【日報抄・11.15】:雪の降らない地域の視点に基づく「暖国政治」の打破を掲げたのは、
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【日報抄・11.15】:雪の降らない地域の視点に基づく「暖国政治」の打破を掲げたのは、
雪の降らない地域の視点に基づく「暖国政治」の打破を掲げたのは、本県の初代民選知事・岡田正平だった。1949年の県議会本会議で、こう訴えた
▼「日本の政治は明治の薩長藩閥の政治以来常に日の当たる地域に向けての政治だった」「新しい地方自治法が敷かれても今日なお暖国中心の政治が行われ、積雪寒冷地帯は画一行政の弊に苦しんでいる」
▼かつては中央省庁に雪対策を陳情しても「どんな大雪でも春になれば解けてなくなるでしょう」と、軽くあしらわれたこともあったという。そんな感覚は今でも根強いのか。先日の本紙記事を読んでそう思った
▼原発の重大事故と大雪が重なった際、屋内退避などにはどう取り組めばいいのか。不安を抱える県内の自治体からは詳細な対応基準を求める声が上がる。それなのに中央の当局からは、つれない声しか聞こえてこないようだ
▼事故時の屋内退避の運用を検討するチームを設けている原子力規制委員会は、自然災害での対応の検討は「範疇(はんちゅう)外」としている。原子力防災を担当する内閣府は、被ばくを避けるより自然災害対応を優先する「基本的考え方」を提示しているので「解決済み」との立場だという
▼自宅に退避したものの、大雪がなお続いたとしたら。雪下ろしはどうしたらいいのか。自宅からさらに別の場所には避難できるのか。この地に生きる身からすれば、不安は尽きない。そうした憂いに寄り添うことがなければ、再稼働の地元同意など到底おぼつかないのだが。
元稿:新潟日報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【日報抄】 2024年11月15日 06:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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