路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【社説②】:トルコ大統領 再選で真価問われる仲介外交

2023-06-01 05:00:20 | 【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】

【社説②】:トルコ大統領 再選で真価問われる仲介外交

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説②】:トルコ大統領 再選で真価問われる仲介外交

 ロシアとウクライナ双方の首脳から祝意が寄せられたことは、トルコのエルドアン大統領の独特の立ち位置を象徴している。強みを生かし、和平実現で成果を上げてほしい。

 トルコ大統領選の決選投票で、現職のエルドアン氏が野党統一候補を退け、再選を決めた。首相時代を含めて計20年に及ぶ長期政権がさらに5年続くことになる。

 今後の焦点は、ウクライナ情勢を巡り、エルドアン氏がどのような外交政策をとるかだ。

 トルコは、米欧同盟の北大西洋条約機構(NATO)に加盟している。その意味では「西側」の一員であり、ウクライナにも無人機を供与して支援してきた。

 一方で、エルドアン氏はロシアや中国との良好な関係を誇示している。ロシアからはエネルギーの輸入に加え、米国の反対を押し切って防空システムまで導入した。ウクライナ侵略に関する対露制裁にも加わっていない。

 米欧と中露の間でしたたかに立ち回り、自国の存在感を高めるのがエルドアン外交の特質だ。

 ロシアの妨害によって、ウクライナ産穀物の黒海経由の輸出が途絶えていたのを、国連と共に両国を仲介して再開させたのは、その最大の成果である。

 エルドアン氏は今回の選挙戦でも、仲介者としてのトルコの役割を強調し、和平交渉に乗り出す意欲を示していた。そうであるなら、ロシア軍の攻撃停止と撤収が和平の前提であることをプーチン露大統領に説いてもらいたい。

 トルコと米欧の今後の関係を占ううえで、スウェーデンのNATO加盟問題は試金石となる。

 スウェーデンはロシアの脅威増大を受けてNATOに加盟申請したが、トルコは承認せず、加盟は先送りにされてきた。英仏独などすでに承認した国との温度差は大きい。エルドアン氏はNATOの結束維持に気を配るべきだ。

 エルドアン氏はこれまでの選挙では大差で勝利していたが、今回は接戦に持ち込まれた。強権的な統治や言論弾圧への批判は強く、野党候補の善戦は国内の分断ぶりを浮き彫りにした。

 急激な物価高や通貨安、2月の大地震からの復興など、国内の課題は山積している。エルドアン氏は、反対派の批判にも耳を傾け、国民融和に努めねばならない。

 トルコは伝統的な親日国だ。エルドアン氏が中露のような権威主義に傾斜せず、米欧との協調を保つよう、日本も積極的に働きかける必要がある。

 元稿:讀賣新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2023年06月01日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 【社説①】:首相長男更迭 重... | トップ | 【社説①】:北ミサイル失敗 ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

【外交・外務省・国際情勢・地政学・国連・安保理・ICC・サミット(G20、】」カテゴリの最新記事