路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【社説・01.07】:首相の年頭会見 国民と向き合う政治に変えよ

2025-01-11 07:00:15 | 【国会(衆議院・参議院・議運 ・両院予算委員会他・議員定数・「1票の格差」...

【社説・01.07】:首相の年頭会見 国民と向き合う政治に変えよ

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【社説・01.07】:首相の年頭会見 国民と向き合う政治に変えよ 

 石破茂首相はきのうの年頭会見の冒頭で「民主主義を改めて考える年にしたい」と切り出し、民主主義という言葉を繰り返した。主権者である国民の声を聴き、野党とも合意形成を図る政治の原点をかみしめているに違いない。

 少数与党での政権運営に絡んで、首相は合意形成のため「野党にもこれまで以上に責任を共有してもらうことが求められる」と強調した。自らには「次の世代の国民に対して責任を持つ責任与党でなければならない」と課した。

 衆院選で大敗して2カ月余りが過ぎた。野党の賛成がなければ法案が通らない現実を前に、丁寧な説明や審議を心がける姿勢は見える。だが、臨時国会で規模ありきの政府補正予算案をほぼ変えず、国民民主党が提起した「年収103万円の壁」の引き上げで税や社会保障の抜本的な議論に持ち込むわけでもない。また日本維新の会とは教育無償化の政策協議を始めた。

 野党と個別協議に持ち込み、数合わせに躍起になっているように見える。将来世代に負担を先送りする、やみくもな財政出動にもつながりかねない。自民党の政権維持を最大の優先事項にする旧来の政治そのものではないか。1強時代に与党の事前調整で予算も法案も決め、数でごり押しして国会審議をないがしろにしてきたやり方を省みるべきだろう。

 長年のそうした政治が、経済力低下や低賃金、時代や家族の在り方とずれた社会保障と税、格差拡大を変えられずにきたのではないか。国政選挙の投票率低迷や既存政党への不信を招いた面もあろう。いわば民主主義の危機を招いたわけで、脱却すべきだ。

 最たる国民とのずれは「政治とカネ」の問題である。臨時国会でようやく使途の公開が要らない政策活動費の廃止など一定に政治資金改革を進めたが、企業・団体献金の禁止に踏み込んでいない。会見で首相は「真摯(しんし)に議論する」とし、本年度末までに結論を目指す考えを示した。

 これは30年前の政治改革で積み残した議題であり、なお生ぬるい。派閥裏金事件を巡っても、昨年末に開いた衆参両院の政治倫理審査会で当該議員が弁明に立ったが、真相解明どころか疑問は強まった。政治不信の払拭にはリーダーシップが欠かせないが、熱意が伝わってこない。

 通常国会で示すべきは、民主主義に資する国会への変革と、政策の熟議である。その点、会見で政府提出を目指す年金制度改革の法案について与野党協議を呼びかけたのは大事な一歩だ。103万円の壁の議論とも関わり、超高齢社会での社会保障の在り方で知恵を出し合う機会になる。

 昨年末から年頭にかけ、首相からは少数与党を巡る政局の発言が目立った。夏の参院選に合わせた衆参同一選の可能性に言及し、野党との大連立を「選択肢としてあるだろう」とも語った。会見で否定はしたが政権維持への執着ばかりが先立つように見える。

 少数与党として、国民と向き合う政治に変える務めこそ最優先で果たすべきだ。

 元稿:中國新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【社説】  2025年01月07日  07:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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