路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【正論】:国民が求める自衛隊の憲法明記 防衛大学校教授・神谷万丈

2023-05-09 08:01:50 | 【憲法問題「護憲・改憲・違憲論争・緊急事態条項・九条の改正、自主憲法制定論議他】

【正論】:国民が求める自衛隊の憲法明記 防衛大学校教授・神谷万丈

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【正論】:国民が求める自衛隊の憲法明記 防衛大学校教授・神谷万丈

 ◆世論調査が示すこと

 憲法9条を改正して自衛隊の存在を明記することには、日本国民の支持が定着している。最近の各種世論調査が浮き彫りにしているのは、この重要な事実だ。毎日新聞がこの4月に行った調査では、明記への賛成が55%で反対の31%を大幅に上回った。読売新聞による3月から4月にかけての調査でも、自民党の憲法に「自衛隊の根拠規定を追加する案」への賛成が54%に対し、反対は38%にとどまった。少し遡(さかのぼ)って昨年7月の朝日新聞の調査でも、明記に賛成が51%、反対が33%でこれらとほぼ同じ結果だった。

 このように、憲法に自衛隊の存在を書き込むことについては、調査の実施者が異なっても一貫して賛成が過半数を占めている。

 もう一つの重要な事実は、この賛成の多さがロシアのウクライナ侵略に対する国民の一時的な反応ではないということだ。侵略勃発の1年近く前の2021年4月の毎日新聞の調査で、9条を改正して自衛隊の存在を明記することへの賛成は既に51%で反対の30%を大きく上回っており、同年3月から4月にかけての読売新聞の調査も、憲法9条に自衛隊の根拠規定を追加する自民党の案への賛成が55%、反対は38%と、今春の調査とほぼ同じ数字を示していた。

 さらに遡れば、産経新聞とFNNが2017年6月に実施した調査において当時、安倍晋三首相が唱え始めたばかりの憲法9条の条文を維持しつつ自衛隊の存在を明記する案に62%が賛同している。

 9条の文言のいかなる変更にも反対する論者からは、9条改正について国民の賛否は拮抗(きっこう)しているので改正を急ぐべきではないとの主張が聞かれる。昨年5月の衆議院憲法審査会でも立憲民主党の委員がそのように述べた。9条改正をめぐる議論が「国民不在」で進んでいるのではないかという批判もしばしば耳にする。今年4月の同審査会では別の立憲民主党の委員がそう発言している。

 ◆明記不要論こそ国民不在

 だが先に挙げた一連の世論調査結果は、少なくとも憲法に自衛隊を明記する案についてはこうした認識が妥当ではないことを示している。自衛隊を憲法にはっきりと位置付けることにより自衛隊違憲論が自衛官の士気を損なうことがないようにするという安倍元首相以来の考え方には、国民の多数がこれまで何年もの間、一貫して共鳴してきているのだ。

 憲法9条をめぐっては日本が「戦力」を保持しないとする2項をどうするかなどさまざまな機微な論点が存在するため、漠然と改正の是非を問う質問に対しては賛否が拮抗しやすい。だが自衛隊明記という提案に限っていえば、国民は議論の当事者として賛意を明確にしているのであり、この状況を「国民不在」と呼ぶのはためにする議論というべきだろう。

 なお最近、立憲民主党などは、「現状で自衛隊は合憲であり、その役割と必要性については国民に十分に理解されている」から「自衛隊明記は必要ない」と主張するようになっているが、果たして説得力があるだろうか。国民は、理由もなく自衛隊明記に賛同しているのではない。戦後の日本には自衛隊を違憲と主張する政治家が少なくなく、その状況は比較的近い過去まで解消されていなかった。

 実は今に至ってもそうした考え方から脱却しきれていない政治家が一部野党には残っている。しかも憲法学者の間では、現在の憲法の規定の下では自衛隊は違憲だ、あるいは違憲と解する余地があるとの見解が主流となっている。

 ◆平和のための軍事力の役割

 国民の多数が憲法の自衛隊明記に前向きなのは、こうした現状を放置していては、将来何らかのきっかけで自衛隊違憲論が再燃し、自衛官が日本とそこに暮らす人々を守るという使命に立ち向かう上で、不都合を生じさせかねないことを恐れているからではないのか。また自衛官へのリスペクトに欠けるとも感じているからではないのか。

 最後に、憲法に自衛隊の存在を明記すると自衛隊の活動への歯止めが失われるので危険だという議論もしばしば聞かれるが、平和と軍事力の関係の誤った理解に基づく不適切な主張という他はない。

 本欄で繰り返し説いてきたことだが、平和と軍事を百八十度対極にある相容(い)れない概念としてとらえるのは間違っている。軍事力は確かに危険な一面を持つ。ものを破壊し、人を殺傷する機能が正しくない目的のために用いられれば、平和を破壊する道具となる。

 だが、その危険な道具を正しく使いこなさなければ平和を創り出すことも守ることもできないのが、人間社会の現実だということから目を背けてはならない。

 「平和のための軍事力の役割」を正しく認識し、日本でその役割を担う存在である自衛隊に憲法上ふさわしい処遇を与えることが必要だ。岸田文雄首相は憲法記念日の産経新聞のインタビューで、役割を増す自衛隊を「憲法にしっかり位置付ける」決意を語った。

 首相の有言実行を切に期待したい。(かみや またけ)

神谷万丈・防衛大教授(古厩正樹撮影)

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【正論】  2023年05月09日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【九州・「正論」懇話会】:山田吉彦氏「島の守りが戦争回避に」 

2023-05-09 08:01:40 | 【防衛省・自衛隊・防衛費、大綱・核兵器・武装・軍需産業・Jアラート・シェルター】

【九州・「正論」懇話会】:山田吉彦氏「島の守りが戦争回避に」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【九州・「正論」懇話会】:山田吉彦氏「島の守りが戦争回避に」

 九州「正論」懇話会の第156回講演会が8日、福岡市中央区の西鉄グランドホテルで開かれ、東海大の山田吉彦教授が「日本の国境事情 尖閣諸島調査報告」と題して講演した。

九州「正論」懇話会で講演する山田吉彦教授

 山田氏は沖縄県石垣市からの委託で2度、実施した尖閣周辺での海洋調査について説明。土壌崩壊や緑が失われるなど自然環境が急速に悪化している状況に触れ「島を管理し、自然を守り、周辺で漁業ができる環境を守らないといけない」と語った。

 また中国の海洋進出などに懸念を示し、「戦争をしないために守りを固めるべきだ。今を逃したら大きな火種が迫り、戦になる可能性が高まる。日本が守る力を示すことができていないために、近隣国は日本に対し挑発的な態度を取っている」と指摘。日本の周辺海域は中国やロシアにとっても重要とし、「日本が海を守ることが、台湾やアジアの平和を守ることにつながる」と述べた。

 元稿:産経新聞社 主要ニュース 社説・解説・コラム 【正論・懇話会】  2023年05月08日  17:24:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【正論】:没後40年小林秀雄の今日的意義 文芸批評家・新保祐司

2023-05-09 08:01:30 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

【正論】:没後40年小林秀雄の今日的意義 文芸批評家・新保祐司

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【正論】:没後40年小林秀雄の今日的意義 文芸批評家・新保祐司 

 4月18日に行われた文部科学省の「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)の中学校・国語の問題文に、小林秀雄の「読書について」が使われていた。

 ◆「読書について」が学テに

 小林秀雄は、私が受験生だった頃には、よく試験問題に出ていたが、近来はそうでもないようである。それが、今回、中学3年生を対象とした問題文に採用されているのを見て、うれしかった。小林秀雄は、これからの若い日本人にも読まれ続けるべきだと思っているからだ。

新保祐司氏

 小林秀雄は今年、没後40年になるが、いまだに小林を論じた本は少なからず出版されており、記念行事もいろいろ行われると聞く。小林秀雄の批評が持つ意義は今日、一層高まっていると私は思う。

 「読書について」は、「或(あ)る作家の全集を読むのは非常にいい事だ」と書き出される。その中で、小林は「文は人なり」という言葉の深い意味を了解するには、一流と言われる作家の全集を隅から隅まで読むのが一番手っ取り早く確実な方法であり、そうすると、その人が、どんなに色々な事を試み、考えていたかに驚き、作家の表面的なイメージは滅茶滅茶(めちゃめちゃ)になるはずで、作家の個性は、「いよいよ奥の方の小暗い処(ところ)に、手探りで捜さなければならぬ」ものとなるという。

 「こうして、小暗い処で、顔は定かにわからぬが、手はしっかり握ったという具合の解り方をして了(しま)うと、その作家の傑作とか失敗作とかいう様な区別も、別段大した意味を持たなくなる、と言うより、ほんの片言隻句(せっく)にも、その作家の人間全部が感じられるという様になる」と小林秀雄一流の表現をしているが、これが「文は人なり」の意味なのだ。

 私は令和2年11月に上梓(じょうし)した『ベートーヴェン 一曲一生』で、ベートーヴェンの曲を全曲聴くことを試みた。それは、「小暗い処で、顔は定かにわからぬが、手はしっかり握ったという具合の解り方」でベートーヴェンという音楽家を把握したかったからだ。「音は人なり」を実感したかったのである。

 ◆知を通した直観を磨く

 この小林の文章は、我々が普段、通念的理解に安住し、それを突き破る知を通した直観を磨いていないことに気づかせる。作家の個性を表面的に捉え、代表作は何かといった浅い理解で済ませているということだ。表面に見えるものを整理して分類することや傑作と失敗作を区別する知的操作だけで終わっていることが多い。このようなことは、作家論に限った話ではなく、世界の物事について水平的な知識の集積にとどまり、垂直的な把握に達しないのである。

 ここで、今話題のチャットGPTを問題にするならば、解説や情報を整理、分類、区別する程度のことは、いずれこの対話型AIに取って代わられてしまう。それらを按配(あんはい)して創作することも可能に違いない。しかし、出合ったものを直観によって血肉化することは、機械にはできない人間の精神の深遠な働きであり、人間の尊厳の根拠である。この「人なり」の深さを保持することが、人間の精神と社会の根底を支えるのだ。

 チャットGPTは、今後、教育現場にも導入されていき、今回、全国学力テストを受けた若い諸君も、その影響を受けるであろうが、彼らが、解説や情報から遠く離れた精神の力の大切さを教えてくれる小林秀雄の文章を読むことを期待する。

 ◆解答を忘れる「感嘆」

 試験問題に出た小林秀雄に触れたときの驚きを語った興味深いエピソードがある。文芸誌「新潮」の名編集長で、昨年1月に亡くなった坂本忠雄氏は『小林秀雄と河上徹太郎』の中で、小林の「実朝」にまつわる話を書いている。

 実朝の有名な「箱根路をわれ越えくれば伊豆の海や沖の小島に波の寄るみゆ」について、小林が「大きく開けた伊豆の海があり、その中に遥かに小さな島が見え、又その中に更に小さく白い波が寄せ、又その先に自分の心の形が見えて来るという風に歌は動いている。こういう心に一物も貯えぬ秀抜な叙景が、自ら示す物の見え方というものは、この作者の資質の内省と分析との動かし難い傾向を暗示している様に思われてならぬ」と書いているのを引用した上で、坂本氏は「私はこの一節を高校在学中の模擬試験問題で初めて読んだ時、解答を忘れる位その精妙な文脈に感嘆したのを懐しく思い出す」と回想している。

 この話を、私は氏から直接聞いたことがあるが、そのときの話しぶりに「感嘆」の深さがにじみ出ていた。思わず鉛筆を落としてしまったと言われたように覚えている。「感嘆」できるのは、重要な才能である。このときの「感嘆」が、氏の生涯を或る意味で決定した。人間は「感嘆」できるが、AIは「感嘆」することはない。

 今回の全国学力テストにおいても、小林秀雄の文章の「いよいよ奥の方」に「解答を忘れる位」「感嘆」した若者がいたに違いないと思う。そこに、日本の希望がある。(しんぽ ゆうじ)

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【正論】  2023年05月08日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・05.02】:連合が「労働者の代表」とは言えない時代

2023-05-09 07:40:10 | 【雇用・正規、非正規・パート・賃上げ・失業率・求人・労働組合・労働貴族の連合】

【政界地獄耳・05.02】:連合が「労働者の代表」とは言えない時代

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.02】:連合が「労働者の代表」とは言えない時代 

 ★4月29日、首相・岸田文雄は都内で開かれた第94回メーデー中央大会に9年ぶりに出席した。労働組合の連合は自民党と今や蜜月で、同会長・芳野友子はOBや現役から強い批判を受けている。連合はもう闘わない労働組合だ。首相は「今年の春闘は30年ぶりの賃上げ水準となっており、力強いうねりが生まれている。このうねりを地方へ、そして中小企業へ広げるべく全力を尽くす」とあいさつした。

写真・図版
 メーデー中央大会であいさつする岸田文雄首相(右)と、連合の芳野友子会長(左から2人目)=2023年4月29日午前10時41分、東京都渋谷区の代々木公園、里見稔撮影

 ★まさにその通りで、賃上げ水準にあるのは極めて一部の大企業だけ。連合の一部の賃上げを政府もメディアも労働界全体のように報じるが、9割近くが中小企業。それに含まれない労働力が働き方改革や雇用体系の変化で大きな割合を占める個人事業主、フリーランスだ。20年に政府が実施した実態調査で副業を含めてフリーランスは462万人いるといわれるが、フリーランス向けのクラウドソーシングサイトを運営する「ランサーズ」の調査ではフリーランスは、21年には1577万人にのぼるという。首相がメーデーに出席した前日、28日の参院本会議で組織に雇われず個人として働くフリーランスを保護する「フリーランス・事業者間取引適正化法」が可決・成立した。フリーランスは直接受ける仕事ながら、取引先とのトラブルを経験した割合が4割近いといい、トラブル発生後、交渉せずに受け入れたケースは2割あるという。

 ★新法は委託する企業が事前に仕事の内容や報酬額などを書面や電子データで示すことや60日以内の報酬支払いなどを義務づけ、立場の弱いフリーランスを保護する。今まで企業の言い値で受けるしかなかった人たちには朗報だが、一方でネットのフリーライターなどは、一本100円の原稿依頼が常態化し、既存のネット上にある記事からうまく抜粋しろなどいう要求が当たり前にあるという。連合の組合員が発注元だったりすると、もう労働者の代表は連合とは言えない時代でもある。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年05月02日  07:16:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・04.29】:選挙が終われば多様性尊重に後ろ向き 世界の批判の的に

2023-05-09 07:40:00 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【政界地獄耳・04.29】:選挙が終われば多様性尊重に後ろ向き 世界の批判の的に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・04.29】:選挙が終われば多様性尊重に後ろ向き 世界の批判の的に

 ★結局統一地方選と衆参の補選が終われば、元の木阿弥だ。自民党は超党派議員連盟がまとめたLGBT理解増進法案の内容を薄めようと躍起だ。「差別は許されない」という表現を「不当な差別は許されない」。「許されない」という表現を「あってはならない」と弱めていく。これでは理解増進法案自体が差別禁止法を弱めた道徳論に矮小(わいしょう)化されかねない。それどころかいまだに差別禁止法がない我が国が議長国として多様性を尊重する社会の実現に前向きな姿勢を示し、先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)前に国会に提出、可決させたいのは自民党幹部なら承知のはず。

自民党の萩生田光一政調会長

                 自民党の萩生田光一政調会長

 ★自民党政調会長・萩生田光一は26日、与党政策責任者会議後に記者団に対して「サミットで時間を切るのは筋が違うのではないか」と言い出した。続けて「あくまで性的マイノリティーの皆さんのためにどうあるべきか、ということだ」「理解を深めるための一定のルール作りが必要なのであれば、速やかに進めなければならない」とした。それならば増進法などではなく徹底的な差別禁止法を作るのかと思えば、先に述べた様に曖昧で理念を薄める作業に余念がない。そもそも時間がないのは萩生田らを中心とする旧統一教会の考えと一にする党内保守系と呼ばれる議員たちの妨害が法案を2年余り棚ざらしにしたからだ。

 ★公明党はこの増進法案の修正案を議員立法で自民党と共同提出するが、萩生田の後ろ向きな姿勢に不快感を隠さない。公明党政調会長・高木陽介は「サミットまでに法案を成立するのが望ましいという態度に変わりはない」とする。自民党総務会長・遠藤利明も27日、派閥の会合で「少なくとも今国会で早く提出し、そして成立をはかるべきだ」「自民には多様な意見があり、そのたびごとに大きな議論をするが、最後はしっかりと政調会長のもとでとりまとめていきたい」と萩生田を強くけん制した。同性婚も認めず、差別禁止法すら持たないG7議長国は世界の批判の的にされるはずだ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年04月29日  07:21:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【主張】:緊急事態が終了 WHOの責任を問い直せ

2023-05-09 05:01:55 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【主張】:緊急事態が終了 WHOの責任を問い直せ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:緊急事態が終了 WHOの責任を問い直せ 

 世界保健機関(WHO)のテドロス事務局長が、長きにわたった新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言を終了すると発表した。

 ワクチンの普及などにより新規感染者数や死者数が減少したためだ。あらゆる国・地域に甚大な影響を及ぼした新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の終息に向けた重要な節目といえるだろう。

WHOのテドロス事務局長=スイス西部ジュネーブ(中継映像から・共同)

 だからといって見過ごせないことがある。2019年12月に中国の武漢市で感染が確認された後にWHOが取った対応のまずさである。テドロス氏はかねて中国の影響下にあると批判されてきた。それが中国発の感染症に対するWHOの対応を不十分なものとしたのではないか。この点の検証を行わず、うやむやに幕引きを図ることは許されない。

 WHOは20年1月22、23両日に緊急委員会を開いたが、宣言を見送った。事態は悪化の一途をたどっていたのに、テドロス氏は同月28日、北京で「中国政府が迅速で効果的な措置を取ったことに敬服する」と絶賛した。ようやく宣言が出たのは同月30日だ。テドロス氏は宣言について、中国側から慎重な判断を求められていた。

 ウイルスの起源解明を巡り、WHOの国際調査団が武漢入りしたのは発生から約1年後の21年1月だった。中国側が同意した場所に限られた調査は中国の主張にお墨付きを与えただけと指摘された。こうした対応が中国による事実関係の隠蔽(いんぺい)を助長したのではないか。そうであるならWHOの一連の対中姿勢が世界に惨禍をもたらしたといっても過言ではない。

 致命的なミスは他にもある。日米など多くの国がWHO年次総会への台湾のオブザーバー参加を求めていたにもかかわらず、これを認めなかったことだ。ここでも中国への配慮があったのだろう。感染症対応で台湾という空白域を作ったのは国際社会への背信行為である。しかも初期の感染封じ込めに成功した台湾の知見も生かせなかった。これでは国際機関の役割を果たせたとはいえまい。

 テドロス氏の責任も含めてWHOの判断の妥当性が問われるべきは当然だ。そのために第三者による検証作業を行ってはどうか。今月13、14両日には長崎市で先進7カ国(G7)保健相会合が開かれる。日本はWHOの検証と改革の必要性を訴えるべきである。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年05月09日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【主張】:地震と大雨 「複合」視野に備え徹底を

2023-05-09 05:01:50 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【主張】:地震と大雨 「複合」視野に備え徹底を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:地震と大雨 「複合」視野に備え徹底を

 石川県能登地方を震源とする地震活動が活発化している。5日午後2時半過ぎに発生したマグニチュード(M)6・5の地震では珠洲市で震度6強の激しい揺れが観測され、死傷者が出た。同日夜にも最大震度5強の地震が起きた。

 7日から8日にかけては、近畿地方を中心に各地で大雨となり、兵庫県では宝塚市、伊丹市を流れる天神川の堤防が決壊し、住宅の浸水被害が発生した。能登地方では地震と降雨で土砂災害の危険度が高まった。

 住民の安全確保を最優先に、迅速かつ手厚く被災地支援に取り組むことが大事だ。

 日本は地震多発国であり、地球温暖化の影響とされる気象の激甚化傾向が続いている。相次いで起きた能登地方の強い地震と、兵庫県の河川決壊は、地震と豪雨などが重なる「複合災害」の危険度が極めて高い状況にある日本列島の現状を示している。「複合」を視野に、地震や水害から命を守るための対策を徹底、強化したい。

 気象庁によると、能登地方では令和2年12月から地震活動が活発化しており、昨年6月には最大震度6弱(M5・4)の地震が発生した。太平洋プレートから地表付近にしみ出した水分の影響が地震多発の原因として考えられるという。1週間程度の短期的な警戒とともに、中長期的に強い地震への警戒を続ける必要がある。

 首都直下をはじめ内陸部のM6~7級地震は日本列島のどこで、いつ起きてもおかしくない。

 また、兵庫県の天神川決壊は5月としては記録的な大雨により発生した。この大雨が地球温暖化と結び付くかどうかは別として、温暖化の影響とされる気象の激甚化には留意すべきだ。 

 地震防災と豪雨などへの備えは重なる事項が多い。「複合」に備えるのは困難でも、一つ一つの災害への備えを徹底することでリスクは小さくできる。

 災害から命を守るために「今できることは、今すぐやる」ことが肝心だ。家具の固定、ガラス窓の破損防止、就寝場所の安全性を高め、避難時の持ち出し品を確認すること、などである。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年05月09日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【産経抄】:「理由もなく謝るのはよくないね」。容疑も知らされずに逮捕され、・・・

2023-05-09 05:01:45 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【産経抄】:「理由もなく謝るのはよくないね」。容疑も知らされずに逮捕され、青年Kは眉に戸惑いの色を浮かべる。

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄】:「理由もなく謝るのはよくないね」。容疑も知らされずに逮捕され、青年Kは眉に戸惑いの色を浮かべる。

 「親父(おやじ)ににらまれ『何をしたか言え』って言われると、何もしていなくても罪の意識を感じたように」

 ▼カフカの小説をもとにした映画『審判』である。人の中に眠る「原罪」を、監督の オーソン・ウェルズが戯画的に描いたものだという。よくよく考えると怖い心理描写だが、私的な場の潤滑油として「すみません」といった言葉を口にした経験なら、日常的にある。

 ▼もちろん、罪の意識から出たものではない。時と場合、相手を選ぶなど使用上の注意もある。とりわけ外交の第一線で闘う人には無用の講釈だろう―と思っていたら、そうでもないらしい。いわゆる徴用工問題について、「心が痛む」と述べた岸田文雄首相である。

会談で握手する岸田首相(左)と韓国の尹錫悦大統領=ソウル(共同)

 ▼訪れた先の韓国で。日韓の未来志向を歴史問題から切り離す、と尹錫悦大統領が明言したのと時を同じくして。対日外交で批判される尹政権への助け舟という見方はできる。「私自身の思い」との前置きもあったが、謝罪と取られかねない発言はやはり余計だった。

 ▼「シャトル」は定期の往復便を指す。緊張を増す東アジアの情勢を思えば、シャトル外交の再開で前へ進もうとするのは理解できる。さりとて、韓国のこれまでの振る舞いにまで目をつぶることはできまい。政権が代わる度、日本との関係は親疎の間を行き来した。

 ▼対韓外交は不毛なシャトル、出口のない迷走の繰り返しだった。歴史に学んでいれば、出るはずのない発言だろう。各紙は8日付朝刊(東京版)で、「心が痛む」を見出しに取って報じた。いわれなき「罪の意識」をこうして広げてゆくことに、首相の心は痛まないのだろうか。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【産経抄】  2023年05月09日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【主張】:京アニ事件公判 真相究明に全力を尽くせ

2023-05-09 05:01:40 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【主張】:京アニ事件公判 真相究明に全力を尽くせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:京アニ事件公判 真相究明に全力を尽くせ 

 36人が死亡し、32人が重軽傷を負った京都アニメーション(京アニ)放火殺人事件で、殺人罪などで起訴された青葉真司被告の公判前整理手続きが京都地裁で始まる。

 平成以降で最多の犠牲者を生んだ事件は、発生から、はや約3年10カ月がたとうとしている。最大の争点は刑事責任能力になるとみられるが、迅速かつ丁寧な審理で、真相究明に全力を尽くしてほしい。

 令和元年7月、京都市伏見区の京アニ第1スタジオに侵入、ガソリンをまいて放火して全焼させた青葉被告は、自らも重度のやけどを負った。

 最先端の治療を受けて一命をとりとめて逮捕されたが、精神疾患での通院歴もあり、京都地検は半年間の鑑定留置を行ったうえで刑事責任能力を問えると判断、殺人など5つの罪で起訴した。弁護側の請求に基づく2度目の精神鑑定も行われ、昨年3月に結果も出たという。公判は今年9月にも始まり、年内に審理を終えて年明けには判決が言い渡される、との見方が出ている。

 逮捕時、青葉被告は「ガソリンを使えば多くの人を殺害できると思った」と容疑を認める一方、「京アニに小説を盗まれた」と不可解な動機を述べている。極めて身勝手な言い分の結果は、あまりに非道で残酷である。

 豊かな才能と夢を持っていた36人の命を瞬時に奪った理不尽さは言葉に尽くせるものではなく、奪われた命は二度と戻らない。それでも、事件の真相解明と真摯(しんし)な反省は必要不可欠だ。法治国家で司法が果たすべき責務である。

 京アニ事件後、大阪のクリニックで起きた放火殺人事件では26人の命が奪われた。昨年7月には奈良市内で遊説中の安倍晋三元首相が手製銃で銃撃されて死亡し、先月は岸田文雄首相が和歌山市の選挙演説会場で爆発物を投げつけられた。

 いずれの犯人も、組織に属さずに単独でテロ行為に及ぶ「ローンオフェンダー」だった。失うものがなく、躊躇(ちゅうちょ)せず凶悪犯罪に及ぶケースも目立っている。

 私たちの社会はこれ以上、このような犯罪者を生み出してはならない。再発防止策は必要だが、十分条件にはなり得ない。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年05月08日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【主張】:日韓首脳会談 安保協力強化は妥当だが

2023-05-09 05:01:35 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【主張】:日韓首脳会談 安保協力強化は妥当だが

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:日韓首脳会談 安保協力強化は妥当だが 

 岸田文雄首相が7日、就任後初めて韓国を訪問し、尹錫悦大統領と会談した。

 3月には尹氏が大統領として初来日した。短い間に両首脳が相互訪問するシャトル外交を始めたことは日韓の関係改善を示す機会になった。

 会談では安全保障、経済などで両国が緊密に連携することで合意した。

 地域の安保環境悪化を踏まえ、日米同盟と米韓同盟、日韓・日米韓の安保協力によって抑止力と対処力を強化することが重要との認識で一致した。

 尹氏は4月の訪米時の米韓首脳の共同声明で、日米韓協力の重要性を確認した。一連の首脳外交で日米韓は安保協力強化の姿勢を、中国、北朝鮮、ロシアという周囲の専制国家に示した。抑止力向上に資するもので妥当である。

 北朝鮮による日本人拉致問題をめぐっては、尹氏が日本の立場への支持を表明した。

 安保や拉致問題をめぐって、日韓の協力推進は重要である。

 一方で、日韓の溝の深さが改めて露呈した。韓国海軍艦艇が自衛隊機にレーダー照射した問題は具体的解決策が示されなかった。

 岸田首相は会談で、日本側が朝鮮統治をめぐって「痛切な反省と心からのおわび」に言及した1998年の日韓共同宣言に触れ、「歴史認識に関する歴代内閣の立場を全体として引き継いでいる」と尹氏に伝えた。これも謝罪表明ではないのか。首脳会談のたびに日本側が謝罪を繰り返すのは疑問だ。尹氏は歴史よりも安保の問題を優先する姿勢を示すが、十分な実は伴っていない。

 岸田首相は、いわゆる徴用工問題に対する韓国政府の解決案提示に言及した中で、「当時厳しい環境のもとで多数の方々が大変苦しい、悲しい思いをされたことに心が痛む」と述べた。

 「徴用工」をめぐっては、そもそも日本側に謝罪したり賠償金を支払ったりするいわれがない。第二次大戦当時、多くの国で行っていた勤労動員にすぎず、賃金も支払っていた。史実に反する言いがかりをつけられた日本側こそ被害者であるのに、岸田首相の発言は加害者という印象を植え付ける。主客転倒の誤った発言で、極めて残念である。

 未来志向の日韓関係を築くことが望ましいが、険しい道のりが続くのは明らかだ。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年05月08日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【産経抄】:以前、小欄のまわりにはプロ野球の阪神タイガースファンが多いと書いたが、

2023-05-09 05:01:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【産経抄】:以前、小欄のまわりにはプロ野球の阪神タイガースファンが多いと書いたが、少数派であるが横浜DeNAベイスターズのファンもいる。

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄】:以前、小欄のまわりにはプロ野球の阪神タイガースファンが多いと書いたが、少数派であるが横浜DeNAベイスターズのファンもいる。

 その横浜の調子がいいというか、驚くことにセ・リーグの首位を走っている。

 ▼もともと個々の能力が高く、チームバッティングの意識が増し打線のつながりが出たという。米大リーグのサイ・ヤング賞投手だが、トラブルメーカーと懸念されたトレバー・バウアー投手も勝利を飾って戦力に加わり注目される。

 ▼これ以上書くと、スポーツ担当の同僚から「阪神ファン」ではなかったの?と疑われるのでやめる。だが横浜の活躍はチームプレーや助っ人の活用など、教員にとって学ぶことが多そうだ。などと書くと我田引水にすぎるだろうか。

 ▼連休前に公表された文部科学省の調査で、教員の残業時間が相変わらず多いと話題になっていた。公立小中学校の教員が対象で、平日1日あたりの勤務時間は6年前の前回調査より減少した。「働き方改革」の効果はみえるようだ。

 ▼土日いずれかを休養日とする部活動ガイドラインの影響で土日の勤務時間も大幅に減った。コロナ禍で行事の削減が行われた影響もある。一方で残業時間が上限を超えるおそれのある教員は小学校で64%、中学で77%となお高率だ。

 ▼勤務環境が悪いと喧伝(けんでん)されれば優秀な人材も集まりにくい。1人で抱え込む教員特有の問題も「多忙感」の背景にある。教員同士はもちろん親を含め学校内外の人材が連携する重要性が増している。会議を減らし担任が教室にいる時間を増やすことでいじめ問題が改善したケースを取材したことがある。学校でもコロナ後の生活が本格化する。子供たちが楽しいと思う学校へ、さらなる知恵を絞りたい。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【産経抄】  2023年05月08日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【主張】:ウクライナ穀物 露は合意を踏みにじるな

2023-05-09 05:01:25 | 【食糧自給率・食品ロス・農業・JA・農家・化学肥料・米・牛・豚・養鶏・野菜】

【主張】:ウクライナ穀物 露は合意を踏みにじるな

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:ウクライナ穀物 露は合意を踏みにじるな 

 世界では深刻な食料不足が続いている。農業大国ウクライナが穀物を輸出できないような理不尽があってはならない。

 ウクライナ侵略を続けるロシアが、ウクライナ産穀物の輸出に関する18日までの国際合意を延長しない構えを見せている。ロシアは身勝手な主張をやめ、無条件で延長に応じるべきだ。

 ウクライナはもともと世界有数の穀物輸出国だ。小麦などの大半を黒海経由で輸出していた。ロシアが昨年2月の侵攻後に海上封鎖をし、輸出できなくなった。

 この状況を打開するために昨年7月、ロシアとウクライナ、国連、トルコの間で輸出再開の合意が結ばれた。イスタンブールの「合同調整センター」が航路の安全を確保し、ウクライナの港に出入りする船舶の検査を行う。

 この合意は昨年11月と今年3月に延長され、ウクライナは2700万トン以上を黒海経由で輸出することができた。

 しかし、ここにきてロシアは、米欧日の対露経済制裁でロシアの穀物輸出に支障が出ているとし、「然(しか)るべき措置」が講じられなければ合意を延長しないという。

 牽強(けんきょう)付会にほかならない。

 ロシアの穀物輸出は何ら対露制裁の対象となっていない。ロシアは金融や機械分野などの制裁が穀物の生産や輸出に影響しているというが、ウクライナの穀物とは全く関係のない話だ。

 そもそも制裁の原因はロシアの侵略行為であり、まず露軍を撤退させるのが筋である。責任を転嫁し、ウクライナの穀物を人質にとるようなまねは許されない。

 ウクライナは侵攻後、ポーランドなど東欧諸国への陸路の輸出を増やした。このルートは「連帯の回廊」と呼ばれてきた。 

 だが、このルートも試練に直面している。東欧諸国では輸出港まで穀物を運ぶトラックや鉄道貨車が不足し、ウクライナ産が滞留してしまった。ウクライナ産が国内市場に流入して価格が下落し、各国の農家を圧迫した。

 欧州連合(EU)は訴えを受け、東欧5カ国にウクライナ産を流入させず、第三国への通過だけを認める緊急措置を決めた。5カ国の農家に補償金も払うが、これらは暫定的な措置にすぎない。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年05月07日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【主張】:札幌招致の苦境 JOCは継続より猛省を

2023-05-09 05:01:20 | 【スポーツ全般・屋内外の競技種目・オリ、パラ、デフリンピック・国民スポーツ大会】

【主張】:札幌招致の苦境 JOCは継続より猛省を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張】:札幌招致の苦境 JOCは継続より猛省を 

 札幌市と日本オリンピック委員会(JOC)が進める2030年冬季五輪招致は、継続が極めて難しくなった。

 東京五輪・パラリンピックを巡る汚職や談合事件で、一握りの関係者が不正な利益を分け合う実態が明らかになり、国民が大規模大会のあり方に抱く不信感は強まる一方である。

 札幌招致の機運醸成活動は休止したままだ。スポーツ界などからは、招致の目標を34年以降に切り替える案も浮上している。札幌はこれまで最有力候補とみられていただけに、残念でならない。

 先の市長選で3選を果たした招致推進派の秋元克広氏も、「本質的に議論するのは限られた時間内では難しい」と30年招致には慎重な姿勢だ。

 札幌招致の苦境は、東京大会の不正に手をこまぬいたスポーツ界の責任でもある。仕切り直しが最善なのは明らかだが、ほとぼりが冷めれば、と考えるのは安直に過ぎよう。根本的な問題は何一つ解決していないからだ。

 東京の組織委員会では、JOC前会長の竹田恒和氏、現会長の山下泰裕氏が副会長に就きながら、その影は驚くほど薄かった。理事会の機能不全を看過し、大会の1年延期という意思決定の場からも除外される体たらくだった。

 JOCに猛省の色は見えない。ただでさえ発信力や指導力を持つ人材の育成が進まず、選手強化費でも国に依存したままである。

 山下氏は令和元年夏のJOC会長就任に際し、「社会に不可欠な存在として、その意義を高めたい」と述べた。東京大会を経たいまも、存在意義の乏しい現状に危機感を持つべきだろう。

 日本のスポーツ界は何をなすべきだったのか。社会に必要とされるために何をどう改めるのか。山下氏の言葉で、東京大会の総括と反省を示すのが筋だ。

 札幌招致が実現したとしても、「代理店頼み」の旧弊から脱した大会運営が本当に成り立つのかという疑問は残る。招致の旗を振る前に、具体策が聞きたい。

 ここに来て、30年大会にはスウェーデンが意欲を示している。国民への意識調査では約7割が賛意を示したという。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【主張】  2023年05月07日 05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【産経抄】:先刻まで安らかに目を閉じていた亡きがらは、荼毘(だび)に付され小さくなって帰ってきた。

2023-05-09 05:01:15 | 【感染症(1類~5類)・新型コロナ・エボラ・食中毒・鳥インフル・豚コレラ】

【産経抄】:先刻まで安らかに目を閉じていた亡きがらは、荼毘(だび)に付され小さくなって帰ってきた。

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【産経抄】:先刻まで安らかに目を閉じていた亡きがらは、荼毘(だび)に付され小さくなって帰ってきた。

 ▼「座禅を組んだ仏様が、手を合わせた姿に見えます。『喉仏』と呼ばれるところです」。斎場の係の人に説明を受けながら、お骨上げが厳かに進む。亡き人は美食家だった。喉元が休みなく動いていたっけ…。ありし日の姿が浮かび、まぶたを割ろうとする熱いものをこらえ切れない。5月初めに営まれた家族の葬儀である。

 ▼故人の入院は4年を超えた。長いときは半年以上会えず、見舞いが解禁されても日に10分ほど。病床の愁いを和らげることもできぬまま、旅立たせた無念が遺族一人一人の胸にある。この場を借りて小欄の個人的な体験をつづった。同じ悔いを唇にもつ人は多いのではないか。この3年余り、多くの家族から大切な時間を奪っていった中国発の新型コロナ禍である。

 ▼すでにマスクを着けるも外すも個人の自由で、8日からは季節性インフルエンザ並みの扱いになる。世は「平時」の色だが、悪意の塊のようなウイルスが残した課題はどこまで解決しただろう。感染者数の把握やワクチン接種では、デジタル化の進まぬ行政のもたつきを見た。「第8波以上」と懸念される「第9波」を前にして、身近な医療機関は当てになるのか。

 ▼<くさめして我はふたりに分れけり>阿部青鞋(せいあい)。消え入りたいと赤らむ自分と、何が悪いと居直る自分。いまはどちらが多数派だろう。遠慮、自制、含羞、寛恕(かんじょ)(思いやり)といった言葉もこの頃は口ににがい。喉の異物もろともの「ゴホン」や肺活量に任せた「ハクション」の大音量に、混んだ車内で接することが増えたような。

 ▼わが国に根付く感性の揺らぎがコロナ禍の後遺症なら、闘いはここからだろう。

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム  【産経抄】  2023年05月07日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【東武鉄道】:西新井駅でコーヒー缶が破裂したのは「洗剤を缶に入れた」からと供述、女性がやけど被害

2023-05-09 00:19:30 | 【事件・未解決事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件他】

【東武鉄道】:西新井駅でコーヒー缶が破裂したのは「洗剤を缶に入れた」からと供述、女性がやけど被害

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【東武鉄道】:西新井駅でコーヒー缶が破裂したのは「洗剤を缶に入れた」からと供述、女性がやけど被害 

 8日午後4時前、東京都足立区の東武鉄道西新井駅構内の券売機付近でコーヒーの缶が破裂し、近くにいて顔と下半身に液体がかかった20代女性がけがをした。警視庁によると、缶を置いたとみられる中国籍の男性(49=足立区)は任意の事情聴取に「破裂は故意ではない。勤め先の洗剤を家で使うため缶に入れた」などと説明している。

コーヒー缶の破裂があった東武鉄道西新井駅構内の券売機付近(共同)

 女性はやけどをしたとみられる。女性を介抱した20代の女性駅員も左手の指に違和感を訴えて病院に搬送された。券売機付近の防犯カメラには男性が缶を置くような様子が写っていた。男性は定期券を購入し、数分で券売機から離れたという。

 東京消防庁のホームページによると、アルミ缶などの金属製容器に洗剤を入れると、化学反応を起こして水素ガスがたまり、ふたで密封された場合には破裂する危険がある。洗剤の専用容器以外への移し替えには注意するよう呼びかけている。

 駅は帰宅する通勤客らで混雑し、現場はブルーシートで覆われた。券売機が使えず、切符を購入する客が窓口に列を作った。近くの売店の40代女性店員は「パン」という風船が割れたような音を聞いた。「女性が付近で泣いていた。まさかこんなことが起こるとは…」と不安げに話した。

 東武鉄道によると、電車の運行に影響はなかった。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・疑惑・東京都足立区の東武鉄道西新井駅構内で、コーヒーの缶が破裂】  2023年05月09日  00:17:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする