沖縄の仲井間知事の辞職を要求する決議が採択されました。これ自身は極めて画期的なことだという点では各紙一致しています。しかし、この決議に先立って、再び政府に対して意見書が採択されたことは、あまり位置づけられていないようです。そこに、各紙のスタンスが透けて見えてきます。
今日の赤旗の一面は、以下の文字が見えます。
沖縄県民は新基地許さない 辺野古への「移設」断念を 県議会が意見書可決
安倍自民党政権が沖縄の自民党と沖縄選出の国会議員に執拗に変質を迫って公約違反を強要してきた地方自治・国民無視の姿勢に対する沖縄県民の意思が、普天間基地の閉鎖・撤去の速やかな実現と、同基地の同名護市 辺野古への「移設」断念を求める意見書となって具体化したものです。これは、この間自民党を含めて採択された決議と同じものでした。しかし、このことについて、以下のNHKと各紙の報道では不明です。
ここに安倍自公政権に対する各紙の態度の曖昧さが浮き彫りになっているのではないでしょうか。この決議は、日本民族が、アメリカに押付けられた米軍基地を、その代理人である自民党政治に対する抗議を含めて、基地の撤去を求めた貴重なたたかいであるのです。これは沖縄県民だけの問題ではありません。施政権が米国憲法下から日本国憲法下に返還された沖縄で起こったことなのですから、日本国民というべき性格の問題です。沖縄県民の問題でないことは明らかです。
日本のマスコミが、国民の知る権利を保障するつもりがあるのであれば、沖縄と本土という区分をするのではなく、日本国憲法と日米軍事同盟の矛盾を、日本国としてどのようにしていくのか、という視点で報道すべきなのです。このことを曖昧にしたまま、未来永劫、この関係を続けていくつもりなのか、です。安倍自公政権とその亜流政党は、そのつもりですが、沖縄に集中的に顕れている、この矛盾をどのように解決していくか、その解決方法をハッキリさせていくことです。
その点で、この沖縄の全会一致で決議されたことを受けた今回の意見書採択を意味づけるべきなのです。今後、このことを意味づけた報道が出てくるか、その時点で検証してみたいと思います。
それでは、以下、記事を掲載しておきます。ご覧ください。
NHK 沖縄県議会 仲井真知事の辞任求める決議を可決 1月10日 23時27分http://www3.nhk.or.jp/news/html/20140110/k10014421821000.html
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沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題を巡って、臨時の県議会が開かれ、仲井真知事が名護市辺野古の埋め立てを承認したことは県外移設を掲げてきた公約に違反しているなどとして、辞任を求める決議が賛成多数で可決されました。
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設問題を巡って、仲井真知事が先月、日米合意に基づいて政府が申請した名護市辺野古沿岸部の埋め立てを承認したことを受けて、10日、県議会の臨時議会が開かれ、野党側が知事に辞任を求める決議案を提出しました。
この中では、仲井真知事が埋め立て申請を承認したことについて、「選挙で『県外移設』を掲げた政治家としての公約違反であり、県議会が重ねて全会一致で求めてきた『県内移設反対』の決議を決定的に踏みにじるものだ。もはや県民代表の資格はなく、公約違反を認め、県民に信を問うべきだ」などとして、辞任を求めています。採決が行われた結果、決議は野党などの賛成多数で可決されました。決議に法的な拘束力はありませんが、沖縄県議会で知事に辞任を求める決議が可決されたのは初めてです。これについて仲井真知事は、「埋め立て申請の承認は法律にのっとって審査を行い、承認を判断した。公約に違反するものでは全くなく、県民および県議会の理解を得るために説明を行ってきた。決議が可決されたことは極めて遺憾だ。今後とも、基地負担の軽減や沖縄振興といった公約の実現にまい進する所存だ」というコメントを発表しました。(引用ここまで)
仲井真知事の辞職求める決議可決 沖縄県議会(22:54) 1月10日22時54分http://www.asahi.com/articles/ASG1B4Q46G1BTPOB003.html
沖縄県議会は10日、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の移設をめぐり、仲井真弘多(ひろかず)知事が名護市辺野古の埋め立てを承認したことに抗議し、辞職を求める決議案を賛成多数で可決した。県議会事務局によると、辞職要求決議は初めて。仲井真氏は12月の任期満了まで務める意向だが、県議会は少数与党で、県政運営は困難になりそうだ。
開会中の臨時議会に緊急動議で提出された。採決では、社民・護憲、県民ネット、共産、沖縄社会大衆の野党4会派に加え、中立会派の地域政党そうぞうが賛成。自民と公明は反対した。決議は、知事による埋め立て承認を「公約違反」だとした上で、承認に至る経緯や仲井真氏の説明について「議会軽視で許されない。『公約を変えていない』と開き直る態度は県民への冒瀆(ぼうとく)」「もはや県民代表の資格はない」などと批判。「任を辞して信を問う」ことを求めた。県内移設を認めるそうぞうに配慮し、「県内」を批判するのでなく、仲井真氏の態度を問題視する内容となった。
これに先立ち県議会は、辺野古移設を断念するよう政府に求める意見書を、野党4会派と公明の賛成多数で可決した。(山岸一生)(引用ここまで)
毎日 沖縄県議会:仲井真知事の辞職要求決議を可決 (22時53分)
読売 沖縄知事の辞職勧告、県議会が決議 (01 :03 ) 基地移設
産経 沖縄知事に辞任要求決議1.10 23:08
これに先立ち、同県議会は名護市辺野古への移設断念などを政府に求める意見書を賛成多数で可決した。(引用ここまで)
日経 仲井真知事の辞任要求を可決 沖縄県議会 10日
これに先立ち、県議会は普天間基地の早期閉鎖・撤去と辺野古移設断念を政府に求める意見書を賛成多数で可決した。野党会派に加え、与党の公明党も県外移設を唱える立場から賛成した。(引用ここまで)
東京 沖縄知事に辞任決議 県議会初、野党主導 (23:28)
【共同通信】 沖縄知事に辞任決議 県議会初、野党主導 2014/01/10 23:28
野党、知事の辞任を要求 「公約違反」と追及(2014.1.10)
沖縄タイムス 知事辞任要求可決:[解説]誤った沖縄像発信に憤り(2014年1月11日 08:00)
沖縄タイムス 知事辞任要求を可決 賛成多数、県議会初(2014年1月11日 06:00)
本会議では抗議決議に先立ち、政府に対する二つの意見書案も採決され、野党提出の「普天間の閉鎖・撤去と辺野古断念を求める意見書」を賛成多数で可決。与党自民の「一日も早い普天間の返還と危険性除去を求める意見書」は賛成少数で否決された。(引用ここまで)
琉球新報 県議会、「仲井真弘多知事の辞任求める決議」を可決【琉球新報】
決議は野党側が提案したもので、知事が政府の辺野古埋め立て申請を承認したことについて「選挙で『県外移設』を掲げた政治家としての公約違反だ」と指摘。普天間の県内移設に反対し、国外・県外移設を求める県議会の全会一致の決議を「決定的に踏みにじるものだ」と断じた。(引用ここまで)
【沖縄タイムス】知事、公約違反を否定 承認は妥当 2014年1月10日 08:01
知事は「辺野古をノーだと一度も言ったことはない」とする一方、移設実現は困難とする考えも重ねて示した。5年以内の運用停止が実現して普天間の機能を県外へ移した場合でも、辺野古に代替施設が完成すれば「かなりの機能が戻ってくることは当然予想される」と答弁。県外は暫定的なもので、基地機能が将来的に辺野古へ移されることを容認する考えを示した。本会議では自民党と野党4会派がそれぞれ政府への意見書案を提出し、10日の米軍基地関係特別委員会で審査される。自民は政府に一日も早い普天間の返還と危険性除去、野党は普天間の閉鎖・撤去と辺野古断念を要求。与党公明党が賛成すれば野党案が10日の本会議で委員長報告で採決される見通しだが、自民案も本会議で採決される可能性もある。野党4会派は辺野古埋め立てを承認した知事に対する抗議決議を検討しているが、辞任要求を盛り込むかどうかをめぐり協議が難航し、決議提出は流動的だ。野党議員らは本会議で、辺野古埋め立てを承認する一方、県外移設は取り下げていないとする知事の姿勢を「矛盾している」と追及。知事は「辺野古は時間がかかる。一日も早い危険性の除去は県外移設でしかできない」と反論。現時点で取り得る環境保全措置は取られているとし「基準に適合しており、名護市長や利害関係人からの反対意見を勘案しても総合的に承認せざるを得ない」とした。(引用ここまで)