路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【主張①・11.28】:加古川事件で逮捕 贖罪の意識を呼び起こせ

2024-11-30 05:01:25 | 【事件・犯罪・疑惑・詐欺・闇バイト・旧統一教会を巡る事件・ネット上の誹謗中傷他】

【主張①・11.28】:加古川事件で逮捕 贖罪の意識を呼び起こせ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【主張①・11.28】:加古川事件で逮捕 贖罪の意識を呼び起こせ 

 夕方の住宅街で女の子が突然、刺殺される。理由も分からず、しかも犯人が捕まらない―。そんな理不尽を遺族に押し付け、社会不安を増大させた重大未解決事件が17年を経て大きく動いた。

 平成19年に兵庫県加古川市で小2だった7歳女児が自宅前で刺殺された事件で、県警は殺人容疑で勝田州彦(くにひこ)容疑者を再逮捕した。

再逮捕され、移送される勝田州彦容疑者=兵庫県たつの市

 この事件は象徴的な未解決事件の一つだった。それだけに、解決へ向かうのは治安情勢の改善に寄与しよう。現在は闇バイト強盗が頻発し体感治安が悪化しているだけに、加古川事件の捜査の進展は意義がある。

 容疑者は同県姫路市で平成27年に女子中学生を刺して逮捕され、その服役中に岡山県津山市で16年に小3女児を刺殺した罪が判明し、無期懲役刑が確定した。さらに、18年に兵庫県たつの市で小4女児を刺した容疑が強まり、今月逮捕された。そして今回の再逮捕である。凶悪な連続女児襲撃事件となった。

 容疑者は任意聴取の段階で犯行を認めていたという。ただ、直接の物証はない。以前から容疑者の存在は警察も把握していたが、乏しい物証がネックだった。県警は今回、遺体や現場などの客観的状況と合致して供述の信用性は高く、余罪手口の酷似から立件できると判断し、逮捕に踏み切ったとみられる。

 総合立証といえば聞こえはいいが、物証がないのは看過できない懸念点だ。今後も犯人性を補強する直接物証の出現は容易には期待できまい。容疑者は過去に裁判で供述を覆した経緯があり、予断を許さない。

 そうなると、重要なのは取り調べだ。容疑者に真に贖罪(しょくざい)意識を持たせることである。罪に向き合わせ、起こした結果の重大性を認識させることだ。

 再逮捕に遺族は「娘が返ってくるわけでもなく、区切りではない。(犯人には)全てを正直に話してほしいと思うばかりです」とコメントした。突然に子を奪われた親の気持ちを調べで容疑者に真に理解させたい。

 容疑者は逮捕前、犯行を認める手紙をフリーライターに送っていたが、そこには自分のことばかり書き連ねて軽薄さが漂い、贖罪意識は垣間見えない。取調官は、身悶(みもだ)えするほどの罪悪感と後悔を容疑者に芽生えさせてほしい。それが真実の供述と解明につながるはずだ。 

 元稿:産経新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【主張】  2024年11月28日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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