TPP参加の12カ国の経済規模は世界の4割弱!
何故、今巨大経済圏が必要か!
何故、仲介役として、日本が一定の役割を果たしたか!
中国人民のパワーに怯える日米の策略TPP
対中「危機」「脅威」を扇動し日米軍事同盟深化論とは
経済版=TPP・アベノミクス・武器輸出
軍事版=戦争法・自衛隊海外武力行使
法制版=憲法改悪
思想版=教育再生・靖国参拝・教育勅語礼賛
選挙対策=カネバラマキ
日本のGDPは5年後 中国の5分の1
自覚し日本はソフトパワーを磨け
日本経済大学大学院教授 叶 芳和
http://gendainoriron.jp/vol.04/rostrum/ro01.php
TPP大筋合意/巨大貿易圏で成長底上げ図れ
読売新聞/2015/10/6 4:00
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/20151006-OYT1T50010.html
◆日本農業の強化は待ったなしだ
アジア太平洋地域に、世界経済を牽引(けんいん)する新たな貿易・投資の枠組みが誕生する。環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が閣僚会合で大筋合意した。世界の国内総生産(GDP)の約4割を占める巨大な自由貿易圏の創設で、人やモノ、資金の流れが活性化され、経済成長を底上げする効果が期待できる。5年半に及んだ交渉は最後まで難航したが、先進国から新興国まで、様々な事情を抱える参加12か国が多くの利害対立を乗り越えたことを歓迎したい。
◆危機感共有で漂流回避
交渉は予定を4日延長して、ようやく妥結した。新薬開発のデータ保護期間を巡る協議などが、最後までもつれたためである。保護期間は、米国が12年、オーストラリアなどが5年を唱えたが、実質8年とする日本の提案が採用されたという。仲介役として、日本が一定の役割を果たしたのは意義がある。
TPP域内で生産された部品を何割使えば、自動車の関税引き下げなどの優遇を受けられるかという「原産地規則」に関する意見の相違も解消した。日本が4割、メキシコなどは6割超を主張したが、5割前後で妥協が成立したとされる。ニュージーランドが、日米などに乳製品の輸入拡大を迫っていた問題でも折り合いがついた。激しく対立してきた各国が、大局的見地から歩み寄ったことは評価できる。
数々の懸案で各国が譲歩に転じたのは、今回も物別れに終われば、交渉が漂流しかねない、という危機感を共有できたからだろう。
米国では今後、来年秋の大統領選をにらんで民主、共和両党の対決姿勢が強まり、合意への機運が薄れる恐れが指摘されていた。議長のフロマン米通商代表は記者会見で、「野心的な高いレベルの合意だ」と成果を強調した。
TPPは31分野にわたり、関税撤廃や規制改革などを約束している。発効すれば、多くの農産品や工業製品の関税が下げられ、公平で透明性の高い包括的な貿易・投資ルールが整備される。経済活動の自由度が高まり、生産拡大や雇用創出など、様々な恩恵を享受できよう。
各国は今後、速やかに合意案の議会承認を得て、協定発効へ着実につなげることが大切だ。
TPP参加で得られる利益と甘受すべき痛みを、国民に丁寧に説明することが求められる。安倍政権は、TPPを成長戦略の柱と位置づけている。TPPは、人口減で国内市場の縮小が見込まれる日本が、アジアの成長を取り込むのに不可欠な枠組みだ。
◆中国を牽制する役割も
TPPのルールを各国が順守することで、規制が突然変更されるといったリスクが低下し、企業は安心して域内国に進出できる。
道路や鉄道などのインフラ(社会資本)輸出を促進する追い風にもなろう。牛・豚肉など多くの輸入関税が下がれば、日本の消費者が受けるメリットも大きい。
安倍首相は、大筋合意について「価値観を共有する国による自由で公正な経済圏を作っていく国家百年の計だ」と語った。
TPPを主導する日米が結束し、同盟関係を深化させる効果も見逃せない。覇権主義的動きを強める中国への牽制(けんせい)となろう。世界最大の経済協定であるTPPの原則は「国際標準」となる。公正、透明なルールに従うよう中国に改革を迫り、世界2位の経済力を世界の繁栄に生かしたい。
TPPの副作用への対応も欠かせない。特に、関税の引き下げで、外国産品との厳しい競争に直面する国内農業への打撃を心配する向きは多い。農業の体質強化は待ったなしだろう。
◆予算のバラマキを排せ
TPPを単にマイナス材料とみなさず、むしろ未来の農業を形成する好機と捉えてはどうか。IT(情報技術)導入や農地の大規模化で生産性を上げたり、戦略的な輸出で農業の稼ぐ力を高めたりする事業に注力すべきだ。コメ市場が部分開放された1993年のウルグアイ・ラウンド合意では、8年間で計6兆円規模の対策費が投じられた。土地改良など公共事業が中心で、競争力を高める効果は乏しかったとされる。同じ轍(てつ)を踏んではなるまい。
来年夏の参院選を意識し、自民党内からは、TPP対策を名目に農業予算の大幅増を求める声が出ている。バラマキを排し、農業再生に資する事業に予算を重点配分できるかどうかが問われよう。(引用ここまで)
TPPにあわせて国内の構造改革を進め、経済の活性化につなげるべき?
本末転倒だろう!
6兆円超を投じたものの
大半は農業土木に費やされ、農業の体質強化につながらなかった
その責任は不問か!
外国産の農産品を今より安く手に入れやすくなる
今、国民が求めているのは
目先の痛みを受け入れ
長い目でより大きな自由貿易の果実を得るのか?
安全安心地産地消の第一次産業の発展ではないのか!
国内経済消費の活性化ではないのか!
賃金・雇用・福祉・子育ての改善ではないのか!
TPPテコに世界経済の活性化を
日本経済新聞/2015/10/6 4:00
http://www.nikkei.com/article/DGXKZO92502720W5A001C1EA1000/
歴史的な成果だ。日米を含む12カ国による環太平洋経済連携協定(TPP)交渉が、大筋合意に達した。
12カ国の経済規模は世界の4割弱を占める。世界最大の自由貿易圏をつくる道筋ができた。日本をはじめ各国はこれにあわせて国内の構造改革を進め、経済の活性化につなげるべきだ。約5年半に及んだ交渉は、先月30日から開いた閣僚会合で実質的に妥結した。交渉が年単位で漂流するおそれもあっただけに、各国が歩み寄った意義は大きい。
貿易・投資の新ルール
最後まで難航したのは、医薬品のデータ保護期間の扱いだ。製薬企業を抱える米国が12年を主張したのに対し、オーストラリアは5年を求めていた。結論として8年で折り合った。ニュージーランドが求めていた乳製品の市場開放については、日米などが受け入れた。自動車の関税撤廃ルールでは、一定の割合の部品をTPP域内でつくれば関税撤廃の条件を満たすという「原産地規則」で、日本とメキシコなどが合意した。
通商協定は、各国が互譲の精神で目先の痛みを受け入れ、長い目でより大きな自由貿易の果実を得るようにするのが鉄則だ。今回の決着は全体として均衡のとれた内容といえるのではないか。
TPPの意義は、高い水準の貿易・投資のルールにある。物品の関税撤廃・削減だけでなく、投資、サービス、知的財産権など範囲は多岐にわたる。環境、労働、国有企業といった分野も含む21世紀型の協定といえる。
域内のヒト、カネ、モノ、サービスが自由に行き来しやすくなることで、域内の国内総生産(GDP)を0.9%分、日本のGDPを2%分押し上げる効果があるとの試算もある。
日本企業の利点は大きい。
例えば日本からエンジンをマレーシアに輸出し、そこで組み立てた最終製品を米国に輸出する。そんな柔軟な供給網を構築しやすくなる。サービス業でも日本のコンビニエンスストアがマレーシアやベトナムに進出しやすくなる。日本企業は攻めの経営でさらなるグローバル戦略に打って出るときだ。農産品の分野では、日本は米国産とオーストラリア産のコメの輸入枠を設けるほか、牛肉や豚肉の関税率を大幅に引き下げる。
日本の消費者にとっては、関税の削減・撤廃により外国産の農産品を今より安く手に入れやすくなる。一方で米国も和牛などにかかる関税を将来撤廃するため、日本からの輸出増加も期待できる。
今後の焦点は国内の農業対策に移る。
TPP締結で国内の農林水産物の生産額は3兆円程度減少する、と日本政府は試算している。市場開放の影響を緩和するための一定の対策は必要だ。
しかし、1994年にまとめた関税及び貿易に関する一般協定(ガット)ウルグアイ・ラウンド対策では事業費ベースで6兆円超を投じたものの、大半は農業土木に費やされ、農業の体質強化につながらなかったとの指摘は多い。安易なバラマキは慎み、コメの生産調整(減反)廃止や、農協改革との相乗効果で農業の生産性を高める対策にお金を重点配分すべきだ。
歴史上、TPPは93年に妥結したウルグアイ・ラウンド以来の大きな通商協定となる。
自由貿易圏を広げよ
欧州連合(EU)は米国との間で環大西洋貿易投資協定(TTIP)を交渉している一方で、日本とは経済連携協定(EPA)交渉を始めている。日本はTPP合意をテコに、EUとの交渉妥結を急ぐべきだ。
さらにアジア太平洋経済協力会議(APEC)参加の21カ国・地域が自由貿易圏をつくる構想がある。TPPはその一里塚だ。
TPP、日中インドを含む16カ国による東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、日中韓自由貿易協定(FTA)のすべての交渉に参加しているのは日本だけだ。
この地域の自由貿易圏づくりを主導してほしい。
中国をはじめとする新興国経済が減速し、世界経済の下振れリスクが強まっている。そんな時こそ保護主義に対抗し、自由貿易を通じて世界経済を下支えしようとする努力がきわめて重要になる。
大事なのはTPPを経済の変革につなげることだ。企業は競争を通じ収益力を磨き、個人も海外のサービスや人材と触れあい研さんを積む。そんな努力を重ねれば、アジア太平洋地域が世界経済のけん引役であり続けるだろう。(引用ここまで)