路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【京都市】:葵祭の行列、16日に順延 天候の悪化見込まれ 京都三大祭りの1つ 開催されれば4年ぶり

2023-05-15 09:31:30 | 【学術・哲学・文化・文芸・芸術・芸能・小説・文化の担い手である著作権】

【京都市】:葵祭の行列、16日に順延 天候の悪化見込まれ 京都三大祭りの1つ 開催されれば4年ぶり

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【京都市】:葵祭の行列、16日に順延 天候の悪化見込まれ 京都三大祭りの1つ 開催されれば4年ぶり

 15日に予定されていた京都三大祭りの1つ、葵祭の行列は天候の悪化が見込まれるとして16日に順延されることになった。葵祭行列保存会によると、最近では2012年にも雨で順延した。

 行列は、十二単(ひとえ)姿のヒロイン「斎王代(さいおうだい)」ら約500人が新緑の都大路を歩くが、新型コロナウイルスの影響で中止が続いていた。開催されれば2019年以来4年ぶり。

 葵祭は上賀茂神社と下鴨神社の例祭で、7月の祇園祭、10月の時代祭と並ぶ京都三大祭りの1つ。6世紀、欽明天皇の時代に、大凶作が続いたため、五穀豊穣(ほうじょう)を祈ったことが始まりとされる。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・京都市・京都三大祭りの1つ、葵祭の行列は天候の悪化が見込まれるとして16日に順延】  2023年05月15日  09:31:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【米国】:ツイッター運営の新CEOヤッカリーノ氏が初投稿「変革していくことを楽しみにしている」

2023-05-15 09:27:30 | 【経済・産業・企業・関税・地球資源・IT・ベンチャー・起業・インバウンド】

【米国】:ツイッター運営の新CEOヤッカリーノ氏が初投稿「変革していくことを楽しみにしている」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【米国】:ツイッター運営の新CEOヤッカリーノ氏が初投稿「変革していくことを楽しみにしている」

 ツイッター運営会社の新たな最高経営責任者(CEO)となるリンダ・ヤッカリーノ氏は13日、CEO就任について初めてツイッターに投稿した。「(前任者のイーロン・マスク氏の)明るい未来を創造するというビジョンを実現し、ツイッターを変革していくことを楽しみにしている」と抱負を述べた。

リンダ・ヤッカリーノ氏(ゲッティ=共同)

  リンダ・ヤッカリーノ氏(ゲッティ=共同)

 米メディア大手NBCユニバーサルの広告担当幹部だったヤッカリーノ氏は、連日ひっきりなしに投稿するマスク氏ほどはツイートしないと断りつつ、「ツイッターの未来のためには利用者からの意見が不可欠」と指摘。「対話を続け、新たなツイッターを共に作り上げよう」と呼びかけた。

 マスク氏は12日にヤッカリーノ氏のCEO就任を発表。自身が会長と最高技術責任者(CTO)に就くことも明らかにした。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・企業・産業・ツイッター運営会社の新たな最高経営責任者(CEO)となるリンダ・ヤッカリーノ氏】  2023年05月15日  09:27:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.08】:子どもの命をあずかる人の重い大きな責任 通園バス置き去り女児死亡事件

2023-05-15 08:01:40 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.08】:子どもの命をあずかる人の重い大きな責任 通園バス置き去り女児死亡事件

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.08】:子どもの命をあずかる人の重い大きな責任 通園バス置き去り女児死亡事件 

 先週、こども家庭庁への思いを書いて、5日の「こどもの日」を挟んで、また子どもにかかわる話。

 少し前、河本千奈ちゃんのお父さんが、私が出演している静岡朝日テレビの「とびっきり!しずおか」の取材に心の内を語ってくれた。

 「いま思えば大切な日々でした。入園の時や家族の誕生日。ケーキを買ってお祝いするのですが、本当にうれしそうで、楽しそうで」

 牧之原市のこども園「川崎幼稚園」に通っていた3歳の千奈ちゃんは昨年9月、猛暑の中、園長(73)が運転、76歳の派遣社員の女性が乗っていた通園バスに置き去りにされ、亡くなった。全身が赤く腫れ上がり、水筒は空になっていた。

 

河本千奈ちゃんが取り残された送迎バスがとまっていた駐車場で、幼児を抱きながら手を合わせる女性=静岡県牧之原市静波で2022年9月8日午前11時51分、皆川真仁撮影

河本千奈ちゃんが取り残された送迎バスがとまっていた駐車場で、幼児を抱きながら手を合わせる女性=静岡県牧之原市静波で2022年9月8日午前11時51分、皆川真仁撮影

 「お風呂から出て千奈の体を乾かし、千奈が『パパ大好き』と手を広げて、私も千奈を抱きしめて。たまにそんなことを思い出して」

 お父さんの言葉に合わせて、さまざまな映像が流れる。イチゴをほお張る千奈ちゃん。生まれたばかりの妹に上手にミルクをあげる千奈ちゃん。

 その千奈ちゃんが通った川崎幼稚園は、「園を閉じて」という両親の声は届かず、1カ月後に園長を息子が引き継ぐ形で再開された。

 「バスに安全装置をつけることが義務化され、事態はよくなると思います。だけど意識の低い職員に、どんな装置を提供しても同じことが起きるのではないでしょうか。それに、千奈は安全装置義務化のために生まれてきたのではないのです」

 当時の園長や派遣の女性は昨年末、業務上過失致死容疑で書類送検されている。だけど、車で人を死なせた事故と同じ刑罰でいいのか。子どもの命をあずかる人には、はるかに重い大きな責任があると思うのだ。

 

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年05月08日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.01】:「こども家庭庁」健やかな成長を どこの国の子にもやさしく

2023-05-15 08:01:30 | 【移民・難民・亡命・密入国・入管・在留資格・日本語学校・偽装結婚・技能実習生他】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.01】:「こども家庭庁」健やかな成長を どこの国の子にもやさしく

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・05.01】:「こども家庭庁」健やかな成長を どこの国の子にもやさしく

 5連休のまん中、5日の「こどもの日」に今年は、いつもと違う思いを抱いている。4月に「こども家庭庁」が誕生した。省庁間の管轄や責任が複雑にからみ合う子どもと家庭の問題。私は10年以上、「1つ屋根の下で起きることはみんな持って来い、と言ってくれる省庁が欲しい」と訴えてきたが、やっと実ったのだ。

 そんな折、最高裁は先日、死体遺棄罪に問われ、1、2審有罪となったベトナム人女性のリンさん(24)に逆転、無罪判決を言い渡した。リンさんは熊本で技能実習生として働いていた3年前、自室で双子の赤ちゃんを死産したが、そのまま段ボール箱に入れて遺棄したとして逮捕、起訴された。

 だが最高裁は、赤ちゃんはタオルにくるまれ、箱に「ごめんね、天国へ」などと書かれた紙が添えられていたことなどから遺棄には当たらないとしたが、事件の背景に妊娠、出産がわかったら、退職、帰国を迫られるというリンさんの怯(おび)えがあったことは明らかだ。

 こうした事件にも、さまざまな省庁が絡み合っている。その一方で今国会では、難民申請を繰り返すなどして不法滞在を続ける「送還忌避者」を、すみやかに強制退去させるための法改正が審議されている。だが忌避者を親に持つ15歳以下の子どもは201人。強制送還の親について行くか、子どもだけで日本に残るのか、選択を迫られる。だけど15歳以下の子どもがどうやって日本で生きていくのか。

 こういう時にこそ新しい組織が力を発揮してほしい。どこの国の子どもにもやさしく、どこの国の人々の家庭にも温かく。こども家庭庁の健やかな成長を願う2023年こどもの日である。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年05月01日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.17】:なんともむなしい無投票当選 統一地方選前半終了

2023-05-15 08:01:10 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.17】:なんともむなしい無投票当選 統一地方選前半終了

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.17】:なんともむなしい無投票当選 統一地方選前半終了

 統一地方選の前半で9道府県の知事選と41道府県議選は終わった。道府県議選の投票率が過去最低の41・85%ということにも驚くが、不可解でならないのが無投票選挙区の多さだ。全体の37・1%、3分の1の選挙区、員数にして25%。4人に1人が審判を受けずに無投票で当選している。

 私が住む大阪でも定数削減で激戦と言われながら、53選挙区のうち11選挙区15人が無投票当選だ。全国では9議席の甲府市が無投票。島根県では10回連続、40年間無投票の選挙区もある。

 出演しているテレビ番組で告示日に無投票当選が決まった候補を追ったが、立候補届け出締め切りの午後5時が来ると、それまでそわそわしながら「できたら有権者の審判を」と言っていた候補者が満面の笑みで花束を抱え、「私の実績を見たら対抗して出てくる人なんていないでしょう」。

 選挙報道のたびに投票を呼びかけている側からすると、なんともむなしい話だが、投票できない有権者にしてみれば支持しない候補者でも議席を得ていく。そのことに憤りさえ感じるのではないか。“1票の格差”どころではないはずだ。

 ここは制度を抜本的に改革する時ではないか。たとえば立候補者が定数以内だったとしても無投票とせず、○×をつける信任投票を実施。不信任が過半数となった候補は落選。1人区でそうなった場合は議席を失う。そうした改革をすれば、みんながなんとか選挙戦へと力を入れるのではないか。

 毎日新聞の「余録」欄は「地方自治は民主主義の学校」と書いている。ならば、この事態は学校崩壊ならぬ、民主主義崩壊の危機ではないだろうか。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年04月17日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.10】:坂本龍一さんの遺言 神宮外苑、再開発問題

2023-05-15 08:01:00 | 【地方自治・都道府県市町村・地方議会・議員年金・デジタル田園構想・地方地盤沈下】

【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.10】:坂本龍一さんの遺言 神宮外苑、再開発問題

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【大谷昭宏のフラッシュアップ・04.10】:坂本龍一さんの遺言 神宮外苑、再開発問題 

 社会部記者だった私は、音楽とはあまり縁がないが、坂本龍一さんは10年ほど前に1度取材させていただいた。森を守ろうと、自身が代表をしていた「モア・トゥリーズ」が銘木、東濃ヒノキの産地、岐阜県の2つの森林組合と協定を締結。東白川村に長く続く地歌舞伎の木造の芝居小屋で地元の方たちと交流会を開いた。

 伊勢神宮の神殿にも使われる東濃ヒノキで作った棺おけに入ってみて木の香に酔いそうだったと話され、「でもね、棺おけなので、いついるか、予約をできないのが難点です」と“教授”のあだ名とは裏腹なユーモアで会場を沸かせていた。

 その坂本さんは、死の3週間前、交流のあった東京新聞の記者に神宮外苑の再開発について「取材してほしい」と連絡していたという。

 私も昨年2月、このコラムに「神宮球場では、子どもたちがバットの素材になるアオダモを植林している映像が流れる一方で、大人たちは樹齢100年の古木1000本を切り倒して高層ビルを建てる」と書いた神宮外苑再開発問題。

 病床にあって対面取材は無理だった坂本さんは「後悔しないように」と、記者も「これほどの分量が届くとは」と驚くA4用紙3枚に思いの丈をつづられていたという。

 さらに小池東京都知事に宛てた手紙も公表。そこには「経済的利益のために先人が100年かけて守り育ててきた貴重な樹木を犠牲にすべきではありません」「樹々を未来の子どもたちへと手渡せるよう、再開発計画を中断し、見直すべきです」と書かれていた。

 坂本さんは亡くなられたが、音楽と森の妖精は、なお静かに、力強く、舞い続けているようである。

大谷昭宏のフラッシュアップ

 ◆大谷昭宏(おおたに・あきひろ)

 ジャーナリスト。TBS系「ひるおび!」東海テレビ「NEWS ONE」などに出演中。

 ■大谷昭宏のフラッシュアップ

 元読売新聞記者で、87年に退社後、ジャーナリストとして活動する大谷昭宏氏は、鋭くも柔らかみ、温かみのある切り口、目線で取材を重ねている。日刊スポーツ紙面には、00年10月6日から「NIKKAN熱血サイト」メンバーとして初登場。02年11月6日~03年9月24日まで「大谷昭宏ニッポン社会学」としてコラムを執筆。現在、連載中の本コラムは03年10月7日にスタート。悲惨な事件から、体制への憤りも率直につづり、読者の心をとらえ続けている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・連載・「大谷昭宏のフラッシュアップ」】  2023年04月10日  08:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【新刊紹介】:分断と凋落の日本 著:古賀 茂明

2023-05-15 07:26:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【新刊紹介】:分断と凋落の日本 著:古賀 茂明

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新刊紹介】:分断と凋落の日本 著:古賀 茂明

 ■内容紹介

 安倍政権がもたらした「分断と凋落」から日本を救う道はあるのか?

  “安倍晋三元首相の正体”をテーマにした話題の政治ドキュメンタリー『妖怪の孫』の企画プロデューサーで元経産省改革派官僚の著者が世に問う、衝撃の警告書だ! 

分断と凋落の日本

 悪夢のアベノミクスで日本人の暮らしがいつの間にか韓国人に追い抜かれていることを自覚している人はどれだけいるだろうか。かつて世界を席巻した日本の半導体ビジネスもいまでは台湾に絶対に追いつけないところまで差をつけられている。そして、見るがけもないメイド・イン・ジャパンの家電群。自動車産業も例外ではない。原因の多くは安倍政権の失政にある。

 それを引き継いだ岸田政権も出口が見えないまま迷走している。低賃金と物価高は、もはや限界値をこえつつある。その一方で、突如、始まったかのように見える防衛費倍増=軍拡路線だ。岸田政権は、国是である「専守防衛」を大転換させる敵基地攻撃能力にまで手を伸ばした。日本はまさに、破綻に向かう坂道を転がり落ちる石のようだ。その原点は実は、昭和の妖怪こと岸信介元首相、そう“妖怪の孫”の祖父にあった。本書は、この妖怪が発する妖術から日本を解き放ち、再生させる唯一の処方箋でもある。

 ◆安倍政権がもたらした「分断と凋落」から日本を救う道はあるのか?

 「安倍晋三元首相の正体」をテーマにした話題の政治ドキュメンタリー『妖怪の孫』の企画プロデューサーで元経産省改革派官僚、古賀茂明。著者が世に問う、衝撃の警告書。

<picture></picture>

 悪夢のアベノミクスで、日本人の暮らしがいつの間にか韓国人に追い抜かれていることを自覚している人は、どれだけいるでしょうか。かつて世界を席巻した日本の半導体ビジネスも、いまでは台湾に絶対に追いつけないところまで差をつけられています。

 そして、見るがけもないメイド・イン・ジャパンの家電群。自動車産業も例外ではありません。原因の多くは、安倍政権の失政にあるのです。それを引き継いだ岸田政権も、出口が見えないまま迷走しています。

 日刊ゲンダイでは分断と凋落の日本」発刊を記念して、特別オンラインセミナーを開催します。

 ■著者紹介:古賀 茂明(コガ シゲアキ)

  1955年、長崎県生まれ。東京大学法学部を卒業後、通商産業省(現・経済産業省)に入省。産業再生機構執行役員、経済産業政策課長、中小企業庁経営支援部長などを歴任。2008年、国家公務員制度改革推進本部事務局審議官に就任し、急進的な改革を次々と提議。09年末に経済産業省大臣官房付とされるも、11年4月には日本ではじめて東京電力の破綻処理策を提起した。その後、退職勧奨を受け同年9月に辞職。著書・メルマガを通じ活発に提言を続けている。『官邸の暴走』(KADOKAWA)、『日本を壊した霞が関の弱い人たち』(集英社)など著書の累計発行部数は100万部を超える。自身が企画・プロデュースし、本書が原案となったドキュメンタリー映画『妖怪の孫』が2023年3月に公開され、大きな話題を呼んだ。

発売日 2023年04月12日
価格 定価:1,320円(本体1,200円)

 元稿:講談社BOOK倶楽部 主要出版物 【新刊紹介・分断と凋落の日本 著:古賀 茂明】 2023年04月12日 07:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政局】:なぜ内閣支持率が戻ったのか…「妖怪の孫」の原案者が看破する「30年ぶり賃上げ」のマヤカシ

2023-05-15 07:26:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【政局】:なぜ内閣支持率が戻ったのか…「妖怪の孫」の原案者が看破する「30年ぶり賃上げ」のマヤカシ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:なぜ内閣支持率が戻ったのか…「妖怪の孫」の原案者が看破する「30年ぶり賃上げ」のマヤカシ

 統一地方選は4月23日に衆参5選挙区の補欠選挙を含めて、投開票が行われる。その直前に岸田内閣の支持率がやや持ち直しているのは、遊説中に爆弾を投げ込まれながら、ひるむことなく選挙活動を続けている岸田政権の“覚悟”を評価したものなのか。それとも、岸田政権で暮らしが良くなると期待しているのか。少なくとも今年の春闘では大手企業の間で満額回答が相次ぎ、メディアも30年ぶりの賃上げ水準などと煽ったことから、庶民の期待が膨らんでいるのかもしれない。しかし、今年の賃上げを評価する前提として、過去にどれだけ損をしてきたかの検証も必要だ。

<picture>春闘の集中回答日を迎え、労使交渉の回答状況をボードに書き込む産業別労働組合「JAM」の職員(C)共同通信社</picture>

 春闘の集中回答日を迎え、労使交渉の回答状況をボードに書き込む産業別労働組合「JAM」の職員(C)共同通信社

 映画「妖怪の孫」の原案となった「分断と凋落」(日刊現代発行)の著者、古賀茂明氏は「日々のニュースに惑わされず、報道の本質を見抜く“リテラシー”が必要」とこう言う。

 「賃上げのニュースには二つの意味でマヤカシがあります。一つはいくら30年ぶりの賃上げと言っても、これまではどうだったのか、そこがすっぽり抜け落ちていること。日本はGDP3位ですが、その中身たるや惨憺たるものです。1990年の日本のGDPは3.2兆㌦で米国の半分以上、3位のドイツの2倍、中国の8倍でした。2022年のGDPは大幅な円安もあり4.2兆ドルで30年間で3割しか増えていない。伸び率が低いから今や、米国のGDPの6分の1、中国の4分の1まで落ちぶれて、ドイツには4%差まで追い詰められている。一人当たりGDPは2000年は2位だったのに、いまや31位(22年)。5位のカタール、6位のシンガポールのはるか後塵を拝する有様です。平均給与はOECD38国中24位。韓国やイタリアにも負けているのです」

 つまり、ちょっと賃金が上がったところで、今までのツケを取り返せないし、この賃上げが持続的にならなければ話にならない。さらには賃上げが物価上昇を上回り、実質賃金が上がらなければ、庶民の暮らしは良くならない。

 「ここにもう一つのマヤカシがあります。昨年末に物価上昇が4%になったことを受けて、岸田政権は企業に5%以上の賃上げを要請した。大企業はそれに応えているかに見えますが、この5%の賃上げの中には定期昇給分とベースアップ分(ベア)の両方が含まれている。定昇分はおおむね1.8%でこれは岸田政権が何も言わなくても上がる。真の賃上げとはベアのことで、こちらはというと3%程度にしかならないのです。これでは物価上昇に追い付かないから、実質賃金はマイナスになる。この3%程度というのも大企業中心の数字ですから、中小企業はもっと厳しい。岸田政権で暮らしがよくなるなんて、とんでもない誤解です」

 いち早く、そうした惨状に気づいた若者はどんどん、海外に出て行っている。日本人のオーストラリアへのワーキングホリデーでのビザ申請数は2021年7月~2022年6月までで前年比2.4倍だ。働きながら語学を身につけ、お金がたまったら、本格的な留学に切り替える。そんな若者が増えている。円安の上に、向こうの給料は高いから、カフェや寿司屋でのアルバイト代は時給2500~3000円になる。海外に出稼ぎに出る時代になったのである。

 それなのに、自民党政権はまだアベノミクスの失敗を認めず、反省をしていない。反省がなければ、政策転換もあり得ない。日本の地盤沈下は止まらない。選挙の際には、こうしたことも判断材料にしたいものだ。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・政局・内閣支持率】  2023年04月22日  15:35:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政局】:「妖怪の孫」原案者が語る統一地方選、衆参補選の争点 問われているのは安倍支配からの脱却

2023-05-15 07:26:20 | 【選挙・衆院選、参院選、補選・都道府県市町村長・地方議会・公職選挙法・買収事件】

【政局】:「妖怪の孫」原案者が語る統一地方選、衆参補選の争点 問われているのは安倍支配からの脱却

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政局】:「妖怪の孫」原案者が語る統一地方選、衆参補選の争点 問われているのは安倍支配からの脱却

  統一地方選、衆参補選の真っただ中だが、今度の選挙の争点を岸田政権はひた隠しにしている。政権の中間選挙と位置付けられる統一地方選の争点は言うまでもなく、軍拡に突き進み、原発再稼働にカジ切りし、少子化の失政を庶民の負担増で尻拭いさせようとしている岸田政権への評価である。

<picture>英利アルフィヤ候補の応援に駆けつけた岸田首相(C)日刊ゲンダイ</picture>

  英利アルフィヤ候補の応援に駆けつけた岸田首相(C)日刊ゲンダイ

 大ヒットしている映画「妖怪の孫」の原案者で、「分断と凋落の日本」(日刊現代発行、講談社発売)を上梓した元官僚の古賀茂明氏は、こうした岸田暴政の裏に「妖怪」がいるという。安倍政権の亡霊である。集団的自衛権を行使できるようにした安倍政権は「戦争できる国」にレールを敷いた。「そのレールの上を岸田さんは走っているだけ」(古賀茂明氏)なのである。

 例えば、岸田首相は防衛費をGDP1%から2%に倍増させることを決めてしまった。トマホークを爆買いし、先制攻撃ができる武器を備え、その費用の一部を増税で負担させようとしている。「ハト派の宏池会出身の首相がそこまでやるか」と驚かれたが、この防衛費倍増は安倍政権からの積み重ねだ。
 
 「安倍さんは2017年3月2日の参院予算委員会で『(防衛費を)国内総生産(GDP)の1%に抑える考えは?ない』と明言しています。そして、実際、右肩上がりで防衛費を増やしてきたのです。防衛費の正確な数字は予算額ではわかりません。年度途中の補正予算があるからです。最終的な決算額でみてみると、第2次安倍政権が誕生した2012年度以降の決算額は第一次安倍政権では超えることがなかった5兆円の壁を突破し、2021年度には6兆円を超えている。22年、23年の決算額はこれから確定しますが、大幅アップの傾向が続いているのは確実でしょう。ここには“後年度負担”と呼ばれる兵器ローンも組み込まれています。安倍政権時代の武器爆買いの付けは後年度負担として残っていく。ちなみに岸田政権で初めて作成された骨太の方針では当初、“防衛力を抜本的に強化する”とだけ書かれていた。それが“5年以内にGDPの2%まで増やす”と表現が変わった。これは安倍氏から強い要求だったと新聞各紙が報じています」(古賀茂明氏)

<picture>古賀茂明さんの新著「分断と凋落の日本」(日刊現代発行、講談社発売)</picture>

 古賀茂明さんの新著「分断と凋落の日本」(日刊現代発行、講談社発売)

 ◆安倍派と岩盤右翼層の支持をつなぎとめるだけのため

 武器輸出に関しても同様だ。戦後の日本は憲法の平和主義に基づいて武器輸出をかたくなに禁じてきた。佐藤栄作首相は「国際紛争の当事国またはその恐れがある国」など三つの原則に当たる場合は武器輸出を認めないとした。それに手を付けたのは中曽根政権で1983年にアメリカなど同盟国には武器技術のみを供与できることが国会で決まった。

 あの中曽根政権でさえ、武器そのものは輸出できなかったのに、安倍政権は2014年4月1日、「防衛装備移転三原則」を閣議決定した。「平和貢献などの推進に資する場合または共同開発・生産や安保協力など日本の安全保障に資する場合は(武器輸出を)認める」ことにしたのである。

 そのレールに乗っかっている岸田政権はさらに殺傷能力のある武器輸出にまで突き進もうとしている。しかも、岸田首相の場合、信念でそうしているようには見えない。

 「政権維持のために安倍派と岩盤右翼層の支持をつなぎとめる。ただそれだけのために対米追随の安倍路線をひた走っているように見えますね」(古賀茂明氏)

 安倍元首相という妖怪に支配されている岸田政権を居座らせていいのか。今度の選挙ではそれが問われているのである。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・政局・選挙・統一地方選、衆参補選の争点】  2023年04月17日  13:50:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【検証】:映画「妖怪の孫」の原案者が警鐘を鳴らす「得体のしれない安倍的支配」

2023-05-15 07:26:10 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【検証】:映画「妖怪の孫」の原案者が警鐘を鳴らす「得体のしれない安倍的支配」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【検証】:映画「妖怪の孫」の原案者が警鐘を鳴らす「得体のしれない安倍的支配」

 「安倍晋三回顧録」(中央公論新社)が売れている。20万部を超えたらしい。本人による“自慢話”も結構だが、本当に安倍晋三という政治家を公平に評価したいのであれば、その罪の部分にスポットを当てた古賀茂明氏の新著も併せて読んでほしい。現在、公開中で話題の映画「妖怪の孫」の原案となった「分断と凋落の日本」(日刊現代発行、講談社発売)である。

<picture>古賀茂明氏(C)日刊ゲンダイ</picture>

      古賀茂明氏(C)日刊ゲンダイ

 この本は単純に安倍政治を振り返るものではない。政権は代わり、安倍元首相は凶弾に倒れたが、その後も得体のしれない安倍的なものがこの国を覆っている。古賀氏はそれを今なお続く「妖怪の支配」と書いている。妖怪とは安倍氏の祖父、岸信介のことで、その孫が安倍晋三。つまり、いま、日本を覆っているのは「妖怪の孫の支配」である。それが政界にも官僚機構にもメディアにも暗い影を落としている。そして、「妖怪の孫の支配」が日本社会の分断を深刻化させ、止まらない日本経済の凋落を招いている。つまり、日本は「妖怪の孫の支配」から覚醒しなければ、再生はないのだが、それを外交、安全保障、経済政策、エネルギー政策などから多角的に分析、問題点を抉り出し、再生へのヒントを提示しているのが、この本なのだ。

 古賀氏はまえがきで、今なお、政界が妖怪の支配下にある例として、先の日韓首脳会談をあげている。徴用工問題に一応の決着をつけた尹錫悦大統領と岸田首相の会談である。これにより、対韓輸出規制強化や日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)破棄問題が解決し、シャトル外交も復活することになった。めでたしめでたしなのだが、これをおぜん立てしたのは尹大統領のイニシアティブだ。岸田首相は自民党保守派からの反発を恐れて、自ら動こうとはしなかった。恐れたのは党内からの反発だけでなく、自民党の岩盤支持層である保守派からの支持が得られなくなることもあっただろう。

 安倍元首相が固めた極右的な支持層だが、いまや、これがないと自民党議員は当選がおぼつかない。だから、外交が柔軟性を欠き、中韓にはとにかくこぶしを振り上げるだけの硬直状態に陥ってしまっている。それを古賀氏は「妖怪の支配」の一例だとする。同じく、メディアもいまだに「妖怪支配」が続いている。安倍批判でパージされたTVコメンテーターたちはいまだに戻れていないし、安倍派の重鎮、萩生田光一政調会長に忖度し、旧統一教会問題の追及に腰が引けていたのは間違いない。

<picture>古賀茂明さんの新著「分断と凋落の日本」(日刊現代発行、講談社発売)</picture>

 古賀茂明さんの新著「分断と凋落の日本」(日刊現代発行、講談社発売)

 ◆一度支配されると、他の意見には拒絶反応しか示さなくなる

 古賀氏はもうひとつ、私たち国民の心にも「妖怪の支配」が及んでいるのではないか、と指摘するのだ。その部分を引用してみよう。

 《10年前には議論されることさえなかった敵基地攻撃能力、防衛費倍増、憲法9条改正、原発新増設などの問題に賛成する層が拡大している。安倍氏よりさらに過激な政策を岸田氏が異様な勢いで進めているのに、それを国民が本気で止めようという動きが見えない。それは国民の一定数が、安倍的なものに支配されるようになってしまったからなのではないか。一度支配されると、他の意見には拒絶反応しか示さなくなる。議論の余地がなくなってしまうのだ。議論の余地がなくなってしまうのだ。(中略)一方、安倍的なものに支配されず、これに抵抗する人々もたくさんいる。このような思考を保っている人々が微かな望みではある。しかし、実はその人たちの心の中にも、「どんなに頑張ってもどうせ止まらない」というあきらめの気持ちが広がっているのではないか》

 かくほど左様に「妖怪の孫」の支配は強烈なのである。それが日本社会と経済、政治にどんな悪影響を及ぼしてきたのか。古賀氏の本にはそれが詳細に書かれている。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITAL 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・本当に安倍晋三という政治家を公平に評価したいのであれば、その罪の部分にスポットを当てた古賀茂明氏の新著も併せて読んでほしい。現在、公開中で話題の映画「妖怪の孫」の原案】  2023年04月15日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【FLASH】:安倍元首相に迫った映画『妖怪の孫』地元・山口では「上映ゼロ」プロデューサーも苦笑、ネットでは「露骨」忖度疑う声

2023-05-15 07:26:00 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【FLASH】:安倍元首相に迫った映画『妖怪の孫』地元・山口では「上映ゼロ」プロデューサーも苦笑、ネットでは「露骨」忖度疑う声

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【FLASH】:安倍元首相に迫った映画『妖怪の孫』地元・山口では「上映ゼロ」プロデューサーも苦笑、ネットでは「露骨」忖度疑う声

 映画『妖怪の孫』が話題になっている。戦後間もない日本の政財界を表と裏から操り、「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介元首相と、その「孫」である安倍晋三元首相の秘史に迫る内容だ。 

安倍元首相に迫った映画『妖怪の孫』地元・山口では「上映ゼロ」プロデューサーも苦笑、ネットでは「露骨」忖度疑う声

 安倍元首相に迫った映画『妖怪の孫』地元・山口では「上映ゼロ」プロデューサーも苦笑、ネットでは「露骨」忖度疑う声© SmartFLASH
ポスター画像(C)2023「妖怪の孫」製作委員会

 安倍氏は、幼少期から岸氏に政治の薫陶を深く受けて育っており、政治家になってからも、岸氏の政治信条に大きく影響を受けているといわれていた。映画は、その安倍氏の家系と生い立ち、いかにしてタカ派的外交姿勢や集団的自衛権行使の容認、そして「アベノミクス」などが生まれたかを丁寧に追っている。

 「安倍氏が凶弾に倒れてから『安倍氏とは何者だったのか』『安倍氏がこの国に遺したものはなんだったのか』『日本という国をどうしたかったのか』などが、識者の間で語られていますが、いまだに明確な答えは出ていません。この映画は、その答えを導くヒントになる、という声が上がっています」(永田町関係者)

 映画を観た人からは「安倍氏が、保守政治家としての確固たる哲学を持っていたのだろうか、との疑問が大きくなった」「安倍氏の長期政権は、嘘をついても認めなければよいとの風潮を生み、国会の信認をなくした」という感想まで出ている。ネタバレはできないが、安倍氏側にしてみれば“不都合”な映画であることは間違いないだろう。

 さて、この映画、3月17日から全国の24館で順次、上映されているにもかかわらず、安倍氏の選挙地盤だった山口県では上映される予定がない。

 プロデューサーの古賀茂明氏も、3月16日の公開前夜舞台あいさつで「山口県の映画館では上映できなさそうということで、自主上映したいという声も上がっていますが……」と苦笑していた。

 「圧力や忖度があったことを証明することはできません。しかし、ネット上では『露骨すぎる』といった噂が広がっています。安倍氏への批判色が強い映画だということも、“疑い”を深めている一因のようです」(映画プロモーター)

 公式サイトを見てみると、中国地方で上映が予定されているのは、広島県のみ。宏池会を率いる岸田文雄現首相のお膝元というのが、なんとも皮肉に思える。

 元稿:光文社 主要出版物 【smartFLASH】 2023年03月27日 20:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【考察・前編】:映画『妖怪の孫』企画プロデューサー古賀茂明氏に訊く「安倍政権、官邸一強を可能にした強さの正体」

2023-05-15 07:25:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【考察・前編】:映画『妖怪の孫』企画プロデューサー古賀茂明氏に訊く「安倍政権、官邸一強を可能にした強さの正体」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【考察前編】:映画『妖怪の孫』企画プロデューサー古賀茂明氏に訊く「安倍政権、官邸一強を可能にした強さの正体」

 ----------

 安倍晋三元首相の軌跡を検証する映画『妖怪の孫』が本日から公開となる。「昭和の妖怪」こと岸信介元首相を祖父に持つ安倍元首相は長期政権の実現に成功。SNSを駆使して若年層にアピールし、批判をするメディアには圧力をかける。そして、官僚の人事を掌握するために内閣人事局を設置し、強力な官邸主導型政治を確立した。 そんな安倍政権が若者から高齢者まで幅広く絶大な人気を得た理由は何だったのか?

<button class="sc-SxrYz hqjiZN" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38"></button><button class="sc-SxrYz hqjiZN" data-cl-params="_cl_vmodule:detail;_cl_link:zoom;" data-cl_cl_index="38">撮影/西崎進也</button>
      撮影/西崎進也(KODANSHA) 

 元経済産業省官僚であり、本作企画プロデューサーの古賀茂明氏に、制作の経緯や、安倍政権と官僚の関係などについて聞いた。

 ----------

 ◆安倍政権検証への思い

◆第1次安倍内閣は機能不全

 ◆「官邸主導」から「官邸一強」へ

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース メディアと教養 【話題・安倍晋三元首相の軌跡を検証する映画『妖怪の孫』・担当:熊野 雅恵(ライター、行政書士)】  2023年03月17日  06:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【考察・後編】:映画『妖怪の孫』プロデューサー古賀茂明氏に訊く「安倍政権が遺した『日本国民の心に棲む妖怪』の正体」

2023-05-15 07:25:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【考察・後編】:映画『妖怪の孫』プロデューサー古賀茂明氏に訊く「安倍政権が遺した『日本国民の心に棲む妖怪』の正体」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【考察後編】:映画『妖怪の孫』プロデューサー古賀茂明氏に訊く「安倍政権が遺した『日本国民の心に棲む妖怪』の正体」

 安倍政権をメディア戦略から地元山口県の談合疑惑、統一教会問題、そして憲法改正など多方面から検証した映画『妖怪の孫』が公開中だ。昨年の急逝後も自民党内に存在感を残す安倍晋三元首相とは何者だったのか?

 安倍政権の強さの理由を解き明かした前編に続き、安倍派を無視できない岸田政権の今、そして、安倍政権が現在の日本社会に遺したものなどについて、元経済産業省官僚であり、本作企画プロデューサーの古賀茂明氏に聞いた。

撮影/西崎進也

 ◆参謀なき岸田政権の現在地

 ――安倍政権の目指したものは、岸田(文雄)政権に受け継がれているのでしょうか。

 古賀: 政策に一貫性がないので、岸田首相が何をしたいのかよくわからないという感じです。変に凝り固まったところがないので、きちんとした参謀や良いアドバイザーがいれば、いい仕事ができるような気もしますが……。

 政権を維持するには安倍派から支持を得なければならない。なので、安倍派が喜ぶ話はどんどん吸収しますし、アウトプットが出て来ます。

 例えば、防衛費の増額や原発運転期間延長と新増設がそうです。しかし、少子化対策や子育て支援になると、安倍派が「こうして下さい」と言って来ないので、野党から突っ込まれても何も出て来ない。

 先日、子ども予算倍増の話が出ていましたが、防衛費を倍増したから子ども関係の予算も倍にしなくてはいけない、というノリなのではないでしょうか。政治的なアピールなのでしょうが、財源のあてもなく、かえって窮地に立たされています。

 岸田首相は、今、国民より財務官僚の方を向いています。なので、政策については彼らの言うことを鵜呑みにして「うん、そうか」と思って、彼らの説明だけを吸収して思考停止しているのかもしれません。

 ◆「新しい資本主義」はどこに

 ――岸田政権は「新しい資本主義」を掲げてスタートしました。

 古賀: 「新しい資本主義」は、今の資本主義を変えるしかないという決意の表れだったのでしょう。

 しかし、格差の縮小には、金融所得の総合課税だと提案したら、マーケットから総スカンを食らいました。そして財界からも自民党からも批判が出た。そうなるとパッと引っ込めてしまう。

 でも、元々の発想は良かったんです。例えば、金融所得の総合課税を実施して富裕層に税金を払ってもらい、それを財源にして少子化政策・子育て政策にあてると言えば、ものすごくわかりやすい。

 そして、小泉政権のように、党の内部が反対するというのであれば、それを「改革の抵抗勢力」だと言って、富裕層には「将来のための政策を実施するのでお金を負担してください」とお願いすればいいのに、そういう作戦もなかった。

 岸田首相は、「日本は様々な課題を抱えている。その課題は足かせになるけれども、それを逆手にとって、成長の糧にする。それが新しい資本主義です」と言っていました。この発言が一番良かった。1回言っただけなので自分では意識していないのかもしれませんが……。

 一例ですが、「外国に比べて遅れを取っている温暖化対策は、省エネや排ガス規制や排出権取引の負担を厳しくし、それを乗り越えると世界最先端の産業が復活する。最初の規制が日本の劇的な成長につながる」というビジョンを出してみればいいんです。

 そういう政策を考えればいいのに、抽象論で日本は課題先進国だ、と言っただけで思考がストップしています。

 ◆アベノミクスの顛末

 ――岸田政権には「アベノミクス」を提案したような参謀がいるようには見えません。

 古賀: 安倍さんは、浜田宏一さんの他、元財務省の本田悦朗さん、高橋洋一さんをブレーンにして、門前の小僧のように話を聞いていたそうです。

 なお、高橋洋一さんには「マクロしか見ていない」という指摘をしたら、「マクロ学者だからマクロ経済を見ておけばいい」という返事がありました。雇用を生み、失業率が下がったのだからいいでしょう、と。では産業がボロボロなのはどうすればいいのか、と聞いたら、そこは我々が考える範疇ではない、との回答でした。

 一方、ミクロ経済のエキスパートは竹中平蔵さんですが、規制改革などのミクロの政策を実施しようとすると、必ず敵が出るんです。

©2023「妖怪の孫」製作委員会

 マクロレベルの給付金や補助金、金利の引き下げは、経済界は抵抗しません。ぜひやって下さい、となる。ところが、ミクロレベルの規制改革をやろうとすると、凄い抵抗勢力が出て来る。小泉政権時代に行われた規制緩和がそうですが、小泉元首相は「小泉劇場」によってそれを打破した。一方、安倍さんはそこには着手できなかった。だから、彼は改革派ではないです。

 ところが、敵の出ないマクロレベルの政策を「異次元の金融緩和」「機動的財政出動」とカッコ良く言って、株が上がり、一時期アベノミクスは評価されました。しかし、それだけで引っ張り続けて、本当の改革は何もしていなかったというのが実態です。

 劇中にも登場しますが、岸田総理自身が年頭の記者会見で、「アベノミクスで想定されたトリクルダウン(富裕者がさらに富裕になると、経済活動が活発化することで低所得の貧困者にも富が浸透し、利益が再分配される現象)は起きなかった」と発言してしまいました。これについては、浜田さんも認めています。

 これからも、安倍政権時代に糊塗された様々な問題が、出てくるのではないでしょうか。安倍さんの後は、誰がやってもうまくいかない。それはある意味気の毒ですが、岸田首相本人がそのことを理解せずに、夢のようなことばかり言っている。「今の日本は緊急事態です」と宣言するところから始めないといけないのですが……。

 ◆本当に防衛費倍増が必要なのか

 ――劇中では自民党の憲法改正法案に触れていますが、岸田首相の施政方針演説冒頭も「自国民を守るために防衛力を強化すべき」という論調でした。

 古賀: 全てが「攻めて来たら怖いので防衛力を強化」という前提で話が進んでいて「中国が本当に日本を攻撃するか」については議論されていません。そして、中国が積極的に戦争を仕掛けるメリットはありません。それでも戦争が起こるとしたら、中国にとって日本と米国が敵で「我々を潰しに来る」と判断した時です。要するに「やらなけれなければ、やられる」と判断された時です。

 一方、アメリカは「中国というとんでもない奴が本当に攻撃してくるかもしれない」と思わせたい。なぜなら、中国を悪者にして西側の結束を高めれば、他国がアメリカに依存し、武器が大量に売れるからです。そうすれば経済界も喜ぶし、西側の盟主という地位を守れる。アメリカにとって、非常にいいシナリオになる。日本はそれに加担しています。

 アメリカが中国を挑発し、中国がアメリカと同盟国関係にある日本に対して武力行使をしたとしても、アメリカは、本土が攻撃されない。台湾も日本と同じように利用されています。アメリカからしてみれば本土は攻撃されない以上、戦争はしていないことになる。そして、「中国は危険だ」と思わせ続けることで中国を孤立させれば、西側諸国は武器を買い続けるのです。

 ◆日本が戦争を回避するためには

 ――では、日本が戦争を回避するにはどのような外交姿勢が必要なのでしょうか。

 古賀: 先日、CSIS(Center for Strategic and International Studies・戦略国際問題研究所)でシミュレーションが出ていましたが、地政学的に見て日本が参戦しなかったらアメリカは中国とは戦えないです。

 なので、アメリカに対して、「日本は中国とは戦わないので、アメリカが勝手にやってください、でも、アメリカが中国と戦争する時は日本の基地は使わせません」と言えば、アメリカは戦争できません。ところが、自民党政権は日米同盟が日本の安全保障の根幹だと言っています。日本がアメリカの要求を断らないという前提ですべてが組み立てられているからです。

 その前提を捨てて「アメリカの要求を断るかもしれませんよ」と言いながら、中国と交渉すればいい。「日本はアメリカに基地を使わせないので、中国は尖閣諸島も含めて武力で現状を変更しない」という約束を中国とすれば、少なくとも中国と戦争状態になることは避けられるでしょう。

 しかし、今の自民党幹部は「戦争も辞さない」という姿勢です。安倍さんの根幹にあったのは、太平洋戦争は間違いではなかったというものです。大東亜共栄圏構想の下、日本が世界のリーダーになるべき国であったと本気で信じていました。そして日本は戦争に勝てる国だとも思っていた。そこは論理的な議論ではないです。宗教的な思い込みがあったのではないでしょうか。

 ――映画の終盤では、自民党の憲法改正草案についても検証しています。

 古賀: 自民党草案は、現行の日本国憲法の根幹を全て白紙にして、国民主権や基本的人権の保障を骨抜きにする内容になっています。国民は権利を主張するのではなく、義務だけを果たして生きる。それが日本人のあり方だとすると戦争に勝ちやすいからです。

 民主主義的な国家と国民を犠牲にして軍事を優先する専制主義的な国家を比べると、戦争遂行という点だけで見れば圧倒的に後者の方が強いのです。

 ◆現役官僚たちの苦悩とは

 ――古賀さんは劇中で現役官僚のお二人に覆面インタビューしていますが、法の支配を無視した官邸からの指示に辟易したというコメントがありました。

 古賀: 私が勤務していた2011年までは、官僚の立場から見ておかしいと思うことは、避けなければならない。だからまともなことをやろうとする勢力が一定数存在していました。

 そして、役所の中でそれが路線対立になりました。改革派と守旧派、僕は役所が権限を振るって経済社会に介入するという意味で、「介入派」と呼んでいましたが、その2つがあって、事務次官がどちらにつくか、という構図があったんです。ところが、安倍政権になった途端、その対立がなくなった。劇中の覆面官僚のコメントにもありましたが、議論ができなくなったからです。

©2023「妖怪の孫」製作委員会

 議論の前に「官邸が考えてること以外やるな」と忠告されてしまう。安倍政権による強権政治で議論がなくなってしまった。官邸に逆らえばクビになるからです。そして、転職しようとしても、多くの官僚は40を過ぎれば他の職場では使いものにならなくなっているし、子どもの教育費も増えて来る。結局、役所に留まって悶々としながら、その後の官僚人生を送ります。

 現行憲法によれば、もし役所が変なことをするのであれば、役所に指示を出している内閣を選挙で倒すしかない。そして、その歯止めが、かつては機能していましたが、第2次安倍政権になってから、安倍政権は選挙に負けていなかった。なので、歯止めが利かない状態になってしまったのです。

 「国民が私たちを選んでいます」という一言で、政権に対する批判がすべて消えてしまう。そして、官僚は役所に所属していて、官僚のトップは大臣で、大臣は内閣総理大臣が指名します。つまり、官僚は内閣総理大臣の指示で動く人たちです。そうすると、国民から選挙によって信託を受けて働いている内閣総理大臣の言うことを聞かない官僚はクビだと言われても仕方がない。それが憲法の仕組みです。

 ◆日本国民の心に潜む「妖怪」

 ――確かに、安倍政権を支持し続けたのは、国民ですね。

 古賀: 結局、選挙で安倍政権を選んでいる自分たちに返って来るんです。

 映画のタイトル『妖怪の孫』は、安倍さんのおじいさんの岸信介元首相が「妖怪」と呼ばれていたことに由来します。そして、孫の安倍さんも亡くなりましたが、その支配は続いている。政治は安倍派抜きでは考えられない。つまり、“安倍的なもの”はなくなりません。僕は「岩盤右翼層」と呼んでいますが、安倍さんの最大の功績は、岩盤を固めて残したということです。

 
©2023「妖怪の孫」製作委員会

 また、その恐ろしい岩盤に潜む“安倍的なもの”を利用して、未だにマスコミを支配しようとする動きもあります。でも、政治家・官僚・マスコミだけではなく、国民もまた支配されているのでは? というのが僕の考え方です。

 そして、支配されている人たちには2通りあって、1つは、完全に洗脳されて“安倍的なもの”を積極的に支持する人たち。もう1つはいわゆるリベラルでも、諦めている人たちです。多くの一般の人たちは「仕方がない」と諦めている。この空気の蔓延こそが「妖怪による支配」なのです。

 国民がその諦めを自覚していない。気がつくのはいつかというと、本当に日本が経済破綻してどん底に落ちた時と戦争で人が亡くなった時です。

 上映時間2時間は長いと思うかもしれませんが、本を読んでこの映画に紹介されていることを勉強しようと思ったら大変です。それに比べれば、はるかに楽に、楽しみながら今の日本が分かると思います。そして、映画を観終わったら、今度の選挙はどこに投票すればいいのか、考えてもらえたら嬉しいです。

 ■『妖怪の孫』
 2023年3月17日(金)より新宿ピカデリーほかで全国公開
 上映時間:115分/製作:2023年(日本)/配給:スターサンズ
 ©2023「妖怪の孫」製作委員会

 ■古賀茂明(こが・しげあき)
 1955年、長崎県生まれ。東大法学部卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを歴任。東京電力破綻処理を提唱して民主党政権と対立し、2011年退官。政治経済評論家、古賀茂明政策ラボ代表。「日本中枢の崩壊」(講談社)ほか著書多数。映画「妖怪の孫」の原案となった新著「分断と凋落の日本」(発行・日刊現代、発売・講談社)が4月刊行予定

 元稿:現代ビジネス 主要ニュース メディアと教養 【話題・安倍晋三元首相の軌跡を検証する映画『妖怪の孫』・担当:熊野 雅恵(ライター、行政書士)】  2023年03月17日  06:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【注目の人 直撃インタビュー】:古賀茂明氏「アベ政治は終わったはずなのに、何か得体の知れないものに支配されている」

2023-05-15 07:25:30 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【注目の人 直撃インタビュー】:古賀茂明氏「アベ政治は終わったはずなのに、何か得体の知れないものに支配されている」

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【注目の人 直撃インタビュー】:古賀茂明氏「アベ政治は終わったはずなのに、何か得体の知れないものに支配されている」

 ◆古賀茂明(映画「妖怪の孫」企画プロデューサー)

 衝撃的な銃撃死から半年以上が経ったが、岸田政権自民党を見ていると、いまだこの国は安倍晋三元首相に支配されているのかと思わずにはいられない。「彼がもたらしたのは、美しい国か、妖怪の棲む国か?」──。そんな視点で検証したドキュメンタリー映画「妖怪の孫」が今月17日から公開される。企画プロデューサーを務めたのは、元経産官僚のこの人。2時間のストーリーから何が見えるのか。

<picture>古賀茂明氏(C)日刊ゲンダイ</picture>

       古賀茂明氏(C)日刊ゲンダイ

 ──選挙、憲法、官僚、旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)、地元・下関など、映画ではいくつものテーマが扱われていますが、見どころは?

 もちろん全部僕が手掛けているわけじゃないので、驚きがたくさんありました。中でも、安倍さんの幼少期や性格も熟知している野上忠興さん(政治ジャーナリスト)のパートはすごく面白い。「アベノミクスなんて見せかけで、要領のいいやつだった」と。アベ政治の本質を突いているなと思いましたね。下関の元市議の女性の話も面白い。東京では見えてなかった地元の安倍さんのことが浮き上がってきました。

 ──企画プロデューサーに就かれた経緯は?

 企画の発想は、菅前総理を題材にした映画「パンケーキを毒見する」や「新聞記者」のプロデューサーであるスターサンズの河村光庸さん。実は「パンケーキ」を撮っている時から、河村さんは「本当は俺がやりたいのは安倍さんなんだよな」と言っていたんです。それで、「パンケーキ」と同じテレビマンユニオンの内山雄人監督に頼むとか、具体的に動き始めたところで、昨年6月、河村さんが急逝してしまった。実は、亡くなる前夜に河村さんから電話がかかってきて、「古賀さん、とにかくこの安倍の映画を出さないと、俺は死んでも死に切れないんだ」という話をしていたんです。翌日に亡くなったと知って、びっくりしたんですが、その後、監督らから僕に「プロデューサーをやってくれませんか」という話があって。「えー、できるわけないよ」と言ったんだけど、結局、お引き受けしました。

──河村さんの「遺言」みたいなものだったんですね。

 もともと製作サイドからは、「安倍氏を扱う映画だから風当たりが強くなる。打たれ強い人が(スタッフに)欲しい」というリクエストがあったそうです。河村さんの企画にずっと携わってきたから引き継いで欲しいというのと、社会的、政治的に難しい映画だから、そこを支える役割。その2つをやってくれということでした。

──主役の安倍氏まで亡くなってしまって、製作は大変だったのでは。

 もうできないんじゃないか、という時期はありました。安倍さんの呪縛から解かれて自由になるかと思ったら逆なんですよ。「死者に鞭を打つのか」と、日本的なあの言葉です。監督は最初、いろんな政治家にインタビューしようと考えていたけれど、野党議員も逃げちゃう、スポンサーも引いていくみたいな感じでね。ただ、意外だったのは、松竹が新宿ピカデリー(映画館)をおさえているからやろうと決断してくれたことです。きちんと客観的に見つめ直した映画を見てみたいという人はたくさんいるんだろうな、ということはみんな分かっているんですよ。松竹の決断は、エンターテインメント業界として、観客が求めているものを世に出すのが我々の仕事だ、という筋を通してくれたと感じています。

<picture>(C)2023「妖怪の孫」製作委員会</picture>

 (C)2023「妖怪の孫」製作委員会

 ◆中枢官僚の絶望は想像以上

 ──古賀さん自身は映画で覆面官僚2人にインタビューしていました。

 安倍さんを評価できる人っていうのは、各省庁で官房に近いところにいた人とか、内閣府や内閣官房にいて官邸に出入りするなど、中枢にいた人じゃないと分からないんですね。そういう経験のある2人ですが、想像以上に深い絶望にあるという感じでしたね。

 ──「我々が習った憲法学では集団的自衛権は違憲。これからは合憲と答えないと公務員になれない」という言葉には背筋が凍りました。法律を作る官僚が「もう憲法は変わった」とはっきり言う。すごいことだな、と。

 「テロだ」いう言葉も出ました。国家の根本規範である憲法を正当な手続きを踏まずに変えることは、暴力は使わずとも、テロ以外何ものでもない、ということですよね。あの安保法制反対のデモまでは、わりと一般の人が参加するムードがあった。でも結局、あれだけやっても止まらなかったっていうことが、その後の日本の一般市民に、相当影響を与えたと思います。何も変わらないという諦めになってしまった。あれが止まっていたら、日本はまったく変わっていたんじゃないかと思います。

 ──覆面官僚の「そんな勇気ある官僚は残念ながらいない。(官僚は)臆病で弱くて卑怯な人間なんです」という言葉も強く印象に残りました。

 財務省の公文書改ざんで自ら命を絶った赤木俊夫さんについて聞いた部分ですね。妻の雅子さんに聞くと、最初は財務省本省からもお花を送った人がいたそうなんですが、途中から音信不通になったと。裁判になったこともあるけれど、赤木さんに花を手向けるとか、お線香をあげるなどしたら、きっと安倍さんに睨まれるという恐怖感が官僚にはあるんだろうな、と思っていて、それを聞いてみたんです。そうしたら出てきたのが、あの名ゼリフでした。

 ──「妖怪の孫」というタイトルは直接的な意味だけではないですよね?

 河村さんが「タイトルは妖怪の孫だ」と。ただ当初は、「昭和の妖怪」と呼ばれた岸信介元総理の孫で、脈々と伝わる保守の思想……というところまでだった。岸さんのことをあまり知らない人もいるし、僕はタイトルとしてどうかな、と思っていたんです。だけど、旧統一教会のこともあったし、安倍さんが亡くなった後でも岸田総理は「アベ的」なものを否定できず、防衛費のGDP比2%とか原発の新増設とか、むしろ先鋭化している。それで、後から解釈を付け加えたんです。「妖怪の孫」とは、岸さんの話をしているというより、もう安倍さんはいないし、そういう意味ではアベ政治は終わっているはずなのに、何か得体の知れないものに支配されているという状況。それを許してしまうのは、もちろん岩盤保守層の人たちであり、それをしっかり固めた安倍さんの最大の功績です。ちょっとやそっとじゃ壊れない。

<picture>(C)2023「妖怪の孫」製作委員会</picture>

 (C)2023「妖怪の孫」製作委員会

 ◆心の中に妖怪が仁王立ち

 ──まさに日本中が妖怪に支配されている。

 今の日本のしくみは、憲法が想像していた世界を完全に逸脱しているんですよ。憲法では国民主権であり、国民が国民の代表である国会議員を選び、国会が国権の最高機関です。その国民の代表である国会が選んだ内閣総理大臣が政治をするのだから、この人に任せれば国民のための政治が行われるという前提なんですね。しかし、内閣が国民のために働かない、あるいは米国のために働いているとしたら……。そんな酷い内閣は選挙で落ちるでしょ、というのが憲法のしくみなんです。ところが、何をしたって選挙で勝っちゃう、というのが安倍政権だった。もうどうすればいいのか分かりませんよね。国民が正しいんだってことであれば、国民が勝たせたんだから、安倍さんがやってることが正しいと、安倍支持派の人は言うでしょう。公約を掲げて選挙に勝ったんだから、その公約を前に進めて何が悪いのかと。でも、最後は国民自身に返ってくるんです。映画にアニメが登場します。人の心の中に妖怪が仁王立ちしているのは、「国民自身がなにか変えられちゃっていませんか」というメッセージになっている。もう一度、みんなで考え直してみようというメッセージです。4月に統一地方選や国政の補欠選挙がありますから、映画を見て、よく考えてもらいたいなと思っています。(聞き手=小塚かおる/日刊ゲンダイ)

 ▽古賀茂明(こが・しげあき)

 1955年、長崎県生まれ。東大法卒。元経済産業省の改革派官僚。産業再生機構執行役員、内閣審議官などを経て2011年退官。古賀茂明政策ラボ代表、「改革はするが戦争はしない」フォーラム4提唱者。ベストセラーとなった「日本中枢の崩壊」(講談社)ほか著書多数。映画「妖怪の孫」の原案となった新著「分断と凋落の日本」(発行・日刊現代、発売・講談社)が4月刊行予定。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・連載「注目の人 直撃インタビュー」】  2023年03月13日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【政界地獄耳・03.14】:ジャーナリズムの最後の砦は映画になるのか

2023-05-15 07:25:20 | 【新聞社・報道・マスコミ・雑誌・世論調査】

【政界地獄耳・03.14】:ジャーナリズムの最後の砦は映画になるのか

『漂流する日本の羅針盤を目指して』:」【政界地獄耳・03.14】:ジャーナリズムの最後の砦は映画になるのか 

 ★総務省行政文書の中で当時の首相補佐官・礒崎陽輔から「けしからん番組は取り締まるスタンスを示す必要がある」と名指しされたTBSの「サンデーモーニング」の12日の放送で、前法大総長・田中優子は「多様性を理解することができないことになる。放送法の問題だけでなく多様性が理解できないという事実がいろんなことにつながっているのではないか」と解説した。まさに「差別の意味を理解しない」など自民党の持つ価値観の不寛容さが元凶だろう。

 ★思えばNHKの「クローズアップ現代」キャスター・国谷裕子、TBS「NEWS23」コメンテーター・岸井成格、テレビ朝日「報道ステーション」キャスター・古舘伊知郎がいずれも16年3月に降板した。当時の総務相・高市早苗が同年2月に政治的公平などを定めた放送法4条違反を理由に放送局へ停波を命じる可能性に言及した直後の話だ。そしてその半年前には安保法制の危険性や疑義を彼らは盛んに唱えていた。

歴代最長在任総理大臣・故安倍晋三氏とはいったい何者だったのか歴代最長在任総理大臣・故安倍晋三氏とはいったい何者だったのか

<video id="video" poster="https://eiga.k-img.com/images/movie/98852/photo/8cc32124965c11ad.jpg?1674794685" preload="none" controls="controls"> </video>

 ★映画「新聞記者」などを手がけた映画製作会社スターサンズと「パンケーキを毒見する」の内山雄人監督がタッグを組んだドキュメンタリー「妖怪の孫」が17日から公開される。映画は元首相・安倍晋三の過去から母方の祖父である元首相・岸信介に至る日本の政治について考察したドキュメンタリーで、「新聞記者」などを手掛け、昨年死去した河村光庸プロデューサーの遺作でもある。祖父の教えを受け継ぐ安倍のタカ派外交政策と成果が問われる「アベノミクス」などがよく整理されて描かれているが、この「政治的公平」の問題も扱われているという意味では極めてタイムリーな公開となる。ただ、もうこの手のドキュメンタリーは放送局では「放送法」がゆがめられずとも制作できないだろう。映画が最後のジャーナリズムのとりでになるかもしれない。(K)※敬称略

 ◆政界地獄耳

 政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】  2023年03月14日  07:30:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする