路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

《社説①・01.25》:首相の施政方針演説 肝心なことを避けている

2025-01-25 02:07:50 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

《社説①・01.25》:首相の施政方針演説 肝心なことを避けている

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.25》:首相の施政方針演説 肝心なことを避けている

 内外の懸案にどのように対処するのか。国民への説明を避けて通るようでは、理解と納得は得られない。

 通常国会が召集され、石破茂首相が施政方針演説を行った。今年1年間に取り組む政策の見取り図を示す場である。

 しかし、演説は具体性に乏しく、説得力を欠く内容だった。

<picture>衆院本会議で施政方針演説をする石破茂首相=国会内で2025年1月24日午後2時6分、平田明浩撮影</picture>

 衆院本会議で施政方針演説をする石破茂首相=国会内で2025年1月24日午後2時6分、平田明浩撮影

 国づくりのキャッチフレーズは示した。人口減少下で、国家や企業よりも国民一人一人が主役となる「楽しい日本」の実現を目指すという。 

 そのための政策の柱に据えたのが、地方創生による一極集中の是正だ。地方で若者や女性の居住を促す方策などを列挙したが、多くが従来の焼き直しである。

 経済政策も曖昧だ。「物価上昇に負けない賃上げ」を後押しするなどと述べるにとどまった。財政健全化に真摯(しんし)に取り組む姿勢もうかがえなかった。

 いずれも今国会で焦点となるテーマのはずである。

 「政治とカネ」の問題も踏み込み不足だ。幕引きを急ぐのではなく、政策をゆがめかねない企業・団体献金の禁止を決断すべきだ。

 「米国第一」を掲げるトランプ大統領とどう向き合うのか。最大の外交課題であるにもかかわらず、戦略は明示されていない。

 少数与党の政権にとって、今国会はまさに正念場だ。衆院で多数派を占める野党の協力を得なければ、国民生活を左右する来年度予算案などを可決できない。

 減税や歳出拡大を求める野党に対し、首相は「責任ある立場での熟議」を呼びかけた。財源の問題などを念頭に置いた発言だ。

 だが、そうであるなら、まずは政権が方針を明確化し、開かれた国会の場で議論するのが筋だ。一部野党との協議で「数合わせ」を優先するようでは、熟議の実現はおぼつかない。

 政権のビジョンを正面から語り、幅広い意見を踏まえて合意形成する。それこそが「熟議の国会」で求められる首相の姿勢である。 

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月25日  02:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・01.25》:日銀が追加利上げ 暮らしへの影響目配りを

2025-01-25 02:07:40 | 【金融・金融庁・日銀・株式・為替・投資・投機・FRB・「ドル円」・マーケット】

《社説②・01.25》:日銀が追加利上げ 暮らしへの影響目配りを

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・01.25》:日銀が追加利上げ 暮らしへの影響目配りを

 金融政策の正常化が、また一歩進んだ。日本経済を活性化する上で避けて通れない道だ。ただ、暮らしに与える影響を注視しなければならない。

 日銀が24日の金融政策決定会合で、政策金利を現行の年0・25%程度から同0・5%程度に引き上げることを決めた。昨年7月に続く利上げ決定で、政策金利は2008年10月以来の水準となる。 

日銀が政策金利を年0・5%程度に引き上げることを決めた。昨年7月に続く追加利上げで、政策金利は2008年10月以来の高水準となる。金融政策決定会合後の記者会見に臨む植田和男総裁=東京都中央区で2025年1月24日午後4時36分、小林努撮影

 消費者物価上昇率は、24年まで3年連続で物価目標の2%を上回っている。堅調な企業業績を背景に今春闘でも高い賃上げ率が予想されており、日銀は「賃金と物価の好循環」が続くと見込んだ。トランプ米政権発足に伴う市場の混乱も起きなかったことから、経済の実勢に比べて低すぎる金利を調整する好機と判断した。

 日銀はこの日、25年度の物価上昇率見通しを昨年10月時点の1・9%から2・4%に上方修正した。植田和男総裁は記者会見で、物価目標の継続的な達成に自信を示した。「経済・物価見通しが実現していけば、それに応じて金利を引き上げていく」と述べ、さらなる金融正常化に意欲を見せた。

 ただ、足元の物価上昇は円安による輸入品高騰を反映した面が強い。賃上げが物価高に追いついておらず、個人消費は低迷したままだ。利上げに伴って、住宅ローンの返済負担が増す家計や、借り入れコストが高まる中小企業の動向を注意深く見ていく必要がある。

 日本はバブル崩壊後、デフレに陥り、1995年9月以降、政策金利が0・5%を超えたことがない。国民が「金利のある世界」に適応できないうちに利上げを急げば、景気を腰折れさせる。

 トランプ政権の高関税政策が世界経済や市場を動揺させるリスクも消えたわけではない。関税が引き上げられれば、日本企業にも打撃が及ぶ。

 政府の財政運営への影響も懸念材料だ。国債の金利上昇に備え、石破茂政権は借金頼みの状況から脱却を急ぐべきだ。

 次の利上げが行われると、政策金利は0・75%となる可能性が高く、この30年間経験したことがない領域に入る。日銀はこれまで以上に国内外の経済情勢を丹念に点検し、適切なタイミングを探る必要がある。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月25日  02:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《余録・01.25》:満ち足り愉快な気持ちを表す…

2025-01-25 02:07:30 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

《余録・01.25》:満ち足り愉快な気持ちを表す…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・01.25》:満ち足り愉快な気持ちを表す…

 満ち足り愉快な気持ちを表す「楽しい」という言葉の語源は諸説ある。一説によると、手(た)を伸ばして喜ぶことに由来する(日本語源大辞典、小学館)

 ▲そんな伸びやかな心境を指す言葉が、政権のスローガンに登場した。石破茂首相が施政方針演説などで掲げた「楽しい日本」である。作家の故・堺屋太一氏の著作からの引用で、富国強兵による「強い日本」、経済が栄える「豊かな日本」に続く新しい国の姿としている。首相は演説で「今日より明日はよくなると実感でき、一人一人が自己実現を図れる」国づくりを強調した

衆院本会議で施政方針演説をする石破茂首相(手前)=国会内で2025年1月24日午後2時5分、平田明浩撮影
 
堺屋太一さん

 ▲故・安倍晋三元首相はかつて「美しい国、日本」を掲げた。「楽しい日本」は、社会の閉塞(へいそく)感を打ち破りたいというメッセージなのだろう。だが、困難に向き合いながら暮らす人々に、このかけ声は響くだろうか。目標とはいえ、現実との落差に違和感を覚える人も多いはずだ

 ▲国会では少数与党の厳しい現実が首相を待つ。「手を伸ばす」といえば、自民党は日本維新の会と教育無償化を巡り協議するなどテーマ別に各党と接点を探り、局面打開を図る。楽しいどころか、四苦八苦だ

 ▲偶然ながら、渦中にあるフジテレビの発展期のキャッチフレーズは「楽しくなければテレビじゃない」だった。組織のゆがみは当時から始まっていたのかもしれない

 ▲中身ある政策を示すことはもちろん、まずは政治とカネの問題に向き合い信頼を取り戻すことだ。さもないと「楽しい日本」の言葉ばかりが上滑りしてしまう。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】 2025年01月25日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・01.24》:トランプ2.0 高関税政策の発動 貿易戦争に勝者はいない

2025-01-25 02:06:50 | 【経済・産業・企業・起業・関税・IT・ベンチャー・クラウドファンティング

《社説①・01.24》:トランプ2.0 高関税政策の発動 貿易戦争に勝者はいない

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.24》:トランプ2.0 高関税政策の発動 貿易戦争に勝者はいない 

 世界経済に打撃を与えるだけでなく、国際秩序も揺るがす。「米国第一」を振りかざす独善的な保護主義は混乱を広げるだけだ。

大阪市で開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の関連イベントに出席したトランプ米大統領(前列左)と習近平中国国家主席(同右)=2019年6月28日(代表撮影)

 トランプ米大統領は、政権2期目の政策の柱に再び高関税の発動を据えた。メキシコとカナダに25%、中国には追加で10%を2月1日にも課す意向を表明した。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2025/01/24/20250124k0000m010021000p/9.webp?1" type="image/webp" />環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の閣僚級会合に出席した参加国の代表ら=東京都港区で2019年1月19日、丸山博撮影</picture>
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)の閣僚級会合に出席した参加国の代表ら=東京都港区で2019年1月19日、丸山博撮影

 不法移民と麻薬の流入への対抗策として打ち出した。相手国から取り締まり強化などの譲歩を引き出したいのだろうが、筋違いの圧力を強めれば、反発を買うばかりだ。報復の応酬を招きかねない。

 影響が及ぶのは3カ国にとどまらない。人件費の安いメキシコでは日本や欧州の自動車会社の工場が多数操業し、対米輸出の拠点となっている。業績が落ち込めば、日欧の経済悪化も避けられない。

 ◆米経済にも打撃の恐れ

 トランプ氏は、より強硬な高関税政策の実行にも意欲を示している。同盟国である日欧も含めた全ての国に10~20%、中国には60%を課す案だ。

 1期目よりも税率が高く、対象国も拡大させている。世界で高関税をかけ合う深刻な事態が広がる恐れもある。

 国際通貨基金(IMF)は、今年の世界経済について、インフレが落ち着き、成長率は3%強に上向くとの予測を示してきた。だが「トランプ関税」で1%近く押し下げられる可能性があると試算する。リーマン・ショックやコロナ禍に次ぐ打撃となりかねない。

 トランプ氏が以前から問題視しているのは、米国が抱える多額の貿易赤字だ。「外国製品が製造業を痛めつけ、雇用も失わせた」と批判する。「外国に課税して、米国を富ませる」と関税を徴収する組織の設置も決めた。

 だが米国の国益も大きく損なわれるリスクがある。

 関税を実際に負担するのは米国の輸入業者である。コストの大半は販売価格に転嫁されるのが通例だ。世界各国に関税を課せば、値上がりする輸入品も多くなり、生活に苦しむ国民が増える。

 製造業の衰退に歯止めを掛けるのも難しい。1期目も日本などの鉄鋼製品に高関税を課したが、米国企業の高コスト体質が温存され、競争力を一段と低下させただけに終わった。

 多国間の枠組みを軽視する姿勢も見過ごせない。

 大国が経済力や軍事力に物を言わせて高関税で相手を威圧し、自国に都合の良い譲歩を勝ち取る。不動産売買で富を築いたトランプ氏が得意とする2国間の「ディール(取引)」だ。

 だが、一方的な高関税の発動は世界貿易機関(WTO)のルールで禁じられている。各国の利害が対立する場合、WTOなどを通じ、対等の立場で調整するのが国際法の原則である。

 ロシアのウクライナ侵略で「法の支配」が揺らいだ。多国間の枠組みを主導してきた米国が自らルールをないがしろにすれば、秩序は根底から覆りかねない。

 ◆自由貿易守る努力こそ

 第二次大戦後、各国は協力して互いに関税を引き下げる自由貿易を推進してきた。戦前の大恐慌後、高関税政策が対立を先鋭化させ、大戦の引き金となったことへの反省が背景にある。

 冷戦終結後は経済のグローバル化が加速した。先進国は新興・途上国に工場を建設し、自由貿易によって国境を超えた取引が活発化した。安い製品が出回り、多くの消費者が恩恵を受けた。

 ウクライナ危機などを受けて、安全保障に関わる重要物資の国内生産体制を強化する動きが目立っている。各国の経済的な結びつきを無理に断ち切れば、悪影響は世界に及ぶ。

 とりわけ協調を支えてきた日本や欧州の役割は大きい。

 日本など12カ国で自由貿易圏を構成する「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」を拡充する必要がある。

 トランプ政権が1期目に離脱した後も、東南アジア諸国やオーストラリアなど残る11カ国で維持してきた実績がある。昨年末には英国も加盟し、経済規模は世界の15%を占めるようになった。

 インドネシアなど参加を希望する国も多い。加盟国を増やせば、保護主義の広がりを食い止める「防波堤」にもなりうる。

 貿易戦争に勝者はいない。国際社会に求められるのは、自由貿易を柱とした多国間の枠組みを守っていく取り組みである。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月24日  02:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《余録・01.24》:今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台は吉原…

2025-01-25 02:06:40 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌】

《余録・01.24》:今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台は吉原…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・01.24》:今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台は吉原…

 今年の大河ドラマ「べらぼう」の舞台は吉原。華やかな幕府公認の遊郭と異なり、品川や新宿などには非公認の岡場所があった。岡には傍らや脇の意味がある。銭形平次ら岡っ引き、出前に使う岡持ちも同様らしい

旧吉原で25年ぶりに復活した「おいらん道中」=東京都台東区で1975年5月18日撮影

 ▲「岡積もり」は事情を知らない局外者の当て推量。「岡目八目」ははたで見ている方が冷静に判断できることを指す。タレントの中居正広さんと女性のトラブルをめぐるフジテレビの対応に関しては物言う株主の「岡目」が的確だった

フジテレビ本社=東京都港区で2025年1月23日午後4時51分、幾島健太郎撮影

 ▲フジの持ち株会社の大株主である外資系ファンドが書簡を出し、真相究明や責任の明確化を求めた。テレビ映像さえない社長会見に疑問を呈し、日弁連基準に沿わない第三者委員会設置には「真相隠蔽(いんぺい)の疑いが生じる」とダメ出しした

 ▲スポンサーが次々に離れ、流れるのは公共広告ばかりになってようやく日弁連基準の委員会設置が決まった。「コーポレートガバナンス(企業統治)の欠陥」というファンドの指摘ももっともだ

 ▲中居さんはファンに向けて引退を表明した。だが、フジが責任を果たすのはこれからだ。トラブルに社員が関与していたという週刊誌報道は「岡積もり」に過ぎないのか。第三者委員会の「岡目」できちんと検証してもらわなければならない

 ▲「べらぼう」の主人公で版元の蔦屋(つたや)重三郎はいわば江戸の主要メディアの経営者。つき合った浮世絵師や作家と生まれ育った吉原を遊び歩いたと伝えられるが、令和の時代にそんな接待が許されないことは言うまでもない。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】 2025年01月24日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・01.23》:トランプ2.0 米国のパリ協定離脱 気候対策後退を懸念する

2025-01-25 02:05:50 | 【地球温暖化・温室効果ガス・排出量取引・国連条約COP・IPCC・海水温上昇

《社説①・01.23》:トランプ2.0 米国のパリ協定離脱 気候対策後退を懸念する

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.23》:トランプ2.0 米国のパリ協定離脱 気候対策後退を懸念する 

 地球温暖化に歯止めをかけようとする国際社会の努力に水を差すようなことがあってはならない。

 トランプ米大統領が、温暖化対策の国際ルール「パリ協定」から再び離脱する大統領令に署名した。

パリ協定を採択した国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)=フランス・パリで2015年12月(同条約事務局提供)

 「世界で最もエネルギーコストの安い国」を目指し、バイデン政権時代の政策を転換する。「(化石燃料を)掘って掘って掘りまくれ」と、規制緩和による石油や天然ガスの増産を促す一方で、大規模風力発電や電気自動車(EV)などへの支援策を撤回する。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2025/01/23/20250123ddm005070119000p/9.webp?2" type="image/webp" />著名人も多く暮らす高級住宅地パシフィックパリセーズ近くで燃え広がる火災=米西部ロサンゼルスで2025年1月7日、ロイター</picture>
著名人も多く暮らす高級住宅地パシフィックパリセーズ近くで燃え広がる火災=米西部ロサンゼルスで2025年1月7日、ロイター

 各国は温室効果ガス排出量の実質ゼロに向け、来月までに新たな削減対策を国連に提出するよう求められている。米国は昨年、「2035年までに05年比61~66%減」という目標を発表した。その扱いも不透明となった。 

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2025年01月23日  02:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《余録・01.23》:「久方のアメリカ人のはじめにし…

2025-01-25 02:05:40 | 【社説・解説・論説・コラム・連載・世論調査】:

《余録・01.23》:「久方のアメリカ人のはじめにし…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《余録・01.23》:「久方のアメリカ人のはじめにし…

 「久方のアメリカ人のはじめにしベースボールの面白きかな」。詠み手の正岡子規が「野球」の名付け親という俗説がある。「野(の)球(ぼーる)」を雅号に使って誤解が生じたが、ベースボールの訳ではなかった

 ▲子規には日本野球の始まりをめぐる逸話もある。新聞に「明治14、15年ごろ」と自説を書いたところ「明治5(1872)年」と反論され、あっさり撤回。この年にお雇い米国人教師が伝えたことが定説になった

 ▲物事の発祥に諸説あるのは万国共通。本場の米国では南北戦争の北軍の英雄、ダブルデイ将軍が少年期に発明したと信じられてきた。発祥100年の1939年に初試合の地とされたニューヨーク州クーパーズタウンに野球殿堂が誕生した

シーズン最多の262安打を記録後、九回途中で交代し観客の声援に応えながらベンチに引き揚げるイチロー=米シアトルのセーフコ・フィールドで2004年10月3日、竹内幹撮影

 ▲今では伝説にすぎず将軍は無関係とわかったが、殿堂の輝きに変化はない。そこにイチローさんがアジア人として初めて加わった。史上2万を超える選手から270人余しか選ばれていない狭き門。ベーブ・ルースら偉大な名選手たちと肩を並べたことになる

<picture>シーズン最多の262安打を記録後、野球殿堂博物館の一角に新設されたイチローの展示コーナー=米ニューヨーク州クーパーズタウンで2004年11月8日、野村隆宏撮影</picture>

シーズン最多の262安打を記録後、野球殿堂博物館の一角に新設されたイチローの展示コーナー=米ニューヨーク州クーパーズタウンで2004年11月8日、野村隆宏撮影

 ▲年間最多記録の262安打。「エリア51」からのレーザービーム。走攻守で才能を輝かせたイチローさんはホームランが乱れ飛ぶ「ステロイド時代」の米野球に刺激を与え、原点を思い出させた

 ▲子規も特別枠で加わっている日本の野球殿堂にも選ばれたばかり。「野球は、もうすこしおおらかであっていい。ベースボールは、もうすこし緻密であっていい」。渡来まもない球技を愛した明治の歌人にも聞かせたいイチロー語録である。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【余録】 2025年01月23日  02:02:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・01.22》:トランプ2.0 米国第一の復活 これが「偉大な国」なのか

2025-01-25 02:04:50 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

《社説①・01.22》:トランプ2.0 米国第一の復活 これが「偉大な国」なのか

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.22》:トランプ2.0 米国第一の復活 これが「偉大な国」なのか

 国内の対立をあおり、世界の分断を広げる。それが目指すべき「偉大なアメリカ」の姿だとでも言うのだろうか。

 「米国第一」を掲げる共和党のドナルド・トランプ氏が大統領に再び就任した。昨年の大統領選で勝利し、復活を果たした。 

米連邦議会議事堂で行われた大統領就任式で、演説するドナルド・トランプ大統領(中央)=ワシントンで2025年1月20日、ロイター

 2回目の就任宣誓式は異例ずくめだった。寒さを理由に屋外から連邦議会議事堂内に会場を移し、規模は大幅に縮小された。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2025年01月22日  02:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・01.21》:ファクトチェックの廃止 偽情報の拡散を懸念する

2025-01-25 02:03:50 | 【報道=事実に裏打ちされた報道、ファクトチェック(事実検証)・フェイク(偽...

《社説①・01.21》:ファクトチェックの廃止 偽情報の拡散を懸念する

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.21》:ファクトチェックの廃止 偽情報の拡散を懸念する

 偽情報の拡散を助長するだけではないか。情報インフラを担うプラットフォーム企業としての責任を自覚する必要がある。

 米メタがフェイスブックやインスタグラムなどSNS(ネット交流サービス)で、偽情報を特定するファクトチェック機能を廃止すると発表した。 

メタの本社=米西部カリフォルニア州メンローパークで2023年11月18日、大久保渉撮影

 トランプ氏が初当選した2016年の米大統領選で、偽情報の拡散が問題化したことを機に導入された措置だ。ファクトチェック団体や報道機関の検証に基づき、事実でない投稿には「誤り」「一部誤り」などと表示する。

 こうした取り組みを「不当な検閲」と批判してきたトランプ氏が大統領に再選されると、メタのザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は迎合的な行動を取るようになった。私邸を訪ねたり、陣営に100万ドル(約1億5000万円)を寄付したりしている。

 ザッカーバーグ氏は今回、ファクトチェック機能が「政治的に偏り過ぎた」として「表現の自由の原点に立ち返る」と述べた。

 表現の自由が重要なことは言うまでもない。だからといって偽情報を野放しにすれば、人々の判断を誤らせ、社会の分断を深めることになる。

 今のところ対象は米国のみだが、国際ファクトチェックネットワーク(IFCN)は声明で「世界で実施されれば多くの場所で実害が出る」と警告している。

 メタは代わりに、利用者が相互に投稿をチェックし合う機能を導入する方針だ。だが、専門家の関与は保証されず、客観的な視点で真偽を見極められるかは疑問だ。

 メタは今回、他人を傷つけるような不適切な投稿への規制も見直し、削除などの措置を取る際の基準を緩和する。性的少数者や移民などに対する攻撃的な言葉が拡散されやすくなる恐れがある。

 ネット空間の健全性を維持するため、自由と規制のバランスを取る試行錯誤が続けられてきた。メタの方針転換はその努力を無にしかねない。再考すべきだ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2025年01月21日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・01.21》:女子医大の元理事長逮捕 経営私物化の全容解明を

2025-01-25 02:03:40 | 【大学「国公立・私学・大学院・医学系・工学部系」、大学ファンド=優秀な研究成果】

《社説②・01.21》:女子医大の元理事長逮捕 経営私物化の全容解明を

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・01.21》:女子医大の元理事長逮捕 経営私物化の全容解明を 

 大学の経営がむしばまれ、医療機能が低下した。私物化の全容を解明しなければならない。

 東京女子医科大の岩本絹子・元理事長が背任容疑で逮捕された。

岩本絹子・元理事長の逮捕を受けた記者会見を終え、一礼する東京女子医科大の清水治理事長(右)と山中寿学長=東京都新宿区で2025年1月13日午後4時2分、北山夏帆撮影

 新校舎2棟の建設で、実態のないアドバイザー業務の対価として建築士に報酬を支払うなどし、大学に1億円余の損害を与えたとする容疑だ。うち約3700万円は元理事長に渡ったとみられる。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2025/01/21/20250121ddm005070122000p/9.webp?1" type="image/webp" />東京女子医科大と元理事長の岩本絹子容疑者を巡る経過</picture>
東京女子医科大と元理事長の岩本絹子容疑者を巡る経過

 新病棟建設の際にも、建築士に支払った報酬から、約5000万円を自身に還流させた疑いが出ている。トップを務めた同窓会組織で、職員らに不明朗な支出をした疑惑もある。

 事実とすれば、立場を悪用して私腹を肥やすという言語道断の行為だ。捜査を尽くす必要がある。

<picture>東京女子医科大の岩本絹子・元理事長=大学ホームページより</picture>
東京女子医科大の岩本絹子・元理事長=大学ホームページより

 元理事長は大学創立者の親族で、2014年に大学の経営を統括する役職に就いた。付属病院で鎮静剤を大量投与された男児が死亡する事故が起き、経営が低迷していた時期だ。

 再建を託されたが、その手法は人件費の抑制や施設の集約など、徹底したコストカットだった。

 一時は黒字に戻したものの、待遇悪化で医師や職員の大量退職を招いた。事故を教訓に設置された「小児集中治療室」も短期間で閉鎖された。病床利用率は落ち込み、収支は再び赤字に転落した。

 一方で、自身の報酬は増額させていた。大学が設置した第三者委員会の報告書は「金銭に強い執着心を持っていた」と指摘する。

 異論を唱える人は排除され、経営陣は「岩本1強」体制になっていった。とはいえ、専横を止められなかった周囲の責任は重い。

 女子医大は、女性医師の養成に特化した国内唯一の大学だ。臓器移植や消化器などの専門医療でも評価されている。

 教育機関や高度医療の拠点として社会的責任がある。公費助成や税の優遇も受けている。

 混乱で最も影響を受けるのは学生と患者である。ガバナンスと経営の立て直しが急務だ。

 私立大の経営トップによる不祥事が相次ぐ。今年4月には、理事会に対するチェック体制を強化する改正私立学校法が施行される。

 公正で風通しの良い組織であるか、運営体制の不断の点検が求められている。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2025年01月21日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・01.20》:戦後80年 憲法のこれから 国民が議論を取り戻す時

2025-01-25 02:02:50 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

《社説①・01.20》:戦後80年 憲法のこれから 国民が議論を取り戻す時

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.20》:戦後80年 憲法のこれから 国民が議論を取り戻す時

 戦後日本の政治と社会を形づくったのが1947年施行の日本国憲法だ。民主化の旗印となる一方で、連合国軍総司令部(GHQ)の占領下に制定された特殊な経緯もあり、平和主義の象徴である憲法9条を巡る与野党の政治的対立が続いた。

<picture>衆院憲法審査会で本格的な議論が始まり、議事を進行する枝野幸男会長(中央)=国会内で2024年12月19日午前10時4分、平田明浩撮影</picture>

衆院憲法審査会で本格的な議論が始まり、議事を進行する枝野幸男会長(中央)=国会内で2024年12月19日午前10時4分、平田明浩撮影

 昨年の衆院選で自民党が大敗し、改憲勢力は改正の発議に必要な3分の2の議席数を衆院で維持できなかった。改正の動きがやや沈静化したようにみえるいま、議論のあり方を改めて考えたい。 

 憲法を巡る戦後の議論の特徴は、制定過程を「押しつけられた憲法だ」と批判する立場から、保守勢力を中心とする改憲論が提起され続けたことである。

新憲法施行の5月3日、憲法普及会主催の記念式典場宮城前広場で横なぐりの雨の中、式典に参加した人たちの万歳に応える昭和天皇(中央)=東京都千代田区で1947年5月3日、写真部員撮影

 55年に保守勢力が合同し、自民党が誕生した。初代総裁となる鳩山一郎首相は、結党直後の国会で「わが国を真の独立国家に立ち返らせるためには何よりもまず、憲法を作りかえることが大切だ」と改憲を目標の筆頭に掲げた。

 だが、翌56年参院選で改憲派は参院において発議に必要な勢力の確保に至らず、時代は高度成長期に移る。自民党に護憲勢力の野党・旧社会党が対抗する「55年体制」と経済重視路線の下で、改憲は実質的に封印された。

 GHQによって現憲法の土台が整えられたことは事実だが、毎日新聞が46年5月に掲載した世論調査は示唆に富む。知識層から抽出して草案について聞いたところ、象徴天皇制に85%が賛成し、戦争放棄条項の制定に7割が賛意を示した。戦禍を経験した国民に憲法の理念は受容されていた。

<picture><source srcset="https://cdn.mainichi.jp/vol1/2025/01/20/20250120k0000m010003000p/9.webp?1" type="image/webp" />衆院本会議での代表質問答弁で「自衛隊合憲」を明言した村山富市首相=国会で1994年7月20日撮影</picture>
衆院本会議での代表質問答弁で「自衛隊合憲」を明言した村山富市首相=国会で1994年7月20日撮影

 9条が戦力不保持を定めることと自衛隊の整合性を巡る論争は続いた。だが、戦後50年を控えた94年、それまで自衛隊違憲論を主張していた旧社会党の党首、村山富市首相が「自衛隊合憲」を表明し方針転換した。自衛隊の存在が国民に定着する中で、改正せずとも合憲とする政治的合意が形成されていった結果といえよう。

 2012年から8年近く続いた安倍晋三首相(故人)の在任時はひとつの節目だった。

 改憲論者である安倍氏は憲法について、「GHQの人たちが、たった8日間でつくりあげた代物だ」と語っていた。改正手続きを定める96条の見直しや安全保障環境の変化を掲げ、改憲に結びつけようとした。

 憲法改正を巡り、各種世論調査が示す国民の意識は複雑だ。一般論として是非を問うと、肯定派が若干多い傾向が近年は浮かぶ。

 ただし、改憲は優先度の高い課題とみなされていない。毎日新聞による昨秋の世論調査でも石破茂内閣に取り組んでほしい政策(複数回答)に「憲法改正」と答えた人は16%にとどまる。「物価対策」(72%)、「社会保障」(51%)などに比べてかなり低い。

 ◆古い殻を脱却すべきだ

 戦後の保守勢力を中心とする改憲論議は、革新勢力への対抗や結束の維持など、政治目的に主眼が置かれてきた。その結果、国民にとっての必要性や納得感は置き去りにされてきた。「押しつけ」を理由とする改憲論はすでに破綻している。

 現在、自民党や改憲派の政党は緊急事態で選挙の実施が困難になった場合に備え、国会議員の任期延長を可能にする改正を優先すべきだと主張している。憲法には参院の緊急集会を定める条項があるため、野党には慎重論も根強い。

 改憲の実現を急ぎ、ハードルが低そうな条項から改正を図る発想は「お試し改憲」と呼ばれている。求められるのは、もちろんそんな安直な議論ではない。

 社会の変化に応じた国の将来像を構想する必要がある。基本的人権を巡っては、ジェンダー平等やLGBTQなど性的少数者の権利保障のように、多様性の尊重が課題となっている。

 戦後に設置された参院の現状はどうか。行政に加え、衆院をチェックする独自性の発揮が期待されたが、衆院との同質化が進んだ。しかも、ひとたび与野党勢力が衆参両院で逆転する「ねじれ」が生じると、政争による政治の混乱を招くリスクも抱える。

 「改憲VS護憲」という古い対立構造を引きずる論争から脱却する時だ。国民の手に議論を取り戻す契機としたい。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2025年01月20日  02:03:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説①・01.19》:バイデン外交の功罪 世界の分断を増幅させた

2025-01-25 02:01:50 | 【米国・在日米軍・地位協定、犯罪・普天間移設・オスプレー・安保】

《社説①・01.19》:バイデン外交の功罪 世界の分断を増幅させた

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説①・01.19》:バイデン外交の功罪 世界の分断を増幅させた

 「分断」ではなく「団結」を訴えて4年前に就任したバイデン米大統領が去る。その理想はかなわず、残されたのは、より混迷が深まる世界だ。

 気候変動の枠組みや軍縮条約から離脱して国際協調をないがしろにした「トランプ外交」を転換させると公約した。

イスラエルとハマスが停戦で合意したことについて演説するジョー・バイデン米大統領(中央)=米ホワイトハウスで2025年1月15日、ロイター

 

 「米国は戻ってきた」と訴え、軍事よりも外交を重視し、同盟ネットワークの再構築を主導する姿勢は国際社会から歓迎された。

 成果はあった。日本や韓国との連携を強化し、アジアと欧州の同盟国同士の交流を活発化させた。気候変動への精力的な取り組みは特筆に値する。

 だが、4年間の外交を振り返れば、むしろ際立つのは失策だ。

 対テロ戦争の主戦場だったアフガニスタンでは、放逐した旧支配勢力が再び台頭し、米軍は撤退に追い込まれた。これがつまずきのきっかけとなった。

 ウクライナを威嚇するロシアを制止できず、軍事侵攻を許した。イスラエルの過剰な武力行使にも歯止めをかけられなかった。

 中国の軍事力の増強でインド太平洋地域における米国優位のパワーバランスは揺らいだ。北朝鮮やイランの核開発も放置した。

 バイデン外交の失敗は、米国の影響力の低下を浮き彫りにしたともいえよう。

 ともに国際法違反を指摘されたにもかかわらず、ロシアを非難し、イスラエルを擁護する背反した姿勢が国際社会の不信を招いた。

 とりわけ新興・途上国の失望は大きかった。米国と中露が対立する構図の中で、敵味方に分けようとする手法が不評を買った。

 専制主義国家に対抗して開催した民主主義サミットは、招待国の線引きを巡って紛糾し、かえって亀裂を表面化させた。

 米国内の分断も深まった。歴史的なインフレへの対応が後手に回り、格差は広がった。中間層の不満が大統領選での民主党敗北につながった面は否定できない。

 バイデン氏は演説でトランプ次期政権を念頭に「非常に少数の超富裕層に権力が集中する」との懸念をあらわにした。

 国民に向けられた最後の言葉は、団結にはほど遠い米国の現状も映し出している。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2025年01月19日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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《社説②・01.19》:中居氏問題でフジ会見 疑問に答える徹底調査

2025-01-25 02:01:40 | 【新聞社・報道・テレビ・ラジオ・公共放送NHKの功罪・マスコミ・雑誌】

《社説②・01.19》:中居氏問題でフジ会見 疑問に答える徹底調査

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:《社説②・01.19》:中居氏問題でフジ会見 疑問に答える徹底調査

 公共の電波を預かるメディアとして、フジテレビは徹底した調査を通じ、視聴者の疑問に答える責任がある。

 タレントの中居正広さんの女性トラブルを巡る週刊誌報道を受け、フジの港浩一社長が初めて記者会見した。第三者を入れた調査委員会を設置すると発表した。 

記者会見するフジテレビの港浩一社長=東京都港区で2025年1月17日午後3時6分、西本龍太朗撮影

 トラブルは2023年6月に起きた。中居さんは女性と示談したことを認めている。週刊文春は、当日は複数で会食する予定だったが、フジ社員らが現れず2人だけの状況になったと報じた。

 フジは直後にトラブルを把握した。女性の様子の変化に気づいた社員が声をかけ、「センシティブな領域の問題」と認識した。

 だが、その後の対応には疑問がある。まず、事実確認が不十分だったことだ。

 港社長は「女性の心身の回復とプライバシーの保護を最優先にした」と述べたものの、結果的に調査の遅れを招いた。

 昨年末には社員の関与を否定するコメントを出したが、根拠として挙げたのは当該社員への聞き取りや通信履歴の調査だけだった。

 港社長が会見を開いたのも、親会社のフジ・メディア・ホールディングス(HD)の株主である米ファンドから企業統治の欠陥などを指摘され、第三者委員会による調査を求められた後だった。遅きに失したと言わざるを得ない。

 会見では、女性の人権やプライバシーの保護を盾に説明を避け、今後の調査を理由に回答を拒む姿勢が目立った。調査委の具体的な体制や位置付けについても明らかにしなかった。

 文春は、フジ社員からタレントの接待に呼ばれた別の女性の証言も報じている。焦点はフジ社員の関与の有無だ。独立した立場から、公正で厳格な調査がなされなければならない。

 一連の経緯は港社長も報告を受けていたという。結果次第では、経営責任を問われることになる。

 「人権が尊重される社会の実現に力を尽くす」との方針をフジ・メディアHDは掲げている。求められているのは、その理念を自らの行動で示すことだ。

 元稿:毎日新聞社 東京朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】 2025年01月19日  02:01:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【新刊】:愚かなる開戦 近衛文麿、命を賭した和平交渉 著者:鈴木荘一

2025-01-25 00:06:00 | 【第二次世界大戦・敗戦・旧日本軍・広島、長崎原爆投下・国策犠牲・戦後補償

【新刊】:愚かなる開戦 近衛文麿、命を賭した和平交渉 著者:鈴木荘一

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【新刊】:愚かなる開戦 近衛文麿、命を賭した和平交渉 著者:鈴木荘一

愚かなる開戦 近衛文麿、命を賭した和平交渉の詳細を見る

  ヒット作『明治維新の正体』の著者鈴木荘一氏の書き下ろし。日中戦争から太平洋戦争へと至る間に三度首相を務め、その戦争責任を問われ続けてきた近衛文麿のイメージを覆す一冊。永らく封印されていた近衛自筆の終戦工作メモ23枚の全貌を初公開。

 ■[主な内容]
  西園寺公望の後継者/ワシントン体制と「憲政の常道」/
  共産ソ連の防波堤/憲政の常道の終焉/
  昭和ファシズムの発生/二・二六事件/
  幻の宇垣一成内閣/公爵近衛文麿の登場/
  包囲された日本/運命の日米交渉/
  開戦は不可なり/近衛上奏文/
  風雪に耐えた近衛文書

 ■内容紹介

 「天皇の前で足を組めた唯一の男」と言われた近衛文麿の通説を覆す、どの歴史家も踏み込まなかった衝撃の真実!

 近衛「日露戦争はアメリカの調停を前提としていたから勝てた。そのアメリカと戦うとなれば世界大戦となり、調停者がいなくなる。対米戦争は絶対に不可である」

 東条「総理、あなたの論は悲観に過ぎる……人間、たまには清水の舞台から飛び降りることも必要だ」
 
 近衛「それでは……」、

 近衛密使と蒋介石特使による幻の終戦交渉を記録した近衛自筆文書23枚、初公開!

 ■定価:1,650円(本体1,500円+税) 単行本 288頁

 ■発売日 : 2025年01月20日

 ■鈴木荘一 著者プロフィール

 1948年、東京に生まれる。近代史研究家。1971年東京大学経済学部卒業後、日本興行銀行にて審査、産業調査、融資、資金業務などに携わる。2001年日本興業銀行を退社し、以後歴史研究に専念、「幕末史を見直す会」代表として、活動している。
著書には『明治維新の正体』『政府に尋問の筋これあり』(以上、毎日ワンズ)、『日露戦争と日本人』『日本征服を狙ったアメリカのオレンジ計画と大正天皇』(以上、かんき出版)、『アメリカの罠に嵌った太平洋戦争』(自由社)、『幕末会津藩 松平容保の慟哭』『幕末の天才 徳川慶喜の孤独』『それでも東条英機は太平洋戦争を選んだ』『陸軍の横暴と闘った西園寺公望の失意』『昭和の宰相 近衛文麿の悲劇』『雪の二・二六』『三島由紀夫と青年将校』『名将 山本五十六の絶望』(以上、勉誠出版)、『日本陸海軍 勝因の研究』『名将 乃木希典と帝国陸軍の陥穽』『西郷隆盛と大久保利通の明治維新』(以上、さくら舎)などがある。

 「2022年 『平和の武将 徳川家康』 で使われていた紹介文から引用しています。」

 元稿:毎日ワンズ 主要出版物 社会【歴史考証・日中戦争から太平洋戦争へと至る間に三度首相を務め、その戦争責任を問われ続けてきた近衛文麿のイメージを覆す一冊】  2025年01月13日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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【書評】:大阪・関西万博「失敗」の本質 松本創 編著

2025-01-25 00:05:00 | 【偽政者による愚策・失策、官民ファンド、マイナカード、大阪・関西万博】

【書評】:大阪・関西万博「失敗」の本質 松本創 編著

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【書評】:大阪・関西万博「失敗」の本質 松本創 編著

 ◆誤算を認めないニッポンの縮図

 理念がない、仕切り屋もいない、工事も進まない。なぜこんな事態のまま進んでしまったのか? 政治・建築・メディア・財政・歴史の観点から専門家が迫る。

大阪・関西万博 「失敗」の本質 松本 創(編著) - 筑摩書房

 ■内容紹介

 開幕前からあえて「失敗」と断じることには反発も当然あるだろう。だが、こうしたメガイベントというのは、五輪もそうだが、事前に批判すれば「楽しみにしてる人もいるのに水を差すのか」「成功へ努力する関係者の足を引っ張るのか」と言われ、事後に検証すれば「終わったことをいつまでも」「今さら言っても遅い。なぜ事前に言わないのか」と批判されるのである。どんな形であれ、とりあえず終わってしまえば、なんとなく「やってよかった」という空気ができ、それに乗じて関係者は「大成功だった(私の手柄だ)」と言い募る。「成功」の基準がないから、いくらでも恣意的に語られてしまう。そうなる前に、「失敗」と見る立場から問題を整理し、指摘しておくべきだと考えたのである。
(「はじめに」より)

 第1章 維新「政官一体」体制が覆い隠すリスク―万博と政治  木下功

 「歓喜の夜」から一転、次々と噴き出す課題/夢洲は本当に「負の遺産」なのか/橋下知事の「ベイエリア・カジノ構想」から始まった/「松井試案」を後押しするベンチャー経営者/支え合う維新と安倍政権、絡み合うIRと万博/万博は「府市一体の成果」とアピールする維新/予算増を予測できぬ協会、容認する維新首長/15万人が避難? 現実味を欠く防災対策/橋とトンネルは避難路に使えるか/「夢洲は液状化しない」想定の誤り/爆発事故で問われた万博協会の説明不足/巨大事業を検証する仕組みがない/大阪府HPから消えた万博議事録

 第2章 都市の孤島「夢洲」という悪夢の選択―万博と建築  森山高至

 日本の万博出展史に見る海外パビリオンの重要性/建設遅れは参加国ではなく開催国の責任/「夢洲」という悪条件―埋め立て安定せず、地盤沈下続く/地盤対策上の制約その1―長すぎる杭と撤去の問題/地盤対策上の制約その2―掘削制限で地下室が作れず/浚渫土からもメタンガス。爆発の危険は今後も/アクセス悪く電源もなし、「都市の孤島」の難工事/厳しい残業規制が工事進捗の足かせに/参加国をフォローせず、タイプXを勧めた万博協会/参加国の焦り―設計者や工事業者見つからず/電通の不在とゼネコンの「逃げ腰」/木造リングが覆い隠す深刻すぎる工事遅れ/本質見ず、議論もなし。暴走する「机上の空論」

 第3章 「電通・吉本」依存が招いた混乱と迷走―万博とメディア  西岡研介

 東京五輪談合事件の衝撃と余波/電通が牽引した戦後の博覧会60年史/大阪府・市と政府、維新と自民の不協和音/電通が万博に消極的になった理由/吉本興業の「地方創生」ビジネス、大阪府・市との蜜月/読売グループがカジノを批判する理由/IRにらみで万博を盛り上げる吉本の思惑/「大﨑体制見直し」と「松本スキャンダル」/吉本も万博から「完全撤退」/万博協会の失敗は「人事」と「財務」/「哲学」のない万博に成功はあるか

 第4章 検証「経済効果3兆円」の実態と問題点―万博と経済  吉弘憲介

 万博コスト増への反論で持ち出される「経済効果」/そもそも経済波及効果とは何か―短期と中長期の二面から/短期効果と中長期効果、それぞれの問題点/経済波及効果を計算する三つのステップ/経済波及効果と事業の「正当性」は関係ない/万博の短期経済効果はどのように変化してきたか/消費動向、2024年問題……実態と乖離した3兆円試算/「来場者2820万人」の高すぎるハードル/レガシー効果は「公益性」の有無で決まる/公共事業を長期的視点で評価するために/独自調査で判明「大阪でも低い万博評価」/万博の公益性と相容れない維新の「個人の利益追求」志向

 第5章 大阪の「成功体験」と「失敗の記憶」―万博と都市  松本創

 博覧会の成功、湾岸開発の失敗、カジノの未来/博覧会都市の始まり「第五回内国勧業博覧会」/都市を広げ、人・物の流れ変えた70年万博/維新ブレーン・堺屋太一の提案から始まった/「万博に取りつかれた男」との空疎な質疑/排除と差別、博覧会の「負の歴史」/テクノポート計画の挫折、大阪五輪の惨敗/維新の原点「府庁移転計画」と「湾岸開発」/夢洲開催案は本当に検証されたのか/大阪IR―少数の推進派と大多数の無関心/万博を狂わせたIRの誤算―橋爪教授の見解/「過去の成功体験」が「同じ失敗」を呼ぶ懸念
 
 ■初版年月日 2024年8月6日 
 ■定価 990(10%税込)
 
 ■著作者プロフィール 松本創
( まつもと・はじむ )

松本 創(まつもと・はじむ):1970(昭和45)年、大阪府生れ。神戸新聞記者を経て、2021年3月現在はフリーランスのライター。2016(平成28)年、『誰が「橋下徹」をつくったか―大阪都構想とメディアの迷走』で日本ジャーナリスト会議賞を受賞。2019(令和元)年、『軌道―福知山線脱線事故JR西日本を変えた闘い』で講談社本田靖春ノンフィクション賞、井植文化賞を受賞する。ほかに『日本人のひたむきな生き方』『ふたつの震災―[1・17]の神戸から[3・11]の東北へ』(西岡研介氏との共著)などがある。(西岡研介氏との共著)などがある。

 元稿:筑摩書房 主要出版物 ちくま新書 政治【政府・大阪府市・「大阪・関西万博「失敗」の本質」】  2024年10月24日  16:15:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。

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