路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【英国】:戴冠式出席のヘンリー王子「兄ウィリアム皇太子と目も合わさず」と米メディア

2023-05-07 14:58:00 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・サミット(G20、G7)】

【英国】:戴冠式出席のヘンリー王子「兄ウィリアム皇太子と目も合わさず」と米メディア

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【英国】:戴冠式出席のヘンリー王子「兄ウィリアム皇太子と目も合わさず」と米メディア 

 チャールズ英国王の戴冠式に出席したヘンリー王子(38)は6日、昨年9月に死去したエリザベス女王の葬儀に参列して以来、約8カ月ぶりに公の場で王室メンバーと対面した。しかし、今年1月に出版した回顧録「スペア」で暴力を振るわれたと暴露した兄ウィリアム皇太子(40)とは目も合わさなかったと米オンラインメディアのデイリー・ビーストが報じた。また、同日朝に戴冠式後にバッキンガム宮殿で開催される昼食会に王子も招待されたと報じられたが、ウェストミンスター寺院から家族と合流するためバッキンガム宮殿に向かうことはなく、帰国の途に着くため空港に直行。昼食会出席を辞退した王子が、家族と直接会話する機会はなかったとみられ、確執の根深さが改めて浮き彫りになった。

戴冠式に向かうヘンリー王子(ロイター)

 

 昨年末に公開されたネットフリックスのドキュメンタリーや今年1月に出版した回顧録「スペア」で王室を批判して以来初めて家族と対面した王子は、妻メーガン妃と2人の子どもたちを米国に残して単身で出席。2020年に王室を離脱していることから軍服の着用は認められず、モーニング姿での出席となった。入場時にはいとこのユージェニー王女と夫ジャック・ブルックバンク氏と会話を交わす様子も見られたが、国王と目線を合わすことも、暴露本に激怒していると伝えられるウィリアム皇太子夫妻とあいさつを交わすこともなかったと伝えられている。

 席順を巡っては家族から離れた10列目になると冷遇が予想されていたものの、ベアトリス王女やユージェニー王女らと並んで前から3列目に着席。最前列にはウィリアム皇太子一家をはじめ、エドワード王子夫妻とその子どもたち、アン王女夫妻ら現役の王室メンバーが並んでおり、公務を退いた王子との差が明確に示された。(ロサンゼルス=千歳香奈子通信員)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・英国のチャールズ国王の戴冠式に参列】  2023年05月07日  14:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【米国】:テキサスのショッピングモールで銃乱射8人死亡 容疑者は射殺 殺傷能力高いライフル使用か

2023-05-07 14:16:30 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【米国】:テキサスのショッピングモールで銃乱射8人死亡 容疑者は射殺 殺傷能力高いライフル使用か

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【米国】:テキサスのショッピングモールで銃乱射8人死亡 容疑者は射殺 殺傷能力高いライフル使用か 

 米南部テキサス州アレンのショッピングモールで6日、銃乱射事件があり、計8人が死亡、重体3人を含む7人が負傷した。地元当局が明らかにした。病院によると、負傷者には5歳の子どもが含まれる。容疑者は単独犯とみられ、現場に居合わせた警察官が射殺した。警察が詳しい状況を捜査し、犯行動機の解明を急いでいる。

銃乱射事件が起きた米テキサス州アレンのショッピングモール付近を警戒する治安要員(AP=共同)

 

 銃撃があったのは午後3時半ごろ。現場のショッピングモールは同州ダラス中心部の北約40キロにあり、週末の6日は多くの買い物客らでにぎわっていた。米メディアは事件直後に行列を作って避難する多くの人々の様子を映像で伝えた。

 モールの駐車場で撮影された車載カメラの映像では、容疑者は車から降りてすぐ歩道にいる人に向け銃撃を始めた。殺傷能力が高いAR15型ライフルを持ち、予備の弾倉を装備していたとの情報もある。

 死亡した容疑者を含む9人のうち7人は現場で遺体で見つかり、さらに搬送先の病院で2人の死亡が確認された。

 在ヒューストン日本総領事館によると、日本人が被害に巻き込まれたとの情報は入っていない。

 米各地では銃犯罪が後を絶たず、非営利団体「ガン・バイオレンス・アーカイブ」によると、米国で4人以上の死者を出した銃撃事件は今年に入り約20件発生している。

 テキサス州では4月末にも、ヒューストン北方クリーブランドの住宅で8歳の子どもを含む計5人が殺害される銃撃事件が起きた。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【事件・犯罪・米国】  2023年05月07日  14:16:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【英国】:シャーロット王女が馬車から笑顔で手を振る…ウィリアム英皇太子がツイッターに戴冠式の映像投稿

2023-05-07 11:06:30 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・サミット(G20、G7)】

【英国】:シャーロット王女が馬車から笑顔で手を振る…ウィリアム英皇太子がツイッターに戴冠式の映像投稿

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【英国】:シャーロット王女が馬車から笑顔で手を振る…ウィリアム英皇太子がツイッターに戴冠式の映像投稿 

 英王室のウィリアム皇太子は7日、ツイッターを更新し、6日に行われた父チャールズ国王の戴冠式の1日の様子をダイジェスト版にした映像を投稿するとともに、「what.a.day(なんていい日だ)」とつぶやいた。その上で「すべての皆さんに感謝します」と、謝意を示した。

馬車に座るシャーロット王女、ジョージ王子、ルイ王子(ロイター)

 欧米メディアによると、シャーロット王女のヘアピースは、母キャサリン皇太子妃がつけていた、月桂(げっけい)樹をあしらったティアラ風ヘアピースと、おそろいのデザインだという。

 また、式典を終えてバッキンガム宮殿に馬車で移動する皇太子夫妻やジョージ王子、シャーロット王女、ルイ王子がカメラに手を振る様子や、王冠をかぶった国王夫妻らと宮殿のバルコニーに登場し、国民の祝福を受ける様子も盛り込まれた。英国軍による儀礼飛行を見守った後、あらためて手を振る国王の姿で締めくくられている。

 映像には、雨の中、式典にかかわった近衛兵らの行進や、観客の様子も映し出されており、ウィリアム皇太子は英国全体で作り上げた戴冠式だという思いをにじませた。

この映像は7日午前10時半時点で、200万回近く再生されている。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・英国・6日に行われた父チャールズ国王の戴冠式の1日の様子をダイジェスト版にした映像を投稿】  2023年05月07日  11:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【中山知子の取材備忘録・03.26】:岸田首相の「鬼門」おみやげ問題 センスが問われる首脳への贈呈品、似顔絵や書贈ったケースも

2023-05-07 11:00:00 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・サミット(G20、G7)】

【中山知子の取材備忘録・03.26】:岸田首相の「鬼門」おみやげ問題 センスが問われる首脳への贈呈品、似顔絵や書贈ったケースも

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【中山知子の取材備忘録・03.26】:岸田首相の「鬼門」おみやげ問題 センスが問われる首脳への贈呈品、似顔絵や書贈ったケースも 

 岸田文雄首相と「おみやげ」。この2つのキーワードが再び、結び付き合うことになるとは思わなかった。今年1月に長男の翔太郎秘書官の外国訪問同行時の「おみやげ選び」で批判された岸田首相。3月21日に電撃的に行ったウクライナ訪問で、ゼレンスキー大統領に渡した手みやげ「必勝しゃもじ」の妥当性をめぐり、賛否が割れている。

衆議院本会議でウクライナ訪問の国会報告を行う岸田文雄首相(2023年3月24日撮影)衆議院本会議でウクライナ訪問の国会報告を行う岸田文雄首相(2023年3月24日撮影)

ウクライナのゼレンスキー大統領(右)から出迎えを受ける岸田文雄首相=ウクライナ・キーウで2023年3月21日(内閣広報室提供)

 G7の国の首脳としては最後のウクライナ訪問。ウクライナと日本の距離的な側面、「首相動静」で一挙手一投足がウオッチされる立場を考えると、しんがりになったのは致し方ない側面もあった。今年は日本がサミット議長国で、サミット前には必ず訪問を実現させなければならないと、並々ならぬ意欲と、強い焦りも持っていたようだ。

 約4年8カ月外相を務め、「外交の岸田」を自負するだけに、外交の舞台で自らの失点になるようなことは、許されないとの思いもあったはずだ。自民党関係者は「大きなリスクも伴う行動だったが、首相の決断がすべてだった」と話す。危機管理や情報管理での対応を疑問視する声は根強いが、訪問じたいを批判する声はほとんどない。そんな中で訪問内容とは別に、クローズアップされたのが冒頭のおみやげ問題だった。

 戦時下にある国、戦闘を行う態勢で必ずしも侵攻国ロシアに勝っているわけではないウクライナに、「必勝しゃもじ」を渡すことの是非。日本が勝利した日露戦争のころ、戦地に赴く人が厳島神社にしゃもじを奉納したという由来や、しゃもじでごはんを「飯取る」行為と、敵を「召し捕る」と語呂合わせから、勝利祈願の縁起物となった背景はを伝えれば、相手は理解するだろう。日本のウクライナ大使館は24日、ツイッターで「必勝!」とつぶやいた。一方で、ロシアを刺激しかねないセレクトではないかとする声も聞いた。

 スポーツや選挙での「必勝」と戦争での「必勝」が同じなのか。この点への違和感が、賛否が割れた一因のように感じる。首相自身は、贈った意味について国会では言及を避けた。「ウクライナの方は、祖国や自由を守るために戦っている。こうした努力に敬意を表したいし、ウクライナ支援をしっかり行っていきたい」とだけ語った。

 首脳同士の外交の舞台で相手におみやげを贈るのは、慣習だ。かつて外交に携わった人に取材すると、おみやげ選びは、まずは相手首脳の好みのリサーチが鍵を握るそうだ。時の首相の考えもあるが、相手が喜びそうなもの、日本を紹介する上で的確なもの、伝統工芸品、日本の技術をアピールできる製品などが候補になるようだ。価格は必ずしも高価ではないとされるが、安倍晋三首相は米大統領選を勝ったばかりのトランプ氏に、共通の趣味であるゴルフにちなんで50万円を超える「本間ゴルフ」の最高級ドライバーを贈り、一気に距離を縮めた。安倍氏は2017年、柔道家でもあるロシアのプーチン大統領との会談で、嘉納治五郎の書を送ったこともある。

 また小泉純一郎首相は、2002年2月に来日した米国のブッシュ大統領に、イラストレーター山藤章二さんに依頼した、流鏑馬(やぶさめ)の矢を放つブッシュ氏の似顔絵を贈った。当時、同時多発テロを受けた対応に追われていたブッシュ氏は、「私たちは悪と戦う」などと応じ、喜んだとされる。

 いちばん重視されるのは「センス」。さらには「物語性」だという。今回のゼレンスキー大統領のように、初めて会う人には特に、なぜこれを贈るのかという意味合いがさらに問われるという。

 そんな中での「必勝しゃもじ」だった。首相は「必勝しゃもじ」と一緒に、地元の焼き物でつくった折り鶴のランプも贈った。必勝と平和への祈念を象徴する2つの品で、バランスを取ったのかもしれないが。

 岸田首相は、インド、ウクライナ訪問前に地元の広島で開いた会合で、広島サミットのロゴを使ったまんじゅうやペンを自分の支援者に配り、外務省が定めたロゴの使用目的ルールに反すると批判も受けている。「おみやげ」は首相にとって、すっかり「鬼門」(永田町関係者)となってしまった。【中山知子】

 中山知子の取材備忘録

 ■中山知子の取材備忘録

 ◆中山知子(なかやま・ともこ) 日本新党が結成され、自民党政権→非自民の細川連立政権へ最初の政権交代が起きたころから、永田町を中心に取材を始める。1人で各党や政治家を回り「ひとり政治部」とも。現在、日刊スポーツNEWSデジタル編集部デスク。福岡県出身。青学大卒。

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・コラム・「中山知子の取材備忘録」】  2023年03月26日  11:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【石川県】:震度6強の地震に見舞われた珠洲市

2023-05-07 10:15:30 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【石川県】:震度6強の地震に見舞われた珠洲市

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【石川県】:震度6強の地震に見舞われた珠洲市

 震度6強の地震に見舞われた石川県珠洲市は7日、市内の道路被害の状況確認を進めた。陥没やひび割れといった被害は少なくとも40カ所で確認された。現地は6日から雨が降り続き、市は土砂災害への厳重な警戒を呼びかけた。壊れた建物への対策として準備したブルーシート1000枚は全てなくなり、市は追加分の配布を始めた。

 市によると、被害を受けたのは市道と県道。亀裂が入ったり、舗装が隆起したりしたほか、落石なども見られたという。市が復旧作業を進めている。

 市内では120を超える世帯で断水も確認されており、対象となった地区では給水活動を続けている。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【災害・地震・津波・震度6強の地震に見舞われた石川県珠洲市】  2023年05月07日  10:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【外交】:岸田文雄首相が訪韓、尹錫悦大統領と首脳会談へ 2011年来途絶えた「シャトル外交」本格再開

2023-05-07 09:58:30 | 【韓国・在韓米軍・従軍慰安婦問題・強制労働・島根県竹島(韓国名・独島)の領有権】

【外交】:岸田文雄首相が訪韓、尹錫悦大統領と首脳会談へ 2011年来途絶えた「シャトル外交」本格再開

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【外交】:岸田文雄首相が訪韓、尹錫悦大統領と首脳会談へ 2011年来途絶えた「シャトル外交」本格再開 

 岸田文雄首相は7日午前、韓国へ向けて政府専用機で羽田空港を出発する。午後に尹錫悦大統領とソウルの大統領府で会談。北朝鮮の核・ミサイル対応での連携や経済関係の強化で合意する見通し。2011年以来途絶えていた日韓首脳同士の相互訪問「シャトル外交」が、3月の尹氏来日に続き本格的に再開する。

韓国への出発を前に記者団の取材に応じる岸田首相(左)(共同)
韓国への出発を前に記者団の取材に応じる岸田首相(左)(共同)

 出発に先立ち、首相は尹氏との会談について、元徴用工問題を含め「信頼関係に基づいて率直な意見交換を行いたい」と表明。財務、防衛などさまざまなレベルで日韓両政府間の対話が再開していると述べ「こうした流れを一層発展させる」と語った。

 首相はソウル到着後、国立墓地「顕忠院」で献花。首脳会談に続いて尹氏との共同記者会見に臨み、夕食会も予定されている。

 会談では、対北朝鮮を巡り日韓、日米韓連携の強化を確認。元徴用工訴訟問題をきっかけに日韓が互いに講じた輸出規制措置の解除を踏まえ、半導体の安定供給について意見を交わす。元徴用工問題では、歴史認識を巡る歴代内閣の立場の継承を改めて表明し、韓国政府の解決策推進を後押しする考えだ。訪韓には裕子夫人が同行する。

 日本の首相による訪韓は、18年2月に当時の安倍晋三首相が平昌五輪開会式に出席して以来。シャトル外交としては11年10月の野田佳彦首相が最後だった。(共同)

 元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【話題・岸田政権・外交・韓国】  2023年05月07日  09:58:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【石川県】:5日に震度6強…能登半島の群発地震はいつ収まるのか? 専門家は「5年は要警戒」と指摘

2023-05-07 06:31:00 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【石川県】:5日に震度6強…能登半島の群発地震はいつ収まるのか? 専門家は「5年は要警戒」と指摘

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【石川県】:5日に震度6強…能登半島の群発地震はいつ収まるのか? 専門家は「5年は要警戒」と指摘

  ゴーッと地鳴りがした後、激しい横揺れが続き、最後に強い揺れがきたという。5日、石川県珠洲市を襲ったマグニチュード6.5、震度6強の地震は、2020年12月から活発化した群発地震のひとつだとみられている。

<picture>地震で崩れた家屋(珠洲市、近隣住民提供)</picture>

  地震で崩れた家屋(珠洲市、近隣住民提供)

 石川県の能登半島では、2020年末以来、頻繁に地震が起こり、珠洲市では昨年6月にも震度6弱を観測しているが、5日の地震は「いままで経験したことのない強い揺れ」だったという。

 ■原因は「流体」の移動

 政府の「地震調査委員会」は、今年4月、能登半島の群発地震の原因について「流体の移動が関与している可能性がある」との見解を初めて発表。地下になんらかの「流体」があり、一連の地震活動は「流体の移動が関与している可能性がある」という。「流体」が移動するのに連れて次々に地震が発生し、深さ20~30キロにあった「流体」が徐々に上がっていくのに伴い、震源も徐々に浅くなっているとの見解も発表している。ただ、「流体」の種類、性質や量など詳しいことはわかっていないという。

 この先「流体」がさらに上昇したら、もっと震源が浅くなり、さらに揺れの大きい地震を引き起こす恐れがあるということだ。

  いったい能登半島の群発地震は、いつ収まるのか。

 地震予知連会長の山岡耕春名古屋大教授(地震学)は、共同通信の取材にこう答えている。

 「群発地震は長期的にはまだまだ続く可能性があり、大きい地震が起こることもある。活発化と沈静化を繰り返し、活動が続くことを想定する必要がある」

 この群発地震は、そう簡単には収まらないということだ。

 ■2つのプレートが北陸周辺で押し合いか

 立命館大環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏はこう言う。

 「局所的に見れば、群発地震の原因は“流体”の移動でしょう。しかし、もっと大きな枠組みで見ると、原因は『太平洋プレート』の活発な動きです。『太平洋プレート』の動きを受けて、『北米プレート』と『ユーラシアプレート』が、北陸周辺で押し合っているのが原因と考えられます。その結果、能登半島で内陸直下型の地震が起きている。過去のデータを分析すると、一般的に地震は、約30年間に集中して起きています。30年間、地震が続くと頻発しなくなる。直近だと、1993年、北海道の奥尻島で発生した『北海道南西沖地震』を起点にして地震が頻繁に起きるようになった。過去、北陸に影響を与えた地震は、5年間に集中して起きています。1943年の鳥取地震、1944年の東南海地震、1945年の三河地震、1946年の昭和南海地震、そして1948年の福井地震です」

 能登半島の群発地震は、5年程度は警戒した方がいいかも知れない。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース ライフ 【暮らしニュース・災害・地震・津波・石川県】  2023年05月07日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

 

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【岸田政権】:「国民投票」なんてやるもんか 「改憲」ではなく「破壊」が進む国民愚弄

2023-05-07 06:30:50 | 【社説・解説・論説・コラム・連載】

【岸田政権】:「国民投票」なんてやるもんか 「改憲」ではなく「破壊」が進む国民愚弄

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【岸田政権】:「国民投票」なんてやるもんか 「改憲」ではなく「破壊」が進む国民愚弄

 だんだんむなしくなってくる。すっかり季節の風物詩のような扱いになってしまった。護憲派と改憲派がそれぞれ大集会を開いた、今月3日の「憲法記念日」の報道のことだ。

 護憲派が東京の臨海部にある防災公園で行った集会には2万5000人が参加し、「大軍拡NO」「敵基地攻撃NO」などと訴えた。改憲派の集会には、800人が会場に集まり、2万人がオンラインで視聴した(いずれも主催者発表)。岸田首相がビデオメッセージを寄せ、「社会が大きく変化する今だからこそ挑戦し続けなければならない」と改憲への意欲を見せたという。


改憲派集会にビデオメッセージを寄せた岸田首相(C)共同通信社

 自民党、公明党、日本維新の会、国民民主党の幹部は改憲派の集まりに顔を出し、立憲民主党、共産党、社民党、れいわ新選組の幹部は護憲派に出席。国政政党が真っ二つに割れたことも報じていた。

 この日だけは新聞も、1面トップで憲法を論じて問題提起する。

 朝日は、岸田政権が安保3文書を改定し、「反撃能力」と言い換えた敵基地攻撃能力の保有を閣議決定したことについて検証した記事。これほどの防衛政策の大転換が議論なきまま進められた。「自衛のための必要最小限」という専守防衛の原則が揺らぎ、憲法を形骸化させかねない、と疑義を呈するものだった。

 毎日は「改憲に踏み込むのか否か、岸田首相の本音が見えない」として、各党の立ち位置を解説する記事だった。

 だが、読者にどれだけ響いただろうか。本来、憲法は権力者を縛るもの。その憲法が今まさに現在進行形で権力者によってないがしろにされているのに、“記念日報道”だけでは危機感は伝わらない。だから、「憲法破壊」が着々と進行していくのである。

 ◆憲法96条の手続きを使うべき

 国会では衆院の憲法審査会が毎週のように開かれ、自民・公明・維新・国民の改憲勢力が、「9条への自衛隊明記」や「緊急事態条項」などの議論を加速。岸田の任期中に改憲を実現するためには、来年の通常国会で発議し、国民投票に持っていく必要があるなどのスケジュールまで語られている。

 そんな雰囲気に流されてしまうのは危険だが、それ以前に、岸田が改憲議論を飛び越えて、勝手な解釈で敵基地攻撃能力を保有するという事実上の9条改憲を強行していることを、もっと問題にしなきゃいけない。

 岸田は敵基地攻撃能力の保有について、「憲法の範囲内であり、専守防衛の堅持、平和国家としての歩みをいささかも変えるものではない」と言い張る。しかし、トマホークのような長射程ミサイルを発射して「やられる前にやっちまえ」の論理のどこが専守防衛なのか。

 GDP比2%へと防衛費を倍増することも、議論なきまま閣議決定したうえ、一部に借金である建設国債を充てることまで決めてしまった。これも憲法に基づく財政民主主義を逸脱している。「防衛装備移転三原則」を見直し、殺傷能力のある兵器を輸出するための議論も始まり、平和憲法などなきがごときだ。

 岸田は3日に掲載された産経新聞のインタビューで、改憲の賛否を問う国民投票の早期実施に意欲を示したという。だが、改憲せずとも憲法破壊を進めている姑息な岸田が、国民投票なんてやるものか。これまで通りの「裏口入学」的手法をさらに加速させるのだろう。

 立憲の枝野幸男前代表が「好きなように(改憲を)発議させ、国民投票で否決するのが一番早い」と言っていたらしい。少なくとも国民投票をするなら国民にも審判のチャンスがあるが、それもやらない岸田は国民を愚弄している。

 立正大名誉教授の金子勝氏(憲法)が言う。

「敵基地攻撃は先制攻撃であり侵略。専守防衛を超えています。どうしてもやりたいなら、憲法96条の改正手続きを使うべきであり、主権者国民の意見を聞かなければならない。とりわけ、岸田首相は『憲法を守る』と言っているのですからね。まずメディアは、そのことを報じるべきなのに、それには触れず、『敵基地攻撃能力の保有とはこういうものだ』という解説ばかりしている。そんなだから、世論が『敵基地攻撃はやむを得ない』に集約されていってしまう。いつの間にか、事実上の改憲がひとり歩きしてしまうのです」

 憲法クーデターを許す日本は人治国家

 閣議決定で何でも進める「裏口入学」的手法は、安倍政権時代からの悪しき手口だ。

 これが岸田へ引き継がれ、どんどんエスカレートしている。

 集団的自衛権の行使を容認した2014年の閣議決定は、憲法の解釈変更によって行われた。それを法律として反映したのが、翌15年に成立した安全保障法制。平和安全法制などと言い換え、ごまかしたが、当時、ほとんどの憲法学者や歴代の内閣法制局長官が「憲法違反」だと断言したシロモノである。

 自民党推薦の参考人として衆院憲法審査会に出席した憲法学者にまで「違憲」だと言われた赤っ恥法案だったが、反対する国民が国会議事堂を取り囲む中、安倍自民は安保法成立を強行。日本を米国と一緒に戦争のできる国にしてしまった。

 集団的自衛権の行使は今だって違憲性が高い。勝手な解釈変更で憲法や法律を変えるのは民主国家のやることではない。しかし、いったん成立してしまえば、大メディアは問題にしない。既定路線になってしまう。その延長線上にあるのが、憲法と矛盾する安保3文書の改定であり、敵基地攻撃能力の保有なのだ。こんなことばかり許されていいはずがない。

 政治評論家の本澤二郎氏はこう言う。

「日本の憲法のすごいところは、武器を放棄した非戦の憲法であること。国家による人殺しをやめさせるという人類の悲願を実現した最高のものだという認識が欠けています。戦争3法(安保法、特定秘密保護法、共謀罪)の次は、敵基地攻撃能力の保有と43兆円の巨額防衛費。いつでも戦争できる戦争準備資金づくりは、平和憲法の理念を根底から覆すものです。大メディアはそれが分かっているにもかかわらず、なぜ真っ向から否定しないのか」

 ◆会期末まで解散政局報道の愚

 そうした国家国民の危機よりも、大メディアの関心は「岸田がいつ解散総選挙をするのか」といった政局ばかりだ。GWの外遊先での記者会見でも質問し、岸田が「今は考えていない」と答えたと伝えていたが、あれやこれやの解散話が6月の国会会期末まで垂れ流されるのだろう。

 そんなだから、憲法破壊に歯止めが利かない。「専守防衛の範囲内だ」と強弁するだけで「手の内は明かさない」などとホザいて説明を拒否する悪辣首相が放置される。日本は果たして法治国家と言えるのだろうか。

「憲法96条の改憲手続きを使わないで事実上の改憲をするのは、立憲主義に反するうえ、民主主義ではありません。敵基地攻撃能力の保有を認めた安保3文書の改定は、『憲法クーデター』です。こんなクーデターを許したら、日本では憲法で権力者を縛ることができなくなってしまう。今こそマスメディアは本気で動かないと、内閣の暴走は止められない。国会では軍事立法のオンパレードじゃないですか。反対運動をする時間もないほどの早い動きです。憲法クーデターで法治主義も否定され、これでは内閣の独裁という『人治主義』です。この国は『新しい戦前』への分岐点に差しかかっています」(金子勝氏=前出)

 そして、人治国家の首相が外遊先では「法の支配」を説いて回る倒錯。それも垂れ流す大メディアの罪は重い。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・憲法を巡る問題】  2023年05月06日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【特別寄稿】:天敵サウジとイランの国交正常化を中国が仲介の衝撃…米国の威信低下をみせつけた

2023-05-07 06:30:40 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・サミット(G20、G7)】

【特別寄稿】:天敵サウジとイランの国交正常化を中国が仲介の衝撃…米国の威信低下をみせつけた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【特別寄稿】:天敵サウジとイランの国交正常化を中国が仲介の衝撃…米国の威信低下をみせつけた

 3月10日、サウジアラビアは米国が敵視するイランと中国の仲介により、7年ぶりに国交正常化で合意したと発表した。

<picture>世界に驚きが(サウジアラビア・イランが国交回復、中国含め3カ国の外相会談=北京、4月) (C)ロイター/人民日報</picture>

 世界に驚きが(サウジアラビア・イランが国交回復、中国含め3カ国の外相会談=北京、4月) (C)ロイター/人民日報

 サウジアラビアは従来、強固な親米国で、イラン・イラク戦争では米国が育てた猛犬のようなイラクのサダム・フセイン大統領に莫大な援助を与え、次に米国が彼を始末した湾岸戦争とイラク戦争でも最大の戦費供出国だったし、米国の武器輸出の最大の顧客だった。

 宗教でもサウジアラビアはイスラム教スンニ派の発祥の聖地であり、その分派シーア派はイランで現れ、両派は長く対立してきた。1979年のイラン革命でイランでの権益を失った米国は怒り、サウジとの軍事関係を深めた。

 ところが今回、サウジは突如、宿敵イランとの国交正常化を発表、それも米国と対立している中国の仲介だから米国は仰天した。関ケ原の戦いで石田三成側に布陣していた小早川秀秋の軍勢1万5000が徳川家康に寝返ったのに似ている。

 中東諸国の離反はそれだけではすまず、4月12日には米国、サウジなどが支援する反徒と12年間、内戦をつづけてきたシリアはサウジと「領事業務を再開」と声明を出した。

 同日にはシリアとチュニジアが大使館再開で合意。米国第5艦隊の司令部があるバーレーンも同日、「イランと接近している」として断交していたカタールとの外交関係回復を発表した。

 イエメンでは2015年からイランが支援するシーア派の「フーシ派」とサウジが支援する「暫定政府軍」が、激しい内戦をつづけてきたが、双方のパトロンが和解したから4月14日に約900人の捕虜を交換し、内戦は終結に向かっている。

 この将棋倒しのような情勢の転換は、ソ連がアフガニスタンでゲリラに負けて撤退した後、東欧諸国が離反した状況に小型ながら似ている。米国もアフガニスタンでタリバンと20年戦った後、撤退した。米軍はイラクも占領したが混乱を起こして撤退し、結局、人口の多い反米のシーア派が政権を握った。

 シリアの内戦では米国、サウジなどがアサド政権の打倒を目標に、外国人傭兵主体の反政府軍をつくったが、シリア軍は10万人の民兵の協力を得て、反政府軍をトルコ国境の一角に追い込んだ。今回、サウジがシリアと和解したことで、アサド政権の勝利が確定した。

 「今回の将棋倒しで米国は威信喪失」といわれるが、米国がすでにアフガニスタン、イラク、シリアで威信を失っていたため中東諸国が背を向けたのだろう。

 イスラエルは1967年の第3次中東戦争で占領したヨルダン川西岸、ゴラン高原などを国連安保理は決議242号で返還を求めたのに応じず、ネタニヤフ首相はヨルダン川西岸に3000戸の新規入植を計画するなど、横暴で、トランプ前米大統領は米大使館をイスラム教の聖地でもあるエルサレムに移したり、「ゴラン高原はイスラエル領」と言明し、アラブ諸国を憤慨させた。

 親米国の指導者も「イスラエルの一味」と言われては地位が危うい。日本の鎌倉時代のように支配者の親族間の闘争も起こりかねない国では変わり身の早さが必要なのかもしれない。

田岡俊次
著者のコラム一覧
 ■田岡俊次 軍事評論家、ジャーナリスト

 1941年生まれ。早大卒業後、朝日新聞社。米ジョージタウン大戦略国際問題研究所(CSIS)主任研究員兼同大学外交学部講師、朝日新聞編集委員(防衛担当)、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)客員研究員、「AERA」副編集長兼シニアスタッフライターなどを歴任。著書に「戦略の条件」など。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・国際・地政学・中東】  2023年05月06日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【日銀】:トンズラ黒田の大罪、植田総裁の宿痾…また繰り返される無責任とカタストロフ

2023-05-07 06:28:50 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【日銀】:トンズラ黒田の大罪、植田総裁の宿痾…また繰り返される無責任とカタストロフ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日銀】:トンズラ黒田の大罪、植田総裁の宿痾…また繰り返される無責任とカタストロフ 

 10年ぶりにシャッポが代わった日銀が先月末、金融政策決定会合を開いた。アベノミクスの深掘りで日本経済をヘタらせた黒田東彦前総裁から、植田和男総裁に体制が移行してから初めての会合だ。下馬評通り、異次元緩和の全面継続を決定。長期金利の上昇を人為的に低く抑え込む「イールドカーブ・コントロール(YCC)」の修正にも手を付けなかった。植田は「拙速な引き締めは2%の物価目標を実現できなくするリスクの方が大きい」などと説明したが、公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」はアベコベの内容だった。1月の展望リポートと比べ、生鮮食品を除くコアCPIは上方修正された。2023年度はプラス1.6%から1.8%へ、24年度は1.8%から2.0%へと引き上げ。今回、初めて見通しを示した25年度は1.6%とした。


 累積した「負の遺産」をどうさばくのか(日銀の植田和男新総裁)/(C)日刊ゲンダイ

 そうでなくても、足元の物価上昇は加速していて、インフレ圧力はどんどん強まっている。

 総務省が先月末に発表した4月の東京23区の消費者物価指数(中旬速報値)は、事前予想を大きく上回る伸びだった。コアCPIは前年同月比3.5%上昇。上げ幅は3月と比べ0.3ポイント大きくなり、3カ月ぶりに拡大した。上昇は20カ月連続だ。生鮮とエネルギーを除くコアコアCPIも3.8%上昇し、3月の3.4%から上げ幅が大きくなった。東京の動きは全国の物価の先行指標だ。

◆作為的数字が並ぶリポート

 経済評論家の斎藤満氏はこう言う。

 「『生鮮食品を除く食料』が8.9%も上昇し、物価全体を3.14%押し上げている。価格転嫁の影響です。これでも、政府による電気・都市ガスの負担軽減策でコアCPIは1%程度抑えられている。2月請求分(1月使用分)から10月請求分までの時限措置なので、このままいけば秋にはその1%が確実に乗っかってきますし、電力各社は値上げを申請しています。植田総裁が言うようなプラス幅が縮小する要素は見当たりません。サービスの比率が高い東京でこの数字ですから、19日に公表される全国の消費者物価指数はさらに上振れし、コアコアCPIは4%を超える可能性が高い。植田総裁も何かに縛られ、抗しがたい力に抑え込まれている印象です。『物価目標2%、達成期間2年、マネタリーベース2倍』を掲げた黒田前総裁の下、この10年間の展望リポートはハズレっぱなし。修正、修正、を繰り返していた。今回のリポートも非常に作為的な数字が並んでおり、次回の6月会合で修正を余儀なくされるのではないでしょうか」

 一方、植田は1998年以降の金融緩和策の「レビュー」を始めることも決定。16年の「検証」、21年の「点検」は実施を決めてから2~3カ月でまとめられたが、レビュー作業は1年から1年半程度を想定し、「残りの任期である程度は役に立てたい」とした。

 ◆デフレそのものがウソ、金融緩和の方便だった


ゴキゲンで退任(日銀の黒田東彦前総裁)/(C)日刊ゲンダイ

 日銀は99年にゼロ金利政策を導入以降、量的緩和や量的・質的緩和、マイナス金利など、「非伝統的」といわれる手法を繰り出したものの、景気浮揚を後押しすることはできなかった。成れの果てが「黒田の10年」だ。アベノミクスが掲げる「経済の好循環」の実現に血眼になり、ジャブジャブの金融緩和で国債を大量に買い入れ、金利を低く抑えて円安に誘導。輸出企業を儲けさせ、株高演出の片棒を担いだ。国債頼みの政策乱発、事実上の財政ファイナンスも常態化。結果、日銀の国債保有割合は発行残高の5割を超え、バランスシートはズタズタとなり、債務超過リスクで利上げはままならなくなった。

 「大規模な金融緩和は、政府のさまざまな施策とも相まって、経済・物価の押し上げ効果をしっかりと発揮しており、わが国は物価が持続的に下落するという意味でのデフレではなくなった」

 「長きにわたるデフレの経験から、賃金や物価が上がらないことを前提とした考え方や慣行、いわゆるノルムが根強く残っていたことが影響し、2%の物価安定の目標の持続的・安定的な実現までは至らなかった点は残念」

 これは誰あろう、退任会見での黒田の発言だ。庶民を苦しめる物価高の元凶は最後まで自己正当化を貫き、何の責任も取らずにシレッと退場だからやりきれない。何度も書くが、日本経済をメチャクチャにしながら、反省どころか居直った前日銀総裁の罪を総括せずに再生があり得るのか。1年なんて悠長なことを言っている時間があるのか。

 トンズラした黒田の大罪を迅速かつキッチリ検証し、ドラスチックな修正をかけなければ、この国の経済は1ミリも浮上できない。

 「そもそも、この国の経済はモノの値段が下がるデフレではありませんでした。この30年間平均の物価上昇率は0.1%で、世界で稀有なほど物価が安定していた。安倍政権は自民党を応援する大企業を潤わせるため、金融緩和をする方便としてデフレだと言い張ったのです。この間、賃金が上がらなかったのは、企業が過去最高益でウハウハでも人件費に回さなかったから。企業本位の搾取経済がアベノミクスの本質なのです」(斎藤満氏=前出)

 ◆正常性バイアス1億総作動

 植田は「日銀が行っている金融政策は適切」などと言っているが、誰に遠慮しているのか。財務省か、日本を食い物にする国際金融資本か。あるいは、日銀から去っても口うるさいリフレ派の連中か、自民党最大派閥の安倍派か。宿痾を抱える植田日銀はまたも無責任を繰り返し、この国はいよいよカタストロフに向かっていくのだろうか。国民が尻拭いの挙げ句、破局に道連れなんて御免こうむる。

 共著「現代カタストロフ論」を上梓した淑徳大大学院客員教授の金子勝氏(財政学)はこう言った。

 「金融緩和は短期的には効果を発揮するけれども、長期的にはリスクの累積となる。これは通説です。無視して突っ走った日銀は国債を大量に抱え込んで身動きが取れなくなり、金融政策の柔軟性を失った。円安に甘えた企業は技術開発や新たなビジネスモデルの構築を怠り、この国は経済成長できず、財政赤字を拡大し、国債買い入れ拡大の悪循環にハマり込んでいる。にもかかわらず、国全体が麻薬漬けでマヒし、危機に気づくことができない。破綻まで突っ込んでいきかねない危ういところまで来ています」

 安倍政権が正常性バイアスを1億総作動させたがゆえの国家沈没。来るところまで来た。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・金融・財政】  2023年05月05日  17:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【特別寄稿】:目覚めよ岸田首相、目覚めよ植田総裁…グローバル経済は複雑数奇な「ハイブリッド危機」  ■浜矩子 同志社大学教授

2023-05-07 06:28:40 | 【財務省・財政予算健全化・基礎的収支・会計検査院・国債・国と地方の借金】

【特別寄稿】:目覚めよ岸田首相、目覚めよ植田総裁…グローバル経済は複雑数奇な「ハイブリッド危機」  ■浜矩子 同志社大学教授

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【特別寄稿】:目覚めよ岸田首相、目覚めよ植田総裁…グローバル経済は複雑数奇な「ハイブリッド危機」  ■浜矩子 同志社大学教授

 グローバル経済のヤバさが次々と顕在化してきた。「OPECプラス」が突如として原油の減産に向かい、インフレの火に油を注ぐ形になり、各国の金融政策の運用がますます難しくなっています。グローバルサウスと呼ばれる国々の債務問題が相当に深刻になるだろうともいわれています。


危機的状況下においても人気取り主眼では…(岸田首相)/(C)共同通信社

 各国の中央銀行は、金融を引き締めなければいけないと考えているものの、引き締めれば引き締めるほど金融機関や巨額の債務を抱えた国々を危機に陥らせることになる。デフォルトラッシュになったらどうするのかということで、あちらを立てればこちらが立たずの状況に当面しています。

 そんな中で日銀の体制が変わり、植田総裁が就任した。しかし、YCC(イールドカーブ・コントロール)とマイナス金利政策、量的緩和政策は変えるつもりがないという。それで本当に乗り切れるのかどうか。グローバル経済の諸問題について、どういう分析をしているのか。その分析に基づいて考えた時に異次元緩和の継続で大丈夫なのか。植田氏はどうも「それはそれ、これはこれ」と「仕切り線」を設けているように見える。

 岸田首相にしても花粉症対策だとか言ってる場合なのか。グローバル経済の危機的状況下においても人気取り主眼では、次元が違いすぎる。状況をしっかり整理し、分析し、危機の真相を見極めるという政策態度が、ことのほか日本において見られないのは、とても恐ろしい。

 「目覚めよ、岸田首相。目覚めよ、植田総裁」と言いたい。

 舵取りは本当に難しいと思います。金利を上げていかなければ、インフレに歯止めがかからない。それで生活苦が増せば、大不況に陥るかもしれない。物価賃金スパイラル的な現象が米国では見えてきた。インフレだからと便乗して収益マージンを広げる企業行動も出ており、それに後れを取ってはならずと賃金引き上げ要求も高い。そうした歯止めのない舞い上がりも加わり、複合危機、ハイブリッド危機がグローバル経済に襲いかかろうとしているのです。

 そこに今回は地政学的な思惑も絡む。ロシアや中国は政略的な利益を確保するためには何でもやるという感じになっていて、彼らの態度が中東産油国の姿勢をも変えている。皆でなんとかグローバル経済の均衡を保持しようという発想がなくなり、それぞれが自国の利益のために独り善がりになるので、完全につじつまが合わなくなる。行き着く先は一体なんだとなって、この先、あちこちでミサイルが飛ぶようなこともあるんかい、という感じで、日本の安全保障政策の大転換などというものも出てきてしまった。

 まさに今のグローバルな風景は、そういう複雑怪奇で高度なハイブリッド危機だという認識を、あらためて整理しておく必要がある。ところが、日本においては非常に低次元の日和見性が前面に出ているので本当に危うい。かたや安保政策の大転換で、抜本的に防衛力を強化すると平気で言い、それと花粉症対策が並行して動いているというおかしな状況です。

 もっとレベルの高い政策判断、現状分析、それに基づいたきめ細かな政策運営を、声を大にして求めていかないといけない。


 ■浜矩子 同志社大学教授

 1952年、東京生まれ。一橋大経済学部卒業後、三菱総研に入社し英国駐在員事務所長、主席研究員を経て、2002年から現職。「2015年日本経済景気大失速の年になる!」(東洋経済新報社、共著)、「国民なき経済成長」(角川新書)など著書多数。

 元稿:日刊ゲンダイ DIGITA 主要ニュース 政治・社会 【政治ニュース・金融・財政】  2023年05月05日  06:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:中国の統制強化 誰もがスパイに仕立てられる

2023-05-07 05:00:55 | 【中国・共産党・香港・一国二制度・台湾・一帯一路、国家の個人等の権利を抑圧統治】

【社説①】:中国の統制強化 誰もがスパイに仕立てられる

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:中国の統制強化 誰もがスパイに仕立てられる

 中国で暮らす外国人はスパイとしていつ摘発されてもおかしくない状態に置かれる。これでは、どんな国でも、中国と安定した関係を築くことは難しいだろう。 

 中国がスパイ行為を取り締まる反スパイ法を改正した。7月から施行される。

 反スパイ法は国家機密の窃取、提供に加え、「その他のスパイ活動」も摘発の対象としている。これが当局の 恣意しい 的な運用につながると批判されてきた。アステラス製薬の日本人男性もスパイ容疑で3月に拘束された。

 今回の改正ではさらに、「国家の安全や利益に関わる文献やデータ、資料、物品」の窃取などがスパイ行為として新たに加えられた。しかも、何が国家の安全に関わるのかについては、当局の一方的な判断に委ねられている。

 懸念されるのは、インターネットなどの通信事業者に、当局によるスパイ摘発への協力を義務づけたことだ。国民がスパイ行為を発見した際に当局に通報することも義務化された。

 中国に住む外国人は、SNSでの発信やメールのやりとりを中国当局にすべて把握されることを覚悟しなければならない。職場の同僚の中国人にも気を許せない環境に置かれることになる。

 駐在員の間では「雑談でも通報され、拘束されかねない」との不安が広がっているという。外国人と中国人の深い交流が望めなくなるという極めて異常な事態だ。

 習近平政権は、外国に住む中国人への締め付けも強めている。

 香港の女子学生が日本留学中、香港独立を支持する発信を行ったことを理由に、香港に一時戻った際に逮捕された。国家安全維持法に違反した疑いだという。

 香港当局が学生の日本在留中の発信を監視していて摘発したのは間違いない。日本の主権が侵害されたのに等しいのではないか。

 統制強化の背景には、米国との体制間競争に勝つために、社会のいかなる綻びも許さないという習国家主席の強い意思があるのだろう。昨年はゼロコロナ政策で経済が悪化し、国民の不満が一時噴出したこともあった。

 こうした統制を強めるほど、外国企業と外国人は中国から離れていかざるを得なくなる。中国経済と対外関係に悪影響が出るのは避けられない。

 中国は、自らの言動が、日本をはじめ諸外国の国民感情を著しく傷つけ、友好関係と国益を損ねていることを認識すべきだ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年05月07日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:ネット中傷対策 運営企業の努力促す枠組みに

2023-05-07 05:00:50 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【社説②】:ネット中傷対策 運営企業の努力促す枠組みに

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:ネット中傷対策 運営企業の努力促す枠組みに

 インターネット上で人を 誹謗ひぼう 中傷する情報が飛び交っている。放置することはできない。

 SNSを運営する企業が自主的に対応を強化するよう、政府は適切な枠組みを構築してもらいたい。

 総務省の有識者会議が、ネット上での誹謗中傷に関し、海外のIT大手を念頭に、SNS運営企業の責任を明確化するための方策について検討を始めた。今夏にも報告書をまとめるという。

 SNSでの誹謗中傷は、2020年に女子プロレスラーの木村花さんが、テレビ番組での言動を巡って心ない言葉を浴び、自殺したことで社会問題となった。

 若年層の被害も多いといい、影響は深刻だ。実効性ある抑止策を講じねばならない。

 木村さんの問題を機に、国は既に対策に乗り出している。

 被害者が、損害賠償や謝罪を求めるには投稿者を特定する必要がある。政府は20年以降、ネット接続事業者に関する法令を改正し、誹謗中傷を投稿した人の電話番号も開示できるようにした。

 投稿者の特定までに複数回を要していた裁判手続きを原則1回で済むようにした。刑法上の侮辱罪の罰則も強化した。

 そうした対策が効果を上げるかどうかは不透明だ。総務省の違法・有害情報相談センターへの21年度の相談件数は6300件に上り、前年より1000件近く増えた。さらなる対策が急がれる。

 昨年12月に論議を始めた総務省の有識者会議は、新たにSNSの運営企業などに対する規制について検討している。

 運営企業に対して、投稿の内容をしっかり監視する体制が整っているか、不適切な投稿の削除などを実施しているか、といった点について定期的に情報の開示を求める制度を設ける方向だ。

 ヤフーは既に定期的に削除件数を公表しているが、ツイッターや、メタが運営しているフェイスブックのような海外のSNSでは、日本での体制や削除件数を詳しく開示していない例が目立つ。

 苦情を申し立てた利用者への対応も不十分だという。

 SNSは生活に欠かせないインフラとなった。運営企業の社会的責任は重い。情報開示の徹底で、透明性を高めることが重要だ。

 一方で、正当な批判的意見まで封じるような、制度の乱用を防ぐことも大切になる。過度な規制は「表現の自由」を妨げる恐れがある。被害の防止とのバランスに配慮した制度設計が不可欠だ。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年05月07日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説①】:能登震度6強 強い余震への警戒怠らぬよう

2023-05-07 05:00:45 | 【災害・地震・津波・台風・竜巻・噴火・落雷・豪雪・大雪・暴風・土石流・気象状況】

【社説①】:能登震度6強 強い余震への警戒怠らぬよう

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説①】:能登震度6強 強い余震への警戒怠らぬよう

 大型連休のさなかに、石川県能登地方が震度6強の強い揺れに見舞われた。今後も大きな余震が発生する恐れがあり、引き続き警戒が必要だ。 

 5日午後2時40分過ぎ、能登地方を震源とする地震が発生した。マグニチュードは6・5、震源の深さは12キロで、石川県では珠洲市で震度6強を観測した。このほか能登町で震度5強、輪島市では5弱が記録された。

 珠洲市では、男性がはしごから転落したほか、倒壊した建物の下敷きになったり、転倒したりして、死傷者が複数出ているという。政府や自治体は、被害の実態把握を急ぎ、被災者の救助に全力を挙げてもらいたい。

 能登地方では、2020年末以降、比較的小さな地震が頻発していた。昨年6月には、珠洲市で震度6弱と震度5強を観測する地震が2日続けて発生し、気象庁が警戒を呼びかけていた。

 地下の水やマグマの動きが原因とみられているが、今回の強い地震と、これまでの頻発の関連は、詳しくわかっていないという。

 気象庁は、今後も1週間程度は同規模の地震が起きる可能性があるとしている。沿岸部で発生した場合、津波を伴う懸念もある。住民は、避難の経路や場所を確認しておいてほしい。

 現地では今後、降雨が予想されている。揺れで緩んだ地盤が余震や雨によって崩れる恐れがある。斜面などの危険な場所には近づかないことが重要になる。

 寝る場所は、家具や食器棚が倒れてこない場所を選ぶようにしたい。落下物にも注意が必要だ。

 大型連休中の地震発生に、予定の変更を強いられた旅行客も少なくなかったのではないか。新幹線が運転を見合わせるなど、交通機関に影響が出た。

 コロナ禍による水際対策が終了し、日本を訪れる外国人観光客が増えている。突然の出来事に、驚いた外国人もいたに違いない。

 政府や自治体は、外国人を含む観光客向けの情報発信や災害対策にも力を入れることが大切だ。

 今回の地震では、長周期地震動の緊急地震速報が初めて発表された。長周期地震動が発生すると、高層マンションの上層階などでは、大きく、ゆっくりした横揺れが長く続くことになる。

 都市部では、大地震の際の課題とされているが、まだ広く知られているとは言い難い。今回の発表を機に、高層ビルで働く人や高層階に住む人は、長周期地震動への備えも忘れないようにしたい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年05月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【社説②】:米利上げ継続 銀行破綻の悪影響を精査せよ

2023-05-07 05:00:40 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

【社説②】:米利上げ継続 銀行破綻の悪影響を精査せよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:米利上げ継続 銀行破綻の悪影響を精査せよ

 利上げ継続が、くすぶり続ける金融不安や米国の景気にどのような影響を与えるのか。米連邦準備制度理事会(FRB)は慎重に見極めて、今後の政策運営にあたるべきだ。

 FRBは、政策金利を0・25%引き上げて、年5~5・25%とした。2022年3月にゼロ金利政策を解除して以降、利上げは10回連続だ。政策金利は07年以来、約16年ぶりの高水準となった。

 米国では、3月に中堅銀行のシリコンバレー銀行など2行が相次ぎ経営破綻した。今月1日には、ファースト・リパブリック銀行が破綻したばかりだ。

 金融不安の懸念が消えない中で利上げの継続を決めたことについて、パウエル議長は記者会見で、「インフレ圧力はなお強い。(物価上昇率を)目標の2%に戻すまでの道のりは長い」と述べた。

 インフレは、特に低所得者らへの打撃が大きい。物価上昇を抑止することは重要だ。

 3月の米消費者物価指数は9か月続けて伸び率が下がったものの前年同月比で5%上昇し、FRBが目標とする2%を上回った。人手不足による賃金アップが、サービスの価格を押し上げている。

 米国の23年1~3月期の実質国内総生産(GDP)は、年率換算で前期比1・1%増と、3四半期連続のプラス成長だった。個人消費が高い伸びを示した。

 米景気が堅調なことも、利上げの判断を後押ししたのだろう。

 だが、金融不安が収まるかどうかは予断を許さない。

 FRBの利上げで、保有する国債などの資産価格が下落し、銀行の財務状況が悪化している。銀行が融資の基準を厳しくし、「貸し渋り」が広がりかねない。企業や家計へのお金の流れが滞ると、景気を失速させる恐れがある。

 銀行の融資の厳格化は、中央銀行の利上げと同様に、景気を冷やす効果があるとされる。FRBは、金融不安が実体経済に及ぼす影響を精査せねばならない。

 急速な利上げに伴い、年後半に向けて米景気が悪化に向かうとの見方が出ている。今後の焦点は、利上げをいつ停止するかだ。

 今回の声明文は、先行きの金融政策の指針について、追加利上げの必要性に関する文言を修正し、次回の6月に利上げを停止する可能性を示唆している。

 FRBの政策変更は、世界の金融市場に大きく作用する。景気と物価の動きを点検しながら、政策の方向性について丁寧な情報発信に努めてもらいたい。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年05月06日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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