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路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・01.20】:もう一つの裁判始まる 裁判長が「審理は公開の法廷で進める」と宣言

2022-01-29 07:04:40 | 【公文書・国民の知る権利、知的資源・公権力による隠ぺい・能動的サィバー攻撃】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・01.20】:もう一つの裁判始まる 裁判長が「審理は公開の法廷で進める」と宣言

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記・01.20】:もう一つの裁判始まる 裁判長が「審理は公開の法廷で進める」と宣言

 「この事案は公開の要請が非常に強いと思われますので(傍聴公開される)口頭弁論手続きで基本的に進行することを考えています」

 大阪地裁の山地修裁判長が告げた。異例の宣言に法廷がどよめいた。

 公文書改ざん事件で命を絶った財務省近畿財務局の赤木俊夫さん。その妻、赤木雅子さんが事件に関する情報開示を求めて起こした裁判が18日、大阪地裁で始まった。そこで山地裁判長が「裁判所の現時点での審理の考え方についてお伝えしたい」と前置きして述べたのが冒頭の言葉だ。

会見する弁護団(撮影)相澤冬樹

   会見する弁護団(撮影)相澤冬樹

 裁判は公開の法廷で行われるのが原則だが、民事裁判の場合、原告被告双方と裁判所の三者だけで意見を交わす非公開の協議が設けられることが多い。雅子さんが国などを訴えた損害賠償訴訟でも非公開の協議がしばしば開かれた。12月15日に裁判を強制的に終わらせられた「認諾」という手続きが取られたのも非公開の場だった。

マンガ誌を手にする赤木雅子さん(撮影)相澤冬樹

  マンガ誌を手にする赤木雅子さん(撮影)相澤冬樹

 ◆不意打ち「認諾」は非公開だった

 ところが新たに起こされたこの裁判で、裁判長がわざわざ「公開の要請が非常に強い」と発言した。社会的な関心が高いから、誰でも傍聴できる公開の法廷で審理を進めるという宣言だ。国も“不意打ち”の認諾で裁判を終わらせるなら、堂々と公開の法廷ですればよい。非公開の席でこっそりするのは、自分たちの行いが卑怯だと恥じているからだろう。

 弁論が終わった後、代理人の一人、生越照幸弁護士に尋ねると「山地さんですからね。さすがです」との言葉。山地裁判長は裁判官の出世コースとされる最高裁の調査官を務めるなど、将来を嘱望される逸材だという。もっともそろそろ異動の時期で、3月に代わる可能性もある。

 当事者の赤木雅子さんはこの日、法廷に出なかった。弁護士から裁判の様子を聞いて、求める資料が出てくるのではないかと頼もしく感じたという。

 それにもうひとつ楽しみがあった。近くのコンビニで買った小学館のマンガ誌「ビッグコミックスピリッツ」の最後に近い見開きのページ。「がんばりょんかぁ、マサコちゃん」という作品の連載が次週から始まるという告知だ。「これは実在の夫婦の物語。そして、愛する人の喪失に向き合うすべての人へ贈る物語」とある。

 「いよいよ始まりますね。わくわくするけど怖いような気もします」

 連載開始は1月24日だ。

【お詫びと訂正】

 赤木雅子さんの情報開示訴訟の裁判長について「(代理人)弁護士にとっては司法修習生の頃、大阪地裁でお世話になった“教官”だ」と書きましたが、これは筆者の誤解で教官ではありませんでした。関係する方々と読者の皆様にお詫びするとともに、この一文を削除致します。申し訳ございません。

相澤冬樹
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 ■相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2022年01月20日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:裁判打ち切りの抗議文を提出した雅子さんとは「同席しない」と言い放った財務省の卑劣さ

2022-01-29 07:04:30 | 【公文書・国民の知る権利、知的資源・公権力による隠ぺい・能動的サィバー攻撃】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:裁判打ち切りの抗議文を提出した雅子さんとは「同席しない」と言い放った財務省の卑劣さ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:裁判打ち切りの抗議文を提出した雅子さんとは「同席しない」と言い放った財務省の卑劣さ

 公文書改ざんで夫を亡くした赤木雅子さんに対し、突然「賠償を全額払う」と言いだし、裁判を一方的に打ち切った財務省。「真相を知られないため国はそこまでするのか!」と世の中に衝撃が走った。

財務省へ抗議に訪れた雅子さん(撮影)相澤冬樹

  財務省へ抗議に訪れた雅子さん(撮影)相澤冬樹

 なぜこんな卑劣な行動に走ったのか? 立憲民主党は急きょ財務省の担当者から事情を聴く緊急ヒアリングを17日開いた。たまたまその日、雅子さんは、同じように親族を亡くした人たちと会うため東京に来ていた。以前から面識のある立憲民主党の階猛衆院議員からの招きで、ヒアリング会場に詰めかけた野党議員と報道陣の前で語った。

 「よく、野党やマスコミの追及のせいで夫が死んだと言う人たちがいます。それは違います。夫が亡くなったのは改ざんをさせられたからです。夫は改ざんの直後から精神的におかしくなっていきました。私は夫の一番そばにいて、夫が苦しみ“壊れていく”姿を1年間、ずっと見ていたんです」

 「夫は財務省に殺されたと私は思っています。今回、無理やり裁判を終わらせられたことで、夫を再び殺されたという思いです」

 静かだが深い憤りのこもった言葉が、会場の人々に染み渡った。

 ■「裁判の相手だから」の一点張り

 その時、財務省の担当者は室内にいなかった。雅子さんと議員との質疑応答が終わり、雅子さんが退席すると、入れ替わりに室内に入って席についた。ここで階議員が尋ねた。

「たった今、赤木雅子さんがここで思いを語ってくれました。その思いを財務省の皆さんにも一言聞いてほしいそうです。この席に再び招いて少し話してもらってもよろしいですよね?」

 ただ聞くだけでいいのだ。答えは求めていない。ところが財務省の担当者は……。

 「そういうことであればいったん退席させていただきます。(雅子さんと)同席することは避けさせていただきます」

 理由を尋ねても「裁判の相手だから」の一点張り。自分たちで裁判を終わらせておきながら、今度は別の情報開示をめぐる裁判を理由に同席を拒否した。その後のヒアリングでも裁判を終わらせた理由について「いたずらに長引かせないため」としか言わない。だが、ここまでいたずらに長引かせたのは彼らの方なのだ。

 この後、雅子さんは弁護団とともに財務省を訪れ、打ち切りに対する抗議文を手渡した。最後に「必ずお返事をくださいね」とお願いしたが、明確な答えは返ってこなかった。

 何も説明せずに幕引きを図る卑劣さと不条理。人々の「許せない」という声で事態を動かしたいと願う。 

相澤冬樹
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 ■相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2021年12月18日  13:20:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:不都合隠しに巨額税金もいとわない卑劣…雅子さんが描いた国の代理人の顔

2022-01-29 07:04:20 | 【公文書・国民の知る権利、知的資源・公権力による隠ぺい・能動的サィバー攻撃】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:不都合隠しに巨額税金もいとわない卑劣…雅子さんが描いた国の代理人の顔

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:不都合隠しに巨額税金もいとわない卑劣…雅子さんが描いた国の代理人の顔

 「ふざけんな! と思いました。惨敗したような、大負けに負けたような気持ちです」

 ■国が「認諾」で裁判強制終了

 激しい思いが言葉になった。財務省公文書改ざん事件の原告、赤木雅子さん。改ざん事件で命を絶った夫、俊夫さんの死の真相を解明するため、国と佐川宣寿元財務省理財局長を相手に裁判を起こした。15日、大阪地裁で行われた非公開の協議で、国はいきなり「認諾」を申し出た。原告の請求金額を丸ごと認めて賠償金を支払い、裁判を終わらせる手続きだ。提訴から1年9カ月、国との裁判はあっけなく終わった。

 原告の訴え通りに賠償を払うのだから、普通ならば原告にとって勝訴同然で、めでたい話ということになる。それがなぜ「ふざけんな」という言葉になるのか?

 赤木雅子さんはこの裁判でお金がほしかったわけではない。賠償を求める形にしないと裁判にならないから請求はしたが、本当に望んでいるのは真相の解明だ。改ざんはなぜ行われたのか? 夫が反対しても無理やりさせた責任は誰にあるのか? 改ざんした文書は森友学園との土地取引に関するものだ。この取引自体に問題があるのではないか?

 それを、裁判で資料を請求し、関係者に法廷で証言を求めて、真実を知りたかった。ところが認諾されてしまうと賠償の支払いで裁判は終わってしまう。証人の証言も実現できない。真相を解明されたくないから無理やり裁判を終わらせたのか?

 ◆「あなた方の顔を忘れない」

 雅子さんは協議の席で国の代理人に語り掛けた。

 「夫は国に殺されたと思っています。何度も何度も殺されて、きょうまた殺されました」

 その間、国の代理人8人はじっとうつむいていた。雅子さんは思わず言った。

 「あなた方、私の顔を見てください。私もあなた方のきょうの顔を忘れません」

 赤木さんの言葉が終わると、国の代理人はそそくさと帰っていった。法廷を出たところで筆者は彼らに「国の代理人の方ですよね」と声をかけたが、誰一人何も言わず足早に立ち去った。

 雅子さんは彼らの一人の顔を法廷でスケッチしていた(写真)。うつむいて黙りこくったまま反応のない姿。雅子さんは法廷でこういう人たちと向き合ってきたのだ。

 さて、これですべてが終わってしまうのだろうか? そんなことはない。国との国賠訴訟は終わっても、まだ佐川元理財局長との裁判が残っている。改ざんを指示したとされる佐川さんとの裁判を通し、佐川さん本人や関係者の証言を求める道もある。

 闘いはまだ続く。臭いものにふたをしようとする相手の思い通りにはさせない。何としても真相にたどり着いてみせる。今回の裁判で国が支払う1億1000万円超の賠償金は、そのための軍資金となりうるだろう。

 それにしても、この賠償金の原資は税金だ。不都合なことを知られないためなら巨額の税金を使うこともいとわない。そんなことがあっていいはずがない。

 この国に暮らす心ある人々すべてに、この卑劣さと不条理を知ってもらい、「許せない」と声をあげてほしい。そう痛感した一日だった。

相澤冬樹
 相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープし

 相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2021年12月16日  15:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:人事院が赤木俊夫さんの公務災害報告書“のり弁”違法と認める 通知が衆院選直後だった意味

2022-01-29 07:04:10 | 【公文書・国民の知る権利、知的資源・公権力による隠ぺい・能動的サィバー攻撃】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:人事院が赤木俊夫さんの公務災害報告書“のり弁”違法と認める 通知が衆院選直後だった意味

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:人事院が赤木俊夫さんの公務災害報告書“のり弁”違法と認める 通知が衆院選直後だった意味

 4日、赤木雅子さんが外出から帰ると、自宅の郵便受けに大きな封筒が届いていた。差出人は人事院。すぐに気づいた。

 「夫の公務災害のことだ」

 夫の俊夫さんは財務省の公文書改ざん事件に巻き込まれ命を絶った。これがおととし、人事院で公務災害と認められたので、夫の死の理由を知りたいと開示を求めた。

通知書は11月1日付(提供写真)

      通知書は11月1日付(提供写真)

 だが人事院が出した文書はすべてが黒く塗りつぶされた、いわゆる“のり弁”状態。これでは何もわからないと不服審査を申し立てた。その回答が届いたのだ。結論は「原処分を取り消す」。全面黒塗りは違法だったと認める当然の決定だ。

 しかし審査を求めたのは去年2月。1年9カ月もたっている。さらに、この決定を受け改めて文書を開示するという通知は11月1日付。衆院選投開票日の翌日ではないか。

 ■封筒には「中立、公正、信頼」

 雅子さんは思った。政権に不都合なことは選挙の後に出てくる。選挙が終わるのを待っていたとしか思えない。ふと人事院の封筒を見るとこんな言葉が。

 「中立、公正、信頼 人を育てる人事行政」

 最初に“のり弁”を出しておいて、審査を2年近くも引き延ばし、選挙直後に開示決定。それで「中立、公正、信頼」と言えるだろうか? 夫の死をないがしろにして「人を育てる人事行政」と言えるだろうか?

 思い起こせば、おかしな“偶然”は過去にもあった。おととし8月、俊夫さんの公務災害が認められたことが新聞記事に出た。でも実際の認定は半年も前だ。

 なぜ今と思ったが、その前日、小泉進次郎前環境相と滝川クリステルさんが安倍官邸を訪れ結婚報告をしたことが大ニュースになっている。すぐ後に森友事件の再捜査で佐川宣寿元財務省理財局長らが再び全員不起訴になり捜査が終わった。その報道が小さくなる流れがあった。

 「なんか、かぶせられてるなあ」と雅子さんが感じるのも無理はない。

 人事院の文書が届いたのと同じ4日、自民党福田達夫総務会長は会見で、森友事件などの説明を求める動きについて「新しい証拠がない中で説明を求め続けるということが法治主義の国家で正しいのか」と疑問を呈した。だからこそ第三者による再調査で新証拠を洗い出し真相を解明してほしいと雅子さんは望んでいる。福田さん、選挙が終わったら何でも言えますね。あなたはご遺族の目の前で同じことを言えますか? 

相澤冬樹
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 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2021年11月06日  13:52:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

 

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【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:「言わない、出さない、聞かない」財務省の“三ない”はもう勘弁

2022-01-29 07:04:00 | 【公文書・国民の知る権利、知的資源・公権力による隠ぺい・能動的サィバー攻撃】

【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:「言わない、出さない、聞かない」財務省の“三ない”はもう勘弁

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】:「言わない、出さない、聞かない」財務省の“三ない”はもう勘弁

  「どうしましょうか?」

 弁護士が尋ねると、赤木雅子さんはすかさず右のこぶしを振り上げた。

 「もちろん、やります!」

 ■情報開示の追加提訴へ

 財務省と近畿財務局に情報開示を求め、追加の裁判を起こすことがその場で決まった。13日、公文書改ざん事件をめぐる雅子さんの国家賠償訴訟の弁護団会議でのことだった。

雅子さんが手にした「不開示決定書」/(C)日刊ゲンダイ

  雅子さんが手にした「不開示決定書」/(C)日刊ゲンダイ

 雅子さんの夫、赤木俊夫さんは近畿財務局で改ざんをさせられ命を絶った。しかし財務省はその事実を調査報告書に何も書いていない。裁判でも資料を出そうとしない。そこで雅子さんは8月、財務省に出向き情報開示請求を行った。その時、雅子さんの言葉に職員が凍り付いた顛末は先月、日刊ゲンダイで明らかにしている。

 請求したのは2種類。一つは調査報告書を作る際に使った文書すべて。もう一つは検察の捜査で任意提出したすべての文書だ。

 その回答が同日、弁護士の元に届いた。結果は……すべて不開示。何にも出さない。よく、全体を黒塗りにした“のり弁”と揶揄される開示文書を見るが、その“のり弁”すら出さない。

 雅子さんが岸田新総理大臣に出した、改ざんの再調査を訴える手紙に、世の中の関心が広がっている。対応を記者団に問われた岸田総理は、裁判で「丁寧に対応するように財務省に指示を出した」と発言した。だから少しは期待したのに、まったくのゼロ回答。

 「これが岸田総理の言う“丁寧な対応”なの?」

 こんな対応を財務省は何度も繰り返してきた。情報は言わない、文書は出さない、訴えは聞かない。「見ざる言わざる聞かざる」で有名な日光東照宮の3匹の猿のつもりだろうか?

 でも、あの猿たちは「人の悪い所は見たり言ったり聞いたりしない」という教えを伝えている。財務省は逆だ。真実は言わない、資料は出さない、都合の悪いことには耳を傾けない、という“三ない”だ。

 安倍さん、菅さん、改ざん発覚後の2人の総理もそうだった。そして岸田総理、残念ながらあなたも日光の猿たちとは逆の“三ない”を引き継ぐんですね。

 雅子さんは覚悟を決めた。追加の裁判は負担になるが、負けてはいられない。

 「あなたたちの不誠実な言い訳は聞き飽きました。もう勘弁してください。公正な第三者の手で改ざんの再調査をしてください。夫はなぜ改ざんをさせられたのですか?なぜ命を絶つまで追い込まれたのですか? 私は真実が知りたい。同じ書名の本もありますよ(笑)」 

相澤冬樹
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 ■相澤冬樹ジャーナリスト・元NHK記者

 1962年宮崎県生まれ。東京大学法学部卒業。1987年NHKに記者職で入局。東京社会部、大阪府警キャップ・ニュースデスクなどを歴任。著書『安倍官邸vs.NHK 森友事件をスクープした私が辞めた理由』(文藝春秋)がベストセラーとなった。

 元稿:日刊ゲンダイ 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・森友遺族・夫の死を巡る法廷闘争記】  2021年10月16日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【2022年01月27日 今日は?】:大相撲の大関曙太郎が外国人初の横綱昇進を決める

2022-01-29 00:00:20 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

【2022年01月27日 今日は?】:大相撲の大関曙太郎が外国人初の横綱昇進を決める

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【2022年01月27日 今日は?】:大相撲の大関曙太郎が外国人初の横綱昇進を決める

 ◆1月27日=今日はどんな日

  大相撲の大関曙太郎が外国人初の横綱昇進を決める(1993)

初場所で優勝した曙(中央)は史上初の外国人横綱に推挙され使者を迎える。右端は東関親方。左端は東関親方夫人・加寿江さん(1993年1月27日)初場所で優勝した曙(中央)は史上初の外国人横綱に推挙され使者を迎える。右端は東関親方。左端は東関親方夫人・加寿江さん(1993年1月27日)

 ◆出来事

  ▼ソ連軍がナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所を解放(1945)▼弁護士でタレントの橋下徹氏が大阪府知事選初当選(2008)

「死の門」・アウシュヴィッツ第二強制収容所(ビルケナウ)の鉄道引込線

「死の門」・アウシュヴィッツ第二強制収容所(ビルケナウ)の鉄道引込線
 
絶望のあまり自ら高圧電流が流れる鉄条網に触れて自殺する者もいたという(第一強制収容所)

 ◆誕生日

  ▼小山明子(35年=女優)▼清水ミチコ(60年=タレント)▼雨宮処凜(75年=作家)▼雛形あきこ(78年=女優)▼井本貴史(78年=ライセンス)▼森山愛子(85年=歌手)▼中村有沙(93年=女優)▼上白石萌音(98年=女優)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・今日は?】  2022年01月27日  00:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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