅療養は約1万3000人に上っている。 

 しかも、この中には重症、もしくは重症リスクがあるにもかかわらず、入院のめどが立たない人が数多く存在しており、3月以降、自宅で死亡した人はすでに17人にものぼっている。

 ところが、そんな府民の危機的状況の一方、維新の府議会議員がコロナに感染して「即、入院」したことで、大きな批判が巻き起こっている。

 入院した府議会議員というのは、「大阪維新の会」所属の府議会議員として、現在2期目を迎えている中谷恭典氏。4月30日、大阪府がコロナ感染を発表した。

 発表によると、感染確定日は〈令和3年4月27日〉、現在の状態は〈医師の所見により、5月2日まで入院予定〉だという。つまり、感染が確定して少なくとも3日後には、入院のめどが立っているということになる。また、発表には、〈5月2日まで入院予定〉と、退院予定が記されており、重篤な状態ではなかったような印象も受ける。

 実際、本日6日午前、府議会事務局に確認したところ、「27日に入院し予定通り2日に退院。現在は自宅療養中で、重篤な状態ではない」ということだった。また症状については「当初(26日夜か27日)は発熱症状があった」といい、「それ以外の症状や基礎疾患の有無については把握していない」ということだった。いずれにしても、この状況下で、感染確認当日に即日入院し、予定通り退院していたのは事実だ。
 
 ◆吉村洋文知事、松井一郎市長、大阪維新は維新議員入院について説明せず

 そんなところから、SNSやネットを中心に、「府民は10人に1人しか入院できないのに、なんで維新の議員は即、入院できるのか」と非難が巻き起こっているのだ。他にもこんな声が殺到している。

 〈大阪では1万5000人以上の人が自宅待機しているそうですが、維新の議員だったら即、入院出来るのか。〉
 〈維新議員は即入院、一般市民は10日間放置というルールでもあるんですか?〉
 〈救急車呼んでも搬送先がない大阪のこの状況下で、維新の方はコロナになってすぐに入院ができるんですね 最近やたらと維新からコロナになる方が多いですね ふざけんなよ〉
 〈お大事にとは思うけど、人工呼吸器が必須な重症な方まで自宅療養の状態で、維新議員やいうだけで入院出来るて、あまりに酷くないですか? 自宅療養で亡くなっている方が出ている現実で。 どういう利権トリアージやねん。〉
 〈でも維新と肩書が付けば優先的に入院・治療してもらえます!それが今の大阪。どれだけ医療崩壊していても、「維新のセンセイ」というだけで、どんな能無しクズでも優先的に入院・治療してもらえて、一般人は下手すれば医者にすら診てもらえもせずに自宅で死んでいく。これが維新政治。〉
 〈庶民は自宅で苦しみ自分達は直ぐ入院。さすが維新の国大阪。〉
 〈維新の議員は自己責任を押しつけてる癖に、なんでコロナになったからって入院してるの? 自己責任なんだろ?自宅で療養しろよ〉
 〈吉村君。病床が逼迫して、自宅待機者が、一万人以上ある大阪。近隣の府県。陽性の維新議員が、即入院出来る事。しっかり説明して下さい。悪性の腫瘍、ガンも治療後回しですよ!しっかり説明されよ!〉
 〈維新の議員ならすんなり入院出来るのか。平熱パニック軍団のやる事は一味違うぜ。 これは説明してもらいたいね吉村さん。〉
 〈吉村自身「高齢だからと言ってすぐ入院できる状況ではない」と明言してるのに、維新議員の即入院が追及されないのは何で?〉

 もちろん、中谷議員は67歳と高齢であり、基礎疾患があった可能性や当初は重症だった可能性もある。

 しかし、繰り返すが、いまの大阪は重い症状でも入院できず、自宅で亡くなっている人が多数出ているのだ。マスコミ報道でも、高齢者施設の感染者が入院できず亡くなったケース、呼吸不全でも入院できないケースなどが報道され、5月4日には入院待ちの人が2名死亡した。

 そんななかで、権力を握る維新の政治家が即、入院したとあっては、府民が怒るのは当然だろう。

 しかも、問題は、中谷議員の入院について、くだんの大阪府発表以外、一切説明がなされていないことだ。大阪維新の会のHPにもなんの報告もないし、代表の吉村洋文知事も松井一郎大阪市長もこれだけSNSで質問が飛んでいるのに、中谷議員の入院については説明していない。中谷議員の事務所に確認しても「府のHPで発表されていること以外はわからない」「入院しているかどうかもわからない」の一点張り。

 自民党石原伸晃衆院議員が重症でないにもかかわらず入院した際も、結局、まともな説明がないままうやむやにしてしまったが、同じことをやろうとしているのか。

 政治家だから入院は後回しにしろと言うつもりはないが、少なくとも維新は中谷議員はどういう容態で、どういう経緯で入院することになったのか、なぜ府民は入院できないのに中谷議員はそれが可能だったのか、納得できる説明をすべきだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【告発】  2021年12月28日  06:43:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.27】:正気か? 東京都が東京五輪の観戦に小中学生ら81万人を動員計画! ■感染拡大最中に各学校に通達、観戦拒否すると「欠席扱い」

2022-01-10 23:57:50 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.27】:正気か? 東京都が東京五輪の観戦に小中学生ら81万人を動員計画! ■感染拡大最中に各学校に通達、観戦拒否すると「欠席扱い」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.27】:正気か? 東京都が東京五輪の観戦に小中学生ら81万人を動員計画! ■感染拡大最中に各学校に通達、観戦拒否すると「欠席扱い」 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
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【初出 2021.04.29】

 いよいよ五輪が日本を殺しにかかってきた。昨日28日、東京五輪の5者協議がおこなわれ、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長が「へこたれない精神を日本国民が持っていることは、歴史を通して証明されています」「厳しい状況下にあってもそれを乗り越える日本人の力が五輪を可能にする」などと発言したからだ。 

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】正気か? 東京都が東京五輪の観戦に小中学生ら81万人を動員計画! 感染拡大最中に各学校に通達、観戦拒否すると「欠席扱い」の画像1

しんぶん赤旗日曜版 5月2日・9日合併号より

 これまでも安倍晋三菅義偉をはじめとした政治家たちが科学的根拠ゼロの精神論を振りかざして五輪を強行開催しようとしてきたが、ついにIOC会長まで同じような精神論を口にして開催を正当化しようとは……。だが、ワクチン接種も進まず感染が拡大の一途を辿っている日本国内だけではなく、インドの感染爆発を見ても、とてもじゃないが五輪を開催できるような状況にないのは明々白々だ。

 にもかかわらず、5者協議では中止の判断を検討するでもなく「開催」を大前提としたまま。観客数の上限については「6月に判断することで合意」とし、またも判断を先送りにする始末だった。

 その上、メディアは大会組織委員会橋本聖子会長が5者協議後の記者会見で「無観客という覚悟は持っている」と述べたことを大々的に報じているが、橋本会長はつづけて「状況が許せば、より多くの観客のみなさんに見ていただきたい希望も持っている」と発言。ようするに、実際にはいまだに国内の観客を入れることを諦めていないのだ。

 この状況下で開催を強行しようというだけでなく、観客を入れることに執着する──。いや、そればかりか、さらに絶句するような言語道断の計画が進んでいることまで新たに判明した。

 なんと、東京五輪の競技観戦に、都内の幼稚園児や小・中・高校生など約81万人を動員しよう、というのだ。

 じつは2019年にも、Twitter上で「都からのお達しで、都内の小中学校に通う生徒はオリンピックを盛り上げるために教員の引率でオリンピックの観戦に行くらしい」「夏休み中だけど生徒の参加は義務で、来ないと欠席扱い」「スタジアムの最寄駅の利用は禁止で、一駅離れたところで降りてみんな揃って徒歩で向かわなければいけないらしい」という投稿がなされて大きな話題に。猛暑対策も不十分ななかで熱中症の危険があるとして問題視されていた。

 しかし、ご存知のとおり、昨年3月に新型コロナによって東京五輪の開催延期が決定。感染対策の問題もあり、子どもたちを動員するなどという計画は当然ながら白紙になったに違いない……と思われていた。ところが、そうではなかった。

 この問題をスクープした「しんぶん赤旗 日曜版」5月2日・9日合併号によると、昨年末の2020年12月、東京都から都内の各学校に対し、東京オリパラの「観戦の日程案」が送付されたというのだ。

 ◆動員を通達しながら感染対策なし、「競技場への移動は電車やバスを使え」

 昨年の12月といえば、東京都では新規感染者が右肩上がりで増加、年明け早々に緊急事態宣言が発令されたように「第3波」の真っ只中にあった。だが、驚くべきことに、そんななかで東京都は子どもたちの「オリパラ観戦」を決めていた、というわけだ。

 そして、この計画をもとに学校では年間スケジュールを作成。都内のある小学校では、今年4月の入学式に配布された年間予定表の9月の欄に「パラリンピック観戦日」が書き込まれているという。この観戦計画の事実を知った母親は取材に対し、「新型コロナウイルスの感染拡大がこれだけ深刻になっているなか、わが子が観戦させられると知りがくぜんとしました」と語っている。

 だが、もっと愕然とするのは、コロナ禍にあるというのに、東京都から学校に対する通知では、感染対策についてまったく書かれてなかった、ということ。なんと「コロナ対策のコの字もなかった」(小学校教諭)といい、「具体的な感染対策は何も伝えられていない」(中学校教諭)というのである。

 いや、それどころか、この子どもたちの観戦計画は「競技場への移動は電車やバスなど公共交通機関を使え」といった指示まであり、むしろ感染拡大の危険が高まるような内容なのだ。しかも、観戦を拒否した場合は、「都立学校においては、学校連携観戦当日が授業日である場合は、欠席扱い」というから、開いた口が塞がらない。

 こうしたコロナ対策なき子どもたちの動員計画について、組織委は「観客に係る対策などはコロナ調整会議において議論された内容を踏まえて検討する」と回答しているが、これはようするに“いまだに何も考えていない”ということだ。

 ◆看護師約500人動員でも「看護師本人に報酬は払わない」とする五輪組織委にTwitterデモが

 子どもたちの安全性の確保を検討することもなく、「動員」ありきで突っ走る組織委と東京都──。この事実ひとつをとっても東京五輪を開催することがいかに危険なことかがよくわかるというものだ。

 実際、昨日の5者協議でバッハ会長は「必要な措置を講じることで日本国民に対するリスクも最小化し、安心してもらえると思っている」などと語ったが、その「必要な措置」の実態は、感染した選手らを受け入れる病院を約30カ所確保するなど、選手らに対する医療提供体制や検査体制などが強化されただけ。むしろ、そうした選手らに対する手厚い体制の構築によって、国民の医療・検査体制が逼迫する可能性が高まってさえいる。

 しかも、だ。組織委は日本看護協会に対して看護師約500人の確保を要請する文書を送っていたことが判明しているが、なんと派遣された看護師に対しては交通費と宿泊費などが支給されるだけで、「看護師本人には報酬は払わない」という。つまり、タダ働きのボランティアだというのだ。

 この看護師約500人確保要請の問題を受け、愛知県医労連などの団体はTwitterデモを展開。「#看護師の五輪派遣は困ります」というハッシュタグがトレンド入りするなど、東京五輪開催に対する反発はどんどん高まっている。国民、いや世界の人々の命と安全を完全無視して東京五輪開催を強行しようとする日本政府や組織委、IOCの暴走は、なんとしてでも止めなくてはならない。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース スキャンダル 【不祥事・トラブル】  2021年12月27日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.27】:橋下徹を日本城タクシー坂本社長が再びコテンパンに!■橋下話法を「アホな議論」と一刀両断、吉村知事にも「何もしてないもん」

2022-01-10 23:57:40 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.27】:橋下徹を日本城タクシー坂本社長が再びコテンパンに!  ■橋下話法を「アホな議論」と一刀両断、吉村知事にも「何もしてないもん」

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.27】:橋下徹を日本城タクシー坂本社長が再びコテンパンに! ■橋下話法を「アホな議論」と一刀両断、吉村知事にも「何もしてないもん」

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【初出 2021.04.15】

 本日15日の新規感染者数が1208人と過去最多を更新し、さらに重症患者数が重症病床の数を上回るという非常事態に陥っている大阪府。この大惨事を招いたのは吉村洋文知事にほかならないが、もうひとり大きな責任があるのが、吉村知事をアシストしてきた橋下徹・元大阪市長だ。 

 いや、橋下氏は吉村知事を称賛したりフォローしてきただけではなく、新型コロナの流行初期から「PCR検査抑制論」を喧伝し、国の失策を正当化してきた“戦犯”のひとり。早口でまくし立てて話を強引にすり替え、不毛な議論をふっかけ、詭弁で煙に巻くという「橋下話法」によって、誰もまともなツッコミを入れられないという「橋下劇場」を展開してきた。
 
 だが、そんな橋下氏が「真正面からコテンパンにされた」と、いまネット上で大きな話題を呼んでいる。昨日14日放送の『報道1930』(BS-TBS)に日本城タクシーの坂本篤紀社長が登場し、橋下氏の詐術を「アホみたいな議論」と一刀両断した上、橋下氏の反論をことごとく論破。吉村知事に対しても「何もしてないもん」と鋭く指摘して見せたのだ。

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!】橋下徹を日本城タクシー坂本社長が再びコテンパンに! 橋下話法を「アホな議論」と一刀両断、吉村知事にも「何もしてないもん」の画像1

BS-TBS『報道1930』番組公式ページより

 坂本社長は大阪を拠点にしてタクシーや貸し切りバス、旅行業を手掛け、このコロナ禍に大型バス3台を売却して雇用を守ったことがメディアでも取り上げられた人物。また、過去には、自社のバスの路線変更でバス通学ができなくなった小学生の女の子のためにプライベートで3年間送迎をおこなったことが『探偵!ナイトスクープ』(朝日放送)で紹介されたり、反ヘイトスピーチのステッカーを自社のタクシーに貼る活動でも注目を集めたこともある。

 じつは、この坂本社長、2月23日に放送された『報道1930』でも橋下氏とリモート共演したのだが、その際も「坂本社長が橋下氏を論破!」「坂本社長が市民の声を代弁してくれた」と大きな話題になった。そして昨日、同じ番組で再びの“対決”がおこなわれた……というわけだ。

 一体、橋下氏はどんな詭弁を弄し、それを坂本社長はどんなふうにぶった斬ったのか。番組を振り返ろう。

 ◆ワクチンの遅れを日本学術会議、野党、病院のせいにする橋下徹のスリカエ詐術に…

 まず、番組の前半では、橋下氏と立憲民主党の小川淳也・衆院議員、松本哲哉・国際医療福祉大学教授が参加するかたちで、ワクチン接種が進まない日本の現状について議論。そこで橋下氏は、国産ワクチンが生産できないことを理由のひとつに挙げ、唐突にこんなことを言い出した。

「学術会議で軍事研究の禁止なんてやってる国がですね、ワクチンっていうのは化学兵器テロ、化学兵器に対する対応策としていろいろ開発されてきた経緯もあるわけですから、そういうことで軍事研究の禁止なんてことを学術会議でやってる国がですね、そりゃワクチンを早急に開発するなんてことはできないよ」 

 何を言うかと思えば「国産ワクチンができないのは日本学術会議のせい」とは……。言っておくが、国産ワクチンの開発が進まないのは、国がこれまでワクチン研究を軽視してきたからだ。実際、RNAワクチンは国内でも治験直前まで進んでいたが、2018年に国に予算を打ち切られ頓挫していたことがわかっている(東京新聞4月5日付)。

 そういえば、橋下氏は菅義偉首相による日本学術会議の任命拒否問題が勃発した際、「アメリカとイギリスの学者団体には税金は投入されていない」というデマを垂れ流し、「金の面で自立しろ」などと主張していたが、国産ワクチンの開発を妨げてきたのは、それこそ研究を軽視して予算を削ろうとする橋下氏のような姿勢ではないか。

 だいたいワクチンのことで言えば、橋下氏が称賛してきた吉村知事はちょうど約1年前に「大阪産ワクチン」をぶち上げ、昨年9月の実用化を謳っていた。一体それはどうなったんだ、という話だろう。 

 だが、橋下氏の話のすり替えは止まらない。“歯科医や薬剤師がワクチンを打てるようにすべき”と言い出すと、「歯医者や薬剤師に注射を打たせる、それこそボランティアの人に打たせるなんてこと、絶対に立憲民主党からはそんな法案提案できませんよ」などと野党批判を展開。また、大阪の重症病床不足問題に話題が移ると、「ずっと吉村さん、とにかく必死に確保して220ちょっとまで確保できたんですが、ずっとこれ増えてないんですよ」「増やす権限を与えられていないなかで『増やせ』と言っても増えない」「政治だけではなく医療側にも原因・責任はある」と、今度は病院側に責任を転嫁してみせたのだ。

 ワクチンを確保できない菅政権の失態や、吉村知事が緊急事態宣言の解除に伴って重症病床を150床まで削減するよう要請していた問題は棚に上げ、野党や病院に責任を押し付ける──。いつもの橋下氏のやり口とはいえ醜いにもほどがあるが、重要なのはここから。この橋下氏の話のすり替えに、坂本社長が切り込んでいったのだ。

 ◆知事に強制権限がないからと言う橋下に「強制せんでも権限なくてもできる」と一蹴

 司会の松原耕二キャスターが大阪の坂本社長と中継をつなげると、「いまの議論を聞いてて、どうでしょう?」と話を振ったのだが、すると、坂本社長は開口一番、こう切り捨てたのだ。

「アハハ(笑)。ようそんなアホみたいな議論してるなあ、いうところですねえ」
ワクチンだって、僕ら普通、事業者やってたら健康診断するでしょ。義務付けられてるでしょ。それ1回ワクチンに変えたらええだけやし、学校なんて普通に身体測定あんねんからそれをワクチンに代えたらええだけやし。強制せんでもいいし、知事に権限もいらんと思うよ、そんなもんに」

 つまり、ワクチンがそもそも確保できていないのにその現状を無視して橋下氏が「歯科医や薬剤師に打たせろ!」と論点をずらしたことを、坂本社長は笑いながら「アホみたいな議論」と一刀両断したのだ。

 まったく鮮やかとしか言いようがないが、もちろん、これに橋下氏は、まだ坂本社長が喋っているのに「何言ってるかさっぱりわかんないですけどね(笑)。ワクチンがないというところからスタートしてるのに」などとカットインし、ムキになって喚き立てたのだ。ワクチンがないという問題をすっ飛ばして「歯科医や薬剤師に打たせろ」と言い出したのは橋下氏だったのに、である。

 しかし、勝手に話に割り込んで躍起になってまくし立てる橋下氏に対し、坂本社長は「歯医者さんに打たすとか、ワケのわからん議論してるほうがおかしいよねえ」と余裕の切り返し。当然、橋下氏は逆上したようにワーワーと激しく騒ぎつづけたが、一般市民の意見に元大阪市長という立場の人間が大人気もなく喚き立てるというのは、醜態以外の何物でもないだろう。

 しかも、坂本社長の鋭い指摘はその後もつづく。松原キャスターから「政治に求めることは?」と尋ねられた坂本社長は、「たとえば政府諮問機関におるアトキンソンさんかな。『中小企業、半分になったらええねん』みたいなこと、いまだに言うてると。ってことは国は僕らを助けてくれへんのやというのはうっすらわかるよね。これって、政治に求めるんて、やっぱり信憑性やと思うんですよ」と語ると、こうつづけたのだ。

 「たとえば『おばあちゃん、足痛いけど膝の手術こんな時期やから先延ばしにしてね』て言うてる知事の胸に『2025年万博』て書いてあると。これって、信憑性ないよね。やっぱり、ちょっと先のことよりいま我慢してって言う人が、先の万博の2025って(胸に)書いてあるのに、おばあちゃんの痛いのちょっと辛抱せえっていうのは、我々も同じ目に遭うてるわけで」
「少なくとも、身体が痛いおばあさんに手術を待ってもらう知事が、先の万博を胸にぶら下げてるっていうのは、僕、やっぱり納得がいかへんし、それって説得力があるやろか」
 「いま、橋下さんの話で、コロナのことについて『学術会議が悪い』とか、そんな問題じゃないような気もするねん。やっぱり信憑性のある、きちんとした意見がほしいよね」

 ◆吉村知事にも「なにもしてない」「『マスクしてください』ってテレビCMで十分」

 まさしく直球ストレートの正論だろう。吉村知事は「急ぎでない手術や入院の延期」を病院に要請しているが、手術や入院は必要だからおこなうものであって、「急ぎでない」なんてものはほとんどない。このような命にもかかわりかねないことを府民に押し付けながら、「EXPO2025」と書かれたワッペンを胸に付けているというのは、「いま万博の推進・宣伝をしている場合か」と言わざるを得ない。

 そして、そんな吉村知事や、国産ワクチンの開発が進まないことを日本学術会議のせいにした橋下氏の態度を、坂本社長は「説得力がない」「納得できない」「信憑性がない」と批判したのである。

 さらに、松原キャスターから「大阪感染状況が悪くなったことはどう見ますか?」と尋ねられた坂本社長は、「何もしてないもん」とズバリ。またもぐうの音も出ない指摘をおこなった。

 「はっきり言うたら、知事が『マスクしてください』『自重してください』『時間早く閉めてください』って、テレビコマーシャルで十分やからねえ。知事がやるべき仕事っていうのは、たとえば今回はイギリス型なんだからいち早く小中高、大学まで全員PCR検査したらいいじゃないですか。実態を掴むのが公の仕事であるはずやのに、もうずっとお願いベース? テレビCMのごとく同じことを繰り返し言うと。じゃあ何をしたのかっていうのがまったくないというのは、ちょっとつらいよね。だから拡がるんやと思うよ」

 だが、このド正論に対し、橋下氏は「『お願いします』しかできない法律になっているからですよ」「マスクを府民全員に着用させることも義務化・強制できないし、アクリル板の設置も強制できないし、PCR検査も、これは強制できないんですよ?」と抗弁。さらに“権限強化のためには法律が必要なのに、立憲などが「国民の自由の侵害だ」とか言う”などとまたも野党批判にすり替えたのだ。

 坂本社長の指摘は“検査で実態を掴むという仕事こそ首長の仕事ではないのか”というものだったのに、“知事に権限がない。法律がない。野党が悪い”と話をすり替える橋下氏……。たいていワイドショーなどではこの橋下論法によって議論が流され、すり替えられたまま終わるのだが、しかし、この番組はそうはならなかった。

 松原キャスターが「坂本さん、この議論聞いててどうですか?」と話を振ると、坂本社長は再び「いやあ、またアホな議論言うてるわと思うんやけど(笑)」と言い、こうつづけたのだ。

 「あの、まず強制する・せえへんじゃなくね。たとえば僕がずうっと言うてるのは、学ばない(ということ)。こんなんはじめてのことなんやから、失敗するの当たり前やんか。たとえば、大阪で雨ガッパ集めた話をよくするじゃないですか。それを文句ばっかり言うんじゃなしに、集めすぎた雨ガッパを一言『集まりすぎた。すんまへんでした』と。『500円で買っておくんなはれ』と、雨降りのサッカー場や野球場行って、それをいま苦しい人に分け与えますよっていうようなことも、法律がなくてもできるはずやし。なんでもかんでも、大阪なんて専権・専決で決めよるわけやからね」

 ◆雨ガッパ問題をつっこまれ「雨ガッパは、だって、備蓄してるんでね」と言い張った橋下徹

 「法律がなくても大阪は専権・専決で決めよる」とは、まったくそのとおりだろう。いや、それどころか、コロナ禍で強行した「都構想」住民投票では「反対」という民意を叩きつけられたというのに、維新はその結果を骨抜きにする「広域一元化」条例を数の力で押し通した。そんなことを平気でやっておいて「権限がない」「法律がない」と言い訳するのは、道理が通らないだろう。

 だが、この坂本社長の正論に対し、橋下氏は信じられない一言を言い放ったのだ。

 「雨ガッパは、だって、備蓄してるんでね」

 おいおい。雨ガッパはそもそも、感染者の急増で医療用防護服が足りなくなって府民に供出させたものだったではないか。しかも、その供出された雨ガッパはほとんど医療機関に届けられることはなかった。まさしく「思いつき」「場当たり的」な大阪のコロナ対応を象徴するもののひとつだが、それを橋下氏は「雨ガッパは備蓄してる」と言い張ったのである。

 まさしく「アホ」としか言いようがない強弁だが、このように、いかに橋下氏の話が詭弁にすぎないかを、坂本社長はことごとく明らかにしていったのだ。

 橋下氏のペースや詭弁に乗せられることなく市井の人びとの疑問や思いを代弁した坂本社長には拍手を送りたいが、逆に、その存在で浮き彫りになるのが、他のメディア、テレビ番組のだらしなさだ。

 どうして橋下氏にツッコミを入れず、その主張を垂れ流しにさせているのか。性懲りもなく橋下氏を言いっぱなしにさせ、その無茶苦茶な主張にツッコミのひとつも入れられないワイドショーの司会者やコメンテーターたちには、坂本社長の爪の垢を煎じて飲ませたいものだ。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 芸能・エンタメ 【テレビ】  2021年12月27日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!12.26】:東京五輪めぐり増田明美と有森裕子が論争!

2022-01-10 23:57:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!12.26】:東京五輪めぐり増田明美と有森裕子が論争! ■コロナを無視して開催を主張する増田のスポーツ至上主義に有森が「社会への愛が足りない」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!12.26】:東京五輪めぐり増田明美と有森裕子が論争! ■コロナを無視して開催を主張する増田のスポーツ至上主義に有森が「社会への愛が足りない」 

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【初出 2021.03.22】

東京五輪開催めぐり増田明美と有森裕子が論争! スポーツ至上主義で開催を主張する増田に有森が「社会への愛が足りない」の画像1
NHK公式サイトより

 東京五輪パラリンピックをめぐり、海外からの観客受け入れ断念が20日の5者協議で合意された。しかし、世界のコロナ感染状況を考えれば当然で、むしろ変異株の拡大などまったく先が見通せないなかで「まだ開催する気」でいることのほうに驚かざるを得ないだろう。

 そんななか、昨日21日にNHKスペシャル『令和未来会議 あなたはどう考える? 東京オリンピック・パラリンピック』が放送された。番組は、大会組織委員会の中村英正氏、国際オリンピック委員会(IOC)委員の渡辺守成氏に加え、五輪メダリストの有森裕子氏、元マラソン選手でスポーツジャーナリストの増田明美氏、作家の真山仁氏、社会学者の水無田気流氏、タレントの藤本美貴氏、東北医科薬科大学特任教授の賀来満夫氏という8人のパネラーが出演。

 議論は、開催に前のめりな意見を主張する組織委の中村氏、IOC委員の渡辺氏、増田氏に対し、有森氏や真山氏、水無田氏らが疑問を呈するという展開で進んだのだが、浮き彫りになったのは、「開催」を主張する人たちのあまりの意識の低さ、そして客観的な事実に蓋をする姿勢だった。

 番組では、冒頭に中村英正・組織委ゲームズ・デリバリー・オフィサー(GDO)は「安全安心が第一」「いままでの大会以上にプロセス、コミュニケーションが大事」と発言。これには作家の真山仁がこう反論した。

 「安全というのはだいたい数値化できるものなんですよ。でも我々は数値を聞いたことがない。数値化できない、安全すら担保できない状態。安心というのは信頼関係のなかで生まれてくるもので、安全という数値を担保にした上でそれぞれコミュニケーションしながら安心の信頼を勝ち取っていくもの」
 「(パラの選考会では)厳戒態勢のなかで競技されているが、そこまでやるのがスポーツなのか。健康な環境のなかで選手も観る人も自由に何もまわりのことを気にしないでスポーツを楽しめて、はじめてスポーツの祭典になると思う」

 まったく真っ当な意見と言わざるを得ないが、しかし、こうした意見に対して、国際体操連盟会長でIOC委員の渡辺守成氏は、こんなことを言い出したのだ。

 「各国20カ国回るたびに、タクシーの運転手とかウエイトレス・ウエイターのみなさんに『あなた東京オリンピックどう思う?』って訊くんですね。信じてもらえないかもしれないかもしれないですけど、僕はおそらく1000人近い人に訊いていると思いますけど、みんながみんな『東京オリンピックやってくれよ』と言うんですね。それはやっぱり暗いと。こんな暗い生活するのは嫌なんだと。明かりや光、希望が欲しいと。僕にはそう言われる」

 「みんな『オリンピックやってくれ』と言っている」って本当か?とツッコまざるを得ないだろう。実際、公益財団法人「新聞通信調査会」が20日に発表した米国、フランス、中国、韓国、タイの5カ国でおこなった世論調査の結果では、東京オリパラの開催について「中止すべきだ」「さらに延期すべきだ」を合わせた回答は5カ国すべてで7割を超え、タイにいたっては95.6%にもおよんでいるからだ。

 この渡辺IOC委員の発言には、社会学者の水無田気流氏が「社会学的に考えると、ちょっとそれは選択的接触じゃないのかなと思ってしまう。IOCの方に会う方は限られている。身内の比較的近しい方とばかり議論してきた結果、透明性を欠いたまま開催ありきでここまできてしまった」と指摘したが、そのとおりと言っていいだろう。

 ◆有森裕子「医療逼迫なのになぜ五輪は医療体制確保と言えるのか」の正論に組織委は…

 さらにひどかったのは、オリパラの感染防止対策についてテーマになったときの議論だ。五輪メダリストであり、2016年東京五輪招致の際アンバサダーも務めた有森裕子氏は、「こっちは『(医療が)逼迫して大変』と困っているのに、なぜこっちは『(医療体制を)確保している』と言えちゃうの?という。これが(ニュースとして)一緒に流れたときに、この矛盾をどう理解すればいいか、国民の不安は拭えない。情報の提供をすればいいと思うんですけど」と指摘すると、組織委の中村氏はこう述べたのだ。

 「大会のときに医療どうしていくか、コロナ含めてどうしていくかという青写真は、我々つくっておりますけども、ただそれはいま、緊急事態宣言がようやく解除されることになってますけども、厳しいなかでいくら8月こんな状態ですねと突き合わせても混乱するだけのところがありまして。まさにオリンピックパラリンピックのときに協力していただける病院自体が、もうちょっと状態がよくなったときに我々の青写真をお示しして、これができる、あれができるということをきちんと相談した上でないと、逆に一方的にお示ししても混乱するだけだと思っています」

 「青写真は出来ているがいま発表しても混乱するだけ」って、そんなもの、いつまで経っても発表することなどできないだろう。なのに「青写真はあるから安心して」とは、国民をバカにしすぎだ。

 しかも、組織委のこの無責任な態度には“身内”からも批判が飛び出した。組織委理事でもある渡辺IOC委員も、「安全安心は確保できるのかっていうのをとにかく出してもらわないと」「あと何カ月しかないのに『これからコミュニケーションやりますよ』っていう次元じゃない」「前提がいつまで経っても出てこない」「何にも出てこない」と苦言を呈したからだ。

 生放送でIOC委員から組織委にぶち込まれた非難には、真山氏も「大丈夫か」と苦笑していたが、このやりとりをみても、4カ月後に東京オリパラを開催するなど不可能なのではないか。

 しかし、この番組のハイライトは、なんといっても「オリパラ開催の意義」について討論したパートだろう。ここでロス五輪女子マラソン日本代表で、五輪関連イベントに頻繁に登場してオリパラ応援団となってきた増田明美氏が、信じられないような暴言を連発したからだ。

 ◆開催に疑問を呈す社会学者に「スポーツ好きなのか?」と迫る増田明美の横暴

 まず、増田氏は開催の意義について「オリンピックの意義は2つあると考えているんですね」と言い、こうつづけた。

 「世界的な意義で考えると、東京オリンピック・パラリンピックを通して国際社会にどう貢献できるか。いまコロナのなかだったら、全体の連帯であったり、ステイホームがつづくなかでスポーツをしてさわやかになったっていう、スポーツが果たす役割っていう国際社会への貢献ってあると思うんですね。あともうひとつは国内向け。招致のときには復興五輪を掲げてやりましたよね。聖火リレーも福島から出発します。復興五輪にくわえていまコロナのなかでは『困難からの復活』っていうのも多くなってくると思うんですね」

 五輪開催で建築資材の高騰や建築現場での人出不足が起こり被災地の復興の妨げになったというのに、安倍晋三前首相や菅首相よろしく「復興五輪」「困難からの復活」を叫ぶ……。コロナについても「困難からの復活」などしてしないばかりか、いままさに困難の真っ只中にあるという認識が増田氏にはないらしい。

 だが、さらにこのあと、増田氏は耳を疑うようなことを口にする。「私なんかスポーツやってきた人間だから、スポーツ村にいるのかもしれないけども、身体で良さ・価値を感じてる」と、非常に感覚的で無意味な「オリパラ開催の意義」を語ったのだが、そのあと、こんな問いかけをおこなったのだ。

 「さっきから厳しいこと言われる水無田さんなんかは、ご自分がスポーツ好きですか? 観るのは好きですか?」

 この質問に、水無田氏は「大好きです」と即答すると、増田氏は「それでもそういうことなんですね」と述べていたが、ようするに増田氏は、あくまで説明やエビデンスがないことを指摘してきた水無田氏を“オリパラを批判・反対する人はスポーツ嫌いに違いない”と決めつけ、こんな質問を唐突におこなったのだ。

 このひどい決めつけには、有森氏が強い口調で「(好き)だからなんですよ。だから、みんないま反対と思われている、ネガティブなことを言っていると思われている人は、けっして嫌いじゃないんですよ。大好きだから、好きだったんだよ、いままでって。ほんとうに思いを寄せて応援してきたんだと。なのになんでこうなっているの?っていうところが残念なんですよ」と説明したのだが、それでも増田氏は有森氏の話などどこ吹く風で、またもこんなことを述べたのだ。

 「競技場とかにいると、観客少なくてもそれを見ていると自然に……こういう状況のなかでもしっかり感染予防対策して、触れてほしい。そうすると理屈じゃないんですよね。なんか元気になりますし、選手たちだってやりながら自信つけていきますし」

 ◆増田明美は、佐々木宏の容姿差別演出問題にも「あれは告げ口文化」と告発した側を批判

 世界で300万人近い人たちが新型コロナで亡くなり、いまも命を奪いつづけているというのに、「スポーツに触れれば元気になる」「理屈じゃない」と無邪気に語るのは、いくらなんでも意識が低すぎるし、それこそスポーツファシズムだろう。

 同じ“女子陸上界の先輩”のこの発言に有森氏はあ然とした表情を浮かべ、こう持論を述べた。

 「選手のこととか、スポーツのことを思うのは一回やめてほしい。それを応援している人たち、それに日常的に関係しない人たち、その人たちあってのスポーツじゃないですか」
 「アスリートファーストじゃない。社会ファーストじゃないですか。社会がちゃんとないとスポーツできないんですもん。社会があって、その下に人間がより健康に健全に生きていくための手段としてスポーツがあり、文化があり、そこのひとつなんです。そのひとつに大きなイベントとしてオリンピックがある。ちゃんとした社会と健全な人たちのもとで守られてできていっている」
「(社会に対する)愛と言葉が足りなさすぎるんじゃないですかって思う」

 どうして人命第一に立たず、スポーツ大会の開催が優先されてしまうのか。多くの人が感じている大きな疑問に対し、元アスリートとして「アスリートファーストじゃない。社会ファーストであるべきだ」と明言した有森氏。まったく正論だが、対して増田氏はこのあとも絶句するような発言をおこなった。 

 それは、組織委の中村氏が「開催の意義」について、「ジェンダー平等のためにもやる意義がある」という旨の主張をしたときのことだ。

当然ながら、組織委の会長だった森喜朗氏の性差別発言や佐々木宏氏による容姿差別の演出案問題が話題になり、水無田氏が「開閉会式の案については、ほんとうに止めてくれてよかったなと思う」などと言及したのだが、すると、増田氏が口を挟み、こう言ったのだ。

「いや。でもさ、あれは、告げ口文化じゃない。あれ、あのことをね、打ち合わせで言ったことがね、あんなふうにね、1年前ですよ、なっちゃうっていう日本の告げ口文化、嫌い」

 佐々木宏氏をめぐる報道は、あのような下劣なアイデアを平気で出すような人物が開閉会式の演出トップに立っていることを問題として「告発」したもので、「公益通報」というべきものだ。にもかかわらず、増田氏は女性蔑視の問題は棚上げした上、「告げ口文化は嫌い」などと評したのだ。

 増田氏は森喜朗氏の性差別発言の際も、発言を批判しながらも「女性の目線は必要だけれど、男性でないとできないこともある。男女がうまく役割分担し、自然と調和が生まれる組織がいい」(読売新聞3月8日付)などと発言していた。このような人物がパラ陸連の会長を務めていることも問題と言わざるを得ないが、普段、解説者として増田のことを「選手の小ネタをたくさん披露する詳しすぎる解説の人」とだけ認識していた視聴者には、オリパラ開催のためにここまで無神経な意見を吐けるものなのかと衝撃を与えたのではないだろうか。

 ◆問題の「NHKスペシャル」の放送が延期になった原因は、森喜朗氏や官邸への忖度

 と、このように、開催賛成派がことごとく感覚的かつ無神経な発言に終始し、討論を見ても「開催できる気がしない」という印象しか持てなかった、この『令和未来会議』。ある意味、開催賛成派のヤバさが露呈するいい機会になったとも言えるが、問題はこのような討論がいまごろおこなわれたという点だ。

 水無田氏も、冒頭で「この番組、ようやく議論なされるようになりましたけれども、もうすぐ聖火リレーがはじまるという直前期ですよね」と指摘していたが、じつは、この東京五輪をめぐる討論は当初、1月24日に放送が予定されていた。それが放送直前の1月17日に急遽、収録を中止。あらためて生放送で仕切り直したのが、今回の番組だった。

 1月17日の収録はなぜ中止となったのか。当時、NHKは東京五輪の開催の是非を訊いた世論調査の結果をめぐって森喜朗氏や官邸から睨まれており、そのため番組を中止。さらにはその後の世論調査では開催の是非を問うのではなく「どのような形で開催すべきか」という“開催ありき”の質問に変更してしまうという経緯があった。

 そして、ようやく、この番組が放送されたのは聖火リレー直前──。この放送によって開催賛成派の説明の滅茶苦茶さが可視化されたことは評価すべきだが、同時にNHKが圧力に屈服した事実も忘れてはならないだろう。(編集部

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 芸能・エンタメ 【スポーツ】  2021年12月26日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.25】:それでも森喜朗を擁護する人たち… 

2022-01-10 23:57:20 | 【人権・生存権・同性婚・人種差別・アイヌ民族・被差別部落・ハンセン病患者】

【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.25】:それでも森喜朗を擁護する人たち… ■産経新聞「厚化粧した集団いじめ」橋下徹「森さんの気持ちわかる」山口真由「欧米的ポリコレに違和感」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2021年、彼らのやったことを忘れるな!・12.25】:それでも森喜朗を擁護する人たち… ■産経新聞「厚化粧した集団いじめ」橋下徹「森さんの気持ちわかる」山口真由「欧米的ポリコレに違和感」

 2021年も、残すところあとわずか。本サイトで今年報じた記事のなかで、反響の多かった記事をあらためてお届けしたい。
編集部
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【初出 2021.02.06】

 東京五輪組織委員会森喜朗会長の性差別発言に対する抗議の声が止まらない。ネット署名サイト「Change.org」で4日夜からはじまった森会長の処遇を検討や再発防止を求める署名にはすでに10万筆を超える賛同が集まり、さらにドイツやフィンランド、スウェーデンなどの駐日大使館や駐日欧州連合代表部、国連広報センターなどの機関が相次いで、「#DontBeSilent」「#GenderEquality」「#男女平等」というハッシュタグや片手を挙げた写真を拡散するTwitter運動をはじめている。

それでも森喜朗を擁護する人たち…産経新聞「厚化粧した集団いじめ」橋下徹「森さんの気持ちわかる」山口真由「欧米的ポリコレに違和感」の画像1

『プライムニュース』に出演する森会長(番組HPより)

 だが、そうした動きを森会長や国際オリンピック協会(IOC)、菅政権は無視。さらに、辞任することを否定した会見のあと、森会長は『BSフジLIVEプライムニュース』(BSフジ)で、「(女性の話が長いというのは)根拠がないことで言ってるわけではないんで」などと撤回したはずの発言を自ら蒸し返し、「外国行って説明するわけにもいきませんからね。だからこれは私は撤回したほうが早いということで」と発言。ようするに、海外メディアが騒いだことの火消しのために撤回しただけで、実際には何の反省もしていないことを自分から開陳したのだ。

 これでもいまなお菅政権もIOCも辞任させることもなく東京五輪組織委トップにのさばらせている時点で、この国とIOCは差別に加担する恥知らずだと認めたも同然だが、そうした女性差別への意識の低さを露呈したのは政府やIOCだけではない。
 
 表向き森会長を厳しく批判しているテレビや新聞なども、世論や国際社会から大きな批判が上がったから慌てて乗っかっているだけで、実際はこの差別発言の問題性をわかっていないメディアが多数見受けられるからだ。

 実際、マスコミの報道は、初動から踏み込みが甘かった。

 最初に森発言をもっとも早く取り上げたのは朝日新聞デジタルだったが、本文では一言も「性差別発言」「女性蔑視」とは指摘していなかった。つづいて報じた共同通信や日本経済新聞なども同じで、「「女性理事は会議に時間かかる」森会長が蔑視発言か」というタイトルで報じた時事通信にしても、本文で〈女性蔑視とも受け取れる発言で、今後議論を呼ぶ可能性がある〉などと記述。疑う余地もない直球の差別発言なのに「蔑視発言か」「女性蔑視とも受け取れる」などと直接指摘することはなかった。英ロイター通信や仏AFP通信が「sexist remarks」(性差別発言)とタイトルに打ち、仏「20 minutes」紙では「TIRED」というタグで「森会長が時速320kmで性差別の高速道路を突っ走った」と伝えたこととは大違いだ。

 さらに、4日におこなわれた森会長の“逆ギレ会見”でも、幹事社の日本テレビ以外で質問をおこなったのは、日刊ゲンダイTBSNHK、毎日放送、TBSラジオ、ハフポストの6社で、全国5大紙は一社も質問をおこなっていない。会見映像では会場の様子がわからないため不明だが、これらの新聞社の記者は手を挙げていて指名されなかったのか、それとも挙手していなかったのか。

 ◆産経抄は「森氏の大きな功績」「「女性差別の国」のレッテルを貼りたがってきた欧米メディアの絶好のネタ」 

 その上、ひどかったのは“逆ギレ会見”を受けた翌5日の朝刊だ。毎日新聞は一面トップで「森氏「女性蔑視」批判の嵐」と見出しを打っただけではなく、総合面や社会面、スポーツ面でも大きく取り扱ったが、その一方、朝日の一面トップの見出しは「森会長、発言撤回し謝罪」。1面3番手の扱いにした読売は「森会長が発言撤回」、総合面で扱った産経は「森会長、「女性」発言を陳謝」、一面左端の日経も「森氏、発言を謝罪」という見出しだった。

 会見で森会長は「お詫びをして、訂正・撤回する」とは言ったものの、その中身は謝罪も撤回もなく、「女性の話は長いという認識なのか」と問われると「最近、女性の話を聞かないからわからない」などと女性差別を重ねた。そればかりか、質問をおこなった女性記者に「声が聞こえない」「マスクを取ってくれ」などと要求したり、NHKの女性記者が名を名乗ると「よくわかっています」とわざわざ圧をかけるようなことまで口にしていたのだ。にもかかわらず、見出しを「謝罪」「撤回」「陳謝」などとするのは、まるで事実に即していない。問題の火付け役となった朝日でさえ一面トップの見出しが思考停止の漫然とした常套句でお茶を濁している点からも、この国のメディアの「意識の低さ」を浮き彫りにしている。

 さらに、毎日、朝日、日経は会見を受け、5日になってようやく社説でもこの問題を扱ったが、毎日と朝日が「五輪責任者として失格だ」(毎日)「森会長の辞任を求める」(朝日)と辞任に踏み込んだ一方、日経の見出しは「あまりにもおそまつな森五輪会長の女性発言」、本文も〈撤回することは当然だが、それだけですむことではないだろう〉というヌルいもの。読売は5日時点では社説に取り上げることすらなく、6日になってようやく取り上げたが〈女性差別と受け取られても仕方がない〉などと明らかに腰の引けた論調だった。

 しかしそれ以上にとんでもないのは、産経だ。産経は5日にコラムの「産経抄」で〈五輪招致から開催準備まで、森氏の大きな功績を疑うものではない〉と持ち上げたばかりか、〈海外メディアも問題視している。というよりむしろ、日本に「女性差別の国」のレッテルを貼りたがってきた欧米メディアにとって、絶好のネタである〉などと記述。レッテルも何も実際に「女性差別の国」であることが露呈したというのに、この期に及んで海外メディア批判を繰り出した。また、本日6日の同コラムでも、〈「正しさ」で厚化粧した集団いじめに立ち会ったかのようで、割り切れない〉〈マスコミが一斉に大上段に構え振り下ろす「正義」は、うさんくさく危うい〉とわざわざミソジニー表現を用いて書いている。

 だが、この“ネトウヨペーパー”である産経並みにひどかったのが、ワイドショーのコメンテーターたちだ。どの番組も論調としては「森会長はひどい」というものだったが、しかし、そこで繰り広げられたコメンテーターの発言は、実際には擁護的なものも少なくなかった。

 そして、とりわけひどかったのが、橋下徹氏の発言だ。

 ◆橋下徹「会長の職務は大変」「やれるのは森さんしかいない」 山口真由「83歳をつまみだしちゃいけない」

 まず、橋下氏は4日放送の『ゴゴスマ』(CBCテレビ)で「おじいちゃんだから仕方ない」などと擁護したかと思えば、“逆ギレ会見”を取り上げた5日放送の『バイキングMORE』(フジテレビ)では、「僕はね、一部、森さんの気持ちがすごいわかるんですよ」などと言い出し、「森さんがこれまで7年間やってこられた会長としての職務はものすごい大変な業務」「森さんは7年間、ここまでやってきたのに、この一言でこんな言われようをするのかって腹の中でふつふつと煮えくりかえってったっていう気持ちはすごい伝わります」「俺、こんだけやってたじゃないか、と。しかも森さん無報酬ですからね」などと言い出し、こうも述べた。

 「よく森さんの適任性って言われるんですけど、僕はこれだけの利害関係者がいて、政治とも競技団体とも調整をする、その実行力は森さんしかいないと思います。ただ、五輪は、国民を気分良く、楽しく思わせるもうひとつの要素があって、こちらはまったくダメ。だから2つを分けなきゃいけないと思ってて、僕は7年間、一生懸命やってきたことを評価した上で、この発言はダメだからちょっと引いてくださいってことを言わないと」
 「あそこでうまく謝罪していたら許されるようなことだったのに、もうちょっと周りがちゃんとサポートして会見の段取り組めなかったのかな」 

 橋下氏は「森さんは実行力がある。しかも無報酬だ」と言うが、本サイトで繰り返し指摘してきたように、森氏は招致に絡んだ買収疑惑の当事者であり、東京五輪開催に伴う建設利権を握ろうとしてきたとも言われている。そうした“黒い実行力”を発揮してきた一方で、表舞台ではこれまでも組織委会長として数々の暴言を繰り返してきた。にもかかわらず橋下氏は森会長を「適任」だと強調するばかりか、何の反省もしていないことは明らかになっているというのに「うまく謝罪していたら」「うまく会見の段取りをサポートしていれば」などと形式だけを問題にしたのだ。

 さすがは口先だけで言いくるめてきた無責任・無反省男なだけはあるが、そもそも橋下氏は大阪市長時代、在日米軍幹部に対して「もっと日本の風ぞく業を活用してほしい」と発言し、この暴言が問題になると「戦争当時、従軍慰安婦が必要だったのは誰でもわかる」などと言い出した人物。しかも、沖縄で米軍属による女性暴行殺人事件が起こった際にも再び「風ぞく活用」を訴えるという卑劣さを露わにした。こんな人物に、何の批判もなく性差別の問題について語らせるワイドショーもどうかしているだろう。 

 だが、信じられないコメントをおこなったのは橋下氏だけではない。4日放送の『ゴゴスマ』では元財務官僚弁護士山口真由氏が「会見は衝撃的だったんですけれども、私はああいう方を表に出してはいけないと、裏で隠然とした力を発揮してもらえばいいという、なんていうか欧米の“臭いものには蓋を”みたいなポリコレカルチャーにやっぱり若干、違和感がある」と言い、こうつづけた。

 「『多様性』と言うならば、多様性にまったく理解を示さない83歳のおじいちゃまも社会からつまみ出してはいけないと思うんですね。あの方がああいう発言をするたびに私たちはそれを議論して、そして自らの行動をもって反証をしていく機会が与えられる。これをむしろポジティブに変えていけたらなというふうに思いましたけれど」

 ◆八代英輝弁護士はこの期に及んでも「記者の質問の仕方ってのもどうなのかな」とメディア批判

 「表に出さずに裏で暗躍させればいい」というのは、まさしく森氏や橋下氏のような性差別主義者や、事なかれ主義で問題の本質を有耶無耶にしようとする日本社会の発想だが、それを「欧米的なポリコレカルチャー」などとすり替える……。だいたい、ポリティカル・コレクトネス=差別を許さず政治的公正さを求めることが進んでいないがために、この国はいまだに森会長が続投できる「性差別社会」が出来上がっているわけだが、それを「ポリコレカルチャー」と揶揄した挙げ句、「多様性」を持ち出して性差別主義者も認めろとは、無茶苦茶すぎる。しかも、「ポジティブに変えていこう」というのも、「批判ばかりではダメ」と言って結果的に批判を封じ込める、差別主義や冷笑主義の決まり文句だ。

 しかし、ワイドショーではこうした森発言擁護だけではなく、森会見での質疑に対するメディア批判までが飛び出した。5日放送の『ひるおび!』(TBS)では八代英輝弁護士が「撤回して済むものではない」としながらも、こうコメントしたのだ。 

 「記者の質問の仕方ってのもどうなのかなって。ようするに、『適任じゃありません』って記者の意見を言うことが記者なのか、それとも『私は質問する立場であって、お答えする立場にはないです』と答えるべきだったのか。そこの部分は僕はちょっとわからないんですけども、なんて言うんですかね、比較的記者の方は冷静に質問はしてたと思うんですけど、そのなかでだんだんだんだん森さんがヒートアップしてきてしまって、まあ、キレたような発言になってしまった」
「腹の中で本当は何を考えていらっしゃるんだろうってところで、やはり記者の質問が厳しくなってくるのは当然だと思うんですね。そこにまんまと乗ってしまったところはあるなと感じましたね」

 八代弁護士がここで「記者の質問の仕方ってのもどうなのかな」と問題に挙げたのは、会見で森会長に鋭く迫ったTBSラジオの澤田大樹記者の質問だが、実際には澤田記者が「オリンピック精神に反するという話もされたが、そういう方が組織委員会の会長であるのは適任なのか」と質問したら、森会長が「あなたはどう思いますか」と逆質問したために、「私は適任ではないと思う」と答えたものだ。つまり、訊かれたから答えただけなのに(しかもその回答はごく真っ当な意見だ)、それを「いかがなものか」といったように槍玉に挙げ、そうした記者の質問にはめられて森会長はキレたのだと八代弁護士はまとめたのである。 

 明確な性差別発言を公の場で繰り出した五輪組織委トップが辞任すらしないという、女性が軽んじられつづけ差別が温存されるという異常事態が巻き起こっているというのに、実態と異なる「謝罪」「撤回」という定型句でまとめあげられ、「適任者だ」だの「海外メディアが」「記者の質問が」だのという筋違いの話で差別の問題がかき消されていく──。メディアがこの調子では、森会長はこのまま非難などどこ吹く風で居座りつづけ、「性差別発言がまかり通る」というこの国の問題は是正されないままになるだろう。だからこそ、「#DontBeSilent」、黙ってはいけないのだ。

 元稿:LITERA・リテラ(本と雑誌の知を再発見) 主要ニュース 芸能・エンタメ 【テレビ】  2021年12月25日  08:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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