路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【点描・永田町】「山口3区の乱」舞台裏の策謀/11.14

2022-01-15 23:53:00 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【点描・永田町】「山口3区の乱」舞台裏の策謀/11.14

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【点描・永田町】「山口3区の乱」舞台裏の策謀/11.14

 与野党が激突した10・31衆院選は、自民党が単独で絶対安定多数の261議席を獲得、公明党(32議席)を加えた与党合計でも公示前勢力(305議席)に迫る293議席と、事前の苦戦予想を覆して勝利した。国民の信任を受けた岸田文雄首相は、11月10日召集予定の特別国会冒頭での首相指名を受け、同日中に第2次岸田政権を発足させる。

 ■長州戦争、残る遺恨 党本部裁定、程遠い「円満決着」―山口3区

 そうした中、衆院山口3区では参院からくら替えした自民党の林芳正元文部科学相が圧勝し、「次回以降の総裁選への挑戦権を手に入れた」(自民幹部)として注目された。当初は、くら替え出馬への党内の賛否が入り乱れ、当選10回で現職だった河村建夫元官房長官との激しい公認争いは「山口3区の乱」と呼ばれた。しかし、衆院選公示直前に河村氏が不出馬・政界引退を表明したことで、表向きは“円満決着”の形となった。ただ、対立と迷走を繰り返した公認争いの舞台裏は、党内の権力闘争に加え、次期衆院選やポスト岸田も絡めた「策謀が渦巻く政争」(自民長老)だったのが実態だ。

衆院山口3区へのくら替え出馬を表明し、記者会見を行った林芳正元文部科学相=7月15日、山口県宇部市

 衆院山口3区へのくら替え出馬を表明し、記者会見を行った林芳正元文部科学相=7月15日、山口県宇部市

 

 そもそも、林氏は岸田派ナンバー2の座長で、河村氏は二階派の会長代行だった。このため、公認争いは「岸田VS二階」の代理戦争となったが、幹事長だった二階俊博氏が総裁選での岸田氏勝利を受けて「自民最高実力者」の座を失ったことで、それまでの「現職優先」方針が覆り、後ろ盾を失った河村氏が涙をのむ結果となった。

 加えて、河村氏の後継者の長男・建一氏は、当選確実な比例中国ブロック単独候補としての上位登載がかなわず、縁もゆかりもない同北関東ブロックでの32位に追いやられ、次点で落選した。しかも、この党本部決定につながったのは、山口県連会長の岸信夫防衛相らが提出した「(建一氏は)県連と何ら関わりのない候補」とする抗議文書。岸氏は安倍晋三元首相の実弟で、党内では「山口のドンの安倍さんが河村家を地元から追い出すための陰謀」との臆測が飛び交う。

衆院本会議に臨む自民党の岸田文雄総裁(左)と、首相指名選挙の投票に向かう安倍晋三氏(右)=10月4日、国会内

 衆院本会議に臨む自民党の岸田文雄総裁(左)と、首相指名選挙の投票に向かう安倍晋三氏(右)=10月4日、国会内

 

 ◇次期衆院選とポスト岸田で思惑 

 というのも、次期衆院選では山口県の小選挙区がこれまでの4から3に減る予定で、現職の安倍(4区)と岸(2区)の両氏、高村正大氏(1区)、林氏のうちの3人が小選挙区公認候補となる。高村氏の父・正彦元副総裁は安倍氏と極めて親しい関係だが、林氏は安倍家と肩を並べる山口の名門政治家一家の4代目。安倍氏の父・晋太郎元外相(故人)と林氏の父・義郎元蔵相(同)は、中選挙区時代に「安倍家VS林家」の激しい覇権争いを展開しただけに、「次は高村氏がはじき出される」とのうわさもささやかれている。


 さらに事情を複雑にしているのは、すでに林氏が岸田派(宏池会)の次期総裁候補として、ポスト岸田での総裁選出馬を目指していることだ。林氏は近い将来、首相の後継者として岸田派を林派に衣替えするとみられている。しかも、来夏の参院選での与党勝利で首相が3年の任期を全うできる状況となれば、「任期満了まで解散せずに退陣する意向」(側近)だとされる。


 もちろん、安倍氏周辺はこうした動きに不快感を隠さない。山口の自民党参院議員を見れば、10月24日の参院山口補選で当選した北村経夫氏や来夏参院選で改選予定の江島潔氏も安倍氏側近で、「林氏の総裁選出馬など許さない雰囲気」(安倍氏側近)とされる。しかし、林氏は10月発売の月刊誌で「次の総理はこの私」と宣言し、首相も今後、同氏を党・内閣の要職に起用する構えだ。このため、3年間は首相を輩出してきた山口県の覇権をめぐる「安倍・林戦争」が激化することは、間違いなさそうだ【政治ジャーナリスト・泉 宏/「地方行政」11月8日号より】。

 元稿:時事通信社 JIJI.com 政治 【政局・コラム・「点描・永田町」】  2021年11月14日  18:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【社説①】:統計不正報告書 国会で真相究明必要だ

2022-01-15 05:05:55 | 【中央省庁・内閣府・1府11省2庁・公取委・主任の大臣・事務次官・官房・

【社説①】:統計不正報告書 国会で真相究明必要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:統計不正報告書 国会で真相究明必要だ 

 国土交通省所管の建設工事受注動態統計の不正を巡り、外部弁護士らでつくる同省の第三者委員会がきのう、検証報告書を斉藤鉄夫国交相に提出した。

 不正の原因について、担当者の業務過多や幹部職員の現場任せなどにあると指摘した。

 職員間で証言が一部食い違っているほか、数値を是正する際などに隠蔽(いんぺい)工作とも受けとれる対応も判明した。しかし、より詳しい調査を行っていない。

 報告書は約3週間でまとめられた。17日の通常国会召集を前に、事態の早期収拾を図ろうとする岸田文雄政権の思惑も透ける。

 政策は統計の正確な数値に基づいて決めるものだ。だが国交省は会計検査院から指摘を受けても不正を一部続け、公表しなかった。

 統計を操作しても良いとする倫理観と責任感の著しい欠如と言える。行政全体の信頼を損いかねない深刻な事態であり、国会で真相を徹底的に究明すべきだ。

 報告書は数値の書き換えと合算処理について、この統計が始まった2000年より前の前身の統計から行われていたとした。

 13年4月に始まった受注実績の二重計上は、担当者が疑問を持たずに作業していたことが直接的な原因と記した。19年4月に着任した課長補佐が問題視するまで、誰も気づかなかったという。

 不正を当時知らなかったという幹部も多い。原因は現場との情報の分断などと結論づけた。

 だが管理職が打ち合わせで合算処理の話題が出た際にけげんな表情を見せたり、書き換えを説明する会議に出席したりしていたことが報告書で明らかになった。

 上司に相談したという係長の証言もある。管理職が不正を認識していながら、知らぬふりをしていたとの疑念は拭えない。

 政権の経済政策の成果を示すために二重計上を行ったのではないかという野党などの指摘について、報告書はその意図は確認できないとした。

 不正が法令違反に当たるかどうかについては言及しなかった。

 国内総生産(GDP)などに与えた影響も調査事項ではないとして触れず、明らかになっていない点は多い。

 現場が人手不足の上、担当者に専門知識が不足していることも不正の背景と報告書は指摘しており、現場の疲弊も深刻だ。

 国会は不正の全貌を解明し、統計を担う体制の抜本改革を議論していく責任がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月15日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:暴風雪の猛威 命守る取り組み万全に

2022-01-15 05:05:50 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【社説②】:暴風雪の猛威 命守る取り組み万全に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:暴風雪の猛威 命守る取り組み万全に 

 暴風雪が道内を襲い、この時期としては珍しく湿った重い雪が大量に降った。

 屋根からの雪に巻き込まれたとみられる事故で旭川市などで高齢者の犠牲が相次いだ。軒下や建物の近くは落雪の恐れが高まっている。安易に近づくのは禁物だ。

 JR北海道が昨夜、札幌駅発着の全列車の運行を取りやめるなど交通機関は乱れた。道路は除排雪が追いつかず、道幅が狭まり市街地で渋滞が多発している。

 新型コロナウイルス変異株の急拡大で医療をはじめ社会機能の逼迫(ひっぱく)が懸念されるさなかである。

 道と市町村は状況把握に努め、被害が確認された場合は迅速に支援し、混乱を最小限にとどめねばならない。冬本番は続く。警戒を緩めずに乗り切りたい。

 急速に発達した太平洋側と日本海側の二つの低気圧に向かって、南から暖かい空気が流れ込んだのが大荒れの要因とみられている。

 これに伴い目立ったのが雪の下敷きになる事故だ。軒下で雪に埋まっているのを家族が見つけるといったケースが続いた。

 暴風雪などの警報発令時には不要不急の外出は避け、除雪は風雪が止むのを待って地域の人などと一緒に行うことを考えてほしい。

 除雪機に巻き込まれる事故も発生した。握り手部分を離せば自動停止する安全装置が機能するか事前に確認し、バックの際は足元や後方を確認するのが欠かせない。

 天候が落ち着いてから屋根の雪下ろしをする方もいよう。ヘルメットと命綱を装着し、複数で声掛けしながら行うのが基本だ。

 過疎が進む地域ではやむなく1人で屋根に上がろうと考える高齢者もいるかもしれない。変異株リスクの高まりを受け、除雪ボランティアの受け入れをやめる地域が出てくる可能性もある。

 助け合いの仕組みの維持に官民で知恵を絞りたい。

 2013年3月の暴風雪災害では、道東などで多くの車が吹きだまりで立ち往生し、助けを待つ間に排ガスが車内に入り込むなどして9人が亡くなった。

 悲劇を繰り返してはならない。

 道路管理者は、通行規制や道路情報の提供を適切に行うことが求められる。

 車内で救助を待つ場合はエンジンを止め、暖房のためエンジンをかける際は排気管が雪でふさがらないようにするのが鉄則だ。

 きょうから大学入学共通テストが行われる。受験生は時間に余裕を持って行動してほしい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:クリーン政治の弟子

2022-01-15 05:05:45 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【卓上四季】:クリーン政治の弟子

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:クリーン政治の弟子

 仏教の「自性清浄心(じしょうしょうじょうしん)」という教えを大事にした。常に自省自律する心構えだ。激しい誘惑の時こそ人の本性が現れる。91歳で亡くなった元首相海部俊樹さんはそのモットーを心がけた

 ▼リクルート事件や首相の女性スキャンダル、消費税導入などの逆風で自民党が参院選で惨敗した1989年。総裁候補に名が挙がった。クリーン政治の三木武夫元首相を師と仰ぐ58歳は党の刷新イメージに合致した

 ▼自民党最後の総裁と書いた新聞もあった。組閣人事を進めたのは主流派の実力者たち。利用されるだけと反対する声を振り切って登板したのは「生まれ変わるために政治改革を懸命にやる」という覚悟があったからだ。だから「みこしは軽い方が良い」という陰口にも耐えた(「政治とカネ」新潮新書)

 ▼折しも世界は東西冷戦終結の激動期。130億ドルを拠出した湾岸戦争では「人的貢献がない」と批判されたが、「できることを実行する」方針に徹した

 ▼小選挙区導入を柱とする政治改革を巡っては、反対派を中心に「海部降ろし」が吹き荒れ、志半ばで退陣の憂き目に遭う。解散権行使も検討した海部氏を押しとどめたのは、「わしは独裁者ではない。民主主義のルールは守らねば」という恩師の言葉であった

 ▼晩年はポピュリズムの台頭を懸念していた。「一歩前進二歩改革」。改革は着実な進歩があってこそ。誠実さから始まる政治である。2022・1・15

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2022年01月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:ワクチン接種 信頼できる計画策定を

2022-01-15 05:05:40 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説①】:ワクチン接種 信頼できる計画策定を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:ワクチン接種 信頼できる計画策定を 

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染急拡大が止まらない。岸田文雄首相はワクチンの3回目接種について、医療従事者や高齢者に加え、一般の人も前倒しする考えを示した。

 これまで対象外の12歳未満も希望者を対象に3月以降開始するほか、職場接種も前倒しする。

 後藤茂之厚生労働相はきのう、2回目との接種間隔を一般高齢者は7カ月から6カ月に、一般の人は8カ月から7カ月へと短縮する方針を明らかにした。

 これら大規模な接種の前倒しも、確かな供給計画がなければ自治体は準備を進められない。

 昨年は供給量の情報が二転三転し、現場に混乱を招いた。

 政府は速やかで着実な接種へ向けて配給の計画を早期に示すとともに安定した供給が求められる。

 3回目の接種については、経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも日本の接種率は低い。昨年12月に始まった医療従事者らへの接種の遅れも目立つ。

 政府が発表した新たな対策には自衛隊の大規模接種会場設置も盛り込まれたが、場所や開始時期などは具体的に決まっていない。

 岸田首相は「先手、厳格な対策」を強調するが、生煮えのまま掛け声先行の印象が拭えない。

 感染拡大の続く沖縄では医療従事者に感染者などが増え、医療逼迫(ひっぱく)の懸念が強まっている。

 今後、全国的にこうした状況が広がれば、接種を担う医師らの確保も難しくなる。国は人材確保でも積極的な支援が欠かせない。

 12歳未満への接種については保護者などに慎重論も根強い。政府や自治体は感染予防の利点と副反応などのリスクを丁寧に説明することが大事である。

 打たない子どもが学校などで差別やいじめに遭うことがないよう、十分なケアが必要だ。

 オミクロン株の重症化リスクやワクチンの有効性、副反応について分かっていないことも多い。国は海外の情報を積極的に収集し、感染対策につなげてほしい。

 ワクチン接種では1、2回目と異なるワクチンを打つ「交互接種」となる場合もある。国民の間には不安もあり、ここでも安全性や有効性の説明が重要だ。

 堀内詔子(のりこ)担当相は昨年の臨時国会で答弁に度々詰まり、他省庁や自治体との調整、情報発信を懸念する声も出ている。

 来週開会の通常国会でも不安定な答弁が続くのなら、閣僚としての資質が問われよう。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月14日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:沖縄復帰半世紀 負担軽減を進める年に

2022-01-15 05:05:35 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【社説②】:沖縄復帰半世紀 負担軽減を進める年に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:沖縄復帰半世紀 負担軽減を進める年に

 大戦後、米国に統治されていた沖縄が1972年5月15日に日本に復帰して今年で50年を迎える。

 現在も全国にある米軍専用施設の約7割が集中している。

 玉城デニー知事は年頭のあいさつで「過重な基地負担の軽減を政府に求めていく」と強く訴えた。

 今年は米軍普天間飛行場の移設先である名護市の市長選が23日に投開票され、秋には県知事選が予定されるなど大型選挙が相次ぐ。

 沖縄はこれまで県民投票などで移設反対の民意を繰り返し示したが、安倍晋三・菅義偉両政権は真っ正面から応えてこなかった。

 岸田文雄首相は「国民に寄り添う」と標榜(ひょうぼう)している。ならば沖縄に対しても行動でその姿勢を示すべきである。

 節目の年を迎え、国民全体で沖縄の苦難を顧みて、負担軽減を進めていく必要があろう。

 基地問題を巡っては95年の米兵による少女暴行事件を機に、整理・縮小の検討が始まった。

 翌年、日米特別行動委員会(SACO)の最終報告で名護市辺野古沖への移設が示されたが、四半世紀たっても解決にはほど遠い。

 政府は今も辺野古移設が「唯一の解決策」との姿勢を崩さない。

 予定海域でマヨネーズ並みに軟らかい軟弱地盤が見つかり、県は設計変更を不承認としたが、政府は法廷闘争を視野に、工事を強引に続ける。だが運用開始は見通せない。他の解決策を探るべきだ。

 2004年の沖縄国際大への米軍ヘリ墜落事故など、基地に関わる重大な事案は相次いでいる。

 昨年は米軍が発がん性の疑われる物質を無断で下水に流したことが発覚した。先月以来、基地内で新型コロナウイルスの感染が広がっている。米兵が基地外と行き来し市中感染させた可能性が高い。

 基地負担は軽減されるどころか、より問題が浮き彫りになっている。背景にある日米地位協定の見直しに向け、日米で議論を始めることが欠かせない。

 他方、防衛省は宮古島や石垣島にミサイル部隊の配備計画を進めている。軍事活動を活発化させる中国を念頭にしたものだとしているが、沖縄が有事の際の最前線になりかねず、見過ごせない。

 岸田政権は新年度予算案で沖縄振興費を減額する方針だ。「アメとムチ」を使い分け、辺野古移設に反対する玉城県政を揺さぶる狙いは明らかだろう。

 米軍参加の訓練は道内でも繰り返されている。沖縄の痛みを自分たちのこととして受け止めたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月14日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:風雪を堪える

2022-01-15 05:05:30 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【卓上四季】:風雪を堪える

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:風雪を堪える

 「東西南北(ひがしにしみなみきた)より吹雪哉」。季語の味わいや趣どころではない。前後左右も分からなくなるような猛吹雪の場景が浮かぶ夏目漱石の句である。ここ数日の暴風雪に見舞われ、まっさきに思い浮かんだ

 ▼荒天の影響で道内は列車の運休や道路の通行止めなどが相次いだ。重く湿った雪のためだろう。停電も各地で発生し、市民生活にも大きな支障が生じた。改めて雪の恐ろしさが身に染みる自然の猛威である

 ▼畏怖の念は信仰も生む。冬ごもりの間に威力ある霊魂が人の身に宿ると信じられた古代、積雪期が長いほど実りも大きいと考えられたそうだ。厳冬を耐え忍ぶための方便かもしれぬが、先の希望を欲した気持ちは切実に理解できよう

 ▼新型コロナウイルスの感染が第6波の様相を呈している。急速な感染拡大で医療現場に限らず、学校や交通機関など社会機能の停止を危惧する声も出始めた

 ▼オミクロン株については比較的重症化しにくいとの分析もあるが、感染を繰り返す中で新たに強毒性の変異が生じる恐れもある。ワクチンや治療薬の効果も不明な点が多く、感染を防ぐ基本対策を徹底するしかなさそうだ

 ▼「地吹雪や嘘をつかない人が来る」(大口元通)。一つ一つ歩を進める姿がまぶたに浮かぶ。疫病も自然現象も逆境に耐えて克服するカギは誠実さにあるということだろうか。吹き飛ばされることがないよう軽挙妄動は厳に慎みたい。2022・1・14

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2022年01月14日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:変異株と入試 柔軟かつ公平な対応を

2022-01-15 05:05:25 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【社説①】:変異株と入試 柔軟かつ公平な対応を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:変異株と入試 柔軟かつ公平な対応を 

 新型コロナウイルスの影響で大学入学共通テストを受けられなくなった受験生について、文部科学省は国公立の2次試験など個別試験だけで合否を判定するよう全国の大学に通知した。

 個別試験も受験できない場合は追試験によって4月以降の入学を可能にするともいう。

 変異株のオミクロン株が急速に広がる中、感染した受験者らの不利益を最小限に抑える狙いだ。

 ただ、規定通りに共通テストを受けた受験生との間で有利不利が生じないのか疑問が消えない。各大学は対応を迫られよう。

 救済措置の発表は共通テスト実施の直前であまりに唐突だった。昨年末にオミクロン株の濃厚接触者の受験を認めない方針を出したが、すぐ撤回して混乱を招いた。当事者への配慮に欠けている。

 急ぐべきは受験生が安心して実力を出せる体制を整備することである。文科省や各大学は入念に備えてもらいたい。

 53万人が出願した共通テストは15、16日に実施される。新型コロナ感染などで受験できなかった人は29、30日の追試験に挑む。

 今回の救済措置は、両日程とも受けられなかった受験生を個別試験だけで合否判定する。それも受験できない場合は3月末に面接や書類選考で選抜する予定で、いずれも初の試みとなる。

 大学側は難しい問題を抱える。マーク式の共通テスト、個別の学力検査や小論文、さらに面接など形態や難易度が違う判定間での公平性をどう確保するのか。

 前例がない上に準備期間は限られるが、救済対象者は一部にとどまる見込みという。各大学は最適解を探すとともに、対応が決まれば受験生への丁寧な情報提供に努めてほしい。

 文科省は過去にも共通テストを巡って、記述式の導入見送りなどで大きな混乱を生んだ。今回と共通するのは関係機関との調整不足であろう。度重なる方針転換で受験生を翻弄(ほんろう)した責任は重い。

 新たな変異株が次々と出現する新型コロナは収束が見通せない。今後の入試でも感染症対策を織り込む覚悟が必要となる。

 文科省は今回の入試を検証し、問題点を洗い出すべきだ。そして次年度以降の入試制度の改善につなげなければならない。

 受験シーズンは3月まで続く長丁場である。受験生はマスクや手洗いなどで感染を防ぐと同時に、栄養補給や十分な睡眠で体調を整え勉強の成果を発揮してほしい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月13日  05:05:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:東証の市場再編 不断の改善が欠かせぬ

2022-01-15 05:05:20 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説②】:東証の市場再編 不断の改善が欠かせぬ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:東証の市場再編 不断の改善が欠かせぬ 

 東京証券取引所は現行四つの市場区分を、4月からプライム、スタンダード、グロースの三つに再編するのに伴い、全上場企業の移行先を公表した。

 最上位とされるプライムは1841社で、現行の1部の8割強を占めた。そのうち296社が新基準を満たしていないものの、経過措置で、達成に向けた計画書を提出してプライムに移る。

 プライムは売買のしやすさ、企業統治、経営成績などの点で国際水準の銘柄を集めて海外からの投資を増やす狙いだ。だが絞り込みは不十分と言わざるを得ない。

 経過措置の期間も明らかにしていない。東証は計画書を精査して決めるというが、企業の対応を促すためにも早めに示すべきだ。

 他の2市場を含めて上場基準などを不断に改善し、魅力ある市場づくりを進めてほしい。

 企業も基準を満たすために株価を引き上げようと、安易なリストラやコスト削減に走るようなことがあってはならない。技術革新や人材への投資などを通じて企業価値を高める努力が欠かせない。

 1部には上場企業の6割近くが集まり、企業価値の目安となる時価総額で数十億円から10兆円超までの企業が混在している。

 東証が上場を増やそうと、新興企業市場マザーズから1部への昇格や、1部上場廃止となる基準を緩くしてきたためだ。

 1部に安住する企業が増え、成長力が高まらない一因とされる。

 日銀の上場投資信託(ETF)購入がなければ、株価が現状より低くなる企業も相当あるという。

 今回、プライムの基準に関し、市場で売買できる株式の時価総額が100億円未満になれば上場廃止としたのは妥当と言えよう。

 ただ専門家には100億円では低いとの声が少なくない。計画書で基準達成に5~10年かかるとしている企業もある。東証は計画の進捗(しんちょく)状況を詳細に点検し、改革の実効性を上げてもらいたい。

 プライムでは社外取締役を3分の1以上とすることや、英語での情報開示などが求められる。企業も変革や負担増が避けられない。

 市場の評価向上を目指し、不採算事業からの撤退や株主還元策を強化する動きが出ている。

 あえてプライムを選ばず、経営資源を顧客サービスの改善に生かそうとする企業もある。身の丈に合った市場選択も肝要だろう。

 札幌などの地方証券取引所も企業の動向やニーズを分析し、活性化につなげる機会としたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月13日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:生きていい社会

2022-01-15 05:05:15 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【卓上四季】:生きていい社会

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:生きていい社会

 生まれのせいで嫌な思いをする少年は母親を責め立てた。「なぜ朝鮮人なんかに生んだんだ!」。その時の何も言わず、うつむいたままの悲しい母の顔。劇作家つかこうへいさんの後悔である

 ▼「なぜ生んだのか!」。そんな言葉を子供から浴びせられる親の心痛はいかばかりか。つかさんはその表情を一生忘れてはならないと誓った。いじめられっ子や弱い人の味方になるような演劇の原点がそこにある

 ▼ままならぬ妊娠で苦しむ女性が匿名で出産する「内密出産」。熊本市の慈恵病院で初めてのケースとなる可能性がある出産があった。何より大切にしたいのは生まれてきた子供の幸せだ。戸籍作成や出自を知る権利の取り扱いなど丁寧に対応してほしいと願う

 ▼犯罪白書によると、1歳未満の乳児が被害者となる殺人事件で検挙されたのは9割が女性だという。追い詰められる母親の姿が浮き彫りになる

 ▼熊本の女性も親やパートナーからの虐待などに苦しんでいたそうだ。間違っても、当事者の明かせぬ事情を無視し自己責任論を押しつけるような狭隘(きょうあい)な心は持ちたくない

 ▼子供が生まれてくるんじゃなかったと思うような世界が幸福であるはずがない。昨年亡くなった瀬戸内寂聴さんは「人は幸福になるために生まれてくる」と語っていた。「生きてていいんだよ」。生まれてくるどんな命にも、そう声をかけてあげられる社会でありたい。2022・1・13

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2022年01月13日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:北朝鮮ミサイル 国際社会結束し阻止を

2022-01-15 05:05:12 | 【北朝鮮・朝鮮半島・拉致問題・独裁・朝鮮総連・朝鮮学校】

【社説①】:北朝鮮ミサイル 国際社会結束し阻止を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:北朝鮮ミサイル 国際社会結束し阻止を 

 北朝鮮がきのう、弾道ミサイルと推定される飛翔(ひしょう)体を日本海に向け発射した。「極超音速ミサイル」と主張する5日の飛翔体発射に続くもので、到底容認できない。

 5日の発射に対しては、欧米5カ国と日本が非難声明を出した。きのうの発射はその直後であり、国際社会への挑発と言える。

 国連安全保障理事会は弾道ミサイル発射中止などを求める決議に基づき累次の制裁を科してきた。しかし近年は中国とロシアが北朝鮮を擁護する姿勢を示し、今回も一致した対応が取れていない。

 音速の5倍以上の速さで飛び、変則的な軌道を取る極超音速ミサイルは迎撃が極めて困難だ。このまま開発を許せば、東アジアを不安定化させる新たな要因となる。

 北朝鮮の非核化に向けて、国際社会は結束して対応していかなければならない。

 北朝鮮に影響力を持つ中国は、より強く自制を求めるべきだ。

 日米韓の連携も一層重要であり、最悪と言われる日韓関係の改善を急ぐ必要があろう。

 金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党総書記が最高指導者に就き、昨年末で10年となった。軍事偏重路線を強め、核実験を4回実施し、弾道ミサイルを多数発射してきた。

 この結果、国際社会からの制裁などで経済は疲弊し、食糧不足も深刻だ。このままの路線を進めても、困窮は極まり、国際的に孤立を深めるだけだ。

 にもかかわらず、金総書記は昨年末の演説で、国防力強化の必要性を強調し「軍事強国」を推し進めることを重ねて示した。

 北朝鮮は、極超音速ミサイルに加えて、新型の長距離巡航ミサイルや潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)などの開発も進める。

 核・ミサイルの能力を向上させて、米国との交渉を有利に進める狙いがあろう。

 ただバイデン大統領は、トップ交渉での取引を目指したトランプ前大統領とは異なり、北朝鮮の非核化への対応に応じて、段階的に制裁を緩和することを交渉の基本方針としている。

 その上で米政権は実務レベルでの対話再開を求めている。

 拉致問題の早急な解決を目指す日本は、条件を付けずに日朝首脳会談の実現を呼び掛けている。

 北朝鮮は軍事力を前面に出した対抗姿勢を早急に改めるべきだ。

 核・ミサイル開発を放棄して、関係国との対話に臨む以外に、進むべき道はないことを強く認識する必要がある。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月12日  05:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:米艦の寄港中止 常態化の見直し必要だ

2022-01-15 05:05:08 | 【米国・在日米軍・安保・地位協定、犯罪・沖縄防衛局・普天間移設・オスプレー】

【社説②】:米艦の寄港中止 常態化の見直し必要だ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:米艦の寄港中止 常態化の見直し必要だ 

 米海軍は来月予定していたミサイル駆逐艦「ストックデール」の小樽港への寄港を取りやめた。新型コロナウイルスの感染防止対策として再考を求める小樽市などに配慮したとみられる。

 小樽、札幌両市と道は、在日米軍基地のある沖縄県でオミクロン株感染が急拡大したことなどを問題視し、在札幌米国総領事館に近く見直しを要請する方針だった。

 在日米軍は米国でのオミクロン株急増後も、関係者の米国出国前にPCR検査を実施していなかった。ずさんな感染対策が日本でのオミクロン株急拡大の一因となったことは否定できまい。

 ストックデールの最大上陸乗員は240人だ。道が外務省などに上陸時の感染対策などを照会したが具体的回答はなかったという。

 多数の乗員が観光地を訪れ、道内のさらなる感染拡大につながる恐れもあった。取りやめは当然だ。

 ただ、米軍艦船の民間港湾への寄港はコロナ禍と関わりなく問題があることを忘れてはならない。

 例年2月前半に開催される「さっぽろ雪まつり」に合わせた小樽への寄港は常態化している。

 米海軍は寄港は親善が目的だと説明するが、安全保障上の重要性は不明だ。野放図な利用を許せば商業港である小樽港の機能が低下する懸念もある。

 地元が招待したわけでもない軍艦が一方的にやって来ても、市民挙げての歓迎にはつながらない。それが日米親善に資するのか。米側はこれを機会に考えるべきだ。

 米艦は1961年以降、直近の2019年2月まで延べ82隻が小樽に寄港している。00年と06年には空母「キティホーク」が入港した。寄港の度に労組や市民団体による反対運動が行われている。

 現行の日米地位協定では、米軍艦船の寄港は米側の通告だけで可能で、地元自治体に拒否する権限はない。核兵器搭載の有無を含めて、自治体側の不安が拭えないのが実情だ。

 政府は水際対策として外国人の新規入国を原則停止しているが、米軍には適用されない。まん延防止等重点措置が適用された沖縄県や山口県での感染拡大は「水漏れ」の結果と言えるだろう。

 日米両政府は在日米軍関係者の外出をおとといから14日間、必要不可欠な活動に制限することで合意した。遅きに失した対応だ。

 日本政府には、米軍にあまりに都合良くできている地位協定の見直しを求めるなどの毅然(きぜん)とした対応を重ねて求めたい。

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【卓上四季】:尊厳の先駆者

2022-01-15 05:05:04 | 【訃報・告別式・通夜・お別れの会・病死・事故死・災害死・被害による死他】

【卓上四季】:尊厳の先駆者

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:尊厳の先駆者 

 「彼は自分が信じていることが正しいことを知っているの。目指す場所もその理由もね」。1967年の米映画「招かれざる客」で黒人の医師ジョンと婚約した白人の娘ジョーイが母に告げるセリフだ

 ▼米ロサンゼルス・タイムズ紙のコラムニスト、マクナマラさんはシドニー・ポワチエさんの訃報に接し、真っ先にその場面を思い出した。ジョンを演じたポワチエさんの生きざまそのものだったからであろう

 ▼カリブ海のバハマのトマト農場で育ち、16歳の時ニューヨークで給仕として働き始めた。そんな少年が黒人初の米アカデミー賞主演男優賞に輝くと誰が想像できただろうか

 ▼職を転々としながら懸命に言葉と演技を学び、ハリウッドの人種差別の壁に挑んだ。「私は警察官だ」と侮辱を許さなかった「夜の大捜査線」。拒絶する白人社会に対する怒りを懸命に抑えた「レーズン・イン・ザ・サン」。その姿は50年代以降の公民権運動の闘争と軌を一にする

 ▼2009年には米国最高の名誉、自由勲章を贈られた。当時大統領として授与したオバマ氏は「次世代への扉を開いた彼は尊厳と品位の象徴だった」とたたえた

 ▼黒人は医師のような地位にある者でなければ、白人とは結婚できない。「招かれざる客」が暴露した現実は果たして過去のものとなったのだろうか。気高き先駆者は94歳で亡くなったが、その闘いは没してなお続いている。2022・1・12

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2022年01月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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【社説】:核保有5カ国声明 核廃絶実現への契機に

2022-01-15 05:04:55 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・核兵器・武装・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【社説】:核保有5カ国声明 核廃絶実現への契機に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説】:核保有5カ国声明 核廃絶実現への契機に 

 米中ロ英仏の核保有五大国が3日、「核戦争に勝者はおらず、決して戦ってはならない」とうたう共同声明を発表した。5カ国が核兵器の問題で声明を発表するのは初めてである。具体的行動が示されていないことに批判があるものの、1985年のレーガン米大統領とゴルバチョフソ連共産党書記長の声明を今、5カ国で確認した意義は大きい。

 日本政府は核兵器禁止条約に後ろ向きで、バイデン米政権が検討している核先制不使用宣言にも反対している。今回の共同声明を、政府は政策の方向転換の契機とし、核廃絶の実現に向けて一歩ずつ進めていくべきである。
 共同声明に対し国連のグテレス事務総長は「今後の取り組みに関する詳細を期待している」と歓迎し、「核を巡る全てのリスクを排除する唯一の方法は、全ての核兵器を廃絶することだ」と強調した。松井一実広島市長も、歓迎しつつ「具体的行動につなげてほしい」と求めた。
 なぜ今、共同声明だったのか。延期されたが、4日に開幕予定だった核拡散防止条約(NPT)再検討会議に合わせて準備されたという。3月の核兵器禁止条約締約国会議も念頭にあったようだ。1年前の同条約発効は、核軍縮が進まないことへの非保有国の不満、批判が背景にある。共同声明は非保有国をけん制し、5カ国にのみ核保有を認めるNPT体制を堅持して核管理の主導権を握り続ける狙いだと見ていいだろう。
 実際、米中ロは核兵器の小型化や高性能化を進めており、核戦争の危機感はむしろ高まっている。共同声明に対し核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のフィン事務局長は「現実には全く逆のことをしている」と批判した。核戦争までの時間を示す「終末時計」は2020年1月以来、史上最短の100秒のままだ。5カ国は国連安全保障理事会(安保理)常任理事国でもある。5カ国が利害を主張し合うため、安保理は続発する紛争や人道危機に対し機能停止状態に陥っている。
 声明は、核兵器の目的は「防衛、侵略の抑止、戦争防止」に限り、「5カ国の核兵器はいかなる国も標的にしていない」と述べている。先制使用も核による報復もしないが、抑止力としては必要だというのだ。だが、膨大な数の核兵器が配備されている現状は、偶発的な核使用のリスクを排除できない。
 日本政府は、保有国と非保有国の橋渡しをすると言いながら、何ら実効性のある外交をしていない。昨年12月、国連総会で日本が提出した核兵器廃絶決議が28年連続で採択された。そして核兵器禁止条約発効を歓迎する決議には反対した。これは、米国の「核の傘」の下で日米軍事一体化を進めているが故の矛盾であり、核廃絶に逆行している。「核兵器のない世界」実現へ国民的議論が必要だ。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2022年01月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【金口木舌】:春の嵐を超える努力

2022-01-15 05:04:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【金口木舌】:春の嵐を超える努力

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌】:春の嵐を超える努力

 受験シーズンに入り、入試方式の変更を伝えるニュースが相次ぎ、困惑が広がっている。受験生の心境を思うと穏やかな気持ちでいられない

 ▼県立高校推薦入試は面接を原則中止し、書類に基づいて合格を判定。大学入学共通テストに関し、文科省はコロナの影響で受験できなかった人について、国公立の2次など個別試験のみで合否判定を可能にするよう通知した
 ▼「オミクロン株」の急拡大を受けた救済策である。共通テストを受けた人とそうでない人との公平性の確保が課題だ。受験前は平時でも気が張り詰める。当方も受験生の子がおり、どう支えるか気をもむ
 ▼琉球新報社が2020年の年始め、高校生を対象にしたアンケートで、受験前に周囲からの声掛けで最もうれしかったのは「大丈夫」との言葉。「一緒に受かろう、一緒に頑張ろう」「信じているよ」が続いた。大切なのは見守る姿勢
 ▼きょうから共通テストが始まる。「小さなことを積み重ねることが、とんでもないところへ行くただ一つの道」(イチロー)。努力はきっと報われる。

 元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2022年01月15日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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