路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【政界地獄耳・05.25】:野党分断で立民は厳しい立場 選挙区調整にも影響、泉代表の次期選挙も危険水域に

2023-05-30 07:40:20 | 【政党・自民・立憲・維新の会・公明・国民民主・共産・社民・れいわ・地域政党他】

【政界地獄耳・05.25】:野党分断で立民は厳しい立場 選挙区調整にも影響、泉代表の次期選挙も危険水域に

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.25】:野党分断で立民は厳しい立場 選挙区調整にも影響、泉代表の次期選挙も危険水域に 

 ★立憲民主党代表・泉健太から17日に会談した時に国民民主党との共闘の仲介を依頼された連合会長・芳野友子は24日、早速、国民民主党代表・玉木雄一郎と会談。次期衆院選について「地方連合会からは一枚岩になって戦いたいという意見が出ている」と立憲と国民の候補者調整や相互推薦などの選挙協力をすべきと提案した。玉木は「まだ我々は前回(21年の衆院選)の擁立数にも至っていない。今はとにかく、連合の政策に合致した候補者の擁立に努めたい」「現段階では擁立作業を加速していかなければならない」と調整を行う考えがないことを示唆し対応を保留した。

 ★玉木の腹には日本維新の会との再共闘や自民党へのすり寄りなど、保守系との共闘ならば理解できる。議席数でも立憲に水をあけられている中、共闘による埋没や、昨年度は与党の予算案にまで賛成して自民党に寄り添ったものの、効果的な動きにつながっていない中での立憲との共闘は、国民民主党の行く末に水を差す可能性があることを念頭に慎重姿勢を崩せないという立場だ。まして自民党との連立志向は玉木と党国対委員長・古川元久ぐらいで、党全体は懐疑的で一枚岩ではないという弱点もある。同党には自民党から「内閣不信任案を出せば連立してもいい」などと軽口も聞こえてきており、存在感を示さなくてはならない時だ。

 ★一方、立憲との選挙区調整がとん挫した維新も共闘解消後の24日、泉の議席がある衆院京都3区、幹事長・岡田克也の三重3区に公認候補を擁立すると発表した。泉は既に共産党との選挙協力はしないと明言しており、共産党も京都3区に擁立する公算が大きく、次期衆院選で150議席獲得を目標に掲げる泉は自身の当選も危険水域とみられる。いずれも野党第1党として野党各党をまとめられなかった立憲が、図らずも野党分断によって厳しい立場に陥るという構図だ。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年05月25日  07:28:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・05.24】:安倍元首相が「深刻」と警戒したLGBT問題

2023-05-30 07:40:10 | 【LGBTQ+=ジェンダー・アイデンティティ、レズ、ゲイ、バイセクシャル、

【政界地獄耳・05.24】:安倍元首相が「深刻」と警戒したLGBT問題

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.24】:安倍元首相が「深刻」と警戒したLGBT問題 

 ★産経新聞23日付「主張」ではLGBT推進法に「廃案の道しかない」と訴えている。記事では「申告により性を決める『性自認』がまかり通れば、女性であると自認した男性が、女子トイレや女湯に入るなどの混乱が予想される。スポーツ競技の女子種目への出場を認めるのかという問題もある。極めて危うい内容と言わざるを得ない」と指摘する。確かにこの推進法は理念法で何が良くて何がダメという記述や解釈はない。そして「LGBTを巡る問題にどう向き合うべきか、慎重な議論が必要だ」としている。

 ★また22日、産経新聞系のZAKZAKには、麗沢大学教授・八木秀次のインタビューが掲載され、元首相・安倍晋三が「LGBT問題を重視・警戒していた。極めて深刻な問題といえる」と語っていたと指摘、「私との対話の中でも、安倍氏はLGBT問題と、皇位継承の関連について言及していた。法制化後に発生する弊害を読んでいた」とこの問題の本質を語っていたことを述懐している。

 ★欧米の常識を例に挙げて日本の非常識を憂う場合が往々にあっても、この問題ばかりは幾らG7の各国が説得しても、欧米で認められているからといっても横並びに扱うことが簡単ではないということだ。だからこそ「主張」が言うように慎重な議論が必要なのだが、だからこそ議論を封印し避けてきたため、実態先行で世界からガラパゴス扱いを受けている。いわば議論自体を危険視するあまり、また歴史的経緯や文化の経緯を知らぬまま、欧米の常識を受け入れるだけの状態が続いていたのではないか。本当は日本と日本人のために、国会でも社会の中でも丁寧な議論が必要だ。その議論の末、なおLGBTや同性婚に寛容な社会が生まれるのか否か。「皇室の危機=皇位継承問題に関わる憂慮」とLGBTや同性婚が並列に語られるべきか、その延長線上にあるかの議論が社会の中に結び付いていないことの啓蒙(けいもう)が足りなかったことはないか。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年05月24日  07:25:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政界地獄耳・05.23】:G7広島サミットの建前と現実…ゼレンスキー解散は消えたか

2023-05-30 07:40:00 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・サミット(G20、G7)】

【政界地獄耳・05.23】:G7広島サミットの建前と現実…ゼレンスキー解散は消えたか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・05.23】:G7広島サミットの建前と現実…ゼレンスキー解散は消えたか 

 ★広島サミットとは何だったのか。空前の警備に世界の首脳が集い、首相・岸田文雄は「我々の子どもたち・孫たち・子孫たちが核兵器のない地球に暮らす理想に向かって、1歩1歩、現実的な歩みを進めていきましょう」と発言、G7首脳宣言では「核兵器のない世界という究極の目標に向け取り組みを強化する」がうたわれたものの、内容は核保有・核依存を肯定したもので、いわば被爆地・広島広島市民否定したと取られても仕方あるまい。一方、ウクライナのゼレンスキー大統領の参加で西側の結束、決起大会となり、広島で開いた意味は薄れた。ことに議論がウクライナへの武器供与など武器支援など前段の首脳宣言と逆の議論が進んだことで、ブラジルのルラ大統領などの発言対ロシア圧力一辺倒議論の中、光るものになった。

 ★岸田の政治活動の絶頂と言える広島でのサミット。先の大戦の戦勝国が広島で献花を行い平和記念資料館や被爆者との面会と外交的演出はできたものの国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)暫定事務局長・ダニエル・ホグスタは日本は「ある意味、核保有加担している」と批判。岸田の遠縁で被爆体験を語り核兵器廃絶を訴え、ノーベル平和賞を受賞したサーロー節子は「G7広島サミットは大きな失敗だった。声明には何も新しい内容がなかった。首脳たちの声明からは体温脈拍感じなかった」と批判した。まさにその通りで「建前現実違うんだよ」を体感させられた3日間だった。

 ★この政治外交ショーのおかげか、20、21両日に読売新聞が行った世論調査で56%、毎日新聞も45%と内閣支持率は高騰。政治部は「さあ選挙だ、解散だ」と大いにあおるが、21日に行われた東京・足立区議選は19人を擁立した自民党がベテランを含む現職5人、新人2人の計7人落選となった。ゼレンスキー解散は消えたとみるべきだろう。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年05月23日  07:18:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相】:自民党役員会でトラブル相次ぐマイナンバーの再点検を指示 公明党との調整継続も要請

2023-05-30 07:23:40 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【岸田首相】:自民党役員会でトラブル相次ぐマイナンバーの再点検を指示 公明党との調整継続も要請

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相】:自民党役員会でトラブル相次ぐマイナンバーの再点検を指示 公明党との調整継続も要請

 岸田文雄首相は29日、自民党の役員に出席し、トラブルが相次いでいるマイナンバーについて「個人情報の保護と国民の信頼確保は安心安全なデジタル社会構築の基盤となるもの。河野(太郎)デジタル大臣を中心にすべてのデータやシステムを再点検するなど万全の対策を徹底するよう指示した」とした。

長男翔太郎秘書官の辞職表明を受け、取材に応じる岸田首相(共同)

 

 参院ではマイナンバー法など関連法改正案の採決が迫る中、野党側は対決姿勢を強めており、早急な対応を求めた。

 また次期衆院選で小選挙区定数「10増10減」に伴う候補者調整を巡って、公明党が東京都内の選挙区で自民党候補を推薦しない方針を固めたことについて「自公の選挙協力については幹事長、選挙対策委員長を中心に公明党との調整に精力的に取り組んでいただいている。引き続き、ていねいな議論をお願いしたい」と調整継続を要請した。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・政局・岸田政権】  2023年05月29日  19:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政治家も噺家も「二世」問題】:死する覚悟で努力するか…是非二世議員の方に聴いていただきたい古典落語「浜野矩随」

2023-05-30 07:19:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政治家も噺家も「二世」問題】:死する覚悟で努力するか…是非二世議員の方に聴いていただきたい古典落語「浜野矩随」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政治家も噺家も「二世」問題】:死する覚悟で努力するか…是非二世議員の方に聴いていただきたい古典落語「浜野矩随」

 【桂春蝶の蝶々発止。】

 政治の世界ではよく、「二世議員」の問題が取り上げられます。カエルの子はカエルなのか? タカの子にトンビが生まれてしまうのか? 千差万別でしょうが、できる存在なら「親がいいからだ」となり、できなかったらより一層たたかれる。政治家も芸能界も同じようなものですな。<button class="sc-izhPXJ diavUp" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-izhPXJ diavUp" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">春蝶さんの「浜野矩随」は、自身の経験も重ね合わされている</button>

 春蝶さんの「浜野矩随」は、自身の経験も重ね合わされている(株式会社 産経デジタル)

 古典落語の名作に「浜野矩随(はまののりゆき)」という一席があります。親は刀剣の付属用品を彫刻する「腰元彫」の名人で、子は凡人以下。父を早くに亡くし、母親と2人で裏長屋で細々と暮らしておりました。

 近くの袋物屋・若狭屋に馬の彫刻を彫り、下取りしてもらおうと持っていくも、何と馬の脚が3本しかない。

 若狭屋は「いままではお前の母親のことがあるから買ってやったが、もう我慢がならない。お前は父親の顔に泥を塗っている。こんなものしか彫れないくらいなら、お父っつぁんのところへいってわびを入れてこい! 死んでしまえ!」と罵(ののし)られる。

 浜野矩随は落胆し、死んで父のもとに行き、わびを入れたいと打ち明けると、母は「矩随…お前がそう思ったならそうしたらいい。でも、逝く前に、私に身を寄せられる何かを彫っておいていってほしい。観世音菩薩の御像を私に彫っておくれ…」と懇願します。

 死する間際の、最期の仕事に向かう浜野矩随。5日間、不眠不休で観世音菩薩像を完成させる。母はその出来栄えに感嘆しながらも浜野矩随にこう告げるのです。

 「さぁ、矩随や…これを持って若狭屋はんのところへ行ってきなさい…」

 このあと、どうなるのでしょうか…。凡人以下である二世彫刻家の開眼を鮮やかに語る古典落語「浜野矩随」は、落語界きっての名作といわれております。この作品、ぜひ二世議員の方にお聴きいただきたいんです。

 死する覚悟仕事に立ち向かい、努力を続ける二世はハナ差で勝つが、努力しない二世は人間のクズ…ってことを表しています(笑)。この噺を聴くことを、二世議員立候補する必須課程にすべきな気がしますよ!

 このゴールデンウイーク、私は5月4~6日、東京・上中里にある寄席「梶原いろは亭」で独演会をやります。6日に「浜野矩随」を演ります。4日には、オーソドックスなアホ二世(若旦那)が大暴れする「二階ぞめき」と、真面目すぎる若旦那の噺「明烏」。5日は二世ではなく、弟子入りして苦労に苦労を重ねた歌舞伎役者の伝説譚「中村仲蔵」を演じます。

 そういえば、この噺は小泉進次郎元環境相が一番好きだって聞いたことがあるなぁ。進次郎さんに中村仲蔵の何が好きなのか、聞いてみたいな…。二世なので、仲蔵の気持ちが分かるのかな? あっ! 私も二世落語家だった! 失礼しました! 本落語会の情報、詳しくは私のホームページまで。ぜひ、お越しください。

 ■桂春蝶(かつら・しゅんちょう) 

 1975年、大阪府生まれ。父、二代目桂春蝶の死をきっかけに、落語家になることを決意。94年、三代目桂春団治に入門。2009年「三代目桂春蝶」襲名。明るく華のある芸風で人気。人情噺(ばなし)の古典から、新作までこなす。14年、大阪市の「咲くやこの花賞」受賞。

 元稿:夕刊フジ 主要ニュース 芸能 【エンタメニュース】  2023年05月06日 17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.05.29】:【道立看護学院パワハラ事件】「紋別」の被害は不認定|「江差」自殺事案認定の蔭で 

2023-05-30 07:08:50 | 【ハラスメント「セクハラ、パワハラ、モラハラ、アカハラ、ドクハラ、シルハラ...

【HUNTER2023.05.29】:【道立看護学院パワハラ事件】「紋別」の被害は不認定|「江差」自殺事案認定の蔭で 

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.05.29】:【道立看護学院パワハラ事件】「紋別」の被害は不認定|「江差」自殺事案認定の蔭で 

 在学生の自殺事案が公式に被害認定され、事態が明るみに出て以来ようやく一つの区切りを迎えた、北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題。3年前の秋に告発の声を上げた学生らへの賠償(慰藉)も進んでいる現在、そのかたわらで深刻な被害の訴えが何度も退けられ、結果的に一切顧みられずに終わったケースがある。当時者の元学生はこの春伝わった調査結果に憤りを隠さず「改めてがっかりした」と不信感を募らせている。

■パワハラの実態 ―“あの副学院長”が退学強要

 10年ほど前に道立看護学院で理不尽なハラスメントに遭い、退学を事実上強要されて看護職の針路を断たれたのは、現在千葉県に住む自営業の男性(31)。パワハラの舞台は、江差ならぬ道東・紋別の看護学院だった。のちに最大のハラスメント加害を認定されて江差看護学院を去った当時の副学院長が、そのころまさに紋別の学院で副学院長を務めていたことがわかっている。一連のパワハラが表面化したのは2021年春のことだが、被害男性が看護学生だった2010年代前半にはすでに深刻なハラスメントが常態化していたといい、その人はこう証言する。

 「ぼくらの世代は告発の声を上げる人が出てこなかっただけで、ハラスメントは普通にありました。自殺未遂も知っているだけで2件あり、睡眠薬を呑んだ先輩や学生寮の窓から飛び降りた人などがいましたが、まったく問題にならなかった」

 男性は、地元の高校を経て紋別看護学院に入学。卒業年次である3年生の春までは順調に進級できていたが、その年の春に無許可でアルバイトをしていたことを咎められ、1年間の停学処分を受けた。当時の学院では学生のアルバイトには届け出が必要で、当事者の男性自身もこれを怠った非は認めている。とはいえ1年間という休学期間はあまりに長く、また復学直後にルールが緩和されて無許可アルバイトが解禁になったことも男性としては疑問だった。

 2013年5月に復学を果たした男性は、早々に北海道外の医療機関から採用内定を獲得する。看護師の夢が具体化し、あとは無事に卒業して国家試験に及第するのみとなったが、卒業目前の12月になって突然、教員たちのハラスメントが始まった。当時の顛末を、男性はこう振り返る。

 「道外への就職が、教員たちの気に障ったらしいんです。そのことで執拗に『反省文』を書かされることになりました」

 おりしも、紋別から50kmほど離れた町の医療機関で実習が続いていたころのこと。「身勝手な行動への反省」を求められた男性は、毎日の実習終了後にバスで50kmを移動して紋別の学院へ「反省文」を提出、そのたびに書き直しを命じられ、深夜に再び50kmの道のりをバスで戻る生活を余儀なくされた。

 どのように書き直しても教員らは満足せず、再提出に継ぐ再提出。実習のかたわら毎夜100kmの移動を繰り返した男性は2週間で根を上げ、単位を落とす結果となった。実習の担当教員に「限界です」と伝えると、「休んでもいいけど精神科でも受診したら」と教員。助言に従って精神科の診察を受けると「ほんとに行ったんだ」と笑われた。

 別の教員はレポートに「意味不明」「時間の無駄」「教える価値がない」などのコメントを書きつけ、学習内容への質問には事前の「予約」を求めてきた。「予約」時間外には何を訊いても答えてもらえず、時間内に教員室を訪ねても「前と同じ」の一言で済まされた。また別の教員は「私たちとは合わないと思う」と退学を促してきた。

 母親との三者面談では、副学院長らが「1年生のころから理解のできない子だと思っていた」と言い放ち、やはりあからさまに退学を強要してきた。「やめたくない」と抵抗すると他校への編入を勧められ、男性は絶句するしかなかったという。追い込まれた結果、中退を受け入れたのは2014年の1月。卒業まで僅か3カ月を残しての不本意な決断だった。

 「10代後半から20代前半までの一番充実した時間を、あっさり奪われた。あの4年間を取り戻せるなら、やりたいことはいっぱいありました」

 ■被害の訴え無視した道庁の非道

 失意の男性は当時のバイト先の伝手で首都圏の飲食店に就職、医療業界とは違う世界で生きていくことになる。東京都内の店舗で経験を積み、最終的には独立を目指して修業を重ねる日々。そんな中、不意に学生時代の無念を思い起こさせる出来事が起きた。退学から7年ほどを経た2021年春、道立看護学院のハラスメントが一斉に報道されたのだ。

 これまで本サイトなどが報じてきた通り、当時の在学生の告発を受けた北海道は世論に押される形で第三者調査委員会を設置、結果的に53件のハラスメントを認定している。調査が始まるころ、紋別で退学強要の被害に遭った男性もその動きを知り、道に調査の要望を寄せることを決意した。

 ところが道はその訴えに耳を傾けず、男性の事案は被害認定に到っていない。それどころか、そもそも第三者調査の対象にならなかった。理由は「調査に必要な情報」が不足しているため。21年11月に結果の通知(*下の画像)を受けた男性は、煮え切らぬ思いを抱えて弁護士に相談を寄せる。なんらかの形で被害を認めさせることはできないか――。だが1カ月ほどの検討を経て弁護士が出した結論は「被害から時間が経ち過ぎている」。あくる年、つまり22年の1月、男性は被害回復をほぼ完全に諦めることとなった。

 一転、再調査の可能性が浮上したのは、この半年ほど後のことだ。道議会で昨年6月、のちに被害認定に到る自殺事案とともに男性のケースが俎上に載り、地元議員が道の担当課に改めて調査を検討するよう迫ったのだ。ほどなく再調査が正式決定、同年8月に東京都内で聴き取りが行なわれ、男性は担当職員3人を前に1時間半にわたって被害の実態を訴えた。ところが――。

 「それから何カ月経っても、何の連絡も届かないんです」

 聴取のあった時期、男性は念願の独立を果たし、千葉県で新規開業の準備に追われていた。第三者ならぬ北海道の担当職員らは形式上男性の都合を確認しつつ、聴取の日時を一方的に決定、会場も有無を言わさず東京都内に設定してきたという。無論のこと交通費は自腹で、多忙のさなかに時間をやりくりしての上京だった。にもかかわらず、それきり道からの連絡が途絶え、調査の進捗がまったく伝わらない。そのまま年が暮れ、業を煮やした男性が担当課に問い合わせを寄せたのは、本年2月。受話器の向こうからは「まもなく報告します」との声しか聴こえてこなかったが、その数日後、地元議会で驚きの事実が明かされる。調査は男性の聴取から2カ月ほど後に終了しており、その後3カ月経ってなお結論がまとまっていなかったのだ。

 ようやく当事者のもとに報告が届いたのは、新年度が明けた4月8日。一読、男性は「気を失いそうになった」という。

 男性の申告で調査対象となったハラスメント疑い事案は、大きく7件。すでに述べた退学強要や「反省文」書き直し指示などの不適切指導、暴言、指導拒否などで、少なくとも3人の教員が関与していたとされる。調査にあたったのは、これも先述の通り第三者委員会ならぬ道の担当課。つまり一方当事者の管理責任者が自ら調査の主体となったわけだ。結果は、文字通り「気を失いそうな」ものとなった(*下の画像)。

 対象7事案のうち、ハラスメントと認められた事案は皆無。「不適切な指導・対応」とされた事案も、僅か2件に留まった。残る5件は不問に付され、しかもそのうち4件は被害事実そのものが確認不能とされた。男性は当時の教員による複数の暴言をひそかに録音しており、その音声データをすべて証拠として提出していたが、あたかもそれらの音声がまったく存在しないかのように暴言の事実が一切認められなかったのだ。また2件だけ認められた「不適切」事案も具体的な賠償の対象にならず、道からの謝罪もないという。根気よく事実を訴え続けた男性にとって、とうてい納得できない結果だった。

 「改めてがっかりしました。それに尽きます」

 もはやこれ以上の打つ手はなく、被害回復はきっぱり諦めざるを得ない。1つだけ成果が得られたとすれば、当時のハラスメントの背景にあった体質を実感できたことだ。男性は指摘する。

 「認定の有無よりも、全体としてお粗末な対応だったことが不満です。何を問い合わせても、まるで結論ありきのような、その場しのぎの説明ばかり。当時の教員たちのハラスメント体質に通じるものがあるんじゃないかと思います」

 江差で3年前に起こった告発の声は当初、半年間にわたって担当課に事実上握り潰されていた。苦情を黙殺し続けたのは、ハラスメントの“主犯”である前副学院長の部下だった職員たちだ。彼らは何の咎めも受けず、今も道に籍を置いている。今後の異動で担当課に戻る可能性も皆無ではなく、それどころか一部は現在、看護学院の教壇に立っている。

 指摘される「体質」が変わらない限り、悲劇は繰り返される。それを食い止めるには、たとえば過去の加害と真摯に向き合うことだが――。

 紋別の男性への対応を知った関係者らは、悲観的にならざるを得ないだろう。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・在学生の自殺事案が公式に被害認定され、事態が明るみに出て以来ようやく一つの区切りを迎えた、北海道立高等看護学院のパワーハラスメント問題】  2023年05月29日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2023.05.16】:江差看護学院・パワハラ自殺で道が謝罪「今後は被害が握りつぶされないように」と遺族

2023-05-30 07:08:40 | 【ハラスメント「セクハラ、パワハラ、モラハラ、アカハラ、ドクハラ、シルハラ...

【HUNTER2023.05.16】:江差看護学院・パワハラ自殺で道が謝罪「今後は被害が握りつぶされないように」と遺族

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.05.16】:江差看護学院・パワハラ自殺で道が謝罪「今後は被害が握りつぶされないように」と遺族 

 「ご子息に対するハラスメントが確認された事実につき、心よりお詫び申し上げます」――。本サイトが折に触れ伝えてきた北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題で15日午後、2019年に起きたパワハラ自殺の被害者遺族に対し、道が公式に謝罪する場が設けられた(*下の写真)。

 一連のハラスメントで最悪の被害といえる事案にようやく一区切りがつき、謝罪を受けた遺族は「今後はこういう被害を握りつぶさないで」と話している。

 
                 ◇   ◇   ◇

 江差看護学院で男子学生(当時22)が自ら命を絶ったのは、2019年9月。学院では当時の副学院長らが自殺の原因を不明としていたが、複数の同窓生らが本サイトなどに証言したところでは、教員らによる日常的なハラスメントが学生を死に追い込んだ可能性が強く疑われた。当初沈黙を守っていた遺族は一連のパワハラ被害告発が表面化した21年、当時の学院長から「息子さんにもパワハラがあった」と打ち明けられ、改めて告発を決意、昨年5月に道へ正式に調査を申し入れた。

 翌月に設置された道の第三者調査委員会は、同10月から関係者への聴き取りを開始、本年3月まで調査を重ねた結果、少なくとも教員3人による4件のハラスメントがあったと認定した。これらのハラスメントが自殺に関連していた事実も認められるとし、当時の学院の「ふるい落とす教育」が背景にあったと指摘するに至った。

 3月末までに第三者委から調査報告を受けた道は、遺族への説明について5月中旬に報告の場を設ける方向で調整、15日の謝罪が実現した。

 謝罪の後、約50分間にわたって担当課から説明を受けた男子学生の母親(46)は「なかったことにされたくないと思って(声を上げた)」と、この3年間を振り返り「ハラスメントが認められたことにはとても感謝しており、今日で一区切りがついた」と話した。一方、具体的な調査結果については「(加害者が)3人しか上がっていないが、ほかの先生たちも何かしら関与があったはず」と率直な疑問を呈し、「今後はこういう被害が握りつぶされないことを願う」と訴えた。

 道によれば、加害が指摘された教員3人のうち2人が現時点で遺族へ謝罪の意向を示しているが、残る1人はその限りでないという。また全員がすでに教壇を離れているものの、道職員として現職の人物が2人おり、その2人については懲戒処分を検討するとしている。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・た北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題】  2023年05月16日  12:36:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【HUNTER2023.03.30】:江差看護学院・自殺事案でパワハラ認定| 第三者委報告、道が遺族に謝罪へ

2023-05-30 07:08:30 | 【ハラスメント「セクハラ、パワハラ、モラハラ、アカハラ、ドクハラ、シルハラ...

【HUNTER2023.03.30】:江差看護学院・自殺事案でパワハラ認定| 第三者委報告、道が遺族に謝罪へ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.03.30】:江差看護学院・自殺事案でパワハラ認定| 第三者委報告、道が遺族に謝罪へ 

 北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題で、2019年9月に男子学生(当時22)が自殺した事案について、北海道の設置した第三者委員会がハラスメントとの因果関係を認定した。24日午前に札幌市で会合を設けた後に記者会見し、調査結果をあきらかにした。道は4月中旬にも遺族へ謝罪する方針。

              ◇   ◇   ◇

 第三者委によると、自殺に繋がった可能性のあるハラスメントは4件認められ、関与した教員は3人。背景に「学院の構造的な問題」があったとし、管理者の道にも責任があると指摘した。座長を務める須田布美子弁護士の報告を、下に引く。

 「ハラスメントを許容する雰囲気や指導のあり方について、そもそも学校全体として問題があったと考えます。亡くなられた学生さんは1年生の時からずっと“育てる教育”ではなく“ふるい落とす教育”に精神的な負担を募らせていき、2年生の時には提出期限にたった1分遅れたことでレポートを受け取って貰えず、1年間の留年をしています。これが学院に対する希望や信頼を失う大きな要因になり、さらに3年生の実習で複数のパワーハラスメントを受けたことで死を考えるようになったと認められます」

 最終的に自殺の決め手となったのは、学院の教育への絶望だった。須田座長が続ける。

 「適切な指導が受けられないことを苦にして『ハラスメントが今後も続くのではないか』と予想し、それによって自死を選択したのではないかと」

 加害教員3人はいずれもすでに教壇を離れているという。氏名などは明かされなかったが、これまでの取材などから当時の副学院長(昨年辞職)らが関与していた可能性が極めて高い。第三者委の聴き取りでは、当該教員3人のうち1人が認定された事実を「憶えていない」としたが、残る2人は事実を認めたという。ただ、3人全員がそれらの事実をハラスメントと認識しておらず、謝罪を述べた教員は1人もいなかった。

 本サイト既報の通り、江差高等看護学院でハラスメント告発の声が上がり始めたのは2020年秋。翌21年春に問題が表面化し、ほどなく設置された第三者調査委員会(今回の第三者委とは別)は22年2月までに江差と紋別の道立看護学院で計53件のハラスメントを認定した。関与教員は11人に上り、道はすでに退職していた1人を除く10人を「停職」「減給」などの懲戒処分に。この時認定された被害の中に在学生の自殺事案は含まれていなかったが、同年5月に学生の遺族が道に調査を依頼、これを受けた道が新たな第三者委を設置し、再調査に着手。新第三者委は同10月から本年3月にかけ、遺族や同級生、教員・元教員ら関係者15人への聴き取りを行ない、計4回の会合を経て今回の認定に到った。

 第三者委の調査書は年度内にまとまる見込みで、道は4月中旬までに遺族と面会し、謝罪の上で調査結果と対応方針の説明にあたることになる。今回の認定を受け、道の鈴木直道知事は「たいへん重く受け止めており、ご遺族に深くお詫び申し上げます」「今後とも、ご遺族のご意向を伺いながら誠意をもって対応して参ります」とコメント、引き続き再発防止の取り組みを進めていくとしている( 道庁ホームページへ)。

 事案発生から被害認定まで、約3年半。亡くなった学生の母親(46)は「ほっとした思いもありますが、認められたことで(息子の被害を実感し)複雑な気持ちです」と話す。遺族代理人の植松直弁護士(函館弁護士会)は「ハラスメントが認定され、自死との関連にも踏み込んでいただけた」と調査結果を評価しつつ、今後の対応については「まずは道からの正式な報告を待ち、それを受けてから改めてご遺族と検討することになる」としている。(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題】  2023年03月30日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.02.28】:パワハラ事件のつけ重く|江差看護学院、次年度も定員割れ |謝罪・賠償・再調査、未だ道半ば

2023-05-30 07:08:20 | 【ハラスメント「セクハラ、パワハラ、モラハラ、アカハラ、ドクハラ、シルハラ...

【HUNTER2023.02.28】:パワハラ事件のつけ重く|江差看護学院、次年度も定員割れ |謝罪・賠償・再調査、未だ道半ば

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.02.28】:パワハラ事件のつけ重く|江差看護学院、次年度も定員割れ |謝罪・賠償・再調査、未だ道半ば 

 教員による長期間のパワーハラスメントが問題となっていた北海道立江差高等看護学院で、次年度の入学者数が定員を大幅に下回ることが確実となった。2月上旬の北海道議会で担当課があきらかにしたもので、質問に立った議員は「学校が変わった証拠を見せなければ次年度も危うい」と警鐘を鳴らしている。

◇   ◇   ◇

 議会答弁があったのは、2月7日午後の北海道議会保健福祉委員会。一昨年春のハラスメント問題発覚以降、折に触れて質問に臨んでいる同委の平出陽子議員(民主・函館市)が入学者の確保についての問うと、道の担当課は次のように報告した。

 「本年度から学院の適正化に向けた各種の取り組みを進めることはもとより、在学生のメッセージ入りのパンフレット等を作成し持参するなど、地域の高等学校を積極的に訪問してきたほか、『学院案内』や学院内外の生活の様子をホームページに掲載し、毎月更新するなど、PRの強化に取り組んできたところでございます」

 こうしたPRはしかし、必ずしも奏功したとは言い難い。答弁は、こう続く。

 「昨年10月に実施した、推薦及び社会人入学試験の合格者は3名、先月実施した一般入学試験の受験者数は5名と、いずれも昨年度を下回ってございます」

 一般入試の結果はこの2日後に発表され、受験者5人のうち合格者は4人となった。推薦・社会人の合格者3人を加えても7人で、入学定員40人を大幅に下回る。なお全学の定員数は120人だが、現時点の在学生はその3割弱の37人。学院は引き続き広報活動に努めていくといい、担当課は議会答弁をこう締め括った。
「3月中旬に予定してございます2期試験に向け、改めて地域の高校へのPRに取り組むなどして、一人でも多くの学生の皆様に入学いただけるよう取り組んで参ります」

 学院は1月下旬、初めて「学校関係者評価会議」を報道公開し、ハラスメント発覚後の運営改善を好意的に評価する在学生や地域の声を発信した。筆者など記者クラブ非加盟者には事前に案内が届かなかったが(当局による報道の選別は重要な問題だがここでは措く)、同会議を取材した地元メディアは学生の声を次のように伝えている。

「今は先生たちも真摯に向き合ってくれて勉強しやすい環境」(北海道新聞)

「学校に行きづらいということはなく、看護師になりたいと思えるようになった」(函館新聞)

「不安や悩みを相談すると聞いてくれて、相談に乗ってくれるのですごい勉強しやすい」(北海道テレビ)

 在学生が真っ当な教育環境の下で過ごせるようになった変化は、もちろん悪いことではない。その一方、過去の深刻な被害の精算はどこまで進んでいるのか。

 2月の議会では謝罪や賠償、新たな被害調査の進捗なども俎上に載ることになり、次のような答弁が聴かれている。最初に説明があったのは、謝罪についてだ。
「教員からの謝罪を希望された被害学生4名への対応については、これまでに3名の方へ加害教員からの直接の謝罪や謝罪文の送付を行なっており、うち現在も休学中の1名に対しては、ご本人の希望を踏まえ、復学後改めて対面での謝罪を行なう予定としております。また残る1名については、謝罪を求める教員を書面により確認しているところであり、引き続き先方のご意向を伺いながら丁寧に対応して参ります」

 答弁に謂う「謝罪文の送付」は、必ずしも充分な対応とは言えない。被害者が謝罪の内容に納得できていない可能性があるからだ。事実、被害者の1人は「指導に熱心だったため行き過ぎた教育になってしまった」と、ハラスメントの原因を「熱心さ」にすり替えるような謝罪文を受けている。保護者はこれに「教育を受ける機会を阻害された」と抗議、加害者側からは直接会って謝罪したい旨の連絡があったが、被害学生は当該教員の顔を見ることもできない状況のため、対応は保留中という。

 もう1点、賠償の問題については、次のような答弁があった。

 「これまでに被害学生15名のうち12名と示談契約を締結し、うち11名への賠償をすでに終えるとともに、他の1名に対する賠償金の支払いの手続きを進めており、残る3名についても引き続き道の担当弁護士とも連携して早期に合意が得られますよう取り組んで参ります」

 最後に、未認定被害の再調査の問題。担当課は、現時点で調査が進んでいる2件の事案について報告した。まずは、教員に事実上退学を強要された学生の被害について。

 「紋別高看の元学生への対応については、道の『パワー・ハラスメントの防止等に関する指針』に基づき、昨年10月末までに元学生及び関係教員への聴き取り調査を終え、これまでの間、内容の精査と併せ、ハラスメントの認定にあたっての論点整理を行なってきており、今後必要に応じて確認を行なった上で、早期に結論が得られるよう取り組んでいるところでございます」

 続いて、2019年に江差の男子学生(当時19)が自殺した事案。本サイト既報の通り、この件については道が昨年設置した新たな第三者委員会が本年1月中旬までに関係者6人の聴き取りを終え、さらに8人への追加聴取を行なう方針をあきらかにしたところだ。この経緯は、議会答弁でこう報告された。

 「昨年12月までに実施した参考人6名への聴き取り調査の結果、亡くなった学生との関わり等が示唆された8名を対象に現在、第三者調査委員会が聴き取り調査を実施しており、今後必要に応じて追加の聴き取りも行ないながら、調査結果のとりまとめ作業を進めていくこととしております。道としては引き続き、調査の進捗状況を適宜ご遺族にお伝えしつつ、調査結果がとりまとめられ次第、その内容を踏まえ、できる限りすみやかに、かつ誠意をもって必要な対応を行なって参ります」

 一連の議会報告について、亡くなった学生の遺族は「今の学生さんから『変わった』『よくなった』との発言が聴かれるのはよいことだと思う」と運営改善の成果を評価しつつ、「今後何年か経ち、生徒の人数が増えた時が心配」と警鐘を鳴らす。

 「本当に改善され『よくなった』と喜べるようになるのは、地域外や社会人ばかりでなく、地元の子たちが入学を希望するようになった時ではないでしょうか」

 問題発覚から、まもなく丸2年。先の議会で質問に立った平出議員は「真剣に『学校は変わった』という証拠を見せなければ、次年度も(学生数が)じり貧になる」と指摘、「口先だけでなく現実問題として、よりいっそうの努力を」と強く訴えている。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・教員による長期間のパワーハラスメントが問題となっていた北海道立江差高等看護学院】  2023年02月28日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2023.01.17】:【江差看護学院パワハラ事件】第三者委の調査続く|さらに最大8人聴き取りへ

2023-05-30 07:08:10 | 【ハラスメント「セクハラ、パワハラ、モラハラ、アカハラ、ドクハラ、シルハラ...

【HUNTER2023.01.17】:【江差看護学院パワハラ事件】第三者委の調査続く|さらに最大8人聴き取りへ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2023.01.17】:【江差看護学院パワハラ事件】第三者委の調査続く|さらに最大8人聴き取りへ 

 北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題で、在学生自殺事案の調査にあたっている第三者委員会が1月中旬に本年初めての会合を開き、引き続き最大8人の関係者への聴き取り調査を重ねる考えをあきらかにした(*下の写真)。

 同委はすでに元学生ら6人への聴き取りを終えており、この調査の過程で新たに8人の対象者が特定された形だ。

◇   ◇   ◇

 本サイトなど既報の通り、江差看護学院で男子学生(当時22)が自殺したのは2019年9月。のちに表面化したパワーハラスメントが原因であることが強く疑われたが、21年のパワハラ調査では教員11人による計53件の被害が認定された一方、自殺事案についてはハラスメントとの因果関係が認められるに到らなかった。

 これが改めて調査の対象となったのは、22年になって遺族が真相解明を求める声を上げ始めたため。代理人からの調査要請を受けた道は新たな第三者委員会を設立することになり、昨年11月までに2度の会合が設けられた。同委は遺族の証言などをもとに関係者6人の聴き取りが必要なことを確認、同月下旬から対象者らとの面談を重ねてきたところだった。

 年が明けた1月11日には、札幌市内で第3回会合が開かれた。委員らは同日までに先の6人の聴き取りを終え、その過程で新たに8人の関係者を特定したという。同日夕に報道陣の取材に応じた同委は「おもに客観的に話ができそうな人からの聴き取りの結果」として8人が浮上した経緯を説明し、今後の調査については次のように話した。

 「退学された学生さんや退職した教員がいるので、8人のうち何人に聴き取りできるかは、これからの連絡調整次第だと思います。いつごろ聴き終わるかの目途は立っていませんが、できるだけ早急に、1月・2月でお話を聴いていきたい」

 調査結果とりまとめの時期については「できるだけ年度内にと思っているが、確実な時期はわからない」としており、聴き取り以外の調査方法については「学校に残る記録などを調べている」とした。

 未だ被害認定に到っていない在学生自殺問題だが、当時の同窓生らは「間違いなくパワハラが原因」と断言しており、第三者委の調査に応じた元学生の1人は学内で箝口令が敷かれた事実などを証言している(既報 )。

 亡くなった学生の母親(46)は「(同窓生が証言したような)過剰で苛酷な指導に我慢し続けた息子のことを思うと涙が出る」と改めて無念さを語り、「今後の聴き取りに応じる人たちも当時の実態をきちんと話してもらいたい」と呼びかけている。

 渦中の江差看護学院は12月下旬、公式サイトで学生アンケートの結果を報告、ハラスメント被害について回答者全員が「ない」と答えたことなどをあきらかにした(→江差看護学院公式サイト)。

 公表された意見には「先生が優しい」「とても勉強しやすい」「雰囲気が明るく面白い人が多い」などの肯定的な文言が並ぶが、一方で過去のハラスメント被害については未だに真っ当な謝罪や賠償を得られていない被害者が複数おり、被害告発から2年以上が過ぎた今も一連のパワハラ問題は完全な解決に到っていないのが実情だ。

(小笠原淳)

【小笠原 淳 (おがさわら・じゅん)】
ライター。1968年11月生まれ。99年「札幌タイムス」記者。2005年から月刊誌「北方ジャーナル」を中心に執筆。著書に、地元・北海道警察の未発表不祥事を掘り起こした『見えない不祥事――北海道の警察官は、ひき逃げしてもクビにならない』(リーダーズノート出版)がある。札幌市在住。

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・北海道立江差高等看護学院のパワーハラスメント問題】  2023年01月17日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【HUNTER2022.10.06】:大任町議長銃撃事件の真相(下)|黒幕判明で明らかになる「動機」

2023-05-30 05:25:20 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【HUNTER2022.10.06】:大任町議長銃撃事件の真相(下)|黒幕判明で明らかになる「動機」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【HUNTER2022.10.06】:大任町議長銃撃事件の真相(下)|黒幕判明で明らかになる「動機」 

 2002年7月に起きた福岡県大任町議会の楠木重明議長銃撃事件は、川筋ヤクザの本流といわれる指定暴力団「太州会」の二次団体「政時組」(解散)の二代目組長・O氏(*アルファベットの「O」。既に太州会を破門)の依頼を受けた男性(本稿では「A氏」)の犯行だった。

 O氏に議長襲撃を指示した本当の『黒幕』は、事件直前のO氏の言動や、服役していたA氏の出所直後に1,400万円もの現金を渡したという事実から、永原譲二大任町長だった可能性が高い。

 では、なぜ永原氏は、議長襲撃などという危ない橋を渡らなければならなかったのか――?同町における当時の状況を振り返ると、A氏の刑事裁判でも明かされることのなかった「動機」が見えてくる。

 ■「黒幕=永原町長」の傍証

 太州会の二次団体で解散した「政時組」の二代目組長O氏は、太州会を破門された後、覚せい剤事案で服役していたことが分かっている。仮出所したのは2年ほど前だったとされ、その時の身元引受人は、なんと永原譲二町長だったという。

 永原町長とO氏は同級生。「友人を助けた」という言い訳も成り立つが、政治家が元暴力団幹部の身元引受人になるなど、普通ならあり得ない話だろう。O氏に銃撃の指示をしたのが永原町長だったとすれば、同級生以上の“切っても切れない仲”になっていたことは確か。その証拠にO氏は出所後、町長の口利きによって、道の駅で商売を行っていたという情報さえある。

 A氏はハンターのインタビューに、「一昨年(おととし)ぐらいに」「Oが帰って来たから、町長と3人で会おうということになった。ほんで、町長と3人で例の政策研究会の事務所で会った」と語っており、O氏の仮出所の時期と符合する。

 またO氏が、A氏を含む自身の周辺に「(永原から)車を買ってもらった」(A氏の記憶では「キャデラック」)という自慢話をしていたことも確認されており、町長とO氏の関係の深さがうかがい知れる。

 時間をさらに遡れば、「二人は子供の頃からの友だちだったが、Oはいつも永原にいじられる存在だった。永原が親分で、Oが子分」(地元の古老の話)だったという。こうした上下関係は大人になってからも引きずるもので、永原町長にとってO氏は、無理を言いやすい存在だったと思われる。

 ■銃撃された議長が牛耳っていた大任町

 9月26日の配信記事《密接交際の証明|永原譲二大任町長と指定暴力団会長の「記念写真」》で示したように、1990年の大任町長選挙で落選した永原氏はその後、「太州会」の大馬雷太郎三代目会長を後ろ盾に鉱害復旧事業を利用して荒稼ぎ。自身で建設資材を扱う組合や建設会社を設立して、さらに事業を拡大していった。そのころの永原氏を象徴しているのが、太州会のゴルフコンペで大馬三代目会長と並び自慢げにクラブを振った時の「記念写真」である。(*下の画像参照)

 このゴルフコンぺを軸に、一連の動きを時系列で並べると次のようになる。

 

 次に、この時系列に「議長銃撃事件」を加えてみる。

 

 議長銃撃事件は、ゴルフコンぺの約2年後。実はそれまで、太州会をバックに経済力をつけた永原氏といえども、襲撃を受けることになる楠木議長に、太刀打ちどころか近寄ることさえできなかった。

 実は、当時の大任町における最大の実力者は楠木議長。前出の地元古老は「楠木議長の後ろに、山口組の影がちらついていた」と打ち明ける。町内の利権を自由に操る楠木議長は、永原氏にとっては、まさに“目の上の瘤”だった。

 「権力を独占するために邪魔者を消す」――それこそが議長襲撃事件の真の動機だったという見立ては、決して外れてはいまい。

 事実、銃撃を受けた楠木議長は、護身用に入手したのか、翌年に拳銃所持で逮捕され、表舞台から姿を消す。銃撃事件が起きた2002年の暮れには、永原氏自身が建設業法違反(虚偽申請)という微罪で立件されるが、捜査当局の本当の狙いは、銃撃事件への関与を探ることにあったのではないかとみられていた。永原氏の業法違反は、罰金50万円で終わっている。

 こうして町内での絶対的な権力を手中に収めた永原氏は、2005年に念願の町長に就任。以後の「活躍」については、これまでの配信記事で報じてきたとおりだ。暴力団との密接交際、ダミー業者を使った公共工事の私物化、賭け麻雀、批判勢力に対する恫喝、国会議員を通じての警察への圧力――。まさに悪行三昧なのだが、そんな永原氏が、福岡県町村会の会長として全国町村会の副会長を務めるまでにのし上がった。野望はとどまることがないようで、次かその次の全国町村会会長を狙っていたという情報もある。

 ■暴力の連鎖を経て「暴力支配」

 大任町の歴史に刻まれているのは、「暴力の連鎖」だ。同町では1986年10月、当時の町長だった崎野正規氏が町長室で執務中、侵入してきた男に射殺されるという事件が起きた。政時組は崎野元町長と近かったとされ、この射殺事件の背後に、議長でありながら町を牛耳ることになる楠木重明氏の存在があったという。

 崎野元町長と良好な関係を保っていた政時組としては、楠木議長を狙うのに、ためらう理由はなかったとも考えられる。町長射殺と議長銃撃がつながっていたとすれば、まさに暴力の連鎖。その延長線上に永原氏による「暴力支配」があり、本人が起こした特殊警棒を使っての町民恫喝事件は、まさにその象徴だったと言える。

 A氏の告白によって議長銃撃事件の『黒幕』が永原町長だったとわかったことで、「動機」も鮮明になる。銃撃事件の一審判決(2004年12月)で裁判長が述べた《A被告には動機が見当たらず、背後に指示した人物が存在することがうかがえる》という指摘への答えが、そこにある。

 2002年のこととはいえ、議長銃撃事件は「終わったこと」で済ませていい問題ではない。銃撃の「動機」が永原町長側にあった場合は、実行犯A氏の事件というよりも「依頼主の事件」。つまり教唆ではなく、『共謀共同正犯』になるからだ。当然、真相究明が求められることになる。

 最後に、「黒幕=永原町長」は揺るがすことのできない事実だと断言しておきたい。ハンターは、『黒幕』が誰だったかを示す、A氏も知らない銃撃事件を巡る動きについても取材済み。さらに、A氏以外の別の関係者から議長襲撃を煽っていたのが永原町長であったとの確たる証言を得ており、いずれ稿を改めて詳細を報じる予定だ。

 (*本稿に関し、ニュースソースを明示しない勝手な後追い報道や、記事の転用を禁じます)

 元稿:HUNTER 主要ニュース 社会 【社会ニュース・事件・地方自治・2002年7月に起きた福岡県大任町議会の楠木重明議長銃撃事件】  2022年10月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:トヨタグループ 品質巡る不正はなぜ続くのか

2023-05-30 05:00:20 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【社説②】:トヨタグループ 品質巡る不正はなぜ続くのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:トヨタグループ 品質巡る不正はなぜ続くのか

 トヨタ自動車グループで、品質を巡る不正が相次いでいる。日本を代表する企業グループの統治に緩みが生じたのはなぜか。原因を究明し、再発防止を徹底すべきだ。

 トヨタの子会社であるダイハツ工業で4月、安全性を確認する衝突試験の不正が発覚した。

 海外向けの4車種で、試験の時だけ前席のドア部品に本来の仕様とは違った細工をし、乗る人を傷つけにくくした。認証機関の定める手順に違反していたという。

 5月中旬には、国内向けハイブリッド車の側面衝突試験でも、不正が見つかった。電柱を模したポールに運転席と助手席の両側をぶつけて安全性を確かめる必要があるが、助手席側のデータを運転席側に流用していた。

 安全性は自動車で最も重要な要素だ。不正は、それを軽視する行為にほかならない。

 奥平総一郎社長は4月の記者会見で、「担当者は1回で試験を通したいというプレッシャーが大きかったのだろう」と釈明した。

 品質より、納期やコスト削減を優先する組織風土があったとすれば許されない。トヨタの豊田章男会長が「お客様の信頼を裏切る絶対にあってはならない行為だ」と謝罪したのは当然である。

 不正があった車種は、トヨタブランドとしても販売されていた。トヨタはダイハツを2016年に完全子会社化した後、トヨタ出身の奥平社長を送り込み、経営への関与を強めてきた。トヨタのグループ統治に問題はなかったか。

 トヨタグループでは昨年3月、トラック大手の日野自動車がエンジンの性能試験で、排ガスや燃費のデータ測定を不正な手法で行っていたことが発覚した。一時、国内で全車種の出荷が止まった。

 今年3月には豊田自動織機で、フォークリフト用エンジンの性能試験でデータを差し替えるなどの不正があったことがわかった。

 グループの鋼材メーカーである愛知製鋼でも今月、顧客の求める規格を満たさない鋼材を出荷していたことが明らかになった。

 トヨタは、自動車販売台数で世界一の巨大企業だ。そのグループ内で不正が相次ぐ事態は、日本のものづくりへの信頼を揺るがしかねない。トヨタは、責任の重さを自覚する必要がある。

 豊田会長と佐藤恒治社長は今月12日、グループ17社の首脳級と対応策を話し合ったという。問題を総点検し、人材を派遣するなどして、グループ全体の品質管理体制を立て直してもらいたい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年05月28日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【政局】:米誌「タイム」が書いた通り 大メディアが書かない軍拡首相の危険な正体

2023-05-30 00:04:50 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌・世論調査】

【政局】:米誌「タイム」が書いた通り 大メディアが書かない軍拡首相の危険な正体

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:米誌「タイム」が書いた通り 大メディアが書かない軍拡首相の危険な正体 

 岡目八目ということか。米誌「タイム」(電子版)のタイトル変更が物議をかもしている。

 岸田首相の写真を表紙に使ったタイム誌は、当初、<岸田首相は長年の平和主義を捨て去り、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる>との表題をつけ、記事の冒頭に<岸田首相が平和主義だった日本を軍事大国に変える>とのタイトルをつけていた。「表題」も「タイトル」も正鵠を射たものだった。

<picture>正体を見抜かれた(同誌提供・共同)</picture>

 ところが、海外メディアに痛いところを突かれたからか、外務省が「見出しと中身が異なっている」と抗議すると、タイトルが<平和主義だった日本に、国際舞台でより積極的な役割を与えようとしている>に差し替えられてしまったのだ。

 しかし、誰がどうみたって、当初のタイトルの方が、岸田の本質を正確に表していたのではないか。さすがに表題は変えなかったが、なぜ「タイム」は、タイトルを変えてしまったのか。よほど外務省は強硬に抗議したのだろう。

 タイム誌の記事は、実に詳細なものだ。岸田のことを的確に分析している。4月28日、首相公邸で行った単独インタビューを基にしている。

 岸田を、アメリカに後押しされ「世界第3位の経済大国を、それに見合うだけの軍事的影響力のある大国に戻そうとしている」と分析。さらに、日本の軍事力増強が、地域の安全保障状況を悪化させかねないとの見方があることや、「核兵器のない世界」を目指す岸田の理念と軍事力強化は、矛盾するとの意見があると指摘している。

 まさに、その通りだろう。きっとタイム誌は、岸田がホワイトハウスに追従していることも、「核兵器禁止条約」に見向きもしないことも、すべて知っているのだろう。

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)はこう言う。

 「海外メディアなのに、タイム誌は岸田首相の本質をよく分かっていると思う。岸田首相が『平和主義を捨て去り、日本の軍事大国化を望んでいる』のは、もはや隠しようのない事実です。決定的だったのは、昨年末に『安保関連3文書』を改定したことです。戦後の日本が守ってきた“専守防衛”を捨てることになる敵基地攻撃能力の保有を決め、さらに防衛費をGDP比2%まで増額する方針を打ち出した。日本のメディアは深刻に受け止めていませんが、“防衛費拡大”と“敵基地攻撃”は、戦後日本の安全保障政策を大転換させるもの。海外から見たら、日本は姿を変えようとしているように映るはずです」

 ◆増税までして「軍拡」の狂気

 なりふり構わず軍事大国化を進める岸田政権の乱暴さを象徴しているのが、防衛費確保のための「財源確保特別措置法案」だ。

 岸田政権は、2027年までの5年間で防衛費を約17兆円増やし、総額43兆円とする方針。「財源確保特別措置法案」は、岸田政権の防衛費増額の方針決定を受けて2月に閣議決定されている。

「防衛力強化資金」を新設し、国有財産売却など、税外収入を財源の一部として活用することが柱だ。

 だが、ただでさえ借金漬けの日本には、絞り出したカネを軍拡に投入する余裕などないはずだ。「少子化対策」に回す方が有効なのは間違いないだろう。

 国会審議の進め方も最悪だ。岸田政権は、東日本大震災の復興費に充てる「復興特別所得税」の半分を防衛費に使う方針を掲げているが、これに被災地からは「NO」の声が上がっている。昨年12月の福島民報などによる世論調査では62%が「納得できない」と回答した。そのため、立憲民主党と共産党が被災地での地方公聴会の開催を要求。しかし、岸田自民は開催を拒否し、法案を強行採決しようとしている。

 さすがに、立憲と共産は、審議が行われている衆院財務金融委員会の塚田一郎委員長(自民党)の解任決議案を提出。

 ところが、12日の衆院本会議で解任決議案は与党などの反対で否決され、麻生副総裁に至っては「“立憲共産党”による演出。単なる時間稼ぎだ」と野党をあざ笑う始末だ。

 政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。

 「国有財産を売り払い、さらに増税してまで、日本は軍拡しないといけないのでしょうか。岸田政権は自衛隊の艦船の建造費まで建設国債を発行してまかなうことを決めてしまった。しかも、『防衛力強化は待ったなしの課題だ』と訴えるだけで、なぜ、防衛費を倍増させなければならないのか、国民に説明しようともしない。これでは、タイム誌が〈岸田首相は、長年の平和主義を捨て、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる〉と分析するのも当然でしょう。いまだって日本の防衛費は世界9位ですよ。防衛費をGDP比2%にすると世界3位の軍事大国になってしまう。本当に国民は、そこまでの軍拡を望んでいるのでしょうか」

 ◆安保政策の大転換に高揚の不気味

 それにしても、情けないのは日本の大マスコミだ。「財源確保特別措置法案」はデタラメだらけなのに、安倍政権以降の10年間ですっかり牙を抜かれてしまったのか、問題を詳細に報じているメディアはほとんど見当たらない。それこそ、タイム誌を見習った方がいいだろう。

 タイム誌は岸田を「タカ派的だった安倍元首相が国論を二分した一方、岸田首相が持つハト派の顔が大きな抵抗なしに安保改革を可能にした」と評していた。このまま、ハト派の仮面をかぶった岸田に任せていたら日本は本当に軍事大国にまっしぐらである。

 恐ろしいのは、戦後日本の安全保障政策を大転換させていることに、胸を高鳴らせているフシがあることだ。5月4日付の朝日新聞によると、昨年末、安保関連3文書を改定し、敵基地攻撃能力の保有を決めた際、「俺は安倍さんもやれなかったことをやったんだ」と、高揚感を隠し切れない様子で周囲に語ったという。

 それでいて、「(出身派閥・宏池会の)平和主義は変わらないが、状況が変わったからしょうがない」と無責任なことも口にしている。

 東大名誉教授の御厨貴氏は、岸田のことを〈変化に応じて「状況追従主義」で対応する〉〈状況追従主義は、ものを深く考えないから早く結論が出せる〉と評していた。こういう「状況追従主義者」ほど怖いものはないのではないか。

 「以前、岸田首相は総理大臣になった理由を子どもに質問された際、『一番権限が大きい人だから』と答えていました。首相として特にやりたいことがあるわけではないのでしょう。空っぽの岸田首相は、周囲に影響され、さらなる軍拡を進めてもおかしくありません。宏池会出身ながら、ハト派の仮面をかぶった岸田首相にだまされてはいけない。野党やメディアはもっと危機感を持って対峙すべきでしょう」(本澤二郎氏=前出)

 月刊誌「選択」(3月号)は、〈岸田の本性は「タカ派の軍事好き」〉と報じていた。岸田にやらせていると、日本の軍事大国化は止まらない。気づけば「新しい戦前」になっていてもおかしくない。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・岸田首相の写真を表紙に使ったタイム誌】  2023年05月13日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【青木理氏】:米誌「タイム」に猛抗議の岸田首相は「はっきり言ってみっともない」

2023-05-30 00:04:40 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌・世論調査】

【青木理氏】:米誌「タイム」に猛抗議の岸田首相は「はっきり言ってみっともない」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【青木理氏】:米誌「タイム」に猛抗議の岸田首相は「はっきり言ってみっともない」 

 ジャーナリストの青木理氏が12日、文化放送「大竹まことゴールデンラジオ!」に出演。岸田文雄首相が表紙を飾った米誌「タイム」に外務省が〝抗議〟した問題についてコメントした。

米タイム誌の表紙を飾った岸田首相(代表撮影)       米タイム誌の表紙を飾った岸田首相(代表撮影)

 
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 林芳正外相はこの日午前の記者会見で、「タイム」電子版が9日に掲載した岸田首相のインタビュー記事に関し、「表題と中身に乖離(かいり)がある」として外務省として抗議したと明らかにした。

 記事の見出しは当初「長年の平和主義を捨て自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」だったが、「平和主義の日本により積極的な役割を与えている」に変更された。

 このニュースに青木氏は「もちろん事実関係が違っているのであれば、個人だろうが 政府だろうが企業だろうが、メディアに対して『これは事実が違うんだ』というふうに指摘するのはいいと思うんですよ」と前置きし「ただし、これを見ると『岸田首相は平和主義だった日本を軍事大国に変える』っていう見出しですよね。これ評価の問題でしょ」と指摘した。

 その上で「これは評価の問題なので、これを変えさせるっていうようなことをするっていうのは、事実を訂正させてるのとはレベルが違うし、こんなことを政府が外国の有力メディアにやるっていうのは、まあはっきり言って『みっともないよね』という感じはしますよね」と厳しく批判した。

  元稿:東スポ WEB 主要ニュース 社会 【話題・ジャーナリストの青木理氏・岸田文雄首相が表紙を飾った米誌「タイム」に外務省が〝抗議〟した問題】 2023年05月12日  18:42:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【岸田首相】:タイム誌表紙「長年の平和主義捨て真の軍事大国に」と同誌 核ない世界の公約と矛盾指摘

2023-05-30 00:04:30 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌・世論調査】

【岸田首相】:タイム誌表紙「長年の平和主義捨て真の軍事大国に」と同誌 核ない世界の公約と矛盾指摘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田首相】:タイム誌表紙「長年の平和主義捨て真の軍事大国に」と同誌 核ない世界の公約と矛盾指摘 

 米誌タイムは10日までに、岸田文雄首相を表紙に掲載した次号5月22・29日号(12日発売)の一部を電子版で公開した。掲載した表紙の画像は岸田氏の写真を全面にレイアウトし、「日本の選択」の見出しで、「岸田首相は、長年の平和主義を捨て、自国を真の軍事大国にすることを望んでいる」としている。

岸田首相を表紙に掲載した米誌タイムの次号(同誌提供・共同)

 

 岸田氏は4月28日に首相公邸で同誌のインタビューに応じていた。特集記事では、岸田氏が防衛費の増額などで「世界3位の経済大国に見合った軍事的影響力を持つ国にしようとしている」などと指摘した。その一方で、広島の親族や人々の被ばく体験を聞いた経験にも触れ、岸田氏の「言葉では言い表せない惨状は、私の記憶に鮮明に刻まれた」「これが、核兵器のない世界を追求する私の大きな原動力」などの言葉も紹介。その上で記事は「日本の防衛力強化が、核のない世界を目指して努力するという岸田氏の長年の公約と矛盾すると考える人もいる」とも書いている。

 また、岸田氏はG7広島サミット(19~21日)で、ロシア、中国、北朝鮮などに立ち向かうため民主主義国の団結を訴えるなどと指摘。岸田氏が「自分の唯一の目標は広島のような悲劇が再び起こるのを防ぐこと」「今日のウクライナは明日の東アジアになる可能性がある」などとも話したとしている。記事は、岸田氏のこれまでの歩みや政策、現在の日本の問題点なども詳しく紹介している。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・岸田首相・米タイム誌】  2023年05月11日  18:04:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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